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帰ってきたウルトラマンこぼれ話2 ブログトップ
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帰ってきたウルトラマン(21) ~チャンスがあれば、ぜひ南隊長をやってみたいですね [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

『帰ってきたウルトラマン』の主役候補にも挙がっていた池田駿介氏。南猛役でサブリーダーとして、また郷秀樹の良き兄貴分として大いに活躍された姿を覚えている方も、大勢いると思います。池田氏のヒーローものに出演する隊員のイメージ像は、清潔感があってカッコ良くて、頼もしい存在であることだそうです。

南猛隊員もゼロワンのイチローも、イメージどおりの頼もしい人物でした。残念なことにすでに他界され、南隊長役は叶わぬ夢となりましたが、新マンが帰ってきたという設定の、帰ってきた『帰ってきたウルトラマン』というドラマで演じる南隊長役を、見てみたかったなという思いがこみ上げてきました。

ちょうど、平成ウルトラセブンシリーズでフルハシ隊長役を石井伊吉氏がやったように。
では、インタビューをどうぞ。

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聞き手;
「まず、出演された経緯を・・・」

池田氏;
「当時、国際放映で撮影をしていた時に、『こんど、ウルトラマンが帰ってくるんだよ』って聞いて、『帰ってくるんなら、俺もでたいなあ』っていう気持ちがあったんですよ。事務所に帰ってマネージャーに話をしたら、彼が円谷一さんと懇意にしていて、『じゃあ、これからすぐ行こうか』っていって、電話をかけたんです。

そしたら『すぐ来いよ』っていうことになって。行ったら円谷一さんが事務所の奥に立って、じっと見てられてね。私が挨拶したら、『ああ、池田君か。うーん、そうか。今いくつぐらいなんだ?』って聞くから、『25です』って言ったら、『ああ、そうか。主役はもうちょっと若い人で行きたいけど・・・。じゃあ明日、TBSへ行こう』って。

それからTBSプロデューサーの橋本洋二さんにお会いして。その時にお手洗いに行ったらね、円谷一さんが入ってきて、用をたしながら『主役はわからないけども、隊員には絶対になれるからな』って。もう天にも昇る気持ちですよ。別にね、主役じゃなくたって、隊員になれればいいと思ってましたから」

聞き手;
「でも、主役候補ではいらしたんですよね」

池田氏;
「それから一週間くらいしても、主役が全然決まらないって話で。『池田君のようなうわさも聞いたよ』なんて言われるから、『じゃあ、俺がウルトラマンになれるかなぁ』なんて思ってました。

しばらくして、円谷プロで衣装合わせ・顔合わせがあるって聞いて、『もしかしたら・・・』って行ったらね、いやぁ、団(時朗)ちゃんがいるんですね(笑)『あ、この人だな、ウルトラマンにピッタリだ』と思いましたね。これから世界に出るウルトラマンだろうし、彼は足が長くてカッコいいしね」

聞き手;
「では、その時には南隊員ということで」

池田氏;
「ええ。人物設定というのがありますよね。マットガンの名手で、オリンピックに出場してどうのこうの書いてあって、カッコいい役だなぁと思って。僕は時代劇調のものが多かったんですよね、あとは柔道ものとか刑事の固い役とか。

で、足がガニ股で曲がっているし(笑)それでカッコよく見せるには、まず足を真っ直ぐにしなきゃと思ってね。内面の役づくりの前に、いわゆる見た目をね。知り合いの俳優さんが、《ガニ股防止器》を作ってたんですよ。それを足に入れるわけです。

そしてあの制服のズボンをはいて、次にお尻が大きいからどうしようかと思ってね。女の人が付けるコルセットをつけて隊員服を着るとね、カッコよく見えるんですよ」

聞き手;
「走ったりしたときに、問題は無かったんですか?」

池田氏;
「ピチッとゴムで止めてね。見てる人には苦労は分からなかったと思うんですけどね。あの当時は、ヒーローものの隊員というのは、やっぱり清潔であって、カッコ良くて、頼もしい存在でなきゃいかんっていうのがありましたから。そういった役作りは、心がけていましたね」

