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アリ地獄の怪獣 [ウルトラマンこぼれ話2]

怪獣アントラーは砂漠の中のまぼろしの町、バラージだけは襲わない怪獣だ。だが決してバラージの町を守っている訳ではなかった。ウルトラマンの姿によく似た守り神「ノア」の像が手に掲げている青い石のおかげなのだ。ところで鹿島アントラーズの「アントラー」は鹿の角のことである。

だからこの怪獣アントラーの命名理由は鹿とは無関係、他にあると考える。姿形はクワガタムシとカブトムシの合いの子のようだが、アリジゴクのように獲物を砂中で待ち伏せる。だから思いつくのはこのアリジゴクか、その獲物になるアリだ。

英語でアリのことをアントという。だからアントラーなのだろう、きっと。(アリジゴクのことは英語でなんというのかな?)

このバラージでは女王チャータムだけが日本語を解する。科特隊員たちは彼女とだけ会話ができるわけである。この国はバラージ語ともいうべき、ほかのどの国の言葉とも違う言語が使われているという。他国との通商もアントラーのために断たれ、孤立無援。

長い時間が流れ、いつしかバラージ語が成立したのかもしれない。アントラーは遂にしびれを切らして、バラージの町を襲い始めた。するとひとりの老婆が「コノカイジューメー」と言って杖を振りかざしてアントラーに向かってく。あれ、日本語に似てるなぁ!(笑) 

もっともこの発音がたまたま日本語でいうところの「この怪獣め!」に似てるだけで、本人は、「いいお天気だね、怪獣さん」と言ったかもしれないし(笑)。本当の所は、よくわからない。

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不思議といえば不思議 [ウルトラマンこぼれ話2]

今回は、葉っぱを集めたようなイメージでデザインしたと成田亨氏がコメントしている
ケロニアの回の話。ウルトラマンに出てくる科学特捜隊の基地は、場所ははっきりしないが地上基地である。ゲートのようなものは特になさそうだから、誰でも自由に入れそう。

あの星野少年が立ち入ることができるくらいだもの(笑)。ところで植物人間ケロニアは、科特隊ボリビア支部のゴトウ隊員に化けて科特隊極東支部に潜入してきた。あのウルトラマンのハヤタが「アハハハ、なにをみんな疑ってるんだ!」と頭から信じ込むほどによく化けていた(笑)。

それに対してイデ隊員は、「なんというか、感覚的なものなんだ」とムラマツキャップを納得させるほど、見事にゴトウ隊員の正体を見破っていたからすごい!(笑)。ゴトウ隊員が泊まることになった科特隊のレストルームとは、科特隊極東支部内にあるのか、離れた所にあるのか。

科特隊の建物にはコンクリートのほかに特殊な成分が混ざっている。この言葉を聞いたキャップは、このゴトウ隊員を真剣に疑うことになる。

この回ではのちにセブンでキリヤマ隊長に出演が決まる中山昭二氏が、博士役でゲスト出演している。どうやらこの時の博士役が、冷静沈着なウルトラ警備隊の隊長役にピッタリだったのだろうと筆者は推察する。ちなみに中山昭二氏はのちに、「自分の代表作は、ウルトラセブンです」と言っている(そうです、胸を張って言える番組ですよ)。

ケロニアを倒した科特隊の面々は、そのレストルームで会話をしている。「植物人間が、どうしてあのような進化を遂げたのか?」と。すると突然、「それは謎です」と言って、博士(中山氏)がレストルームに顔を出すのである(笑)。なんでここに博士がいるの?

でも話の流れからみると、博士が解説するような雰囲気が十分漂ってるから不思議に感じないんだよね。・・・演出の妙だな。

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怪獣ウーと雪ん子の関係は? [ウルトラマンこぼれ話2]

飯田山には昔からウー伝説がある。真夏でも雪が溶けないのは、ウーがいるためだと考えられていた。雪ん子と怪獣ウーの関係は、一切語られない。雪ん子は行き倒れの母娘で、母親は死にひとり残された子供を不憫に思った村の炭焼きの老人が引きとって育てたという、ごく普通の人間の子だ。

雪ん子が何かをしたわけではない。が、身元が分からないというだけで、村人達は勝手に怪獣ウーと結びつけて意地悪をしたりのけ者扱いにする。単なる噂や思い込みだけで寄ってたかってのけ者扱いする人間の醜い部分を、この話は象徴している。

