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帰ってきたウルトラマン(33) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/テロチルスの巻、その1 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第21弾は、東京のど真ん中に巣を作りだした怪鳥テロチルス。大怪鳥の出現と幼友達をめぐる犯罪者とのサブストーリーで展開していく異色作。第16話『大怪鳥テロチルスの謎』を取り上げます。

脚本;上原正三
監督;山際永三
特殊技術;高野宏一

◆若者が乗ったヨットが爆発事故を起こし、松本三郎が犯行を自供した。助かった由起子と婚約者は、ヨットの爆発原因が空から襲ってきた巨大な影によるものと証言、郷は調査を開始する。一方、謎の旅客機墜落事故を調査していたMATは、ヨット爆発事故との共通点を探るうちに、怪鳥テロチルスの存在を確認する。

怪鳥は一夜にして都会の真ん中に銀色の巣を造ったが、恐ろしいことに、その巣から落ちる雪のような成分と車の排気ガスが化学反応して赤い猛毒ガスに変化、人々を襲った。雪から硫黄のにおいがしたという連絡を、ガスで目をやられた由起子から受けた郷は、噴火口のある悪島(ぶすじま)で怪鳥テロチルスの巣を発見した・・・。


★★★★★★★★★★★★
《ウルトラマン、ジャンプ》
聞き手;
「今の、トランポリンでしょう。跳ねてましたね。セットの中でトランポリン使ってるんですか?」

きくち氏;
「そうですね。東宝はホリゾント(*)が高いからできるんです」
(*)舞台やスタジオで使われる背景用の布製の幕または壁で、空や空間を表す

《ウルトラマン、ポーズを取るが何も起こらない》
聞き手;
「今のこれに何の意味があったんですか?何もしていない」

きくち氏;
「合成し忘れかな?光学撮影の中野稔さんの担当ですね。たまにはこういう事もあったでしょう。中野さんは日大の先輩なんですよ。私の娘が日大の芸術学部で、もう卒業なんですが、息子さんが同級生で、卒論が「ぬいぐるみスター研究」っていうらしいんですよ。

それで中野さんの息子さんに頼まれたんで、いろいろと質問されたこともありました。遠矢も紹介したら、東映に行って仮面ライダーのぬいぐるみを着て、写真を撮ったりしてたそうですよ」

聞き手;
「その卒論ぜひ見せて貰いたいですね。もうできているでしょう。

きくち氏;
「ええ(笑)見たいですねぇ」

聞き手;
「ぬいぐるみスターの足跡は、芸術大学の卒論の一分野になるべきです」

きくち氏;
「あっ、変身。この頃はまだいろんな形の変身の形を考えていたんだな。これ東宝だな」

聞き手;
「広いですね。この回東宝だっていうのは、
前後編ということで力が入っていたからですか?」

きくち氏;
「それと、新宿の高層ビルを作る、やっぱりビル街を作るってことで広さが必要だったんでしょう。これはロープでみんなに引っ張ってもらって」

《ウルトラマン、ジャンプする》
聞き手;
「この時の空のバックってのは、どうなってるんですか。引っ張ってるんでしょ、ホリゾントを」

きくち氏;
「これはね、移動車にイントレ(*)積んで押してもらって。これも初めての試み」
(*)建築現場の足場のようなもの

聞き手;
「ホリゾント自体を怪獣ごとに作っていって」

きくち氏;
「これは違いましたね」

聞き手;
「回転するホリゾントを作るの、大変でしょう。これサンダーバードみたいだ」

きくち氏;
「東宝のスタジオは天井高いからね、だから」

聞き手;
「なあるほど。だから第一話も東宝だったんだ。見上げのシーンがあったから。これね、前半はネタあったんだけど、後半がネタ無い。この回の怪獣大変ですよね、セッティングに時間かかって」

きくち氏;
「そう、時間かかってね」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
テロチルスは、これ東宝スタジオでやったんです。この時、弾幕っていう、吊ってて爆発するやつ、高射砲みたいなやつを初めて経験したんじゃないかと思います。


★★★★★★★★★★★★
映像が無いと、ふたりの会話だけでは今一つ楽しめない感じの内容であった。もうすこし読者のことを考えた会話を、ふたりにはお願いしたいと思うが・・・。ところで、「ポーズを取るが、何も起こらないウルトラマン」はどのシーンのことなのか気になる。手元にDVDなど映像媒体があったら、ぜひ確認したいところ。中野稔氏のご子息の卒論「ぬいぐるみスター研究」も、ぜひ読んでみたい。

