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ウルトラマンエース(11) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、第26話 『全滅!ウルトラ5兄弟』を取り上げます。

脚本;田口成光  
特殊技術;川北紘一
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖地獄星人ヒッポリト〗
〖ウルトラ4兄弟〗  登場

◆突如、東京近郊に巨大な宇宙人が出現した。その身長はなんと200メートルはあろうかと思われる程の巨大さであった。宇宙人は「宇宙で一番強い生き物、ヒッポリト星人」と名乗り、降伏をしなければこの世の地獄、まず風地獄を見せると言って、ゾウの鼻のように細く長い顔の一部から、強烈な風を吹き出した。

町中のビルや車があっという間に吹き飛んで、町は壊滅していった。TACは、タックファルコンとタックスペース2機に分乗して全員で攻撃を開始したが、攻撃しても手ごたえがない。ヒッポリト星人の身体をロケット弾がすり抜けてしまうのだ。宇宙人は嘲り笑っていた。

『これが地球で一番強いタックか?次はウルトラマンエースの出番だな、俺様がエースをやっつけるところをみせてやる!』

タックスペースに乗っている北斗と南は、星人の誘いに乗って、ウルトラマンエースになるために無茶な攻撃をしようとしていた。だがその時、ふたりの耳には同じ言葉が聞こえていた。
(エースになってはいけない。お前達に勝てる相手ではない)

だが、リングが光らないままふたりはウルトラタッチをして、星人めがけてタックスペースで突っ込んで行った。
『北斗、南・・・』

竜隊長がふたりの無茶な攻撃を止めようと無線で問いかけたが、ふたりの乗ったタックスペースは、ヒッポリト星人の腹部をすり抜けて背中から出現したのだった。ウルトラリングが光らなかったため、ふたりは変身することが出来なかった。

『地球人諸君。君達の科学では、この謎は解けまい!ハハハ…』
『今度オレが現れるときに、エースを渡してもらおう。そのときにエースはこうなるのだ!』

ヒッポリト星人は、突然左の手にウルトラマンエースの人形を持ちだすと、その人形の首をへし折ってしまう。勝ち誇ったように笑いながら消えていくヒッポリト。

竜隊長は隊長命令を無視した北斗に、命を粗末にするようなマネは許さないと、きつく叱りつけるのだった。だがその一方で、美川隊員が指摘するように、北斗の決死の行動が、星人の秘密の一端を暴いたことも確かであった。

竜隊長はファルコンを操縦しながら、みんなに向かって戒める。美川隊員の指摘は、北斗・南の両名が無事だからこそ言えることなのだと。だが、ヒッポリト星人の身体の秘密を解き明かすことが、星人を倒すきっかけになることは確かなのである。

竜隊長から、ひきつづき北の方角を調査するように言われる北斗と南。両名は飛行途中に、谷間で事故を起こしている1台の車を発見する。

『ちょ、超獣が谷間に立っていた・・・これを、子供に、ヒロシにあげるはずの人形の首をもいでしまった・・・これを子供に・・・届けて下さい・・・』
男性運転手は、そう言って息を引き取ってしまう。

北斗は、現場の状況からみて、車が超獣にぶつかったことを想像してみた。街中で200メートルの星人がエースの首をへし折ったことと、この事故現場で首のとれたエースの人形があることとは、関係があるのではないかと考えた。そして、車体に付着している肉片のような物を、北斗は発見する。

肉片を基地に持ち帰り、分析してもらった結果、超獣の細胞の可能性があることを指摘する梶技師。北斗の見解は、こうだ。谷間にいた超獣は、被害者が持っていたエースの人形の首をもいだということから、街中に現れた星人と同一の物にちがいない。

同一の物が同じ時間に違う場所に現れるはずがないという意見に対し、分身術か自分の影を投影したものだと言う北斗。だが、ロケット弾もタックスペースも、星人の身体をすり抜けた事実が存在している。その一方で、星人は口から強風を吐いて町を破壊していることも事実だった。

これは影の出来ることではない。梶技師の見解は、星人の身体の細胞と細胞のすきまが非常に大きいのではないかという。細胞破壊銃なら、十分に効果があると梶技師。竜隊長は、この次に星人が出現したら必ず倒さなければならない。断じて負けるわけにはいかないのだと言った。

北斗は会議の後、被害者の望みであったエース人形を届けることの許しを、隊長に得た。竜隊長もTACとしての責任を感じて、一緒に行くのだった。だが、父の祭壇の前で新しいエース人形を北斗から届けられたヒロシは、エースが父を助けに来てくれなかったことをなじった。

竜隊長にも、TACはエースを星人に渡せばいいと、なじるのだった。病気の母に続き父も続けて無くしたヒロシの心情を説明して、隊長と北斗に詫びるヒロシの姉であった。

だが、隊長と北斗が基地へ帰ってみると、「エースを星人へ渡してしまえ」という市民からのたくさんの電話がかかってきていて、隊員達は大混乱していた。山中がエースを渡してしまえばいいと発言したことで、竜隊長の感情は頂点に達した。
『バカモン!君達はそれでもTACの隊員か。星人の作戦に乗ってしまう程のバカなのか!』

