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帰ってきたウルトラマン(62) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/コダイゴン&グロテス星人の巻 [新マン座談会・5]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。
第42弾は、伊吹隊長の夫人と娘を誘拐して人質に取るという、まるで人間のような行動を取る宇宙人が出てくる・・・
第43話『魔人・月に咆える』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗
特殊技術;真野田陽一
監督;筧 正典

◆赴任以来一度も休暇の無い伊吹隊長は、隊員達の勧めで休暇を取ることになった。伊吹は妻と娘の美奈子を連れて、妻の実家である信州へ帰省することにした。「神渡り」という行事で知られる蓮根湖の近くに実家はある。湖に張った氷が割れる音が、神様が湖を渡る音として神秘的な行事を行う場所であった。

地球侵略をもくろむグロテス星人は、休暇中の伊吹一家を狙う。妻と娘を拉致すると、24時間以内にMATの即時解散を要求した。また蓮根神社のご神体を怪獣化させ、怪獣コダイゴンとして蓮根湖で暴れされた。村人から怪獣コダイゴンがご神体によく似ていることを聞かされた郷は、蓮根神社へと急ぐのだった・・・。

★★★★★★★★★★★★

《本編に等身大のグロテス星人登場》
聞き手;
「このグロテス星人は、遠矢さんですか?」

きくち氏;
「本編に出てくる宇宙人は、僕らじゃ無いですね。僕らはセットだけでもう手一杯でした」

聞き手;
「もうこの終盤になると、侵略の仕方もセコいんですよね」

きくち氏;
「そうですね」

《コダイゴン登場》
聞き手;
「真剣白刃どり、いいですねぇ。湖の氷に上にコダイゴンの刀がグサリと刺さる。いいカットですね。あのコダイゴンの刀が、きくちさんの家にあったんですか?」

きくち氏;
「そうそう」

聞き手;
「材質は何だったんですか?」

きくち氏;
「バルサでできてました。子供がしばらく遊んでいたけど、その後どうなったかはわからない」

聞き手;
「勿体ないですね」

きくち氏;
「本当に。取って有れば、今頃は国宝ですね(笑)」


◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
この時は水の中に倒れるんですけど、怖かった。あと火炎放射器も怖かったですね。この回で、誤爆があったんデス。打ち合わせ不足が原因で。きくちさんが怒りましてね。「演ってられないわい!!」って。スタッフの連中はいい奴だったけど、怒るときには怒らなくちゃダメ。気を抜くと命にかかわる問題ですから。


★★★★★★★★★★★★
コダイゴンはご神体だから、生物でもロボットでもない不思議な存在だ。ただ造型的には今一つの感がある。また、グロテス星人はどこかののん兵衛おやじみたいな感じの宇宙人だ。ウルトラセブンの宇宙人たちを見習ってほしいね。

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帰ってきたウルトラマン(63) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/バリケーンの巻 [新マン座談会・5]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。
第43弾は、スモッグに覆われ汚れきった東京の空が、この怪獣の出現によってスモッグは一掃され、東京上空にはきれいな青空が。嬉しいような迷惑な怪獣の話・・・
第28話『ウルトラ特攻大作戦』を取り上げます。

脚本;実相寺昭雄
特殊技術;佐川和夫
監督;山際永三

◆ある日、各地で異常気象が観測された。サイパン付近で突然消滅した台風、小笠原沖で大竜巻、そして関東地方を進行中の台風が突然消失。いつもならスモッグに覆われた東京の空が、珍しく晴れ渡っている。

坂田兄弟とドライブ中の郷は、浮遊する巨大クラゲのような生物を東京近郊で目撃する。MATはこの怪獣をバリケーンと名付け、偵察・分析し、麻酔弾を撃ち込む攻撃を敢行した。作戦成功に思えたが、バリケーンは発電所に落下し、電気を吸収して大型台風を起こしてしまう・・・。

