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マグマ大使(9-2) [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第46話『怨霊怪獣海坊主対マグマ大使』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;石堂淑朗
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;照井 栄
 監督;船床定男・菊地 奛

〖怨霊怪獣 海坊主〗登場

【前回までの話は・・・
日光にだけ出現する謎の怪獣・海坊主。若者が乗る車を襲い、破壊した後すぐに姿を消すという不可解な行動に、村上達はゴアの送りこんだ怪獣では無いと考える。はたして正体は何者なのか?取材のため日光へ飛んだ木田は現地でマモル達と合流し、いろは坂にさしかかった所で車を襲う海坊主に遭遇した。マモルはマグマ大使を呼んだ・・・】


◆アースに言われ、海坊主を見るために日光へ来ていたマモルとガムに現地で会った木田は、いろは坂を上って行く途中で海坊主と遭遇した。マグマ大使と戦う海坊主の姿をカメラに収めた木田だったが、そのフィルムをすぐ本社へ送った所、何も写っていなかったという。

危険を顧みずに撮った海坊主の姿が写ってない。これはどういうことなのだろうか。
『木田さんの腕が、悪いんじゃないの?』

ガムがいたずらっぽく、笑いながら言う。だが腕は悪くても、被写体である海坊主をカメラのレンズは確かに捕らえていた。カメラのレンズは精密機器だ。腕が悪くても、何かしら写っていなくてはおかしい。人間の目もカメラのレンズと原理は同じだ。

なのに、どうして人間の目には見えて、レンズを通したら写らないのだろうか。三人が意見をぶつけ合った結論は、こうだ。
「あの海坊主は人間の目には写るが、カメラのレンズを通すと写らない」

まさに妖怪かお化けだ。巨大化した海坊主が、いろは坂にまた出現した。車をつかんでは投げて、破壊を繰り返す。ゴアは、この海坊主を自分の味方に引き入れたいと思った。力で押さえこめば、逃げ込んでいく先に海坊主をあやつる者がいるはずだと、ゴアはにらむ。

ゴアは円盤でいろは坂に現れると、海坊主に徹底してレーザー光線で攻撃した。海坊主はゴアの円盤に反撃出来ず、いろは坂での破壊活動を止めて逃げて行くのだった。巨大な体を人間大まで小さくした海坊主は、いろは坂有料道路を逃走していく。料金所を通って逃げる海坊主を、係員が目撃していた。

ゴアは、逃げる海坊主のあとを追跡した。海坊主は、二荒山神社の中へ逃げ込んでいく。幽霊のように扉を素通りして行き、二荒山神社の宮司・原田伍助の部屋へ逃げ込む海坊主。部屋の中では、ひとり原田伍助が考え込んでいるかのように、じーっとしていた。

音もなく部屋に入ってきた海坊主は、伍助の横にくると幽霊のようにスーッと消えた。海坊主の逃げ込んだ先を、特定することに成功したゴア。伍助は突然目を覚ますと、叫んだ。
『ゴアのヤツに邪魔された!折角いろは坂で、人間どもを捻りつぶしてやったのに!』

かに星雲からの異常電磁波を人間が呼び寄せ、その人間の心と相まって海坊主を作り出しているに違いないと、アースはマグマたちに告げた。人間の愛は偉大だが、その愛が一旦憎しみに変わると大変なことが起こり得るというのだ。

アースは、ゴアがその悪い心を利用しようとしていることを看破した。マグマ大使は、海坊主を作った人間の心を改心させればいいのではと言うが、本人が目覚めない限りは難しいと、アースは答えるのだった。

海坊主が逃げ込んだ付近には、かに星雲の超電磁波が充満していることが調査で判り、部下がゴアに報告した。しかも、孫を交通事故で無くし悲嘆にくれる老宮司が住んでいることも、報告された。

『では、その老人が何かのはずみでカニ星雲の超電磁波を呼び寄せ、あの海坊主を作ったというわけだな!』
ゴアもアースと同様に、海坊主の正体に肉薄していたのだった。

宮司の伍助は、孫の太郎を交通事故で死なせた車の運転手や、世間の車すべてが憎いという気持ちで、心が満ち溢れていた。伍助は、自分の夢が現実の事故となって報道されていることに、気付きだしていた。

『ワシが夢の中で車や飛行機をやっつけると、同じことが実際に起こっている。今日もいろは坂で大事故があった。その時ワシは、夢の中でいろは坂にいた・・・』
伍助が自分の夢と実際の事故との関連を考えている時、笑い声と共に伍助の前に現れたゴア。

目の前のゴアに驚く伍助。
『お前がゴアか!人類を滅ぼそうとするゴアか!』

『人類を皆殺しにしたいと思っているのは、老人、あんたもおなじではないのか?事故で死んだ孫の運命を呪うあまり、人類の滅亡を願って海坊主を作り出したではないか!』

伍助の持つ悪い心とカニ星雲の超電磁波が合力して海坊主を生み出していることを、ゴアは伍助に説明してやった。
『老人、この俺さまと手を結ぶことにせんか?』
『お前と手を結ぶ?』