たとえエースを星人に渡しても、引き上げるような星人ではない。星人は次に地球を乗っ取るに決まっている。戦う意外に道はないのだ。緊急連絡、東京にヒッポリトがまた出現した。今度は口から火炎を吐いている。
『ウルトラマンエースを渡さないと、今度は火炎地獄を見せてやるぞ!』

竜隊長は、細胞破壊ミサイルを積んでタックファルコンとタックスペースで出撃するよう指示した。200メートルの巨大ヒッポリトに、細胞破壊ミサイルを投下するファルコン。だが、効果が無い。ヒッポリトの手からミサイルが発射され、ファルコンは撃墜されてしまう。

北斗はエースになるために、無茶な攻撃をして変身するつもりだ。撃墜されたタックスペースに乗っている北斗と南のリングが光る!
『ウルトラタッチ!』

変身したウルトラマンAは、巨大ヒッポリトとは戦わず、事故のあった谷間へと向かった。案の定、透明な円筒形カプセルに入ったヒッポリト星人が、自分の姿を空に投影して巨大にみせていたのだ。エースがカプセルを破壊すると、巨大ヒッポリトは突然姿を消した。

撃墜されたファルコンから脱出した竜隊長達は、消えた星人を見て北斗の意見を思い出した。すぐに事故現場へと向かう隊長、美川、吉村。一方、ヒッポリトと戦っていたエースは、スキを突かれて、いきなり出現した半分の円筒形カプセルに、左右から挟まれて閉じ込められてしまう。笑うヒッポリト。

『貴様の最期を、ゆっくりと見せてもらうぞ』
エースは、カプセルの中で緑色の液体に全身を包まれて動きを封じられてしまう。エースは救出を求めるウルトラサインを出すのが精一杯で、遂にエネルギーが底をついてしまう。あっという間に、エースは青銅色のブロンズ人形と化していた。

ウルトラサインを受けて地球へ飛んできた、セブン、ゾフィ、初代マン、新マン。変わり果てたエースの姿に茫然とする。だが、セブン以外の3人は、エースと同じ方法で捕らえられて、青銅色のブロンズ人形にされてしまうのだった。

ウルトラセブンだけがヒッポリトと戦っていたが、ヒッポリトの光線を浴びて立てなくなり、カプセルに閉じ込められて青銅色の人形となってしまう。谷間で夕陽を浴びて立っている、青銅色の5人のウルトラマン・・・。 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
たったひとりで、5人のウルトラマンたちをワナに落とすとは、ミステラー星人似のヒッポリトは悪賢いね!次回は、ウルトラの父が登場!
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ウルトラマンエース(12) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、第27話 『奇跡!ウルトラの父』を取り上げます。

脚本;田口成光  
特殊技術;川北紘一
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖地獄星人ヒッポリト〗
〖ウルトラの父〗
〖ウルトラ4兄弟〗 登場

【前回までの話は・・・ 身長200メートルのヒッポリト星人が出現し、町を破壊しながらウルトラマンAの引き渡しを要求して来た。北斗と南は、谷間で助けた運転手の証言から、星人のカラクリが谷間にあることを感じ取るのだった。再度出現した星人に対し、北斗と南はエースに変身して谷間にいる星人と対決するが、星人のワナに落ちて青銅色のブロンズ像にされてしまう。そしてエースを助けに来たウルトラ4兄弟も、同じワナで青銅色の像にされてしまった・・・】


◆夕陽を浴びて立つ青銅色のウルトラ5兄弟のブロンズ像。TACのメンバーが谷間に着いたときには、すでにウルトラ5兄弟は像と化していた。ヒッポリト星人は、最後通告をしてきた。

『地球人よ、無駄な抵抗はやめろ。さもなければ地球は地獄と化して、ヒッポリトの奴隷となるのだ』
『断る!地球は我々人間のものだ。TACは自分達の土地を、死んでも守る!』

猶予を与えるというヒッポリト。だが我々地球人には、戦う以外に道は無いのだ。自分の星でもない地球の為に死んだウルトラ5兄弟を見て、「エースを渡せばいい」と言った事を反省する山中隊員。

タックパンサーで帰投する途中、市民たちが道路をふさいでいた。これ以上戦って町や家を焼かれることは嫌だと言う市民。ウルトラ5兄弟が勝てなかった星人に、勝てるはずがないという市民。もう戦う気力を失いつつある市民たちだったが、竜隊長は説得を試みる。

『もう一度、我々にチャンスをください。これは人間と宇宙人との戦いです。負けるということは地球を渡すだけでなく、心まで星人に渡すことなのです。次の戦いでは、我々5人5つの魂を失っても、地球に住む36億の魂を渡さなければ、それはTACの勝利です』

北斗と南がいないTACでは、星人対策会議が深夜まで続いていた。身長200メートルの生物が住んでいるヒッポリト星では、地球と比べて重力がとても小さいことになる。もしそうなら、彼等は地球では重力が大きすぎて、地球には住めないことになるのだ。

