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ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編 ブログトップ
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仮面ライダーV3(12) [ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編]

今回は、第31話《呪いの大幹部キバ男爵出現!》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;折田 至

【前回までの話は・・・ 度重なる失態の汚名返上のために、大幹部ドクトル・ゲーは自らを改造し、カニレーザーとなってV3に挑んだが敗れ去った。デストロン首領は現組織を刷新するため、新しく大幹部となる人物をアフリカの奥地から呼び寄せるのだった・・・】


◆◆『お前達に、デストロンの新しい大幹部を紹介しよう・・・』
それは、マンモスの頭蓋骨を頭部に頂いて、青い装束に身を包む不気味な男であった。

アフリカの奥地、コンゴ川上流に数百年栄続けるドーブー教の大魔術師という地位にいる者で、名をキバ男爵と言う。彼等の力の源は、太鼓の音であった。
『デストロンの新怪人は、このキバ男爵が引き連れたキバ一族だと知れ』

キバ男爵はそう言うと、新怪人に「いけにえ」を捧げる儀式を行おうとしていた。どこからか誘拐して来た女性がクサリで繋がれている。その女性の前に、棺を担いで持って来る戦闘員達。

棺がゆっくりと開いて、ボルネオで生まれたドクロイノシシがムックリと起き上がった。大声で悲鳴をあげる女性に、助けは来ない。ドクロイノシシは女性の前にゆっくりと歩いて来ると、牙を女性の胸に突き立てて血を吸い取った。

骸(むくろ)と化した女性はドロドロに溶けて、ガイコツだけになってしまうのだった。
『見たか、ドクロイノシシの力を!俺の牙に触れる者は、すべてこうなるのだ!』

キバ男爵が、ドクロイノシシに命令する。
『ゆけ、ドクロイノシシよ。人間どもを恐怖のどん底に突き落としてやれ!』

深夜、宮田家の隣の藤井家から悲鳴が聞こえてきた。寝ていた少年ライダー隊のトシコは、何事が起こったのか知りたくなった。トシコの父がとなりの様子を見に行ってくるからと言って、トシコと母を置いて出て行った。

藤井家の主人が玄関にいたので、悲鳴の理由を聞いてみると、「怪人に襲われた。この村は全滅した」と言うのである。にわかには信じ難いことだったが、次の瞬間、藤井家主人のガイコツがトシコの父に覆いかぶさってきたのだ。

そして後ろから身体をつかまれて、怪人ドクロイノシシはトシコの父にこう言った。
『この村で生きているのは宮田、お前達一家だけだ』

ガイコツに怪人まで見てしまったトシコの父は悲鳴をあげて自宅へ戻ると、怪人が入って来ないように門にカンヌキをした。父から話を聞いたトシコは、ライダー隊本部へすぐに連絡した。
『はい、ライダー隊本部です・・・』

就寝中を起こされた立花藤兵衛は、あくびをしながら応対した。宮田トシコ隊員からの緊急連絡で、山梨県小淵沢にデストロン怪人出現との一報が入った。

だが、そのあとしばらく通信は雑音だけになり、通信が回復したときには誤報だったので取り消すとトシコは謝るのだった。さすがに深夜に誤報と言われた藤兵衛はカチンときたが、何でもなかったことを喜んで藤兵衛は通信を切った。

だが、宮田家では怪人ドクロイノシシが門扉のカンヌキを破り、侵入して来ていた。そして抵抗した父を殺害して、トシコと母に迫っていた。

『私だ、開けておくれ!』
『あなた、無事だったの・・・』

父の声に母は部屋のカギを開けようとしたが、デストロンのやり方を知っているトシコは警戒した。
『駄目よ、お母さん。もしデストロンの怪人だったら、声を真似ている時もあるのよ』

だが、すき間から見える姿が父だったため、無事を信じたトシコはドアのカギを開けて父を中へ入れてしまうのだった。父の姿はすぐに怪人に変わった。

『ライダー隊に連絡されては面倒なことになるのでな・・・お前の父ならドクロになって転がっている!』

ドクロイノシシが二人を殺害しようとした時、キバ男爵が命令して、母を人質に、トシコはライダー隊を陥れるための道具にすることにした。

翌朝、少年ライダー隊本部では、昨夜の出来事をテープで再生して、みんなで話し合っていた。インターポールから派遣されていたデストロン・ハンターの佐久間は日本に残り、デストロンと戦うライダー隊の一員として働いていた。

『オレは、今その小淵沢に向かっている所だ・・・』
風見志郎から通信が入った。その志郎の耳にどこからか太鼓の音が聞こえてきた。付近で声をかける者がいた。

『フハハハ、バカなヤツ。これはライダーV3を呪い殺す悪魔の太鼓だ』
『誰だ、貴様!』
『キバ一族を引き連れ海を渡ってきたデストロンの大幹部、キバ男爵だ』

すぐにドクロイノシシが現れ、志郎を襲い始めた。志郎は変身した。
『ヘンシン・・・ブイスリィッー!』

V3対ドクロイノシシは、お互いにキック・パンチの応酬で、一進一退。二人は組み合ったまま、なだらかな坂道を転がりながら落ちて行く。ドクロイノシシはその下の崖にV3を突き落すと、崖を崩してV3を生き埋めにしてしまうのだった。