ゴアも伍助も、人類せん滅という同じ目的を持つ。その二人が手を結べば、無敵であることを力説するのだった。海坊主を作り出しているのが伍助自身であることにまだ気付かない伍助に、ゴアは心の中で人類への憎しみを強く抱くよう勧める。

すると、伍助の横に真っ白な海坊主がすーっと出現した。伍助は驚きの表情で問いかけた。
『お前は・・・ワシの憎しみの姿なのか・・・』

木田、マモル、ガムの三人は、村上から連絡を受けて、海坊主がいろは坂有料道路を走り抜けて、二荒山神社の方へ逃げて行ったという目撃情報を聞きつけていた。三人が二荒山神社の付近を歩いている時に、ゴアの電波を感じると言うガム。

不思議に思いながらも、三人は二荒山神社へ行ってみることに・・・そこで三人は、宮司の伍助とゴアが対話している様子を目撃する。ゴアの目の前で、伍助が海坊主を生み出すところを目撃し、「とても信じられない」という気持ちで逃げだしてくる三人。

人類を滅亡させたい気持ちが強い伍助は、ゴアに協力することを申し出るのだった。見られたことを察知したゴアは、三人の後を追いかけてくる。ゴア、伍助、そして人間大の海坊主が、木田たち三人に迫まる。

マモルはマグマ大使を呼んだ。すぐにジェット音がして、マグマがやって来た。
『海坊主、ゴアに味方したとあらば、容赦はせぬ。さぁ来い!』

海坊主は巨大化して、マグマと対峙した。いろは坂での決戦!マグマが海坊主を持ちあげて放り投げると、投げられた海坊主は姿を消してしまう。変幻自在な海坊主に、マグマは手こずる。マグマが海坊主の首を絞めにかかると、伍平が苦しみ出した。

海坊主の苦しみは、伍平の苦しみなのだ。弱り出し逃げていく海坊主に、マグマのミサイル攻撃が命中した。伍平は気を失って倒れ、海坊主はみるみる小さくなり、爆発して果ててしまう。
『マグマは、一人の人間を殺したのだ!何が地球の守り神だ、人殺し!』

ゴアは捨て台詞を吐いて、消えていった。だがマグマ大使が殺したのは、この老人の悪い心だ。マグマ大使のツノから再生光線が伍平に浴びせられ、伍平は意識を取り戻す。のど元を苦しそうにさすりながら、優しい顔になる原田伍助。マグマ大使は、一人の人間の心を救ったのだった。   (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラセブンでは、予算が無くて宇宙人が出ないストーリーを書くことになったという市川森一氏の話は有名だが、今回のマグマもそんな話の一つではないか。着ぐるみには予算がかかってないように思う。『マグマ大使』は、着ぐるみよりもミニチュアの方にお金がかかるみたいなので(笑)
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マグマ大使(10-1) [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第49話『再生怪獣キンドラ出現!』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;開米栄三
 監督;船床定男

〖再生怪獣 キンドラ〗登場


◆ゴアにとっては、広大な宇宙のすべてが自分のモノだという認識である。人類の打ち上げたロケットが宇宙を飛んでいるのをみかけたゴアは、自分の庭に土足で踏み込んできた侵略者だと、人類のことを断じた。侵略者は討たねばならない。

今、金星付近を飛行している人類初の太陽系一周ロケットのアンドロメダ3号に、ゴアが仕掛けたワナは「オレンジ作戦」だった。

ゴアの円盤から噴射したオレンジ色の煙のような物体が、アンドロメダ3号の機体をほぼ覆い尽くした。ロケットの窓はオレンジ色の塗料が塗られたかのようになり、ロケットは故障して制御不能になってしまった。

『宇宙センターへ!こちらアンドロメダ3号。噴射装置故障!駄目だ、予備ロケットも故障・・・あっオレンジ色が鳴いている・・・』

この通信を最後に、アンドロメダ3号との交信は途絶えてしまう。この通信記録のテープは国際スクランブル隊本部にもたらされ、救出方法を検討していた。だが、宇宙へ行く方法は、スクランブル隊も持ってはいないのだ。

海老名隊長のもとに集まっていた村上や木田も、手の打ちようがない。だが、ニュースを見て飛んで来たマモルが一言。
『あるよ。マグマ大使に頼むんだ!』

マモルの笛を聞いたマグマに、アースが告げる。
『マグマ、用件は判っておる。人類最初の太陽系一周ロケットが事故を起こし、宇宙を漂っているのだ。強力磁石を装備して、すぐに行くがよい』

アースは、マグマが救助へ向かったことをスクランブル隊へ伝えるようにと、ガムに指示した。宇宙空間に漂うアンドロメダ3号を発見したマグマは、磁力でロケットの腹部に吸いつけると、そのまま地球へ運んでいた。

ところが、男鹿半島上空を飛行中に、突然強力磁石を離れてアンドロメダ3号は落下していってしまう。原因はマグマにも判らなかった。マグマは、このことを至急スクランブル隊に連絡するのだった。