それは即ち、200メートルもの大きさの生物ではないということでもあるわけだ。それほど大きな生物でないのなら、本物の星人を発見すれば勝算はある。会議の結論から、細胞破壊ミサイルを携帯用に改造して用意するよう、竜隊長は梶技師に指示をした。

竜隊長は、星人が出現する前に、谷間で星人にぶつかって死んだヒロシの父の家へ行くのだった。今は、ヒロシと姉の二人暮らしになってしまっている。ヒロシは、エースが勝てなかった星人だから、星人の言うことを最初から聞いていれば、みんな死なずに済んだと思っている。

だが、竜隊長は言う。

『地球はみんなのモノなんだ。星人は何の理由も無く、地球を自分のモノにしようとしている。誰かが君の大切な物を持っていこうとしたら、君は怒らないかい?我々は今、星人に怒らなければいけないんだ』

だがヒロシは、エースやウルトラ兄弟が勝てなかった星人にTACが勝てるはずはないと思っている。

『私達にも星人にも、命がある。命と命を交換すれば、勝てる』

静かにそう言って去ろうとする竜隊長に、ヒロシの姉が仏壇に置いてあるお守りを渡そうとする。このお守りをいつも持ち歩いていた父が、あの日はお守りを忘れて事故に遭ってしまったという。このお守りがあれば安全だと言いたげなヒロシの姉の心遣いが、竜隊長にはうれしかった。

お守りを受け取り基地へ戻った竜隊長に、星人の出現を告げる警報が待っていた。携帯型の細胞破壊ミサイルは、まだエネルギー充てんが半分しかされてないと梶技師はいう。だが、竜隊長は谷間の星人に対し、自分が至近距離から撃つことで効果を出そうと考えていた。

町に出現したまぼろしの星人と派手に戦って星人の意識を引きつけている間に、竜隊長がタックパンサーで谷間にいる本物の星人に接近して、細胞破壊ミサイルを撃つという作戦だ。

谷間に行くと、カプセルに入って自分を巨大に投影している50メートル程のヒッポリト星人の姿を確認した竜隊長。細胞破壊ミサイルは至近距離から見事に命中したが、カプセルを破壊しただけで星人を殺すまでには至らなかった。だが、町にいた巨大なヒッポリトは、スッと姿を消してしまうのだった。

幻影と戦っていたタックファルコンとタックスペースは、すぐ谷間へと向かった。谷間のヒッポリトに攻撃を開始するファルコンとスペース。だが、ファルコンもスペースも、ヒッポリトの追尾ミサイルによって撃墜されてしまう。

『諸君らには、ワタシを困らせるほどの力はないようだな!』

地上で闘うTACのメンバーに、ふたたび火炎地獄を再現するヒッポリト。と、その時であった。空から静かに飛んで来る緑色の光球がヒッポリトの近くに落下して、ヒッポリトはドーンと弾き飛ばされてしまう。そして光球は、ウルトラマンの姿に変わった。

人間でいう両耳付近に巨大なツノを持ったウルトラマンで、ヒゲのようなモノをあごにたくわえて凛々しい姿である。そのウルトラマンはまず、周囲を炎に囲まれて身動きできないTAC隊員達に向かい、両手を合わせた指先から消火剤を吹き付けて炎を消すのだった。

次にウルトラマンAに向かって、強烈なジェット噴流を同じように指先から吹き付けた。一瞬にして青銅色のタールが流れ落ちて洗浄されたエースは、銀色と赤色の模様を取り戻していた。

態勢を立て直したヒッポリトは、そのツノを持つウルトラマンに襲いかかった。だが、「ウルトラの父」と呼ばれるそのウルトラマンのエネルギーは、M78星雲からの長旅で使い果たし、もう底を突こうとしていた。

これ以上は自分の力では戦えないと悟ったウルトラの父は、自分のカラータイマーをむしり取ると、エースに投げ与えた。その瞬間、ウルトラの父は地響きを立てて倒れ、目の光りは消えてしまう。一方のエースの目には光りが灯り、カラータイマーが点滅を開始した!

『エースが生き返ったわ!』

若いエースは残りのエネルギーで、ヒッポリトと戦いはじめる。TACはタックガンで星人の頭を一斉攻撃し、弱ったヒッポリトにエースのメタリウム光線がとどめを刺す。大爆発するヒッポリト星人。

ヒッポリトの死と共に、4人の兄たちの身体を包んでいた青銅色の覆いが消えていく。エースは自分のエネルギーを少しずつ兄たちに分け与え、甦った兄達はお互いを確認し喜び合っている。それぞれに音の違うカラータイマーが鳴り響いていた。

だが、横たわっているウルトラの父のもとへすぐに集まる5人。そして、5人とも悲しそうにウルトラの父を囲んで立っている。5人の子供達を助けるために、ウルトラの父は死んだ。「さようならウルトラの父」やがて、5人のウルトラ兄弟たちは、ウルトラの父の亡き骸を抱きかかえて持ち上げると、静かに飛び去って行くのであった。