戦斗員達にV3の死体を掘り出すよう指示したドクロイノシシは、そのまま小淵沢の宮田家へ向かった。そこにはトシコとトシコの母が、人質になっている。

一方、崖崩れで死ぬような我らがV3では無い。戦闘員の一人に詰問して、ドクロイノシシの潜伏先を聞き出すのだった。

小淵沢の村に行こうとしていた佐久間は、途中でライダー隊員の宮田トシコと出会う。そしてトシコから、志郎はすでにトシコの家に到着しているので、自分が案内すると言う。宮田家に着いた途端、ドクロイノシシに襲われて人質になってしまう佐久間。

『どうして・・・ライダー隊員の君がウソをついたんだ?』
『許してください。母が人質に取られているんです・・・』

涙を流して謝るトシコ。その頃、志郎はすでに宮田家の天井裏に潜んでいた。
『風見先輩。ワナだ、来ちゃだめだ!』

佐久間の声で状況が判った志郎は、人質になっているトシコの母を助けることを優先した。そしてドクロイノシシがトシコの母の監禁場所へ行っている時には、佐久間とトシコを救い出していた。

これでもう人質はいなくなり、志郎は思う存分戦うことが出来るのだ。
『残るはお前ひとりだ、ドクロイノシシ』

ところが、ドクロイノシシに呪いをかけられた村人たちが、志郎と佐久間、トシコ親子の回りを取り囲み、ジリジリと迫ってくるのだった。

四人は捕まってしまい、まず志郎から火あぶりの刑にされようとしていた。ガソリンをまかれて、火をつけられてしまった風見志郎。
『太鼓だ!太鼓を鳴らして勝利を祝え!』

ドクロイノシシが雄たけびを上げた。その時であった。操縦者のいないハリケーン号が、火あぶりにされている志郎に向かって突っ込んでいく!次の瞬間、志郎の姿は消え、V3を乗せたハリケーン号が現れて、ドクロイノシシを弾き飛ばした!

V3は飛行機投げでドクロイノシシを空へ高く投げ飛ばすと、V3フライングキックを浴びせた。地面に叩きつけられたドクロイノシシは水のように溶けてしまい、爆発した。怪人の死によって呪いは解け、トシコの父や襲われた村人たちは全員甦り、生還した。

だがキバ男爵の率いる怪人は、一人では無い。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
今回は、特撮界のシンデレラ・斉藤浩子嬢がご出演なさっている。美少女。そのかわいらしさに、筆者は憧れたものだ。
マヌケな武器を使うドクロイノシシ。そのマヌケさは、言葉では言えない・・・

仮面ライダーV3(13) [ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編]

今回は、第33話《V3危うし!帰って来たライダー1号2号!》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;塚田正煕


◆◆キバ一族のいる所、必ず太鼓の音が鳴り響いている。この山荘で夜遅くまで仕事をしている寒川博士の耳にも、どこからか土人の太鼓のような音色が聞こえていた。

寒川博士は人工的に光化学スモッグを作ることに成功し、その論文作成のために、一人娘のユミコと一緒にこの別荘に籠っていた。

『どこかで、お祭りでもあるのかしら・・・』
そう思った時、突然電話が鳴った。娘のユミコが電話に出ると、それは珠純子からであった。珠純子は、ユミコの山荘に招待されていたのだ。

日程が決まり、明日藤兵衛達を連れて出かけるという内容であった。もう就寝時間なので窓を閉めようとしたユミコに、真冬でもないのに吹雪が顔に吹き付けてきた。

窓の外には、全身毛むくじゃらの怪人が立っている。
『スノーウ!(怪人の鳴き声)キバの一族、ユキオオカミだ!』

北極のブリザードが吹く中で生まれた怪人ユキオオカミは、寒川博士の研究がどうしても必要なのだ。二人は誘拐され、キバ男爵のもとへ連れて行かれた。博士の発明を利用した殺人計画に、二人を協力させるつもりであった。

『もう一度聞く。我々の計画に協力する気はないか?』
『断る!』
『残念だ・・・では、やむを得ん。ユキオオカミ!その牙で、娘の血を呪いの血に変えてしまえ!』

キバ男爵は、ユキオオカミに命じて、ユミコの首に噛みついて死なない程度に血を流すと、流れ出た血をドクロの杯に溜めた。キバ男爵は、娘の血の入ったドクロの杯をドーブー教の炎の前にかざして、その血に呪いを与える呪文を唱えた。