そんな可哀想な雪ん子に味方したくなったのか、ウーは雪ん子の言う事なら耳を貸す。ウーの正体が雪ん子の母親の魂だとするわけは、この辺の事情によるのだろう。

雪ん子とウーには、似ている所がある。雪ん子の前歯とウーの前歯が、同じような形をしているのだ。ウーは大きな前歯が一本、中央に生えている。雪ん子にも前歯が一本中央に傾いて生えているのが、雪ん子の顔のアップで確認できる。遺伝的にふたりは母娘関係にあるのかもしれない(笑)。

全身毛むくじゃらの姿のウーは、どちらかといえば雪男に近い。死んだ母親の魂がウーになったのなら、その姿は雪男ではなく雪女になるだろう。そういう視点からみれば、ウーと雪ん子は無関係かもしれない。

少なくても雪ん子はウーのことを生き物として見ている。こんなセリフがある。『人間に乱暴したら仲間に入れて貰えなくなるわ。だから山へお帰り・・』 

イデ隊員が自分の身上と似ていると言って雪ん子をかばおうとするシーンがある。ウルトラマンの話の中では、度々イデ隊員が話の核心にふれる役割を担っている。命令に忠実なアラシ隊員に比べ、その時の心情や自分が感じる本能的な部分をより大切にするのがイデ隊員で、そのことで時々命令にも背くことがある。

この話は悲しい結末を迎える。ウーがまぼろしのように消えていくと同時に、雪ん子は命を落としてしまう。この悲しい結末を忘れさせるかのように、エンディングに向けて軽快なウルトラマンの旋律が流れるのが、せめてもの救いだ。

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ホシノ少年は、科学特捜隊の正隊員になったか? [ウルトラマンこぼれ話2]

科特隊本部に唯一出入りできて、マスコット的存在のホシノ・イサム少年役は、津沢彰秀氏が演じた。当時11歳小学6年生だったそうだが、この原稿を書いている時点では60歳に近い。大人になったホシノ君はメガネをかけて髪の毛が少々薄くなってしまってはいるけれど、やはり面影はあるね。

アナウンサー;
「ウルトラマンに出ていたことで、友人から嫉妬されませんでしたか?」

津沢氏;
「それがですね、意外と嫉妬は受けなかった状況ですね。テレビに出ていることを知って、学校の教室に見に来た子は何人かいましたが、今で言う人気タレントさんのような感じでは全く無かったですね」

アナウンサー;
「当時、つらかった思い出は?」

津沢氏;
「ザラブ星人という怪獣が出てくる回で、私がとても活躍するんですけれども(笑)、ロープに宙づりになって降りてくるシーンで叫び声を出すんですが、当時変声期に当たりまして、アフレコでその声が出なくて4時間位NGを出し続けてしまいましてね。

その時にハヤタ隊員(黒部進氏)が頑張れよって慰めてくれまして、そのあとやってOKが出たときは本当にうれしかったですし、ウルトラマンの中だけではなくて、普段も気持ちのいい方だなぁって感じました」


★ホシノイサム少年は少年ながら事件解決に数々の功績があり、ムラマツキャップから正隊員服をプレゼント(第16話)されるほどであった。だが第25話(出演シーンはカット)を最後に出演しなくなってしまう。
これはロケ中にスキーで足を骨折してしまったためというのが真相のようだ。出演しなくなった理由を『正式に科特隊養成所に入所したため』と説明される場合もあるが、劇中でそれは語られていない。

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ウルトラマン ~初代ウルトラマンを演じた男VS演出した男 [ウルトラマンこぼれ話2]

あの日バスの中で、ウルトラマンのことを楽しく話す少年たちを目撃しなかったら、みんなが知っている前かがみの姿勢から光線技を出すウルトラマンは、いなかったに違いない。最終回でゼットンにスペシウム光線を吸収されてハッとする表情を見せるウルトラマンは、いなかったに違いない。

東宝の俳優でデビュー4年目に手にした主役級の仕事ではあったが、何度も『辞めます』と言い出しかけてはとどまった、それほど着ぐるみに入る仕事は過酷であったという。俳優なのに、顔も声も知られることが無いスーツアクターという仕事。それが、やがて報われる日がやってくる。

ウルトラ警備隊隊員役で俳優として顔が知られるようになり、そして終了後半世紀たった今でも、親から子へ語り継がれていくヒーローとなったウルトラマン。もはやウルトラマンと古谷敏は、切っても切れない間柄となった。そんな古谷敏氏へインタビュー。演出した飯島敏宏監督との対談で、お送りします。