テロチルスのような鳥型怪獣が前後編に渡ってウルトラマンと闘うのは珍しい。この後のシリーズである『ウルトラマンタロウ』では、バードンという鳥型怪獣が大暴れする回があり、しかも3話にまたがってタロウやウルトラ兄弟を苦しめる、という話もあるにはあるが。

このテロチルスの場合は、由起子と三郎をめぐる殺人事件というサブストーリーが展開しているので、2話にまたがることになったのだろう。三郎役は、青春スターだった石橋正次氏。歌手でもある石橋氏を最近歌番組で観たが、別人の如く人相が変わっていた(当たり前だね)。

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帰ってきたウルトラマン(34) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/テロチルスの巻、その2 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第22弾は、テロチルスが東京へ移住を進めていると考えたMATは銀の城のような巣を焼き払うべく準備を進めるが、脱走した松本三郎は由起子を連れて、よりによってテロチルスの巣があるビルに立てこもってしまう第17話『怪鳥テロチルス 東京大空爆』を取り上げます。

脚本;上原正三
監督;山際永三
特殊技術;高野宏一

◆悪島(ぶすじま)でテロチルスを発見した郷はウルトラマンに変身して戦ったが、激闘の末に敗北してしまう。MATは怪鳥テロチルスが悪島の噴火予測をして東京へ移住を進めているものと推測し、テロチルスの巣である銀の城を焼き払う準備を始める。

一方脱走に成功した松本三郎は幼友達の由起子をさらうと、テロチルスの巣があるビルに籠城してしまう。束の間ふたりの間に心が通じ合い三郎は自首を決意するが、一発の銃弾が三郎をつらぬき絶命してしまう。その直後に暴れ出したテロチルスに、郷は再びウルトラマンとなって闘いを挑む・・・。


★★★★★★★★★★★★
きくち氏;
「このスタジオはいつもの美セン(*)じゃ無くて、東宝で撮ったんです」
(*)旧東京美術センター、現在の東宝ビルド撮影所のこと

聞き手;
「しかしテロチルスは空を飛ぶ操演の怪獣だったから、たいへんだったでしょう」

きくち氏;
「僕よりは遠矢の方が逆にね。ほとんど吊されっぱなしですから」

聞き手;
「美センと東宝では、どのくらいレンタル料が違うものなんですか?」

きくち氏;
「それはわからない」

聞き手;
「国際放映のスタジオも使ったと聞きましたが」

きくち氏;
「僕らは国際放映には、行ってない」

《場面は新宿副都心のミニチュアセット》
聞き手;
「この新宿副都心、よく出来てますよね。ゲストが石橋正次です。彼はこの後『飛び出せ青春』」で売れて、『アイアンキング』で引っ張りだこになった。歌の『夜明けの停車場』も売れましたしね。こんどで、前回の空中戦の決着がつきます」

きくち氏;
「あの空中戦、結構しんどいんですよ。イントレの所に乗って、腹筋の力で」

聞き手;
「これ多分、熊谷健さんのアイデアでしょう。こういうアクション好きですから。東宝スタジオにしては狭く撮ってますよね」

きくち氏;
「うん、ビルの間隔とか。あっさりと終わったね。あ、裏返して投げた」

聞き手;
「サマーソルトドロップ」

きくち氏;
「マイティ井上。あれですね、原点は。その壊れたビルに、怪獣を投げつけるカットというのも、珍しい」

聞き手;
「この前の回で放り投げて、そのまま飛んで逃げられているからじゃないですか?考えて戦っているという感じがしますよね」

きくち氏;
「なるほどね」

聞き手;
「監督わかってれば、八つ裂き光輪やればいいのに」

きくち氏;
「いいかげんな」

聞き手;
「スペシウム効かなかったら、他の技使えよって。やっぱり、操演で時間が無くなっちゃったんだよ」


★★★★★★★★★★★★
怪鳥テロチルスの回は前後編、つまり大作であるはずなのに、あまり筆者の記憶に残っている話ではない。セブンのガッツ星人やキングジョー、新マンならシーモンス・シーゴラスやブラックキングとナックル星人、グドンとツインテールのように、前後編の話なら内容は一瞬にして思い出される話であることが多い。

時間をかけて描いているから、その分記憶にも残るのだ。上原正三氏の作品としては、この作品は駄作の部類に入るのではないだろうか。そもそも怪獣の出現と三郎と由起子が絡む犯罪とは、何の結びつきもない。怪獣の巣があるビルに籠城したことが、唯一の接点だ。