キバ男爵がその血を炎の中へ注ぎ込むと、炎は一段と盛んに燃えるのだった。そして、ユミコが命令に逆らうとどうなるかを、キバ男爵は見せてやった。

『手を見ろ!』
ユミコの手が、ユキオオカミ同様に毛むくじゃらになっていた。

『鏡をみるがいい』
ユミコの顔は人の顔では無かった。口は耳まで裂け、耳はとがり、まるでオオカミ女のようになってしまった。悲鳴を上げるユミコ。

寒川博士は一人娘の無残な姿に驚愕し、協力を断ると言ったが、博士の心は折れそうであった。
『寒川博士。お前達が私に逆らえば、娘はこうなるのだ!』

珠純子は、弟・シゲルと立花藤兵衛、それに風見志郎を連れて、寒川博士の別荘へ向かっていた。ユミコはキバ男爵の命令通りに、コーヒーに睡眠薬を入れようとしていた。

だが、良心が痛み思い止まろうとすると、自分の手の甲が狼の毛で覆われていくのを見るのだった。ユミコは仕方なく、訪問した4人に睡眠薬入りのコーヒーを出してしまうのだった。

純子、シゲル、藤兵衛は眠ってしまい、志郎も睡眠薬が入っていることに気が付くが、眠気が襲ってきていた。4人が眠ったことを確認している寒川博士の腕を、しかし志郎がグイッとつかんだ。志郎には睡眠薬は効かない。

『博士、これは一体どういう訳なんだ!』
ユミコが言い訳をしようとした時、ユキオオカミが出現した。志郎は戦闘員達を倒しながら、山荘から外へ出ていく。

『行くぞ、風見志郎!』
『おのれ・・・ヘンシン、ブイスリァー!』

志郎はV3に変身したが、ユキオオカミに逃げられてしまう。ところがこれは作戦の内で、変身を解いて風見志郎に戻ったところを、ユキオオカミの必殺武器・ウルトラブリザード攻撃が襲った。絶対零度の低温が志郎を襲い、凍りついてしまう志郎。

睡眠薬を飲まされた藤兵衛たち3人は、デストロンのアジトに連れて行かれてしまう。そこでキバ男爵に見せられたのは、「殺人光化学スモッグ作戦」だ。

寒川博士が完成させた人工光化学スモッグを浴びた戦闘員に、デストロンで開発した特殊光線を当てると、戦闘員は苦しみながら爆発してしまうのだった。

別室に入れられた藤兵衛達3人。藤兵衛はきっと志郎が助けに来るからと、純子とシゲルを勇気づける。だが、キバ男爵は藤兵衛たち3人に、部屋の中で凍りついた風見志郎を見せるのであった。意識はあるようだが、体を動かせない志郎。

藤兵衛は、これでもうV3が助けに来ないことを知り、動揺してしまう。キバ男爵は、立花藤兵衛達3人を寒川博士に殺させようとする。だが、そこに現れたのは本郷猛であった。
『キバ男爵。貴様を追って、はるばるオーストラリアから帰って来たんだ!』

本郷は、藤兵衛が捕らえられている部屋のガラスを割って藤兵衛達を脱出させると、戦闘員達と戦いながら藤兵衛達3人の逃げ道を作るのだった。だが藤兵衛は志郎を救出するために、志郎が入れられている部屋へ向かおうとする。

そうはさせまいと、ユキオオカミが藤兵衛の前に立ち塞がるが、そこに現れたのが一文字隼人だった!

『貴様は一文字隼人、おのれ!』
『そうだ。貴様たちの野望を砕くために、アメリカから帰ってきたんだ!』

そう言うと、立花藤兵衛を逃がして、志郎が入っている部屋を破壊した。志郎は部屋から脱出すると、ユキオオカミに殴りかかった。アジトの中で、3人ライダーと戦闘員達、キバ男爵、ユキオオカミが巴戦をしていた。キバ男爵と戦っていた本郷が叫んだ。

『一文字、変身だ!』
『よし。ヘンシン!』

ライダー2号が本郷からキバ男爵を引き離している間に、本郷も変身した。
『ライダー ヘンシン!』

キバ男爵対ライダー1号2号の対決。先端に鋭いキバを付けたヤリで、1号2号ライダーを襲うキバ男爵。
『ここは俺に任せろ!』

2号ライダーが1号ライダーを他へ促すと、1号ライダーは光化学スモッグ発生装置を破壊して、アジトを出た。アジトから出てユキオオカミと戦っていた志郎は、V3に変身した。
『おのれ!ヘンシン、ブイスリァー!』

1号ライダーは藤兵衛達のゆく手を阻む戦闘員達を蹴散らしていく。藤兵衛達3人と寒川博士親子は、無事に逃げることに成功するのだった。

V3は、ユキオオカミのウルトラブリザード攻撃を受けて窮地に陥るが、2号ライダーがそこにやって来た。ユキオオカミ対2号とV3。そこへ藤兵衛達を無事に逃がした1号ライダーが参戦する。ユキオオカミ対1号2号V3。

2号のキック、パンチ。1号のライダー返し。2人のライダーがユキオオカミを両脇から抱えて、空へ向かって投げ上げた。V3は少し遅れて、頭を軸にして回転しながらジャンプし、空中でキリモミチョップをユキオオカミの脳天に炸裂させた。