アンドロメダ3号が落下したと思われる地点は、磁石から離れた地点から推測して、蔵王付近だと思われた。救援隊を送る準備を始めるスクランブル隊。

落下現場付近を、近くに住む猟師二人が歩いていた。アンドロメダ3号の落下をみた猟師たちは、山奥に墜落したロケットを見て驚く。きれいなオレンジ色に輝くその残骸。飛行士2人はすでに死亡していた。

猟師たちは、オレンジ色に輝く機体の一部を見て、「宇宙の金」だと思った。現金に交換できると思った二人は、そのオレンジ色に光る金属を一かけら持って、山を下りて行った。

一方、スクランブル隊の出す救援隊より、一足早く現場へ向かったマモルとガムは、オレンジ色に光るロケットの残骸を発見するが、それらが音を出していることに気付く。いや、鳴いているといった方がより近い。金属同士をこすった時に出るような、チイチイという嫌な音だ。

すると、一部が突然爆発を起こし、そこからトカゲのような怪獣が出現した。ゴアがそれをみて叫んだ。
『キンドラ行け!キンドラ星の怪獣の威力を、人類どもに見せてやれ!』

結果的に、マグマ大使は怪獣を地球へ運んで来てしまったのだ。まんまと、ゴアの策略にはまってしまったマグマ大使。マモルとガムは、怪獣を見て、急いで草かげに隠れた。
『チクショウ!お父さんはゴアに一杯食わされたんだね』

ガムはロケットに変身すると、怪獣キンドラに果敢に向かっていった。熱線砲を浴びせるも、ガムの身体が小さいために放射されるエネルギーも小さく、効かない。キンドラの口から放ったオレンジ色の光線が、ガムに照射された。よろよろと森に落ちてしまうガム。

ガムが落下した場所へ行き、ガムを介抱しながらマモルは聞いてみた。
『しっかりしろ、ガム。あのオレンジ色の光線はなんだ?』
『わかんない・・・』

だが、かなりのダメージがありそうなガムの表情。マモルは、すぐにマグマ大使を呼んだ。スクランブル隊と村上達が、蔵王山のロケットが落下したと思われる地点に到着した。蔵王山中にはマグマ大使が現れて、キンドラと対峙していた。

キンドラの吐くオレンジ光線を避けると、進撃するマグマ。
『さぁ、いくぞ!』

キックがキンドラの顔面に決まり、四足歩行怪獣のキンドラは裏返しになって腹を見せたまま立てない。すかさずキンドラの尻尾を持って引っ張ろうとするマグマ。しかし、キンドラの尻尾がトカゲのようにプチッと切れて、マグマの左わきに抱えて残っていたのは、切れた尻尾の先だけであった。

尻尾が切れて身軽になったキンドラは、マグマから走るようにして逃げて行く。だが、キンドラの尻尾の付け根からは、皮膚の色が少し違う新しい尻尾がもう生えてくるのだった。突然キンドラの回りに爆発が起き、キンドラは姿を消してしまうのだった。

オレンジ色に光るロケットの破片を金目の物だと思った猟師たちは、それを宝飾店に持ち込んで現金に換えようとしていた。

応対した女性店員は全く話に応じないので、オレンジ色に輝く破片をポケットの中から出して見せようとして、突然手の痛みを訴えだすのだった。ポケットから手を出してみると、右手が白骨化していた。

病院に運ばれたのは、その猟師たちだけではなかった。宝飾店の女性店員も足にオレンジ色の何かが付き、苦痛を訴えて入院した。

先に運ばれた猟師たちは、ふたりとも半日の内に全身が白骨化して死んでしまった。病院で取材した村上達は、猟師たちを保存していた霊安室で、チイチイと鳴いているオレンジ色のベットリとした物体を発見する。

村上はこの物体を採取して山形大学の細菌研究所へ持ち込み、分析してもらうことにした。
『このオレンジ色のモノは、今まで地球には存在したことのない生物だ。一言で言えば、大宇宙の人食いカビと言った方がいい・・・』

人間ばかりか、動物・植物・鉱物あらゆる物を食い尽くす、凄まじい繁殖力を持つ宇宙カビであることが判明する。ガムはキンドラの光線を浴びていることを思い出すマモル。
『ガムが危ない!』

対策を尋ねる村上に、細菌研究所の博士は「ウーン」と言ったまま、言葉が無い。再び出現したキンドラに、アースはマグマに出撃を命じた。だが、キンドラの吐く宇宙カビは、ロケット人間の身体をも溶かす力を持つことを、アースはマグマに念を押す。

だが、キンドラと対戦したマグマ大使は、不覚にもオレンジ光線を浴びてしまう。しかも、キンドラは身体の再生能力が速い。ミサイルで破壊した左腕が、あっという間に新しく生え変わるのだった。