★★★★★★★★★★★★

きくち氏;
「若いね、団ちゃん」

聞き手;
「このMATのドアって、東宝のなんだよね」

きくち氏;
「東宝スタジオのドアにシール貼っただけ」

聞き手;
「やっぱり東宝、撮影中のランプがある。簡単だけど、効果出てる」

きくち氏;
「この回も特撮が凄い。雨あり風ありです」

聞き手;
「これ、スーツの中に水入って来ます?」

きくち氏;
「そりゃあ、もう」

聞き手;
「しかもドロドロ」

《バリケーンの触手がウルトラマンに巻き付く》
きくち氏;
「これは足の長いヤツを別に作って。手は他にあった。これスゴイ!」

《バリケーン、頭部のカサを回転させる》
聞き手;
「これ、小さいヤツがあってそれを回してるんですか?」

きくち氏;
「いや、大きいヤツが回ってる」

聞き手;
「それを倍速で撮ってるんでしょう?大変なギミックですね」

きくち氏;
「今のシーン、ブレスレット右手にしてたな」

聞き手;
「えっ、裏焼き?裏焼だな」

きくち氏;
「これが凄いんですよ」

聞き手;
「何か決心しましたね。逆回転して台風を止めようと。しかし、この怪獣難しかったでしょう、殺陣考えるの」

きくち氏;
「そうね、これはどう戦うかというのね」

聞き手;
「これなんか、組み合えないですからね。足で組むしかない」

きくち氏;
「だから、手の長いヤツ使ってね、こういうところに絡ますとかね。あっ、これが痛いんだよ」

聞き手;
「これ、ライブかな?シーゴラスの時のカットかな?飛び人形はブレスレットしてないですよね」

きくち氏;
「してないですね。手抜きですな」

聞き手;
「スペシウム効かないとか、強いことは強いんですが、やられ方はあっさりしている。テロチルスといっしょでね」


★★★★★★★★★★★★
台風のエネルギーをクラゲが吸収して怪獣化したという設定のバリケーン。脚本が実相寺監督だったのだぁ!デザイン原案は熊谷氏が、仕上げを米谷佳晃氏が担当している。

なお、緊急指令10-4 10-10で、アマゾンから来た吸血鬼というエピソードの中に、白く塗ったバリケーンが登場していると記憶している。主役の水木譲氏は残念な亡くなり方をしたと聞いている。牧れい氏は、今もお元気である。リンク集「レッドバロンが好きな方はこちらを」から、牧れい氏に会えますぞ!
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帰ってきたウルトラマン(64) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/オクスターの巻 [新マン座談会・5]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。
第44弾は、仲間も骨を守るために生きていた水牛怪獣は、骨を持ち去ろうとする者を溶解液で溶かしてしまう恐ろしい怪獣だった・・・
第30話『呪いの骨神オクスター』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗
特殊技術;高野宏一
監督;真船 禎

◆大王山ハイキングに出かけた次郎と坂田は道に迷ってしまい、牛を祭った神社にほど近い小屋で、一晩泊めてもらうことになった。その晩地震で目が覚めた二人は、牛の鳴き声のような物凄い唸り声を聞く。翌日、坂田らと一緒に小屋に泊まっていた民俗学者らは、神社裏にある水牛の墓のような場所を調査した。

そして、積んであったたくさんの骨の一部を持ち帰ろうとした民族学者は、沼から出現した怪獣の溶解液によって溶かされてしまった。連絡を受けたMATは現場に急行したが、怪獣が吐く溶解液はマットジャイロをも溶かしてしまう・・・。

★★★★★★★★★★★★

聞き手;
「夏に水のシーンを撮影することは無いんですかね」

きくち氏;
「無いよね、なぜかね。水戸黄門に出た時も、そうだったな」

《ウルトラマンの変身シーン》
聞き手;
「これ、勢いで回転して、水中で変身するんですよね。今の、団次郎さんですか?」

きくち氏;
「団ちゃんかなぁ?僕だったら、もっとカッコよくやる(笑)」

《ウルトラマン、水中より現れる》
きくち氏;
「これね、水の下で出番を待ってるんですよ。浮いてきちゃうから、下で鉄の重りを持ってね。『よーいスタート、入ります。1、2、3で出てきます』なんて打ち合わせして出てくるんだけど、お面の中に水が入ってきて、プッ プッって吐きながら出てきてる」