(つづく)


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帰ってきたウルトラマン(22) ~一生忘れられないし、出演したことに誇りを持っています [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

(前回からつづき)
聞き手;
「現場に入られて、雰囲気はいかがでしたか?」

池田氏;
「とにかく楽しかったですね。自分がウルトラマンを好きでやっているから、気持ちが凄く高揚していたのかもしれないけれど。ロケーションに行っても、遠足に行く気分。

団ちゃんはモデルからで初めてだったし、健(西田健)ちゃんもあの時は新人だし。僕はみんなより年が二つか三つ上で、東映に入って下手なりにいろいろな作品をやってたんですよね。だから団ちゃんたちも、僕のことを慕ってくれるんですよ。

この前団ちゃんにあった時に、『池田さん・・・南隊員はチーママみたいでしたね』って(笑)まさしく、そうだったかもしれない」

聞き手;
「印象に残っている作品って、ありますか?」

池田氏;
「『怪獣島SOS』ですね。あれはね、確か海岸っていうのは・・・逗子、湘南のほうかな。そこで撮影したんですけどね。やっぱり本多猪四郎監督の時は、緊張するんですよね。ミスをしちゃいかんという。そういった心構えみたいなのがあったから。

だからセリフもビシッと覚えて、NGは出さないですよ。本多先生はなんか軍人の様な人でしょ、ビシッとしていて。ロケ現場に着くとね、すたすたっと歩いて行くんですよ。どこへ行くのかなと思ったら、ロケハン(*)に行ってるんですよ」
(*)ロケーション・ハンティング;ロケをするための撮影場所を探すこと

聞き手;
「監督は、ロケハンをおひとりで?」

池田氏;
「ひとりで。当時は時間もないし予算もそんなに無かったときだから、その日に行って、現場で撮る場所を自分で見つけてやるっていうのが、多かったんですよ。あの先生は、演技もあまり細かい注意はしないんです。自由にやらせてくれる。

本当に目についたところだけは、演技指導するんですよ。ボクも一回ありましたね。第二話で、怪我をして腕を吊ってるでしょ。それで、『郷、待て!』って言って、後を追っかけようと三角巾をパッと取って行くという時にね、何気なくもう痛く無いような顔をして追いかけたら、『池田君、ダメだよ、その表情。本当に痛いっていう顔しなきゃ』って、自分でやってくれるわけ。

『視聴者にわかるような演技をしなきゃいかん。いくら自分でわかったって、観てる人が痛さを感じるような演技をしないとダメだ』と。映画と違ってテレビは画面が小さいから、痛さとか喜怒哀楽はね、はっきり出さなきゃいけないってことなんですね」

聞き手;
「第二話といえば、第一話と第二話の撮り直しってあったんですか?」

池田氏;
「ありました。1日分かな、2日分かな、全部撮り直ししました。ラッシュでみたら、フィルムにキズが入ってたらしいです。うわさだから、本当の所はわからないですけれども」

聞き手;
「あとは、『ふるさと地球を去る』ですよね」

池田氏;
「やっぱりこの話ですよね。まぁ、台本もらった時もね、難しい、後半がすごく難しいと思ってね。子供に何か強いものを・・・力を与えてやろうと思って、南隊員がマットガンを渡してね、バリバリって撃たせて。強くなった、よかったって言ったけれども、南隊員はダメだって怒ったわけですよ。

やっぱり武器だけを与えてね、子供に接したっていうことが、南隊員としてはいけなかったなって思っている。と同時に、これは違うんだよっていうことを教えたかった。だから『やめろ』って言って、怒りっぱなしじゃいけない。すぐにニコって笑って、『もういいだろう』っていう。その切り替えですよね。

数秒の間に南隊員の性格を出そうとおもって。ほんの一瞬の子供とのふれあい、人間の触れ合いっていうんですかね。それを出したっていうかな。今から考えたら、南隊員のすべてがそこにあったような気がするんです」