宇宙カビを浴びたガムやマグマの運命は? そして、人類を恐怖のズンドコに陥れる宇宙カビの対策は、どうすればよいのか?  (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回は、ゴアのスーツアクターで声も担当されている故・大平透氏が、細菌学研究所の博士役で出演されている。約50年前のフィルムなので、さすがにお若い。重労働のスーツアクターさんの仕事に対して、ねぎらいの意味でこのようにチョイ役で顔を出すことは、よくあることである。

最後に、「恐怖のズンドコ」は「恐怖のどん底」の間違いである(笑)。これは、昔ある女優さんが焦っていて?思わず言ってしまった言葉であることを、明記しておく。おしまい(笑)

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マグマ大使(10-2) [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第50話『くたばれ!宇宙カビ怪獣キンドラ』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;開米栄三
 監督;船床定男

〖再生怪獣 キンドラ〗登場

【前回までの話は・・・
ゴアは、アンドロメダ3号にオレンジ色の宇宙カビを付着させて制御不能にし、ロケットを救助にきたマグマ大使に地球まで運ばせてしまう。宇宙カビは、人食いどころか全てのモノを食べ尽くす恐ろしいカビであり、宇宙カビから発生した怪獣キンドラは、オレンジ色の宇宙カビを口から吐き出す。マグマもガムもキンドラと戦っているさなかに、宇宙カビを身体に浴びてしまうのだった・・・】


◆キンドラの出現を知り、アースの命令で火山島を出撃していくマグマ大使。マグマはキンドラの吐くオレンジ色の宇宙カビを浴びながらも、熱線砲でキンドラの左手を吹き飛ばす。

だが、トカゲの尻尾を切っても生えてくるように、怪獣キンドラの身体もすぐに再生する能力があった。マグマに破壊された左手の傷口にオレンジ光線を吐いてしばらくすると、その傷口から新しい皮膚の左手が立ちどころに生えてくるのだった。

再生怪獣に対し、マグマは大技・ジェット気流でキンドラを吹き飛ばしてバラバラにしてしまおうとする。だが、上空の円盤からその様子をみていたゴアは、ジェット気流の威力を知るだけに、急いでキンドラに逃げるよう命令するのだった。

キンドラは自分の身体を爆発させて、マグマの前から姿を消した。キンドラを逃がしたマグマは、火山島に帰ってその様子をアースに報告した。

・キンドラは手足を切ってもすぐに生えてくる再生怪獣であること
・危険が迫ると自分の身体を爆発させて逃げること
・宇宙カビが体内に充満しているために、身体を再生できるらしいこと

マグマにとってジェット気流は、死を覚悟して行う技であった。だからこれ以上ジェット気流を使うことは、アースが許さなかった。しかし、他にキンドラを倒す良い方法があるのだろうか・・・。

その頃、宇宙カビに感染した患者たちを取材していた村上とマモルは、興味深い話を聞き込んでいた。それは亡くなった患者の中に、ジュータンのように広がるオレンジ色の宇宙カビの中に咲く、緑色の花を見た者がいるという話であった。それはどういうことなのか。

すべてを食い尽くす宇宙カビの通ったあとに、一木一草生えてはいないはずなのだ。その話は、亡くなった数名の患者がしていたということから、患者が死ぬ間際に見た幻ではないかと海老名隊長は思った。

だが、記者としての勘が働く村上は、その話にとても興味を持つのだった。そんな時、村上達の前に現れたガムの母・モル。

『皆さん、アース様からの言付けがあります。キンドラ星には宇宙カビに対応するもう一つのカビがあるに違いない。アンドロメダ3号によって地球に運ばれてきたものの、地球環境に馴染めずに繁殖が遅いのではないか、というお話です』

亡くなった患者たちが見たという緑色の花は、宇宙カビに対応するカビなのかもしれない。マモルは、ガムに乗って上空から緑色の花を探すのだが、どんな形をしているのかもわからず、簡単に見つかるはずもなかった。

一方、村上は病院を回り、入院中の宇宙カビ感染患者の中に「緑色の花」を見た者がいないか、探し回っていた。病室を何部屋か回ってみたが、一人も見つからない。患者は骨が見える程の重症で、痛みを何とかしてほしいと訴えるばかりだった。

そんな中に、「ヒカリガダニ」で緑色の花を見たという患者を発見する村上。だが話し終えると、その患者は息を引き取ってしまうのだった。「光が谷」は宇宙カビの汚染地帯になってしまっている。

だが、緑色の花を探せば患者たちの命が助かるのなら、ぜひ探しに行かねばならない。村上はマモルを車に乗せて、光が谷へと向かった。

橋の手前で検問をしているスクランブル隊たちに、「光が谷に行きたいので」と話す村上。
『これから先は、危険です・・・』

すぐそこまでオレンジ色の宇宙カビが迫っているという。仕方なく引き返すことにした村上とマモルは、光が谷の分校から町まで歩いていく、子供達と先生を見かける。疲れた様子の子供たちを、車に乗せることにした村上。