ユキオオカミは地面に叩きつけられて、大爆発してしまうのだった。

『キバ男爵は、恐るべき魔法使いだ。そのために俺たちは、帰って来た。(1号)』
『そうだ、これくらいで引っ込む奴では無い(2号)』
『しかし、正義のある所、必ず勝利があると信じます!(V3)』

寒川博士の娘・ユミコの呪いは怪人の死と共に解けた。
『キバ男爵、怒るのだ!わがデストロンの期待を、裏切るではないぞ!』

首領が怒りを込めて発した言葉に、恨みのこもった目で炎を見つめるキバ男爵。果たして、ライダー打倒の為にキバ男爵が次に打つ手は何か?・・・ (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回は出血大サービスである。あのカメバズーカを連れて海の彼方へ大爆発と共に消えた二人ライダーが、久々に出演!それにしても、公害で大問題になった光化学スモッグを、人工的に作ってどうするのかな?

仮面ライダーV3(14) [ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編]

今回は、第34話《危機一髪!キバ男爵対三人ライダー!》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;塚田正煕

【前回までの話は・・・ 友人の珠純子を別荘に招待する約束をした寒川ユミコは、その前夜、命令に逆らうとオオカミ女に変身する呪いをキバ男爵にかけられてしまう。父の寒川博士が開発した人工スモッグを殺人兵器として使うため、キバ男爵はユミコに命じて人体実験用に純子や藤兵衛を拉致させた。志郎はユキオオカミとの戦いで氷漬けにされ、万事休す。だが、このピンチを救ってくれたのは、ライダー1号と2号だった・・・】


◆◆ドーブー教の炎の中に三人のライダー人形を投げ入れ、呪文を唱えながら「母なる呪いの魔女」・スミロドーンを蘇らせることに成功したキバ男爵。
『キバ男爵の求めにより100万年の眠りより目覚めて、今ここに蘇りましたぞ』

桃色のドレスに身を包んだ美しい魔女・スミロドーンが出現した時、デストロン首領は女で大丈夫かと問いかけた。
『三人の仮面ライダーは手強いぞ。キバ一族の魔女とはいえ、女で相手ができるのか?』

すると、スミロドーンは真の姿を首領にさらして見せた。その正体は、太く長いキバを口から生やして氷河時代に君臨していた凶暴な原始タイガーであった。

ライダー隊本部では、立花藤兵衛と本郷猛が懐かしがって話をしていた。オーストラリアにいた本郷は、キバ男爵が日本へ渡ったという情報を聞き付け、アメリカにいる一文字隼人に連絡して、ふたりで日本へ帰って来たのだった。

普段はスポーツ用品店を営んでいる立花藤兵衛は、店の奥に少年ライダー隊本部を設置している。通信機器などが並んでいるすぐ脇に、店内の様子を映し出すビデオカメラの映像が映し出されていた。

女性客が来ているので純子が応対に出ると、女性は姉小路と名乗り、お世話になったお礼にと風見志郎へ包みを置いてゆくのだった。

念のために本郷が箱を開けてみると、中身はへんてこな人形だった。ただの人形ではない。ドーブー教の呪い人形であった。うっかり右の素手で人形をつかんだ本郷は、しばらくして身体が麻痺してくるのを感じた。

この人形には毒が塗ってあり、手の平の皮膚から毒が身体に入り、全身に回ってしまうのだ。純子はすぐに志郎へ状況報告して指示を仰ぐと、中央病院へ運ぶように指示を出した。

店に来た姉小路を名乗った女は、キバ男爵がよみがえらせた怪人スミロドーンの人間体であった。ライダー隊本部での出来事を一つ残らず人形に付けた無線で聞いていたスミロドーンは、先回りして女医に化けた。

藤兵衛達が車で運んできた意識不明の本郷猛を、ストレッチャーに乗せて手術室へ運ぶフリをした。女医は藤兵衛たちを控室に通すと、カギをかけて閉じ込めてしまう。意識の無い本郷猛は、キバ男爵のアジトへ運ばれてしまうのだった。

スミロドーンの作戦は、ひとりずつ片付けていけばライダーとて怖くないという感じだろう。女性ライダー姿に変身したスミロドーンは、次に中央病院へ向かっている風見志郎を襲った。

志郎はV3に変身し、人間体スミロドーンも原始タイガーへと姿を変えて戦うふたり。火炎を吐くスミロドーンに対し、V3は崖下へ転落してしまう。スミロドーンの命令で意識を失った風見志郎を発見した戦闘員たちは、そのままアジトへ連れて行くのだった。

純子と志郎の無線を聞いていた一文字隼人は、中央病院へ駆けつけ、控室に閉じ込められていた藤兵衛と純子を助けだした。デストロンのワナにかかって、本郷が連れて行かれた事を知る隼人。風見の行方を尋ねると、こちらも到着して良い頃なのに来ていないという。