聞き手;
「最後に、池田さんにとって、『帰ってきたウルトラマン』とは何だったでしょうか?」

池田氏;
「一生忘れられない作品ですね。やっぱりウルトラマンというネーミング、プラス自分の誇りみたいになってますね。当時は、特撮ヒーローものっていうのは、見下げられたような雰囲気があったでしょう。今は時代が変わって、そんなことはないですからね。

『俺は誇れる仕事をやった。円谷プロで2年もやってたんだぞ。『帰ってきたウルトラマン』 『緊急指令10-4 10-10』だぞ。東映では『キカイダー01』で主役やったんだぞ』と誇りを持って言えますからね。

この作品でウルトラマンがカンバックしたから自分たちが出してもらえたんで、カンバックしてなかったら、ヒーローものに出演も無かったと思います。僕は南隊員をやっていたから、『キカイダー01』も自信を持って出来たんです。ファンの人で、南隊長をやってほしいという人がいるんですよ。

南隊員でなくて、こんどは南隊長をって。もし話があれば、Vシネマでもやりますよ!」
(おわり)


特撮ファミリー・2関連記事;http://zarabkemul.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306125875-1
★★★★★★★★★★★★
池田駿介氏の葬儀は、献花の際は『帰ってきたウルトラマン』のオープニング曲がながれ、出棺の際には『キカイダー01』のテーマ曲が流れたという、無敵超人葬であった。

演じていた当時は心の葛藤なども多分あったりして大変だったと思うが、後になって「ファンの心にいつまでも残る」というたいへん大きな副賞が送られたと思いたい。子供の時に観たもの、聞いたものは忘れることは無い。特に好きなテレビ番組は、いつまでも心に残っているものだ。

ご本人も言っているとおり、特撮ヒーロー番組は当時「ジャリ番」などと呼ばれて、出演者は卑下されていたらしい。だが時代が変わり、それらは注目を浴びる存在に変わった。ヒーローを見て育った子供達が大人になり、今度は自分の子供にそれらを語り継ぐことで、新たな力を得たかのように蘇る当時の特撮ヒーローたち。

いちど死ぬことで永遠の命を授かったのが、「我らが昭和の特撮ヒーローたち」なのである。そして池田駿介氏にも、永遠の命が与えられたのである。

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帰ってきたウルトラマン(24) ~脚本は納得いくまで書き直しを要求しました (橋本洋二氏・TBSプロデューサー) [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

1968年9月末で『ウルトラセブン』が最終回を迎えると、ウルトラブームはここに終了したと誰もが思った。満田監督は『ウルトラセブン』を監督しながら、『もうこれで次はないな』と思っていた程、世間の怪獣人気は下降していたように見えた。

しかし実際は、種火のようにウルトラブームは燃え続けていた。ウルトラQ、マンやセブンの怪獣ブロマイドが爆発的に売れ続け、「ウルトラ怪獣図鑑」や「怪獣絵本」が次々出版されていたのである。

そんな中ついに1970年秋に、あの『ウルトラファイト』の放送が始まる。月曜から金曜の夕方5時半からの5分番組だった。この番組の成功によって番組製作収入を確保することが出来、この歳の暮れに「ウルトラマン製作再開」にゴーサインが出た。

円谷一(円谷プロ)と橋本洋二(TBS)という生まれが1日違いのふたりがタッグを組み、もう一度ウルトラマンをやるという雰囲気が、自然な感じで生まれていた。それは、時代の流れが製作者たちの背中を押したと言ってもいい。

「特撮怪獣シリーズ 続・ウルトラマン」という企画書が、ここに産声をあげた。この最初の企画書では、初代ウルトラマンが地球に「帰ってきた」設定となっている。要約すると、こうである。


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『ウルトラマンが去った後、平和な日々が続く地球。しかし度重なる核実験から怪獣たちが再び目を覚まし、暴れ出す。科学特捜隊はすでに解散し、自衛隊の攻撃は歯が立たない。逃げ惑う人々。その時救世主ウルトラマンが現れ、怪獣を倒すとどこかへ去っていった。