町に向かって車を走らせていると、突然飛び出してきた労務者風の男二人。車に乗せて欲しいとせがむが、定員は一杯だ。
『お前が降りればいいんだよ!』

村上とマモルを車から引きずり下ろし、スコップで村上に一撃を加えた労務者たちは、車を強奪して走り去ってしまう。

スクランブル隊が本部を置いているホテルでは、光が谷地区の避難が完了したという連絡を受けていた。海老名隊長は、光が谷地区へ向かった村上記者の行方を尋ねると、なんと行方不明であることが判明する。

夕暮れになる前に捜索しないと、救出が困難になる。村上記者の車を捜索していた部隊が、村上記者の車を盗難した労務者風の男2名を捕まえていた。

光が谷地区にまだいるかもしれない村上とマモルを、陽が暮れないうちにヘリコプターで捜索するスクランブル隊。

頭に大怪我をした村上は、歩くのもままならなかった。地図も無く、どこを歩いているのかも分からない村上とマモル。明るいうちに町まで逃げないと、助からないだろう。だが歩いている方角も分からず、ふたりは危険な光が谷地区のペンションに辿り付いてしまう。

陽が暮れて、オレンジ色の宇宙カビの輝きが窓ガラスにボーっと映っていた。遠くでチイチイとカビが鳴く声も聞こえている。ガムを呼ぼうとするマモルを、制止する村上。
『カビの中に着陸したら、ガム君もマグマ大使もやられてしまう』

怪我をしてもう動けない村上は、せめてマモルだけでも逃がそうと、マモルを無理やりドアの外へ追い出した。
『おまえだけ、先に逃げてくれ・・・パパの言うことを聞け!』

だが、マモルは父の元へ戻って来た。二人は覚悟を決めると、ペンション内の出来るだけ高い場所へ避難した。
『マモル・・・死ぬときは一緒だ』

2段ベッドで寝る村上とマモル。オレンジ色のカビがペンション裏まで迫っていた。だが、ペンション裏に咲いているのはたくさんの緑色の花だ!迫りくるオレンジ色のカビを、花びらから出す不思議な光で撃退する緑色の花たち。

翌朝、マモルはまず、父の姿を確認した。それからペンションの裏に行ってみると、緑の花がたくさん咲いていることをマモルは知った。
『パパ、緑の花だよ・・・僕たちは助かったんだ!』

村上に緑の花の存在を知らされた細菌研究所の博士は、早速分析して、その結果を博士から記者発表することになった。

『村上記者が命を賭けて発見した緑の花は、オレンジカビに対抗する外宇宙から来たカビの生育したものと判明いたしました・・・このカビを培養させて、オレンジカビを全滅させます。しかも、このカビは人体に無害です!』

人間に緑カビの存在を知られてしまったゴアは、最後の手段として、キンドラの体内のすべてのオレンジカビをばらまく計画を立てる。出現したキンドラに対し、マグマ大使はロケットになって、オレンジカビを退治する緑カビをキンドラの体全体に吹き付けていった。

オレンジカビの威力が弱ったのか、身体を硬直させて動かなくなったキンドラは、マグマとガムの熱線砲を受けて大爆発してしまう。

ロケットのガムとマグマは、オレンジカビに覆われた蔵王山全体に緑カビをまいて、オレンジカビを完全に駆逐するのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
キンドラ・後編でも、大平透氏は緑カビについて解説する博士役で、記者発表する姿が映っています。

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マグマ大使(11-1) [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第51話『宇宙怪獣ゴアゴンゴン襲来す』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;開米栄三
 監督;船床定男

〖宇宙大怪獣 ゴアゴンゴン〗登場


◆ゴアの円盤内では、人間モドキ達が焦っていた。かつてゴアが地球に送りこんだ宇宙怪獣達とマグマとの戦いの記録を見て、必死にマグマの弱点を探していた。ゴアは、それが何にもならないことを知っている。

『やめろ!今更、倒された怪獣どもを見てどうなる。最後に望みをかけたキンドラまでが、マグマに倒されてしまった・・・』

『ゴア様。もう宇宙には、マグマに対抗できる怪獣が一匹もおりません・・・我々はこのまま、マグマの軍門に下ってしまうのですか!』

ゴアは、発言した人間モドキを張り倒してやった。必ず地球を征服し、人間どもをコキ使ってやると、ゴアは息巻いた。
『しかし、マグマを倒す方法が・・・』

『ある!全宇宙に君臨する怪獣ゴアゴンゴンが、いるではないか!』
『ゴア様、それだけはいけません。怪獣ゴアゴンゴンは最後の切り札です!どうかそれだけは、おやめください!』

ゴアは、マグマとの最後の決戦を意識していたのであった。その頃、アースは火山島の洞窟に閉じこもったまま、もう3日も出てこなかった。モルとガムは、心配で仕方がない。しかし、マグマはアースを信頼して言う。

『アース様は、天地創造の神様だ。不慮の事故でお倒れになるようなことはない!』
すると突然、今まで明るかった空が光を失って真っ暗になった。不安になるモルとガム。マグマもこれには驚いて、警戒するのだった。