そこに一文字隼人宛ての志郎からの封書が、ドアの下の隙間から差し出されているのを見つけた隼人。変だと気付いた隼人がふたりから少し離れて封書を開けると、ガスが噴出した。すぐにドアを開けると、怪しい女が逃げていくところだった。

隼人はすぐに追ったが、これは一文字隼人をおびき出すワナであった。隼人は2号ライダーに変身すると、サイクロン号で怪しい女が乗るバイクの後を追いかけた。女は原始タイガーに変身して、2号ライダーにバイクで挑んでいく。

バイク同士が激突して放り出された二人は、組み合って戦い続けた。スミロドーンの口から吐く火炎で2号ライダーは崖下へ転落してしまい、爆発してしまうのだった。
『第三の標的も仕留めた・・・』

意識を失っている本郷猛と風見志郎の二人は、キバ男爵のアジトへ運ばれて鋼鉄製のベッドに寝かされて、胸部と足を鋼鉄製のベルトで縛られていた。

『フフフフ、バカ者ども。まんまとワナに落ちたな。苦しめるだけ苦しめて、殺してやる・・・』

キバ男爵とスミロドーン達が部屋から出ていくと、部屋の電気が消えて暗くなった。すると、志郎は目を開けて、縛られているベルトを切りムックリと起き上がった。その横で寝かされている本郷猛も、同様に起き上がった。

『無事だったんですか、先輩!』
『ああ。アジトを見つけて潰すのが目的だからな・・・おとなしく運ばれてきたんだ』
『俺もです、先輩』

二人は、暗い部屋の中で変身しようとするのだが、変身ポーズをした途端、オレンジ色のライトが当たって身体が動かなくなる。

『どうやら、向こうの方が上手らしい』
『さすがはキバ男爵・・・』

この部屋には、変身することを妨げる仕組みが出来上がっているようであった。だが変身しなければ、この部屋からは脱出できない。志郎は焦った。だが、本郷は言う。
『まぁ、待て。俺たちにはもう一人兄弟がいることを忘れるな・・・』

キバ男爵とスミロドーンは、デストロン首領の前でほくそ笑んでいた。
『さすがはキバの魔女。よくやってくれた!』
『お役に立ちましたか、キバ男爵』

だが、デストロン首領が突然怒りだした。
『愚かな魔女め。一文字隼人に付けられていたのを気付かんのか!』
『そ、そんなはずはない!』

その頃、一文字隼人はすでにアジトに侵入し、本郷と志郎を救出し終えていた。警報ベルが鳴り響き、アジト内に緊張が走る。キバ男爵とスミロドーンが本郷達を捕らえてある部屋へ向かおうとした時、3人の男たちはキバ男爵とスミロドーンのすぐ近くまで迫っていた。

ドアから逃げるキバ男爵。ドアの前で盾となり本郷達の進撃を食い止めようとするスミロドーン人間体。遂に、スミロドーンもアジトから逃げ出し、決戦の場は広大な草原に。

スミロドーンを追い詰める3人ライダー。キバ男爵の声が、スミロドーンに命令する。
『スミロドーン、原始タイガーになって戦うのだ!』

『キバ男爵!世界に悪の栄えたためしはないのだ!』
『我々がいる限り、デストロンの世界征服は不可能だ!』

桃色のドレスを着た魔女の姿から凶暴な原始タイガーに姿を変えたスミロドーンは、火炎を吐いて本郷達に襲いかかる。こちらも変身するように、本郷が一文字と志郎に叫んだ。

『ライダー、ヘンシン!』
『ヘンシン!』
『ヘンシン、ブイスリィー』

3人ライダー対原始タイガー・スミロドーンの戦い。火炎を吐きながら迫ってくるスミロドーンだが、3人ライダーが相手では勝てる見込みは無いのだ。1号と2号はサイクロン号を呼ぶと、並んで止まった。

V3はジャンプして2台の並んだサイクロン号の荷台部分に足をそれぞれ乗せると、ふたりの肩を借りて組体操のように立ち上がるV3。

そのままの形で、2台のサイクロン号ごとスミロドーンに突っ込んでいく3人ライダー。
『ライダートリプルパワー!』

V3の身体からエネルギーが放出され、サイクロン・アタック3台分以上の力が働いたとみえて、突き飛ばされたスミロドーンは跡形もなく散っていた。スミロドーンの死と共にドーブー教の祭壇は爆発し、その魔力は失われてしまった。

3人ライダーの活躍によって、キバ一族はとうとうキバ男爵一人を残すだけとなったのである。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
話の都合上仕方が無いとは思うが、スミロドーンのバイクがキバの形をしているのである。キバの形と言えば聞こえはいいが、見た目は白いウンコである。一目でキバ一族と解るバイクだが、バイク王で高く買い取ってくれるかな?