戦いが終わり、自分達を助けた謎の巨人とエース達5人のウルトラマンが飛び去る様子を、いつまでも見送るTACの隊員達。すると、こちらに向かって手を振りながら元気に走ってくる北斗と南両名の姿が、竜隊長やメンバーの視界に入ってくるのだった。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラの父。カッコイイね。なんかG馬場さんを思い出すよ。テープ回転をゆっくりめにして出す「シュワッ」という声、それとゆったりとした動きは、まさに赤いパンツのG馬場さんだ!『アパー!』

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ウルトラマンエース(13) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、第28話 『さようなら夕子よ、月の妹よ』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗  
特殊技術;佐川和夫
監督;山際永三
ナレーター;岸田 森

〖満月超獣ルナチクス〗 登場


◆秋の夜。大きな満月が煌々と町を照らしていた。空に陸に、TACのパトロールは昼夜を問わず行われている。タックパンサーで陸路を走る北斗と南の両隊員。
『止めて。車を止めて!』

夕子は突然北斗にそう言うと、車を降りて北斗から離れるように森の中に走って行った。満月に向かって何かを話しかけている様子だ。
『解りました。今夜ルナチクスが、姿を現すんですね。やります、必ず!』

崖の上から月をじっと見ている夕子に、北斗が後からやって来て問いかけるが、夕子は何も答えずに黙っていた。すると、本部から箱根の強羅に超獣出現の緊急連絡が入る。パトロール中の竜隊長機やタックパンサーは、直ちに現場へ急行した。夕子は何故か焦っていた。

『もっと速く走れないの!』
北斗は夕子の言動がおかしいことに気付いていた。超獣出現と何か関係があるのかを問い詰める北斗。だが、夕子は何も言わない。

頭にタオルを乗せて温泉にゆったり浸かっていたお客たちに、突然下から湧き出す熱湯。アチチ、アチチと驚いて逃げ散っていく温泉客たち。崖崩れが起きて、温泉街は浴衣を着た客たちでごった返していた。月に向かって咆えている耳の長い真っ白な体毛の超獣は、立ち姿のウサギに似ていた。

脇をしめた姿勢で手を前に突き出し、ピョンピョン跳ねるように前進する超獣ルナチクス。超獣の出現と共に谷間に噴火が起こり、赤いマグマが噴き出してきた。フロントガラスから超獣の姿が見えたとき、夕子は叫んだ。

『やっぱりアイツだった!』
『アイツ?』

竜隊長のタックアローが発射した数発のロケット弾が効いたのか、超獣ルナチクスは穴を掘って地底に逃げていった。竜隊長は地上に降りて、撃墜されたアローに乗っていた吉村と山中に合流した。超獣が出現した付近一帯の岩からは熱い蒸気が噴出し、温泉が熱湯の様に煮えたぎるなど、普段と様子が一変してしまっていた。

現場に到着したタックパンサーの南夕子は、他の隊員と合流しようと言う北斗の言葉を無視し、どんどんある方向へと進んでいく。北斗は、夕子を止めて訊ねた。

『今夜の君は、あの超獣の出現を予感していた。君はあの超獣の正体を知っているのか?』
『放っておけば地球のマグマはあの超獣にみんな吸収されて、地球は遠からず月のようになるわ・・・』

地球から見ると美しい月も、実際は水も空気も無い死の砂漠の世界である。あのルナチクスのために月はそうなってしまったと、夕子は語った。
『この地球を、月のようにしちゃいけないわ・・・』
『よし、解った』

何か理由があって、夕子の目的があの超獣を倒すことにあると悟り、北斗はウルトラマンAになって戦うことを決意する。
『ウルトラ タッチ!』

ふたりは右手と右手を合わせると、黄金色の光が二人を包みこんでウルトラマンAが出現した。大きな満月の下で、腕をクロスに組んだエースは回転を始めた。高速回転したエースは、砂煙を巻き上げて地中へ進んでいく。

地表から30キロメートル地下の部分を地殻といい、その下にはドロドロに溶けた摂氏1200度以上の高温のマグマがある。超獣ルナチクスは、そのマグマを吸い込んで食べていた。

回転しながら岩盤を割いてルナチクスのいる洞穴へ降りてきたエースは果敢に戦うが、吸い込んだマグマを吐き出して攻撃してくる超獣に苦戦する。ここは周囲のあちらこちらから炎が噴き出している、灼熱地獄の世界なのだ。やがてルナチクスは、エースから逃げるように地上に向かって岩盤を這いあがっていく。

ルナチクスが地上に向かって掘り進んだ穴を飛行して、地上までやって来たエース。地上ならば互角以上の戦いが出来るエースは、奮闘の末にルナチクスを頭上高く持ちあげると、噴火でたまった溶岩の中へ放り投げた。ドロドロの溶岩の中に落ちたルナチクスは、全身に火が付いて吠えながら焼け死んでしまった。