ガムは、ロケットに変身して飛び出していくと、日食であることがわかり戻ってきた。一方、宇宙にいるゴアも円盤から地球を見て、暗闇に包まれていることに不審を抱いた。

『地球の様子がおかしいな!見ろ、暗黒だ』
『日食です。不思議なことはありません』
『だから、お前達はマヌケだと言うのだ!今日は日食が起きる日ではない!』

ゴアは、何か異変を感じていた。その理由がどうしても知りたいゴアは、イライラして人間モドキ達に言った。
『エーイ、何をグズグズしているのだ!宇宙のあらゆる所に円盤を飛ばして調べるのだ!』

ゴアは地球にスパイを送り、地球の情報も収集するのだった。ゴアは一体、どこへスパイを送りこんだのか。気象庁でも日食の原因がつかめず、困惑していた。容易ならざる事態が起こりつつあることを、NPI東京支局の村上は感じていた。

村上宅にガムがやって来て、マモルを乗せると火山島へと戻って行った。マモルを火山島へ呼ぶように指示したのは、アースだった。
『マモル君にわざわざ来てもらったのは、最後の別れを告げたかったからじゃ』

マグマは、今の言葉を聞いて驚いた。
『あの日食は、ワシの命を暗示するしるしじゃ。そうじゃ。お前達に別れを告げて、オリンポスの神々のもとへ行かねばならなくなったのじゃ・・・』

アースは、ゴアにこのことを絶対に知られてはならないとマモルに念を押した。
『アース様がいなくなったら、誰がゴアを倒すんですか!』

アースはガムに、静かにしっかりと告げた。
『何を言う!マグマがいるではないか。モルがいる。そしてガム、お前もおる。三人が人類と力を合わせれば、必ずゴアを倒すことが出来る!』

アースは、マグマと一緒にゴアの派遣した怪獣達と勇敢に戦ってきたガムを褒め、自信を持つように言った。ガムもマモルも涙目になって、ふたりとも自分に言い聞かせるように大きな声で返事をするのだった。

『ゴアは、人類に最後の決戦を挑もうとしているようじゃ。ぬかるなよ・・・』
そう静かに言って、自分がいなくなったあとの地球の事をマグマに託したアース。夜になり、村上宅ではマモルが昼間聴いた大事な話を父と母に話していた。

『地球の守り神であるアース様がいなくなったら、どうなるのかしら・・・』
『とにかく、大変なことだ!』

昼間、家に飛び込んできた赤黄青の三色のオウムが止まり木にいる居間で、アースの話をする3人のことを、じっといている目。まさかこのオウムが、精工に作られたロボットであるなどとは気づくはずもない3人。ゴアが放ったスパイとは、このオウムのことだった。

ゴアに知られぬようにと言われたアースの寿命のことは、このオウムによって、すべてゴアの耳に入ってしまったのだ。

『フフフフ・・・者ども聞いたか?アースの野郎がくたばるのだ。アースさえいなくなれば、マグマには負けはせぬ。この地球はオレのものだ!』

ゴアはこの機会に、一気に地球を攻め落とそうと考えた。明日、地球上の火山をすべて爆発させるように行動を起こす指示を出すゴア。

村上家の居間にいるオウムから、ゴアの声が聞こえてきた。
『村上君、特ダネを教えよう。明日の朝8時に東京タワーに来い。ゴア様の偉大な力を見せてやる。もう一度言う・・・』

オウムは小爆発して消えた。これでアースのことは、ゴアに知られてしまった。
翌朝8時。東京タワー前に集合する国際スクランブル隊。バズーカ砲隊、ミサイル部隊も装備し、ゴアに対する準備は完了した。午前8時ちょうど、東京タワーの真上にゴアの円盤が出現した。

ゴアは地上の村上達の前に現れると、目の前で巨大化し、怪獣ゴアゴンゴンに変わった!竜のように全身がウロコで覆われた、2本の長いツノを持つ怪獣ゴアゴンゴン。
『ゴアの正体は怪獣だったんだ!』

東京タワーは、ゴアゴンゴンによって、あっという間に破壊されてしまう。ミサイル部隊が発射したミサイルは、ゴアゴンゴンに効果が無いようだ。口から絶対零度の破壊光線を吐いて、ビル群を破壊していく。マモルは、笛でマグマ大使を呼んだ。

「カシーン カシーン」とロケットからマグマ大使に変化した。マモルは、大きな声で叫んだ。
『マグマ大使、その怪獣はゴアだ。ゴアの正体は宇宙怪獣ゴアゴンゴンだったんです!』
驚くマグマ大使。しかし、自在に姿を消すゴアゴンゴンに、マグマ大使は翻弄されてしまう。

ゴアの円盤を操縦する人間モドキは、世界中の火山島を1個1個噴火させ、マグマ基地を探しだして破壊する作戦だった。ゴアの円盤は、世界の火山島の60パーセントをすでに破壊していた。
『みろ、あそこにも火山島がある。攻撃開始!』