聞き手;
「ハハハハ、出てましたね。訊かないと解らなかったけど(笑)」

きくち氏;
「こうやって沈められるのが、いちばん苦しい」

《ブレスレット、万能の働きをみせる》
聞き手;
「またブレスレットです。このブレスレット、無敵だよね。ウルトラシリーズの中でも、最強の武器でしょう。ウルトラマンの手にブレスレットがありませんが、湖の上空で、湖の水を雲に替えているんですかね」

きくち氏;
「おそらくそうでしょう。でも忘れたまま、次のシーンに行っちゃうんだよね」


★★★★★★★★★★★★
オクスターのデザインを手がけたのは、高橋昭彦(井口昭彦)氏である。特撮美術として現場を支えていた高橋氏の初参加作品である。スーツアクターは、巨大な2本のツノに手を入れて動かす形を取っている独特のスタイリングが素晴らしいと思う。

背中が盛り上がった形をした怪獣デザインはオクスター、フェミゴン、グラナダスなど、いずれも高橋氏の作品である。

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帰ってきたウルトラマン(65) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/ドラキュラスの巻 [新マン座談会・5]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。
第45弾は、科学万能の二十世紀に、吸血鬼事件が起きる。追跡するMATを振り切るように女は宙を飛び、謎の宇宙船の中へと逃げ込んだ・・・
第36話『夜を蹴ちらせ』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗
特殊技術;佐川和夫
監督;筧 正典

◆怪電波を発する少女を尾行していた郷と岸田はまんまとまかれてしまい、その夜女性の犠牲者が出てしまう。続発する吸血鬼事件を追うMATは、被害者がある別荘地で知り合った者達ばかりであることを突き止める。

尾行をまいた少女が数年前に死亡していた鈴村道子であり、彼女の遺体は保存されていたという事実から、死者に乗り移る宇宙人の存在を予期した郷。予期した通り、人類を滅亡させるために女性たちを殺害したことを、謎の宇宙人がテレパシーで郷に語り掛けてきた・・・。


★★★★★★★★★★★★

きくち氏;
「これは、人間が初めて巨大化する」

聞き手;
「初代では、フジアキコ隊員が巨大化しますが(笑)あっ!ヘッドシザースだ。ウルトラマンの目が、いつもと違いますね」

きくち氏;
「生き生きしてるね。クリアー度が高い。これ、夜だからカラータイマー光ってるのかしら。明るいから」

聞き手;
「わかんないですよ。これ、下の方でやってるんでしょ、例のチカチカは」

きくち氏;
「そうですね。直結しちゃってね」

聞き手;
「この回の空中戦は『ウルトラマン』の時のバルタン星人との戦いに似ていますね。今の射ち方とか。円谷プロの伝統芸なんですかね、この空中戦。これしかないっていう。同じだったね、あのガスタンクが爆発したのとか、グルグル回るのとか」

聞き手;
「これ、入ったまま刺してる。辛いだろうな」

きくち氏;
「別撮りじゃないの」

聞き手;
「いや、入ったまま。遠矢さんの証言にもあった。怖いよ、これ。でも、うまいですよね、遠矢さん。この手の動きとか」


★★★★★★★★★★★★
ドラキュラスは、新マンの怪獣群の中でもいちばんの駄作(と言っては失礼だが)だと思う。それは、ドラキュラ→吸血コウモリと、固執した考え方から抜け出せずに連想されて造られたと思われるからである。

吸血する生物はヒルとか蚊など他にもいるし、およそ血を吸いそうもないモグラやパンダを基本にした吸血怪獣をデザインしたっていいじゃないか、と思う。だって怪獣なんだから(笑)

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帰ってきたウルトラマン(66) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/フェミゴンの巻 [新マン座談会・5]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。
第46弾は、MATの紅一点・丘隊員は、最近ありえないミスを重ねていた。伊吹隊長は1か月間のリフレッシュ休暇を彼女に与えるが、石油コンビナートに怪獣出現の報を聞いても出動しない丘隊員を、隊員達は不審に思っていた。一方、フラフラと帰宅した丘は、なぜか身体中が石油臭くなっていた・・・
第47話『狙われた女』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗
特殊技術;真野田陽一
監督;佐伯孚治