エースの戦いを見ていた温泉客のチョビ髭オヤジは、小躍りして喜んでいた。
『さすがだねぇ!』

超獣が死んで、煮えたぎっていた湯の温度は次第に元通りに戻っていった。戦いが済んで、北斗星司と南夕子に戻った二人。しかし夕子にとって、それは別れの時でもあった。

『星司さん、ワタシ本当は宇宙人なの』
『ウチュウジン?』
『そう。地球に一番近い星、月に住む宇宙人・・・』
『君が・・・月星人・・・』

涙を流して今までの経緯を語る夕子。月は地球から別れた時は、地球と同じ美しい星になるはずだった。それが超獣ルナチクスに襲われてマグマをすべて吸い尽くされ、月星人のほとんどは死に絶えてしまった。生き残った一握りの月星人が、いまも冥王星に移り棲んでいる。

夕子は、地球にやって来た超獣ルナチクスを滅ぼすために、その生き残りを代表して派遣された月星人だというのだ。ウルトラマンAの力を借りて、やっとその使命を果たした夕子は、仲間の元へ帰る時が来たのだ。

エースになるための指輪を北斗に渡す夕子。
『これからは、あなた一人でウルトラマンAになるのよ。星司さん、さようなら』

夕子は月星人の姿になると、TACのメンバーに別れの挨拶をするために、北斗に別れを告げた。
『俺は・・・ここから一人で君を見送る』

純白のロングドレスを着た天女のような姿に変身した月星人・南夕子は、まるで月に帰るかぐや姫のようだった。竜隊長達の前に姿を現し、メンバーひとりひとりと別れの挨拶を交わした。音も無く空へ飛び上がって行く月星人・夕子に、北斗は胸の前で両手にはめたリングを合わせ、初めてひとりでウルトラマンAに変身した。

『ふーむ。デュワーッ』
満月の下に立つエースの周りを2度旋回して別れを告げた月星人・夕子は、一族の元へと帰って行った。こうして南夕子無きこれからは、北斗星司ひとりでウルトラマンAに変身しなければならないのだ。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
温泉客のちょび髭オヤジは、作山俊二氏という喜劇俳優さん。顔を見れば、お分かりの方はたくさんいると思う。
この回は、星光子氏が南夕子役としての出演が最後となった作品。なんと夕子が月星人だったなんて!当時の筆者は、星光子氏に憧れていたので、もう姿が見られないのかとかなりショックを受けたものだ。

その経緯は今ではいろいろと知られているところだが、「男女合体変身」は都合がよくなかった事も確かだったようだ。このあと、月星人として星光子氏がエースに登場する機会が、1、2度ある。だが、それならなぜ降板させたのか疑問が残るところだ。

その後筆者が胸躍る体験をしたのは、『電人ザボーガー』で悪役の星光子氏を見かけた瞬間であった!

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ウルトラマンエース(14) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、特別企画「ヤプールの地球総攻撃三連発」と題して、地球侵略をかけて最終攻撃を仕掛けるヤプール人の話3本をお送りします。
第一弾は、第21話 『天女の幻を見た!』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗  
特殊技術;川北紘一
監督;山際永三
ナレーター;岸田 森

〖乙女座の精アプラサ〗
〖天女超獣アプラサール〗 登場


◆TACの竜五郎隊長の自宅に、まだ早朝6時前だというのに訪問客があった。しかも年齢は20代前半位で、とても美しい女性である。水色のガウンを着て玄関の扉を開けた竜隊長は、とても驚いた。つい今し方目覚める直前まで夢で見ていた美しい天女の顔立ちに、その女性の顔がそっくりであったからだ。

『こんなに朝早くから、どうしました?』
『私をお手伝いに、雇っていただけないでしょうか』

『私は独り者だから、お手伝いさんはいらないんだよ』
『ぜひお願いします。隊長さんの所で働きたいんです!』

『私の事をどこで聞いたの?TACという仕事の特殊性から私の住まいは秘密になっているんだけど、誰に聞いたの?』
『私は、ずっと前から知っていました・・・』

竜隊長がTACの隊長であることや秘密にしている自宅の住所を誰に聞いたのか尋ねても、前から知っていたとしか言わない女性。

女性は竜隊長に食い下がって必死に頼んでみるが、仮にお手伝いが必要だとしても、身元の判らない者を雇う訳にはいかないと竜隊長が言うと、女性は下を向いて肩を落とした。
『私、来てはいけない所に、来てしまったんですね・・・』

女性は涙を浮かべ、あきらめて立ち去って行くのだった。とても悲しそうなそのうしろ姿がなんとなく気になる竜隊長だった。その朝TAC基地に出勤してきた竜隊長に、乙女座の周辺にある星雲が大爆発を起こしてエネルギーの大変動があったという情報が入る。

竜隊長は、乙女という言葉にひっかけて、早朝にあった美しい訪問者の話をするのだった。部下たちに半分からかわれる隊長だったが、このことがこれから起こる事件を解決に導くカギになろうとは・・・。

犬に咆えられているところをシンイチ青年に助けてもらったのが縁で、竜隊長宅を去った女性はシンイチ青年の家でお手伝いとして雇ってもらえることになった。家族全員が別荘に行ってしまい、一人で留守番していたシンイチ青年は、こんなに美しい女性がお手伝いさんになってくれたことに、天にも昇る心地であった。