仮面ライダーV3(15) [ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編]

今回は、第35話《キバ男爵最後の変身》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;内田一作

【前回までの話は・・・ キバ男爵は、キバ一族の切り札とも言える呪いの魔女スミロドーンを復活させた。スミロドーンは3人のライダーを個別に攻めて倒したが、3番目に襲った2号ライダーの死体を確認しなかった詰めの甘さが致命傷となり、結局は3人のライダーに敗れ去った。これでキバ一族は、キバ男爵が最後の生き残りとなってしまった・・・】


◆◆ある時、デストロンの秘密作戦を知ったと言う男から、ライダー隊本部に電話が入った。追われているから助けてほしいという会話の最中に、男は悲鳴を上げて電話は切れた。位置情報を聞きとっていた立花藤兵衛は、志郎に急行させた。

位置情報から割り出した電話ボックスを捜索していた志郎は、足元に落ちているカギを見つける。どうやらそれはロッカーのカギのようであった。志郎がカギを拾った途端に、志郎を襲う新怪人。
『ウォー!キバ一族の最後の一員、吸血マンモス!』

吸血マンモスは、志郎が拾ったカギを欲しがった。秘密作戦と関連があるとみた志郎は、必死に抵抗する。だが吸血マンモスの長い鼻が志郎の首に巻き付き、右へ左へと空を舞うように引っ張られて、何度も地面に叩きつけられてしまう。

だが、デストロン・ハンター佐久間ケンが吸血マンモスの背後から鉄棒で殴りつけ、志郎を助けようとするのだった。怪人が佐久間に気を取られている間に、志郎は問題のカギを佐久間ケンに投げて託すと、逃げるように言った。

『ケン、お前じゃ無理だ。このカギを頼む!』
『逃がすものか!』

吸血マンモスの気が逃げる佐久間ケンに向いている時に、首に巻き付いた鼻を解いた志郎は、ライダーV3に変身した。

後を追う吸血マンモスは逃げる佐久間ケンに追い着き、カギを出すように言うのだった。
『カギはどこだ!』
『カギはここだ!ケンに渡したカギは、ニセモノだ』

吸血マンモスが欲しがったカギは、最初から志郎が持っていたのだ。佐久間ケンを助けだしたV3は、ハリケーン号にケンを乗せると、この場を急ぎ脱出するのだった。

拾ったカギは、ある駅のコインロッカーのカギであることが判り、志郎とケンはそのロッカーを開けて、保管されていた3枚の写真を手に入れた。写真の人物は、ミヤモト経済長官、ナガタ科学局長といった政治経済界の大物である。

デストロンは、日本の頭脳とも言うべき人物を狙って、何を企んでいるのだろうか?

『キバ男爵。秘密作戦の準備は整ったか?』
『日本頭脳改造作戦。今度の作戦は、絶対に成功させます!』

キバ男爵は、日本を動かす政治・経済・文化の重要人物をさらい、デストロンの言う通りに動く様に脳改造してしまう作戦を企てていた。デストロン首領は、キバ男爵に最後の機会を与えると同時に、失敗は許さないことを告げるのだった。

『キバ男爵。失敗の時は、キバ一族最後の時と心得よ!』
キバ男爵は、最初にミヤモト経済長官を狙った。お付き運転手に化けた吸血マンモスが長官の車を乗っ取り、アジトへ連れて行こうとした。

長官の車が走るコースを見張っていた志郎は、V3に変身して長官を奪還することに成功する。だがV3が長官を助けている間に、他の2名はすでにさらった事を告げる吸血マンモス。ナガタ局長はエレベータ内で、ミヤモト総監は取材と称して、それぞれ戦闘員達によって拉致されてしまった。

吸血マンモスは太鼓の音が聞こえてくると、ライダーV3と戦うことを止めて逃げて行くのだった。太鼓の音が誘拐成功の合図であった。

V3は、ホッパーを飛ばして逃げる吸血マンモスを追うが、逃走車に乗っていたのは人形で、V3が車のドアをあけた途端、大爆発してしまうのであった。一瞬早く脱出したV3は難を逃れたが、吸血マンモスの行方は分からなくなってしまう。

アジトでは、さらってきた2名の閣僚を改造する準備が進められていた。キバ男爵は、ドーブー魔法医術と称する改造手術に着手しようとしていた。だが、首領はストップをかける。リストの3名が全員揃っていないことが、首領には不満であった。

『デストロンは常に完全を要求する。今一度、ミヤモトをさらうのだ!』
首領の指示に従い、ミヤモト経済長官をさらうまで、2名の手術は延期されることになった。

一方、ミヤモト経済長官が再び狙われることは分かっているので、志郎は長官に化けて待つことにした。鏡を見ながら、髭を着けカツラをつけ・・・だんだんとミヤモト長官になりすましていく志郎。だが、藤兵衛やシゲルは、似てないとか、若すぎるとか、すぐそばで文句ばかり言っている(笑)

だが、仕上げを見たみんなは驚く。ミヤモト長官そのものではないか!(笑) ミヤモト邸で待機していると、案の定、夜になって太鼓の音が聞こえ、キバ男爵から電話がかかってきた。
『デストロンの手術室まで、おいで願おう・・・』