政府はこの事件をきっかけに、怪獣退治専門チームMATを結成。ヤマムラ隊長以下、バン、ムトウ、キシベ、サワダのメンバーが集まった。MATのメンバー全員がそろう中で、ウルトラマンが登場する。

アルプス山中で起こった事件でバンを救ったのは、元科特隊員ハヤタだった。彼がウルトラマンなのか?バンはハヤタに入隊を勧めるが、断られる。ハヤタは、今は冒険家だ。自由が良いと入隊を断った。助けてくれたお礼にハヤタをマットアローでアフリカまで送り、その帰途、バンは謎の空間に引き込まれてしまう。

そこには光の巨人、ウルトラマンがいた。このままでは地球に留まれないウルトラマンは、バンに身体を貸してほしいと語る。こうしてMAT隊員のバンはフラッシュビームを授けられ、ウルトラマンとして活躍することになった・・・』
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この内容を継承し作品名を「帰ってきたウルトラマン」と改題し(第二案)、さらに大幅に手直ししたものが(第三案)、今の「帰ってきたウルトラマン」のベースとなっていく。
では、橋本洋二氏の話をどうぞ。

★★★★★★★★★★★★

この作品のテーマについては、上原正三と話をして決めました。まず考えたのは、『(初代)ウルトラマン』との差別化と当時のスポ根ブームです。『ウルトラセブン』の放送中からそういう時代になっていたと思うんですが、人間の能力の高まり、鍛えればどこまで出来るのかというムードが漂っていて、

子供番組にも深まりや奥行ができたというか、単なるキャラクターものから、一人の人間を少し掘り下げる傾向がありましたね。

『怪奇大作戦』で環境問題や人間関係の歪みなんかを稚拙ながら取り上げてきたその姿勢を、ウルトラシリーズにも取り入れようと考えていました。なかなか難しいところでしたが、こだわりはありましたね。そういう意味では、上原正三とは『怪奇大作戦』の頃から、割と話が合いましてね。よく理解してくれていて、たいへんやり易かったですね。

脚本に関しては、時には書き直しを、またよく手直しを要求したものです。決定稿が決まれば、後は現場にお任せ。自分の意志とメッセージは、脚本で伝えます。それをスタッフがどう理解し、どんな作品に仕上げるかを待つわけです。

脚本は監督が決まってから書くことが多かったわけですが、あの監督だったらこうしたらいいんじゃないかと、いろいろ考えましたね。すぐれた脚本であれば、ある程度の力量の監督が撮っても、良い出来の作品になるんです。脚本が水準に達していなければ、責任を果たせたとは言えません。

だから僕自身が納得できる脚本を監督に渡すことに、努力しました。監督で特に思い出深いのは、東映出身の冨(冨田義治)チャンで、非常にデリケートな方なので、テレビの演出と通じ合うと思いました。生き生きとした表現力を持つ若手監督を起用することで、これまでの作品とは違った息づかいのものができないか、という狙いもありました。

前後編の作品をすべて彼に託したのは、30分の作品では人間の血の通いや共感性を描くことを得意とする彼の持ち味が生きないと思ったからです。

『怪獣使いと少年』は絵作りの問題で撮り直しを考えていたので、よく覚えている作品です。ウエショウ(上原正三のニックネーム)が考えていたものと、それに対する僕の理解の間に少し差があったんです。

ウエショウは東條(昭平監督)とよくディスカッションした上で作っているので、彼らの考えは非常に近いものがあったと思います。彼にしてみれば、会心の作と思っているかもしれませんね。僕としては違うイメージを勝手に作っていて、あんなにシリアスにしないで、もう少し気楽に考えていたのです。だから試写を見たときは、非常にビックリしました。