だが、TACの隊長に断られた話を聞いて、シンイチ青年は激怒した。
『身元なんか訊かなくたって、一目見ればわかるはずなのに・・・けしからんなTACの隊長は!』
笑顔のカワイイその女性にベタ惚れのシンイチ青年は、隊長への怒りを隠せないでいた。

その頃TACでは、東京のある地区にだけ異変をキャッチしていた。周りの地区よりもそこだけ異常に気温が低い。それに、テレビやラジオの電波の入りが良くないという通報もあった。タックパンサーでパトロール中だった北斗と南は、低温地帯の中心部である家へ向かっていた。

すると中から出てきたのはシンイチ青年で、北斗が何も言わないうちから、TACには協力しないという。
『おごり昂るようなTACの隊長は、嫌いなんだ!』
TACの隊員服を着ているというだけで、追い返されてしまう北斗と南。

帰り際にふたりは、窓ぎわに立って北斗と南をみている美しい女性を見かける。女性はTACに対しおびえている様子だったので、シンイチは追い返したから心配しないようにと言って、女性を安心させようとした。女性は、そっとシンイチに聞いた。

『TACの人、何か言ってましたか?』
『失礼な奴らだ。この辺りに異常があるなんて言うんだ!』

本部に帰った北斗と南は、異常低温地域の中心部に住む青年が、なぜだか隊長を憎悪していることを、竜隊長に報告した。
『私の事を嫌っている青年・・・どんな恨みを買ったのか、さっぱりわからんな・・・』

その家の窓から二人を見つめていたきれいな女性がいたこと、近所の人の話から、そのようなきれいな女性はその家に住んでいないことも、調査し報告した。竜隊長はこの情報から、今朝方、自宅を訪問して来た女性のことを思い出していた。

気になるのは、その女性がどうして秘密の自宅を知り得たのかということだった。それに、その女性の顔が、夢で見た天女と瓜二つであったことも・・・。竜隊長は、自分を憎悪しているという青年に会ってみることにした。

シンイチ青年の家の前に立った竜隊長に、青年の自宅屋根に登った女性の両目から、いきなりレーザー光線が発射された。素早く身をかわす隊長、レーザーは鉄の門扉を黒く焼いた。次の瞬間、女性は姿を消していた。やはりあの女性だった!だがこれで、あの女性が人間でないことが分かった。

シンイチ青年は、竜隊長が自分を探しに来たことを女性から聞くと、門扉の前に立っている竜隊長に暴言を吐いて追い返そうとするのだった。竜隊長が、女性の正体が人間でないと話しても、聞く耳を持たないシンイチ青年。

隊長が本部へ帰ってみると、あの青年の家付近に大量の宇宙線が集中して降り注いでいることが、測定により判明していた。

夜になり、寝室にいく女性アプラサ。鏡の前で天女の姿になったアプラサに語り掛けるのは、ヤプール人だった。

『乙女座が爆発した時に、乙女座の精であるお前は我々に助けられ、地球に逃げてこられたのだ。さぁ天女アプラサよ、今度は私に恩返しするときだ!地球を滅ぼせ!ハハハハ』
『それは、約束が違います。そんな約束なら、私、乙女座と共に死んだ方がよかったのです。地球を、人間を愛してます!』

だがアプラサは、すでにヤプール人に身体をあやつられていた。鏡を見ながら泣くアプラサ。その声を聞いてシンイチは扉をあけると、目の前には美しい天女の姿の女性がいた。心が躍り、明日あの女性に結婚を申し込もうと決意するシンイチ。

だがアプラサは自分が自分で無くなりつつあることを感じ、シンイチに逃げる様に言って扉を閉めてしまう。鏡の中の顔が、徐々に怪物に変化していく天女アプラサ。悲鳴を1つ上げるたびに変化していくアプラサの顔は、いつしか巨大な超獣アプラサールとなって、シンイチの家を破壊した。

密かにシンイチの家の周囲をパトロールしていた山中、美川ら4人は、アプラサールの出現で逃げてきたシンイチを安全な場所まで誘導すると、地上から攻撃を開始した。基地からは、隊長がタックアロー、北斗・南がタックスペースで出撃した。

超獣アプラサールは宇宙線の合成物質で実体が無いため、ミサイル弾もレーザーも効果が無いのだ。頭部の6枚の羽根から怪光を発して、町を破壊するアプラサ―ル。竜隊長は、腹部の羽衣を突っ切ってアプラサールの体内への突入を試みた。

そしてアプラサールの体内で、竜隊長はあの女性、天女アプラサの声を聞いた。
『違います。これはみんな、ヤプールの仕業なのです。私は乙女座の精なのです・・・』

竜隊長機を援護射撃していた北斗と南のタックスペースは、アプラサールの長く伸びた羽衣に捕まってしまう。エンジンが焼き切れるほど出力を一杯にしたが、もう逃げられない。二人は脱出して、ウルトラマンエースに!