キバ男爵自らがミヤモト邸にやってきて、捕まったミヤモト長官はアジトの牢屋に入れられてしまう。牢屋内でぐったりしているさらわれた二人の閣僚に、助けに来たことを告げるニセのミヤモト長官。だが、その二人はデストロン戦闘員の変身だった。

キバ男爵は、ニセのミヤモト長官であることを察知していたのだ。しかも、本物のミヤモト長官は、すでにキバ男爵が捕らえていた。

変装を解いた風見志郎は、牢屋内の戦闘員達と戦わざるをえない。キバ男爵は、志郎が戦っている間にミヤモト長官たちの手術をしてしまうつもりであった。ブードー魔法医術で、額を切り裂こうとするキバ男爵。

志郎はV3に変身すると、ハリケーン号を呼んでアジト内を走り回り、3名の閣僚を助けだすことに成功する。アジトから脱出したV3と三人の閣僚の前に、キバ男爵が立ち塞がった。

『V3。キバ一族の誇りと栄光をかけて、絶対に貴様を殺す!』
『キバ男爵。悪の集団に誇りも栄光も無い!』

V3は三閣僚を先に逃がして、キバ男爵との最終決戦に臨んだ。キバ男爵はついに正体を現す。
『キバ男爵の正体は、吸血マンモスか!』

『怒れ、悪の大地!』
吸血マンモスは、ゾウの足の形をした左手で地面を何度も何度も叩くと、付近は巨大地震のように大きく揺れた。

激しい揺れのために、V3は戦闘員もろとも崖から転落してしまう。頭部から生えた巨大な2本のキバの先端が割れて、ロケット弾がV3を襲う。

V3は接近戦に持ち込んでパンチを繰り出すが、今度はゾウの鼻が首に巻き付いて、絞殺しにかかってくるのだった。V3は、その長い鼻を引っ張るように投げた。吸血マンモスは宙を飛んで地面に叩きつけられ、ひるんでしまう。

この好機を逃さず、V3の回転三段キックが炸裂すると、吸血マンモスは崖にぶつかって斜面を転がり落ち、キバ男爵の姿へと戻っていた。息がはずんだまま、自分の最期をさらすキバ男爵。
『キバ一族、遂に滅ぶ・・・キバ一族の火よ、消えよ・・・』

キバ男爵は大爆発して果てた。どこからか、デストロン首領の声がV3に話かけてきた。
『聞け!V3・・・キバ一族は滅びた。だがより凶悪なる集団が、やがてお前の前に姿を見せる!その名はツバサ大僧正が率いるツバサ軍団!・・・』 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回の敗因は、首領が原因だと言えるだろう。首領の完璧主義が、先に誘拐した閣僚の改造手術を妨げ、結果として、手術の直前にライダーV3に助け出されてしまうことにつながっていくからだ。

仮面ライダーV3(16) [ライダーV3/キバ・ツバサ・ヨロイ編]

今回は、第36話《空の魔人ツバサ軍団》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;内田一作

【前回までの話は・・・ キバ一族の命運を賭けた日本頭脳改造作戦は、首領の完璧主義が足を引っ張る形で失敗に終わり、キバ男爵は吸血マンモスに変身してV3に挑んだが敗れ去った。首領はキバ一族が滅ぶことを予知していたのか、次の軍団を日本に呼び寄せていた。その名はツバサ大僧正率いるツバサ軍団・・・】


◆◆『待っていたぞ、ツバサ大僧正!チベットの卍(まんじ)教の教祖として恐れられるツバサ大僧正!私は大いに期待しているのだ』

怪人達よりも一足早く日本へ上陸したツバサ軍団長・ツバサ大僧正に期待を寄せる、デストロンの首領。ツバサ軍団の怪人たちは集団で空を飛び東京上空に出現、それを見た人々を不安にさせた。

立花藤兵衛は、東京上空に出現した鳥の群れはデストロンと関係があるものと推測し、志郎と佐久間ケンに鳥の群れを追わせた。デストロンの首領は風見志郎に、ツバサ大僧正とツバサ軍団の出現を預言していた。

だから東京上空に出現した鳥の大群は、ツバサ軍団に間違いないと志郎は思った。だが、志郎とケンが追っていた鳥の大群は、途中で姿を消してしまうのだった。

伊沢トシコが自宅の前で珠シゲルと別れようとした時、オレンジ色の袈裟を来たお坊さんがトシコの家を見て、悪霊が取り付いていると予言した。シゲルはバカにしたがトシコは恐くなり、お祓い(おはらい)をすれば直るというお坊さんの話を信じて、自宅へ招くのだった。

トシコが連れてきたお坊さんを不気味に思う母だったが、父は娘の優しい気持ちを思い、好きなようにさせてあげた。ところが、お祓いの声が聞こえなくなったので母が部屋へ行ってみるとトシコが倒れており、助けようとした母も倒れてしまう。