ガムとモルはロケットに変化してゴアの円盤を追い返すが、攻撃を受けたマグマ基地内は落盤が起きて、身体の弱っているアースの上に、岩や砂が落下して覆い被さっていった。

マモルに呼ばれて、怪獣ゴアゴンゴンと戦うマグマは、マンションに取り残された赤ん坊を助けようとゴアに交渉する。だが、容赦のないゴアゴンゴンは破壊活動を続け、赤ん坊のいるマンションに向けて、絶対零度の超低温光線を吐きかけた。

マグマは赤ん坊を助けるために、光線に自分の手のひらを当ててビルの破壊を阻止するが、右手は凍り付いて動かなくなり、苦しむマグマ大使・・・。 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
いよいよゴア対マグマの最終決戦。アースの寿命が尽きようとしているとき、マグマのいない火山島基地が攻撃を受けて大ピンチ。ゴアは自らの正体を現して怪獣ゴアゴンゴンとなり、地球を攻撃する。マイナス273度という超低温の冷凍光線を浴びれば、たとえマグマ大使でも粉々になってしまうのだ・・・後編をお楽しみに!

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マグマ大使(11-2)終 [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第52話『宇宙の帝王ゴア対マグマ大使最後の戦い』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;開米栄三
 監督;船床定男

〖宇宙大怪獣 ゴアゴンゴン〗登場

【前回までの話は・・・
地球を征服するために送りこんだ宇宙怪獣を、ことごとくアースとマグマ大使によって退治されてしまったゴアは、村上家に放ったロボットオウムの情報により、アースの寿命が尽きることを知る。この機会を逃すまいと正体を明かして怪獣ゴアゴンゴンに変身したゴアは、マグマ大使に最後の決戦を挑む】


◆ゴアはマモルや村上の目の前で巨大化すると、自分の本当の姿である怪獣ゴアゴンゴンに変身した。東京タワーを破壊し、ビル街を破壊するゴアゴンゴンに、マモルは笛でマグマ大使を呼ぶ。

だが、マンションの一室に取り残された赤ん坊を助けるため、ゴアゴンゴンの絶対零度の超低温光線を右手のひらに受けてしまう。

赤ん坊の母親がスクランブル隊のいる最前線までやってきて、泣き叫びながら救助を請い願うのだが、スクランブル隊は手をこまねいて見ているしかなかった。

子供の命など何とも思わず破壊を続けるゴアゴンゴンに、このままではマグマ大使が危ないと思ったマモルは、笛を一つ吹いてガムを呼んだ。

マグマ大使が、ゴアゴンゴンをマンションからできるだけ遠ざけている間に、ガムに乗り込んだマモルはマンションの部屋へ行き、赤ん坊を救出することに成功する。間一髪、マンションが全壊する直前に部屋から脱出したガムのロケットは、マモルが赤ん坊を連れて無事に戻ってきた。

ピンチが去ったマグマは切り札の「ジェット気流」を使うため、ロケットに変身して上昇していった。ゴアゴンゴンは超低温光線を吐きながら破壊を続け、町はビルの瓦礫の山と化していた。

上昇しながら自らの身体を回転させ超強力な竜巻を起こす「ジェット気流」は、しかしマグマにとっても命がけの技である。だが、ゴアは「ジェット気流」の恐ろしさをよく知っているため、この場から姿を消して逃げていくのだった。

マグマは、火山島基地へ帰って行く。一方、円盤に戻ったゴアはマグマの後を追いかけて、火山島基地を見つけ出そうとしていた。そして、命が尽きようとしているアースもろとも、火山島基地を吹っ飛ばすつもりであった。

が、マグマが戻ってきたのは火山島基地ではなく、噴火直前のただの火山島であった。マグマのワナにかかり、火山島基地だと思ったゴアは、瞬間移動で火山島の中で待つマグマ大使の前に現れた。

『待っていたぞ、ゴア』
『マグマ、くたばり損ないのアースはどこに居る?』
『ここはマグマ基地ではない。あと数秒で爆発する活火山だ。お前は火山の爆発で吹っ飛ぶのだ!』

一杯食ったことを知ったゴアは、巨大化してゴアゴンゴンに変身すると、超低温破壊光線でマグマの息の根を止めようとした。マグマはゴアの吐く超低温破壊光線をギリギリ避けると、反撃の熱線砲がゴアゴンゴンのツノに命中した。

火花を散らして爆発したゴアゴンゴンのツノ。次の瞬間、ロケットに変身するとすぐに上昇して飛び出したマグマ。火山島は大噴火を起こし、噴火口の形が変わってしまうほどの大噴火だった。ゴアは・・・。

片ヒザをついて、転がり込むように円盤に戻ってきたゴア。手傷を負い、かなりのダメージを受けたゴアだった。
『マグマ、喜ぶのはまだ早いぞ!ゴア様は生きている。貴様と最後の決戦を挑んでやる!』