アプラサールの腹部に引っかかっている隊長機を救出したエースだが、アプラサールは自身を実体の無い状態に変化させた。ガイコツのような顔のアプラサールを捕まえようとするが、エースの手の平は空を切るだけだ。

そこでエースは両手を合わせて、その先から敵の実体を見極めるガスを噴射した。天女アプラサが叫ぶ。
『ウルトラマンA、ヤプールが私に送っているエネルギーを断って下さい!』

エースが両腕を広げて出した虹色光線がアプラサールの上に覆いかぶさり、ヤプールからのエネルギーを断ったアプラサールは、巨大な美しい天女アプラサの姿へと戻った。

エースは、天女アプラサを白鳥座へ連れていくことにした。シンイチに笑顔をみせると、エースの後を追って羽衣を揺らしながら、静かに上昇していく天女アプラサ。遠く去って行く天女を見て号泣するシンイチに、竜隊長はそっとささやく。
『君、これは夏の夜の夢なんだよ・・・』  (おわり)


★★★★★★★★★★★★
天女アプラサ役の美景順子氏は、本当にお美しい。美景氏の天女姿は、本当に天女がいたらきっとこんな感じかもと思わせるチャーミングさがあると思う。号泣するシンイチ青年の気持ちがよく分かるなぁ。このアプラサ役がテレビデビューとのことである。その後、時代劇を中心に瞳順子の名で、ご活躍されている。特撮では「白獅子仮面」で大岡越前の妹役でご出演しているが、これもジャンルは「時代劇」になるね。
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ウルトラマンエース(15) [ウルトラマンA・ドラマ2]

「ヤプールの地球総攻撃三連発」の第二弾は、第22話 『復讐鬼ヤプール』を取り上げます。

脚本;上原正三  
特殊技術;川北紘一
監督;山際永三
ナレーター;岸田 森

〖宇宙仮面〗
〖凶悪超獣ブラックサタン〗 登場


◆タックスペースで夜間パトロールをしている北斗と南の目の前を、赤い火球が落ちて行った。落下跡を旋回し、目視だけでただの隕石だと判断した二人。だが翌日、隕石落下地点付近で、重体の怪我人が出たことを知る。

TACは事故現場へ向かい、担架で運ばれていく怪我人から聞き出した「人間が・・・宇宙人になった。隕石から・・・出てきた」という言葉から、昨晩の隕石がインベーダーの宇宙船の可能性が高いと、竜隊長は判断した。

ヤプールは、地球侵略の最終手段として、宇宙仮面という名のエージェント宇宙人を送り込んだ。銀色のスーツに身を包み、顔には目鼻口らしきものは見当たらず、ちょうどアルミホイルをグジャグジャにしたようなシワだらけの顔を持つ宇宙人であった。

その日から、竜隊長はインベーダーのTAC基地侵入に備え、非常警戒網を敷いた。だが宇宙仮面は警戒厳重なTAC基地に侵入し、地下動力室に時限爆弾を仕掛けるために、次々と警備兵を殺害していった。

地下発電室への侵入警報が鳴り、A通路とB通路の二方面から、宇宙仮面を包囲する作戦に出る隊員達。B通路から迫る北斗と南は、途中で宇宙仮面と遭遇しタックガンで応戦するが、奴は身のこなしが素早い。宇宙仮面が左手首にしている珍しい形のブレスレットが、戦闘中の北斗の目を引いた。

基地を脱出しバイクで逃げていく宇宙仮面の情報が、警らパトロール中のタックパンサーに無線で入った。山中と美川の両隊員は、直ちに後を追って行く。カーブが多い夜道を、タックパンサーは猛スピードで追跡していく。

突如バイクは急停車し、バイクを降りた宇宙仮面は、闘牛士のようにタックパンサーを崖下へ念動力を使って誘導するのであった。パンサーはガードレールを突き破り転落、山中は傷を負っただけだったが、美川は呼吸をしていなかった。焦る山中は本部へ緊急連絡し、竜隊長達の乗るパンサーを呼ぶ。

竜隊長達を連れて山中が崖下の事故現場に戻ってみると、美川隊員の姿は消えていた。死んでいたはずの美川隊員を必死で探す山中。ちょうどその時、美川隊員が救急病院に搬送されたという連絡が、基地から竜隊長に入った。山中は驚きを隠せなかった。

竜隊長や山中隊員らが病室に駆けつけてみると、美川隊員が元気な笑顔を見せていた。彫刻家の坂井次郎と名乗る青年が事故現場を通りかかり、応急処置をしてくれたため助かったと美川隊員は話した。

だが、どうしても山中には不思議に思えてならなかった。その時以来、美川隊員はこの坂井青年に、好意を持つようになっていた。

それから1週間ほどした頃のこと。坂井青年が園児たちの為に、幼稚園の庭に高さ3メートルほどの超獣人形を作っていた。パトロール中の北斗と南は、偶然その園の前を通りかかったのだ。まだ完全に傷が癒えない美川隊員は、浴衣姿で坂井青年のそばで手伝いをしていた。

坂井青年からもらった犬のぬいぐるみを抱いて、浴衣姿の美川は上機嫌であった。ブラックサタンという名の超獣人形を作る坂井青年に、北斗は特に違和感もなく話かけたが、ふと坂井青年が左手首にしているブレスレットに目が行った。それはTAC基地に侵入した宇宙仮面の左手首にしていたものと、よく似ていたのだ。