劇中で坂田兄妹を死なせるということを最初に言い出したのは、確かウエショウだったと記憶しています。ふたりにはかわいそうなことをしたけど、一つのエポック(*)になることは間違いなかったし、割とドラマチックな感じになったので、良かったと思います。まぁ現場では、それはマズいんじゃないかという意見があったかもしれませんが。
(*)画期的なこと

ウルトラブレスレットのアイデアは、作品の強化案の話し合いの中で、小学館の人が出してくれました。でも最初は、苦心の末に怪獣に打ち勝つという、本来のテーマから外れるものなので考えました。

ただ、変身のパターンが分からない、ウルトラマンが弱すぎるという意見があったので、結局採用することにしました。ビジュアル上で光学処理が出来るので、中野(稔)や熊ちゃん(熊谷健)なんかは乗り気でしたね。

まぁ僕としても、この作品を作ったことは非常に意義のあったものだと思っています。この後4年間続くウルトラシリーズの基礎を築いたという意味でも、良かったと思いますよ。
(おわり)
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帰ってきたウルトラマン(35) ~円谷スタッフが語る「新マン」秘話1 [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

プロデューサー、監督、カメラマンらが語る、『帰ってきたウルトラマン』の秘話が続出。いろいろなこぼれ話も、多数あり!
第一回は、ご存じ満田かずほ氏。今や円谷の大御所。スタッフとして当時のウルトラの現場を知る数少ない一人である。では、どうぞ。


★★★★★★★★★★★★
『帰ってきたウルトラマン』は最初の企画は私が立てました。ヒントは円谷英二社長が、『帰ってきた用心棒』だとか『帰ってきた座頭市』とかいうのが映画でブームになっていて、「ウルトラマンも帰ってきたらどうかね」って、ぽつんと一言つぶやいたのがきっかけです。でも企画室に金城氏がいなかったから、実際にドラマになったのとは違うんですけど。原点は私が。キャラクターとしては、初代ウルトラマンをそのまま帰ってこさせたかったんで、ウルトラマンのデザインはまったく起こしてなかった。だけど、商品化上面白くないって意見が出て、急きょ線を入れたりして。

これは余談だけど、タッコング、ザザーン、アーストロン、キングザウルス三世の4匹だけは、いつも作り物で手遅れになっていたから、作り物を先行させちゃおうってことで、脚本の人にもどんな話になるかわからないけど、ストーリーに関係なく怪獣だけ発注したんです。

きくち英一氏とは、もちろん現場でも会ったことあったけど、一番の思い出は、元助監督で脚本家でもあった田口成光の結婚式のエピソードかな。彼は日大で、きくちちゃんも日大でしょ。日大には伝統的な「エッサ、コリャコリャ」っていう応援団の踊りのようなものがあるんですよ。で、田口の結婚式のとき、きくちちゃんがやれって言われてたんです。それで私が偶然トイレに立ったら、きくちちゃんがトイレで一所懸命「エッサ、コリャコリャ」って練習してるわけだ。これがさ、さすがに役者だから、ものすごくうまいんだよねぇ。

ウルトラマンの芝居には自分なりのポーズっていうのがあって、古谷ちゃんは殺陣とか格闘技に関しては素人だったけど、足が長いという理由で『ウルトラQ』のケムール人に入って、その縁でウルトラマンに入った。格闘も分らないし、前でバンバン火が燃えると、それが怖いから、ああいうポーズになった。次のセブンに入った上西は、剣友会っぽいところにいたわけだから、こう胸張ってね。きくちちゃんもそれこそ、剣友会とかでキッチリ殺陣を勉強した人だから、やっぱり上手いんですよね。

★★★★★★★★★★★★
初代ウルトラマンの古谷 敏氏が話しているから間違いないと思うけど、あのちょっと前かがみにかまえるウルトラマンの戦闘ポーズは、アメリカの俳優ジェームス・ディーンの映画を観て憧れていたという部分が根底にあるとのこと。従って、満田氏が言っている「火が怖いから」という理由は、それも一部あるかもしれないが、間違いである。「ウルトラマン」の項に、古谷 敏氏がそのあたりを語っている記事があるので、そちらを読んでみてください。