★★★★★★★★★★★★
古谷氏;
「ウルトラマンやったときは、苦労しましたですね(笑)」

飯島監督;
「それは、ぼくよりあなたでしょう(笑)」

古谷氏;
「僕自身スタントマンやったこと無いし、殺陣もやったこと無いし、何にも出来なかったんで、監督苦労されたと思うんですよね」

飯島監督;
「ぼくはウルトラマンという番組を背負いこんで、一体どんなものが出来るんだろうって、ものすごく不安でした、実を言うとね(笑)」

古谷氏;
「台本貰って見ても、ウルトラマンの(アクションについての)所は何も書いてないんで、どうすりゃいいんだろうって思ったことあったんですけど(笑)。監督の方はどうでした?」

飯島監督;
「正直言うと、『ああ、俺もずいぶん人気番組撮ってきたけど、これでダメだな』と思ったもん(笑)。あなたはあなたで不安だっただろうけど、こちらも不安だった(笑)」

古谷氏;
「(ウルトラマン)スーツを作ったゴム、あれが厳しかったですね。(全身を)締めつけられてるっていう状況があって、手袋をして、靴をはいて。息のできる場所が無くって、それが苦労しましたね」

飯島監督;
「カラーテストも含めていろんなテストをやって、(スーツを)一回脱いだでしょう。その時あなたの方を見たら、(ブーツの中に)ビッショリ水が入っているんだよね。あれが汗だって聞いて、中に入っている彼はたいへんな思いしてるんだなって思ったら、胸が詰まりましたよ。目が合っても目を合わせられなかったもの」

古谷氏;
「人間って汗がこんなに出るもんかなって、あの時初めて感じましたね」

飯島監督;
「ウルトラマンが実際に動き出してくると、脚本の上ではイメージがどんどん出てくるんだけど、じゃあ、具体的にスペシウム光線はどう出すのって話になると、光線を出すポーズを考える担当がいなかったんですよ(笑)。

こうじゃないし、そうでもないしって考えてるうちに、あの有名な形に決まってくるんだけど。(水平に出す)左手が防御で、(垂直に出す)右手が攻撃であるなんて、その場ではそこまで考える余裕なんてとても無かった(笑)。まず光線は手の面から出す。

だから(右手を立てて)こうするけど、その時に右手を支えるには、手首を持つわけにはいかないから、左手をクロスするようになっていったというわけでね。あのポーズ、苦労があったんでしょ?」

古谷氏;
「はい。撮影が済んだあと、自宅に帰って三面鏡の前でスペシウム光線のポーズを自分のものにするために毎日何百回と練習して、だんだん構えが固まってきて」

飯島監督;
「ぼくはウルトラマンがファイティングポーズ(ボクシングの構え)を取るのだけは嫌だったんで、あのクラウチングスタイルっていうのかな、ちょっと前かがみなポーズは、誰かイメージする人がいたんでしょう?」

古谷氏;
「あの形は、ボクの大好きなアメリカの俳優ジェームズ・ディーンのポーズを何とかできないかなって思って。頭の中に最初からそれはあったんです(笑)」


《ウルトラマンを辞めようと思った日に・・・》
古谷氏;
「これ以上監督の要求にも応えられないし、身体も傷だらけだし、熱があっても休めないし、『これ以上はもう無理ですよ』っていう葛藤がいつもあって。もう辞めようって心に決めて朝家を出て、渋谷からバスに乗っていたら、あるバス停で乗ってきた少年たち4人が、楽しそうにウルトラマンの話をしているんです。

その話をうしろで聞いていて、少年たちがウルトラマンを自分たちのヒーローとして扱ってるんです。この子たちのために辞めちゃいけない、ぼくがこれからもウルトラマンをやろうっていう使命感が、そこで生まれたんです。だからその子供たちがバスに乗ってこなかったら、ぼくのウルトラマンは無かったんです」



★★★★★★★★★★★★
《若いうちの苦労は買ってでもしろ》という言葉があるが、古谷敏氏の人生はそれを地で行く展開をみせている。苦労した結果、ウルトラマンという大きなボーナスが人生に付いてきたわけである。人生には転機が必ずある。
それを見逃さないことが、良い人生を送るコツなのだろうが、古谷敏氏の場合は、その転機がバスに乗ってきたのを見逃さなかったということだろう。真面目に生きていれば、人生は良い方向へ転がるものである。
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