『俺様が勝つか、貴様が勝つか。マグマ、覚悟して向かって来い!俺も命を賭けて、貴様が来るのを待っているぞ!』

ゴアはその言葉通り、マグマを倒すための秘策を練った。まず村上家に現れて、マモルを拉致していった。

『お前がアースからもらった超音波の笛が、邪魔なのだ。お前を円盤に連れていき、今度こそマグマを呼べないようにしてやる!来い!』

村上と母の目の前で、ゴアは自分のマントをマモルにかぶせると、マモルと一緒に消えてしまうのだった。村上と母は、至急国際スクランブル隊に連絡して、ゴアの円盤の位置を捜索してもらえるよう手配した。

全世界のレーダー基地に捜索依頼をしているが、ゴアの円盤は今だ見つからない。村上はふと、あの時の事を思い出した。

『ゴアは超音波の笛が邪魔だと言った。だがそれだけじゃない。笛が邪魔なら破壊すればいい。ところが、マモルも一緒に連れて行った。これにはきっと計略があるんだ』

その頃、ゴアの円盤内では、マモルが気を失って倒れているすぐ横で、ゴアがマモルから取り上げた笛を持って、ゆっくりとマモルのそばを歩いていた。マモルはさっきから気が付いていたのだが、ゴアの様子を片目を開けて、窺っていたのだ。

ゴアが、気絶しているマモルの手の届くところで笛をぶら下げているのをみて、素早く行動を開始するマモル。ゴアから笛を取りあげたマモルは、3回吹いてマグマ大使を呼んだ。

『アハハハ。とうとうワナにはまったな。お前を円盤に連れてきたのは、お前に笛を吹かせてマグマを呼び寄せるためだ。我々が吹くと、音感が違ってマグマに疑われるからな・・・ハハハハ』

マモルを助けるため円盤に近づいてくるマグマ大使に、ゴアは強力な電磁波光線を浴びせる計画を立てた。電磁波を浴びせられたロケット・マグマは機能が完全に狂い、宇宙空間を燃料が切れるまで飛び続けるのだ。

そして最後には、無重力の死の世界を永遠にさまようことになるだろう。ゴアはマモルにそう説明すると、マモルの笛を足で踏みつぶしてしまうのだった。

マモルが吹いた笛でマグマ大使とガムが現れ、ガムが円盤に侵入してマモルを救い出した。そんなことはお構いなしのゴアは、あとから円盤に向かって来るマグマに電磁波光線を発射した。

機能が狂い出したロケット・マグマは、どこへ向かうでもなく飛行していた。ガムがどこへ行くのか聞いても答えずに、宇宙へ向かって飛んで行くマグマ。ガムは火山島基地へ戻ると、モルとアースにマグマの異変を伝えた。

アースはマグマにテレパシーで語りかけるが、寿命がほとんど尽きているアースに、マグマを探しだす力はもう無かった。

マグマを探しに行くと言い出すガムとモルに、杖にしがみつく様に立ってアースは言う。
『宇宙は無限じゃ。マグマに巡り会うことは出来ぬ・・・』

『アース様ぁ!アース様ぁ!』
マグマは、自分がどこを飛んでいるのかもわからず、どこへ行こうとしているのかもわからなかった。そして、アースの寿命が尽きる時がついに来た・・・。

『オリンポスの神々よ、マグマを助けたまえ。マグマが倒れれば、宇宙はゴアに征服され、暗黒になり申す。オリンポスの神々よ、マグマを助けたまえ・・・』

火山島基地で、命尽きて倒れるアース。アースは命を全うして、永遠の命を得たのだった。アースは宇宙になった。だから、マグマが宇宙のどこに居てもその居所が分かるのだ。

アースは宇宙空間にその凛々しい姿を現すと、杖を大きく振り上げて、杖の先から出す機能回復光線をマグマに当てた。
『ワシはオリンポスの神々のもとへ行く。マグマよ、お前達はゴアを叩きつぶすのじゃ。行け、行くのじゃ・・・』

凛々しい姿のアースが、宇宙空間に消えていった・・・。
正常に戻ったマグマは、探しに来たモルとガムに合流するとゴアラ遊星へと向かった。
『ゴアのことだ、行き先はきっとゴアラ遊星だ』

極寒のゴアラ遊星で、マグマ大使とゴアゴンゴン最後の戦いが始まった。マグマのドロップキックがゴアゴンゴンの腹部にヒットし、倒れたゴアゴンゴンにミサイル弾を撃ち込むマグマ。

大きな叫び声を残し、口を開けたまま完全に動かなくなったゴアゴンゴン。ついにゴアは死に、地球は救われたのである。

マモルとガム、マグマとの別れの時が来た。マグマは、オリンポス山のアースに誓う。
『もし第二第三のゴアが地球を侵略に来ても、我々が命を賭けて撃退します。アース様がお創りになられたこの美しい地球を渡しはしません』

空にかかる虹の上から、アースがマグマたちを呼んでいる。
『マモル君、村上さん、そしてみなさん、さようなら』
虹に向かって飛び立っていくマグマ、ガム、そしてモル。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
最終回は、全3話に分けてもよかったのではないかと思う。アースの死、マグマ最大の危機、ゴアの最後。これらを3話に分けて、存分に映像化してほしかったな。

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