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帰ってきたウルトラマン(36) ~円谷スタッフが語る「新マン」秘話2 [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

プロデューサー、監督、カメラマンらが語る、『帰ってきたウルトラマン』の秘話が続出。いろいろなこぼれ話も、多数あり!
第2回は、ご存じ高野宏一氏。この大御所は2008年11月に鬼籍に入ってしまい、本当に残念の一言。新マンのスタッフのひとりとして、当時の現場について語ってもらおう。では、どうぞ。

★★★★★★★★★★★★
『帰ってきたウルトラマン』については、ボクはあまりにもたくさん本数やっているんで、1本1本については、正直あまり細かいことまでは印象に無いんです。でも一回目の本編監督が本多猪四朗さんだったことは覚えていますよ。なんせオヤジ(円谷英二)と組んでやっていた監督さんだからね。あれは、スタジオは東宝でした。第一回、それも久々のウルトラマンだったから、気合いが入ってたんでしょうね。

特撮のコンテも、最初のうちはちゃんと絵で描いていましたよ。あとはもう初代ウルトラマンからの経験があるから慣れたもので、字コンテにしちゃってましたけどね。そのコンテも、きくちちゃんと「次のはどういう武器にしようか」なんて、相談してやってたのを覚えています。トランポリンとか新しいこともやってみたけど、きくちちゃんもずいぶん頑張ってくれましたね。

でもさすがに、ウルトラマンのスーツきたまま空中でカッコよく回転するなんていうのは無理だったんで、あそこだけは日体大の連中に代わりにやってもらった部分もある。特撮班も最初は時間があったんで、1班体制でしたね。最初は佐川がカメラマンをやっていたんじゃないかな。殺陣の指示は、怪獣が出現してウルトラマンと戦う前に、どの辺に強さを持たせようかと考えながら出してました。

ユニークな怪獣もたくさん出たけど、ツインテールなんかは相談して、前後ろ逆に入ってもらいました。デザインやってた池谷なんかもね、ノッててね。これは結構おもしろかったです。ウルトラマンの帰るシーンで、ジャンプするときに使うイントレは、初代の頃からの伝統だけど、たしか飯島敏宏さんが考えたんじゃなかったかなと思います。

イントレを使うことになった最初のわけは、初代ウルトラマンに入った古谷がスーツ着たままではうまく飛び上がれなかったんで、みんなで持ち上げることになったんですよ。僕らが円谷プロで仕事するとき、「特殊技術」という肩書きになっているのは、円谷英二さんに敬意を表してなんです。東宝での英二さんが「特技監督」という肩書きでお仕事されていたので、恐れ多くて、とても同じ肩書きは名乗れないというものですよね。(おわり)


◎円谷プロで働く社員の方の新マンの思い出を載せてみよう◎

好きな作品は、「怪獣チャンネル」。怪獣映画(テレビ、劇場)界において、段々と怪獣が擬人化していく中で、本格怪獣を毎回送り出した円谷プロの意地を感じた。円谷プロ出身の特技監督である高野宏一、佐川和夫、大木淳、他によるローテーションで、各監督の演出カラーの違いが楽しめる。中でも、ビーコンの怪しげな描写やプリズ魔の美しさの中の怖さが印象的だった。
(製作部・男33歳)


★★★★★★★★★★★★
高野宏一氏も特撮の第一人者として、ウルトラシリーズを支えた功労者のひとりである。高野氏が若い頃に編み出したいろいろな特撮技術や演出方法などは、すべて今の若いスタッフたちに十二分に教え込んでから、この世を去られたことは間違いないだろう。その一方で、特撮番組が予算と時間と体力をとてもたくさん使うことをよく知り、それを長年支えてきた人だったと思うので、円谷プロが独立系プロとしてやっていけなくなったことを、誰よりも悲しく思っているのではないだろうか。

当ブログの中のウルトラセブンの裏話にも、満田氏などといっしょに、氏が出演していらっしゃるので、是非そちらの方も読んでみてくださいね。

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