北斗は脚立に登って超獣作りの手伝いを始めたが、美川隊員は本部に顔を出すようにという北斗のついたウソに、坂井青年は気付いた。北斗は、坂井青年の腕輪の件をここでは言えなかったからである。

突然、子供達が遊んでいたボールが不自然なカーブを描き美川隊員を直撃、その勢いで美川は脚立に激突してしまう。北斗は脚立から落下して、足首を捻挫してしまうのだった。

基地に戻った北斗は、美川隊員に坂井青年の腕輪の事を話した。
『何ですって?坂井さんがインベーダー?』

坂井青年からもらったぬいぐるみ・ブーワンを抱きながら、不満げな顔で聞き返す美川。
『宇宙仮面の腕輪が、彼のとそっくりなんです!』
『腕輪はアクセサリーなのよ。誰だってやってるわ!』

山中も、あの現場に坂井青年が居合わせたことが、出来過ぎに思えてならない。竜隊長は坂井青年の正体を探るために、梶技師に用意させたペンダント型測定器をみんなに見せた。首からかけておけば、体温や血液型、細胞組織などを測定することが出来るものだ。

問題は、どうやって彼にこれを付けさせるかだ。
『私がその役をやります。それで坂井さんの潔白が証明されるのなら・・・』

竜隊長は、美川隊員にすべてを託した。だがその時、坂井青年からもらった犬のぬいぐるみ・ブーワンの目がキラッと光ったことを誰も知らない。

私服に着替えた美川隊員は、お礼の気持ちだと言って、ペンダントを坂井青年の首からかけてあげるのだった。本部では、ペンダントから送られてくるデータの分析が始まった。

やがて、分析結果が出た。梶技師が叫ぶように言った。
『奴の身体は、特殊金属と合成樹脂で出来ています!』

人間でないことが判明し、直ちに竜隊長は出動命令を出したが、捻挫している北斗は待機するよう指示される。幼稚園では超獣人形が完成し、子供達の前で披露しようとする坂井青年と、笑顔でそれを手伝う美川隊員。

だが、竜隊長達が園に入ってくると、空気は一変した。
『ようこそTACの皆さん!ボクの分析結果は出ましたか?』

美川がもらったブーワン人形によって、TACの動きは筒抜けになっていたのだ。遂に正体を現そうとする坂井青年。だが美川が、TAC隊との間に入る。
『坂井さん、冗談をおっしゃっているんでしょ?あなたはインベーダーなんかじゃない!』
『美川君。残念だが、この男は地球人ではない。基地へ侵入したのも、この男だ!』

竜隊長自らそう言い、美川隊員の望みはほとんど絶たれた。だが、あきらめきれない美川。
『あなたを信じています。皆の前で潔白を証明してください!』

すると、みんなの前で、坂井青年は宇宙仮面に変身した。呆然とする美川隊員。逃げ惑う子供たち。美川の心は、傷ついていた。だがそんなことはお構いなしの宇宙仮面の超能力は、超獣人形を本物の超獣へと変身させた。

あっという間に、60メートルほどに巨大化するブラックサタン。ひとつ目で一角、口の端に生えた牙が、凶暴さを表している。

南隊員のタックアローが撃墜され、足を引きずりながら北斗は出撃しようとする。すると北斗を狙って、何者かが発砲して来た。それは犬のぬいぐるみ・ブーワンだった。口の中に仕込まれた弾丸が、北斗を狙った。とっさに北斗は身をかわし、タックガンでブーワンを破壊した。

足を引きずりタックアローで出撃した北斗だが、撃墜されてしまう。脱出して地上に待機していた夕子は、撃墜された北斗機に駆け寄って行く。
『星司さーん!』
『夕子!』

リングが光り、ウルトラマンA登場!指先からミサイル弾を連射するブラックサタンから、側転して逃げるエース。エースのカラータイマーが点滅を始めピンチに陥った時、美川隊員は小型ショットガンを持って、宇宙仮面を探していた。

ビルの屋上でブラックサタンに指令を出す宇宙仮面を発見した美川隊員。
『坂井さん!』
後ろから声をかけられ、振りむいた瞬間にショットガンが火を噴いた。絶叫してビルから落ちて行く宇宙仮面。

指令者を失ったブラックサタンは、戦闘能力が半減した。エースは自分を避雷針にして、落ちてきたカミナリを敵に落とすウルトラサンダーで、ブラックサタンを火だるまにしてしまうのだった。

戦いが終わり、破壊された宇宙仮面の屍骸を眺める美川隊員を、南隊員が優しく背中を押しながら帰っていく。もはや美川隊員の心の中に、坂井青年の面影は無い。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
前回は竜隊長メインの話であったが、今回は美川隊員メインの話と言える。美川隊員役の西恵子氏もお美しい。白いミニスカートがよく似合う素敵な女性だ。前回ゲスト出演した三景順子氏とは、また別の美しさがある。少し幼さが残る乙女の三景氏、大人の女性の西氏って感じ。

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