手元にこの2話分の映像が無いのでハッキリとは言えないが、籠城事件を描かなくてもこの話は書けたと思われるし、むしろ籠城話があるおかげで前後編の2話になってしまったという気がしてならない。

ウルトラセブンが最高峰のウルトラシリーズであると言われる所以は、脚本の豊かさやすばらしさはもちろんのこと、演出やカット割りによる映像技術のすばらしさが他とは群を抜いているからであるという話がある。

新マンはセブンのスタッフが残っていたはずだから、映像技術ではひけを取らないはずである。であるとすれば、残念ながら脚本・シナリオの優劣が最後は決め手になりそうである。
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帰ってきたウルトラマン(37) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/ビーコンの巻 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第23弾は、テレビ放送終了の時間帯にも関わらず、消し忘れたテレビ画面には、旅客機墜落の映像が映し出されていた! 第21話『怪獣チャンネル』を取り上げます。

脚本;市川森一
監督;筧 真典
特殊技術;高野宏一

◆午前4時。ねむい目をこすりながら、消し忘れのテレビに気付いて部屋に入ると、とつぜん画面に映る旅客機墜落の瞬間を観てしまう少女。同じ頃、南隊員から電話を受けてテレビをつけた郷隊員は、画面に映る旅客機墜落の映像を目撃、旅客機の爆発と共に映像は消えた。

MATは旅客機遭難の事実を確認、マットアローで現場へ急行すると、空を浮遊する謎の怪獣と遭遇した。それは電離層に棲むといわれる怪獣ビーコンであった。

MATは怪獣ビーコンに対し、東京中の電波を封鎖して囮の電波で海上へおびきだす作戦を立てるが、作戦を知らない少年がアマチュア無線で電波を出してしまい、電波怪獣ビーコンはそれに食いついてしまう・・・。


★★★★★★★★★★★★
聞き手;
「この変身、面白い」

きくち氏;
「ウルトラマンがビル壊した」

聞き手;
「このあたり、やたらビル壊すんですよね。外で撮るバンク(*)っていうのは、いっぺんにいっぱい撮っちゃうんですか?」
(*)アニメや特撮において、特定のシーンの動画や背景を”バンク”(銀行)のように保存し、別の部分で流用するシステム。発進・変身・必殺技など、使いまわすことが決まっている見せ場のシーンをバンクする。

きくち氏;
「特殊な場合を除いて、何パターンかは撮っちゃう」

聞き手;
「これは、この回の専用ですかね?」

きくち氏;
「これはそうですね」

聞き手;
「空が違いますよね。しかし、やたら壊してますよね。怪獣よりウルトラマンの方が、壊してる。歴代のウルトラマンの中で、一番壊してるんじゃないですか?」

きくち氏;
「かもしんないですな」

聞き手;
「この回も傑作だ。特撮がきれいですね。ビル壊すの、楽しかったでしょう」

きくち氏;
「楽しかった。でも、あっという間に30万円だからね」

聞き手;
「間違って壊したこともあったんではないですか?」

きくち氏;
「失敗したことは無かった。だいたい2つのカメラで撮るから」

聞き手;
「絶対使うんだ。アングル変われば、何とかなりますからね」

《ビーコン、ウルトラマンに電撃を食らわす》
聞き手;
「これは、電撃はどうやって?」

きくち氏;
「フラッシュライズっていうのを入れて。マグネシウム焚くんです。倒れたときにシュウーッと。ホント綺麗だね、画」

聞き手;
「不思議な演出。脚本がシュールだなぁ」

《ビーコン、いきなり地面に落っこちる》
きくち氏;
「今の、死んだの?」

聞き手;
「何であそこでやられてしまうのか、よく分らない」

《消えていくウルトラマン、カラータイマーが点滅している》
聞き手;
「この電飾のチカチカって、外からリモコンでできるんですか?」

きくち氏;
「リモコンではできない。コードを外に伸ばして」

聞き手;
「この回、何となくカッコイイですよね」

★★★★★★★★★★★★
電波怪獣ビーコンのデザインは、熊谷健氏が描いたものである。他にもマグネドン、ザニカ、ベムスター、ムルチ、ササヒラーなど中盤以降から怪獣デザインを手掛けておられる。空を浮遊する生きたテレビ局というコンセプトで、テレビとしての抽象性と生物感に苦心したという。信号機のような面構えが、なんか好きである。

浮遊する怪獣といえば、バルンガを思いだす。バルンガと新マンが闘ったら、ブレスレットで倒せるだろうか?スペシウム光線などの光線技は逆効果なので、ウルトラランスで突き刺すとか。それともベムスターを一撃で倒したウルトラスパークなら、破壊できるだろうか?