◆パトロール中の南と郷のマットアローが機体不具合になり、海上へ不時着する。基地へ連絡をするが、全くつながらない。原因は本部の通信係・丘隊員が、無線スイッチを切っていたためであった。最近ミスの目立つ丘隊員に気遣う伊吹隊長は、1か月間のリフレッシュ休暇を彼女に与える。

同じ頃、房総コンビナート地帯に怪獣が出現し、残る3人の隊員達で怪獣を撃退したが、何の連絡も無い丘隊員を不審に思う伊吹隊長他の2名。そんな時、石油の臭いをさせた丘が帰宅し、母親は驚く・・・。


★★★★★★★★★★★★

聞き手;
「この回は街のシーン。何か変わった撮り方してるなー。しかしMAT隊員はよく走ってますよね。団さんも、走った思い出ばかりって言ってましたよ」

きくち氏;
「そうだろうね」

聞き手;
「海岸もうまく作ってますよね。こんな最後の頃になっても、手を抜かずにね」

きくち氏;
「そうね。凄いよね」

《水に入って行くウルトラマン》
聞き手;
「これ、どこですか?海でしょう。きくちさんも行かれたんでしょう?」

きくち氏;
「東宝だナ、海じゃない」

聞き手;
「プールのへりの所へ、作っているわけですかね」

《暴れるフェミゴンをじっと見て》
聞き手;
「この怪獣、キングザウルス3世に似てるなぁ。これもやりにくい怪獣だったんじゃないですか?操演も。今のミスでしたね、燃えてるのが見えてる」

《ウルトラマン、怪獣の喉絞めると、はずみで電飾が消える》
聞き手;
「チョーク攻撃!(笑)これは消したんですかね?」

きくち氏;
「消えたクサイ。カラータイマー消えてたな(笑)」

聞き手;
「口が耳のスイッチに引っかかったんじゃないですか」

《ウルトラマンの胸に怪獣のトゲ刺さる》
聞き手;
「刺さった。逆回転でしょ」

きくち氏;
「えっ、どうなんだろう。あぁこれはね、トゲなんかいくらでもできるから、折っちゃったんですね。ワンカットでも、いろいろやってる」

聞き手;
「ウルトラマンを後頭部から噛んだのは、コイツだけ。目が消えた。今のはスイッチに触ったんでしょう。今つけた。直した。あれ、自分で点けられるんですか?」

きくち氏;
「点けられます」

聞き手;
「明らかに触ってた」

きくち氏;
「あれだけスタッフが見てたのに、気が付かなかった」

聞き手;
「手袋も、かなり汚れていましたね」

きくち氏;
「汗がにじんでる、手袋」

聞き手;
「こんなにきれいに映るとは。これは東宝のプールの縁に作って?

きくち氏;
「そうそう。俺がそれでコワゴワ降りるやつ」

聞き手;
「ハハハ。なんでコワゴワ行ったんですか?」

きくち氏;
「足元がね、見えにくい。滑り止めが下に置いてあるんだけど」

聞き手;
「ここが贅沢。ライブ。海底基地。MATって海底にあるって、思えない」

《ウルトラマン、フェミゴンの頬の房をむしり取って投げる》
きくち氏;
「これつかんで、こうするんだナ。俺のアイデア」

聞き手;
「きくちさん、取って投げるの、好きなんですか?ダンガー(のコブ)とか」

きくち氏;
「つい取りたくなる(笑)」


★★★★★★★★★★★★
フェミゴンは、人魂怪獣。人間に乗り移るという設定から宇宙人的な要素が強いが、姿形は怪獣そのものである。デザインは高橋昭彦氏で、頭部が前方に突き出た形は、グラナダスと共通している。デザインイメージは「人魚」であるそうだ。

設定では、宇宙空間をさまよう小さな球体で、それ自体が高度な知性を持っており、何かに憑依することで怪獣化できる。


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