ライダー隊本部に帰っていたシゲルは、トシコの家の前で出会ったお坊さんのことが気にかかり、藤兵衛や志郎にその話をするのだった。
『変なお坊さんが、友達の家に悪霊が付いているから死人が出ると予言したんだ・・・』

トシコの父が、「原子科学研究所」の所長をしていると聞いた志郎は、これはおかしいと直感した。デストロンが絡んでいるとみた志郎は、すぐにトシコの家へ向かうのだった。

その頃トシコの父は、ツバサ族の怪人・火焔コンドルに、原子科学研究所の施設をデストロンに渡すよう脅かされていた。
『断れば、妻や娘の命は無い!』

『そうか、デストロンの狙いがやっとつかめたぜ・・・』
志郎は間に合った。伊沢を助けると、火焔コンドルの前に立ちはだかった。口から吐きだす火焔をかわすと、伊沢を部屋から逃がしたあとに変身する志郎。

『ふむ。ヘンシン、ブイスリァー!』
部屋から逃げ出す火焔コンドルを追っていくライダーV3。鋭い口ばしでV3の目玉を攻撃する火焔コンドル。パンチとキックで反撃するV3に対し、飛行して逃げだす火焔コンドル。

姿を見失わないようホッパーを打ち上げて、V3はハリケーン号で火焔コンドルを追跡した。だが、妨害電波を出され、怪人を見失ってしまう。火焔コンドルはV3の真上にいた。急降下して鋭い爪でV3をつかむと、上空へ舞い上がってそこから地上へ落下させるのだった。

地面に激突したV3に火焔コンドルが火焔を浴びせると、V3は爆発してしまう。V3は空を飛ぶ怪人の前に、敗北を喫してしまう。しばらくして、ヤケドと怪我を負った志郎が姿をみせた。
『空ではキックもパンチも通用しない。ツバサ軍団と戦うには、もっと力が・・・』

一方、首領の前で、ライダーV3など敵では無いと宣言するツバサ大僧正。
『空中戦に持ち込めば、ライダーV3もツバサ軍団の敵ではありません!』

志郎はツバサ軍団と戦うために、立花藤兵衛に特訓を依頼するのだった。
『おやっさん、空を飛ぶ訓練をしたいんです・・・』
『おまえ、気でも狂ったのか?第一、怪我をしてるじゃないか!』

『すこしでもいいんです。怪我は治るが、デストロンに狙われる人達は二度と生き返って来ないんです!お願いします!』

立花藤兵衛は、自分の怪我を押してまで特訓を受けようとする志郎の心意気に礼を言い、特訓に協力するのだった。空を飛ぶ特訓とは、鉄塔の上から飛び降りるという訓練から始まった。滞空時間をできるだけ長くして着地するという訓練だった。

そんな時、ライダー隊本部があるスポーツ用品店前に、オレンジ色の袈裟姿のお坊さんが現れた。シゲルはビックリして姉の純子に知らせるが、純子は怪しいお坊さんの跡をつければ隠れ家が判ると言って、シゲルと一緒に追跡をすることにした。

だが、これは二人をおびき出すためのワナであった。二人は機関車公園におびき寄せられて、火焔コンドルに捕まってしまう。ライダー隊本部に通信が入り、純子とシゲルを預かっていると火焔コンドルは告げるのであった。

火焔コンドルは、前の戦いでV3を負傷させているので、傷が治るまで隠れていると思いこんでいた。純子とシゲルの命と交換に、ライダーV3の居場所を教えるよう立花藤兵衛に要求する火焔コンドル。

立花藤兵衛は火焔コンドルと交渉するために、ひとりで機関車公園にやって来た。純子とシゲルが無事なことを確認した藤兵衛は、V3の居場所を話そうとする・・・。すると思いもよらず、機関車の窯の中からV3が出現した(笑)

不意を突かれた火焔コンドルは、純子とシゲルをV3に奪還されてしまう。藤兵衛のもとへ二人は預けられ、V3は火焔コンドルと勝負に出るのだった。

戦闘員を蹴散らしたV3は、火焔コンドルとビルの屋上で対戦する。火焔コンドルが飛行していくのを見たV3は、自身も空へジャンプする。その際に、あらかじめ呼んでおいたハリケーン号を飛行させておいたV3。

ハリケーン号のシート部分を足場にして力を溜めると、ビッグスカイパンチ、ビッグスカイキックを繰り出した。火焔コンドルは技を受けて真っ逆さまに落下していき、地上に激突して大爆発してしまうのだった。

アジトで赤々と燃えていた炎が急に消えて、ツバサ大僧正は火焔コンドルの敗北を知るのだった。
『くそー・・・火焔コンドルはライダーV3のえじきになりおって・・・見ておれ、V3!』
赤い仮面をつけた大僧正の顔が、怒りに震えていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ツバサ軍団は東京上空にたくさんの数で出現したが、実際に登場したのは、ツバサ大僧正の正体■■■■を含めて5人だけであった。

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