この回に出てくる北極圏での民間機と防衛隊機の衝突事故の映像は、ウルトラセブン第24話からの流用であることは、知っている人がみれば、すぐそれと分かるシーンだ。予算と時間の制約上、以前のシーンを流用することは、仕方のない部分であると思う。

本放送時は、再放送ならせいぜい1~2回、ましてやビデオ・DVDなどの再生機器が普及するなど、到底考え及ばない時代だったのである。
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帰ってきたウルトラマン(39) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/モグネズンの巻 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第24弾は、旧日本軍が秘密裡に開発していたイエローガス弾を食べて、毒ガスを吐く能力を身に付けた怪獣が出現!自分の父が毒ガス研究に携わっていたことを知った岸田隊員は悩み、責任を感じた彼は・・・。第11話『毒ガス怪獣出現』を取り上げます。

脚本;金城哲夫
監督;鍛冶 昇
特殊技術;高野宏一

◆時代劇のロケ隊が全員死亡している所を、山中で発見するMAT。現場に残っていたフィルムには、絶命するロケ隊と怪獣らしき姿が映っていた。ロケ隊の死因は旧日本軍が秘密裡に開発していたイエローガスを吸ったためと判明する。

軍人であった父がイエローガス開発に関わっていたことを母から知らされ、悩む岸田隊員。岸田は父の罪を償おうとひとりで怪獣に立ち向かっていくが、負傷してしまう。郷は岸田の仇を撃つべくウルトラマンに変身するが、怪獣の吐く毒ガスに苦戦を強いられる・・・。


★★★★★★★★★★★★

《怪獣、毒ガスを吐く。苦しむウルトラマン》
きくち氏;
「これ、本当に苦しいんです(力が入ってる)」

聞き手;
「のぞき穴が小さくて、そこから入ってくるんですからね」

きくち氏;
「入るときはスーッと入ってきて、出るときはなかなか出て行かない。水の中と同じです。まさに画面通りに、中ではきくち英一が苦しんでいるんです」

《炎に巻かれるウルトラマン》
聞き手;
「火の中で戦ったり、危険なことだらけですが、やっぱり怖かったですか?」

きくち氏;
「怖かった!」

聞き手;
「ウルトラマンの中でも?」

きくち氏;
「見えないから余計怖かった。視界が狭いと、どうも恐怖心が増すんです。ウルトラマンのペインティングは、燃えやすいラッカーみたいなものですし・・・。このシーン、股の下に火薬とガソリンを仕込んで、「ヨーイ、スタート!」で私が横転して逃げるときに爆発するはずだったんですが、スタッフのタイミングが早すぎて、股間に熱いものを感じたんです。

出来上がったフィルムを見て驚きました。股間のあたりが燃えながら横転している。きれいなんです、これが。(笑)まぁ無事でよかったんですが、場所が場所だけに再起不能の危機でしたね。(笑)」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
僕は不精なタチなんで、当時の記録は取ってないんです。撮影以外の写真が一枚あるくらい。これはジーンズ履いて見に行った時の写真です。(向かって左側には短髪で上下ジーンズ姿の遠矢氏が腕を組んで、右側にはウルトラマンの着ぐるみを着たきくち氏が腕を組んで、並んで写っている。
(こう見ると、二人の背格好はほぼ同じ。よく広島カープの衣笠選手に似てるって言われていたそうです)

円谷一さんの息子さんで浩くんが、この現場によく遊びに来ていたのを覚えています。その子が立派な青年になって、東映でのちに「宇宙刑事シャイダー」やるんですもんね。当時はそんなこと考えもしなかった。面白いもんですね。


★★★★★★★★★★★★
このモグネズンの回は、金城哲夫氏が最後に書いたウルトラのシナリオである。1969年に円谷プロを退職し沖縄へ帰っていた金城氏が、このシナリオを書いたのは71年のこと。沖縄での活動は円谷時代ほどは自分の才能を活かせず、その後不幸な事故によって、76年に若くしてこの世を去ってしまうのである。享年37。

早世といえば、遠矢氏の証言に出てくる円谷 浩氏も若くして亡くなっている(享年37)。身長が高く立派な体格で、大河ドラマにも出演されていた円谷家から出たこの俳優を、筆者は好きだった。平成ウルトラマンにも出演していたっけ。(合掌)
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帰ってきたウルトラマン(41) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/グロンケンの巻 [新マン座談会・3]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第25弾は、電動ノコギリを装備した怪獣グロンケンが出現し、大きな観音様を一刀両断してしまうという特異なシーンがある。また、キックボクシングの王者・沢村 忠選手がゲスト出演するというちょっと風変わりな回でもある。第27話『この一発で地獄へ行け!』を取り上げます。

脚本;市川森一
監督;筧 正典
特殊技術;高野宏一

◆ある日ジョギング中の郷は、キックボクサーの東三郎青年と知り合う。郷がオートバイを避けるために反射的に飛んだジャンプ力に惚れこんだ三郎は、2日後に控えた引退試合でこの技を披露するために、郷に技の伝授を頼み込む。

郷の厳しい訓練に耐えた三郎は、ついにその技、ウルトラキックをマスターする。そんな時、信州のお寺で観音像が真っ二つにされる怪事件が発生し、郷は調査を開始する。一方、三郎はバスの中でいつも出会う女性アキに恋し、自分の引退試合に思い切ってアキを招待するが、試合当日にアキが郷の恋人であることを知ってしまい・・・。


★★★★★★★★★★★★

聞き手;
「この話にはキックボクサーの沢村忠が出ますが、彼には会われたんですか?」

きくち氏;
「ええ、目黒にある野口ジムに行ってね」

聞き手;
「この前の番組が『キックの鬼』(*)でしたしね。『帰ってきたウルトラマン』とは、縁が深いんですね(笑) ビッグネームですからバックに『沢村忠登場』と出してもよかったのでは(笑) でもそれでは、まるで大怪獣沢村忠になってしまいますね(笑)」
(*)昭和45年9月からTBS系で帰ってきたウルトラマンの前枠でオンエアのスポ根アニメ。原作は梶原一騎氏

《沢村忠登場、郷秀樹とカラむ》
聞き手;
「おお、出た出た。攻撃は最大の防御と書いてありましたね。沢村さんも引退して、今は一切マスコミに出ないんですよね」

きくち氏;
「彼は元々、日大芸術学部の空手部。剛柔流の。しかしキック全盛の時は神様ですよ。真空飛び膝蹴り、ね」

聞き手;
「今だったら、サッカーのカズが出てるようなものですかね。本当にスパーリングしてる。これでね、ウルトラマンが沢村に真空飛び膝蹴りを学び、怪獣を倒すというスゴイ展開です」

きくち氏;
「この回ちょっと、アクションをキックっぽくしてみました」

聞き手;
「やっぱり研究されたんですか?」

きくち氏;
「見に行ったんですよ、後楽園ゆうえんちに」

《試合のシーン、どこかのホール》
聞き手;
「これ、後楽園でしょ?」
きくち氏;
「そう、後楽園ホールです」

《ウルトラマン登場 怪獣にキックを見舞う》
きくち氏;
「ああ、全然足が上がってない」

聞き手;
「でもあれ着て蹴るの、たいへんでしょ。頑張ってやってると思うんですがね」

きくち氏;
「制約はあるけど。突っ張るし。でも全然上がってない(笑)」

聞き手;
「ウルトラマンの手袋に、赤いラインが無い。途中からあのラインは無くなっちゃうんですが、塗装がめんどくさかったのかな?(笑)」

きくち氏;
「全然気づかずにやってました」

《ラストシーン》
きくち氏;
「ボクシング辞めて、田舎へ帰るんだ。この多摩川沿い、良い場所だねぇ。いい感じ出してる」

聞き手;
「いい回ですね。脚本は市川森一さんです。子供番組であっても、お子様向けじゃないですね。男と男の友情。子供は解るから印象に残るんですよ」

きくち氏;
「良いものはちゃんと解るでしょう」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
この回の怪獣の手のノコギリは電動ではなく、撮影の度に助監督さんが手で回して大変でした。


★★★★★★★★★★★★
アニメ「キックの鬼」は観ていたので、よく憶えている。当時は凄い人気だった。この回は、郷とアキと三郎の恋のゆくえが話のメインになっているらしいのだが、あまり憶えてない。

市川森一氏が描いているだけはあるというものだね。セブンで実力は証明済み。怪獣グロンケンは生物と機械の合成怪獣だ。バルタン星人も生物とハサミだから、同じようなものか。子供はこういうの、結構好きなんだよね。
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