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ウルトラセブン(27) ~『大分前に来た時、冥王星にだけ知的生物が生きていた。根絶やしにしてやったよ』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第19話『プロジェクト・ブルー』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;南川 龍
 監督;野長瀬三摩地
 特殊技術;的場 徹
 
◆宮部博士のプロジェクト・ブルー(地球防御バリア)計画は、月と地球を巨大な磁力線の網で包み込んでしまうという壮大な計画である。ダンがいう。
『バリアのおかげで宇宙人は入ってこないかもしれませんが、我々も月までしか行けぬことになるのでは・・・』

するとキリヤマ隊長が答える。
『バリアには秘密の出入り口を何か所か作ることになっている。宮部博士だ、抜かりはないよ』

これが完成すれば、地球の防御は増々完璧となり、今のフルハシのように、暇を持て余してウロウロする警備隊員が増えるであろう(笑)と、フルハシをからかうキリヤマ隊長。

その頃、宮部博士は久振りに取れた休日を家で過ごそうと、車で家へ向かっていた。途中深い霧の中を歩く人物を見かけた宮部博士は、その人物を乗せてあげようと思い、抜いてから声をかけようとしたが、その人物の姿は消えていた。何かの見間違いだったのだろうと思い、博士はそのまま車を走らせたのだった。

明日は妻のグレースの誕生日でもあった。白いワンピースドレスをプレゼントした宮部博士に、大喜びするグレース。明日はこのドレスを着て楽しみたいと話すグレース。突然取れた夫の休暇なので、午前中に出かける用事を作ったことを謝るグレース。

友達も呼べないことを残念におもうグレースに、一人でくつろぐことが好きな宮部博士にとっては、むしろ好都合なのだ。二人だけの誕生パーティをしようと提案する宮部博士だった。突然、地鳴りがして宮部邸が大きく揺れた。驚くグレースと博士。すぐにそれは収まったが、不安になる二人。

気象台に問い合わせたが、地震ではないらしい。家の周囲を調べてみたが、特に異常も無い。心配いらないとグレースをなだめる博士。だが、その頃ウルトラ警備隊では、月にある宮部計画の資材に爆薬を仕掛ける宇宙人を発見したが消滅してしまったという連絡が入っていた。

宮部博士のこの計画をめぐり、何かが起こりつつあることを感じるキリヤマ隊長は、ダンにパトロールを命令した。次の朝、グレースが出かけてしまったあと起床した宮部博士は、朝食をとろうと食堂へ行く。そこでテーブルがひとりでに持ち上がって、地下へ降りる階段ができていることに驚く。

寝間着のままその階段を降りていくと、突然無数の生き物のような帯にまといつかれ、身動きできなくなった博士は気を失ってしまう。気が付くと、宮部博士は手足を鎖で固定され、ベッドのような台の上に寝かされていた。

『私はバドー星人。宇宙の帝王だ。大分前に来たとき、この地球は火の玉だった。冥王星にだけ知的生物が生きていた。我々の他に知的生物の生存は許せない。根絶やしにしてやったよ』

今度は地球の生物を根絶やしにしようとやって来たバドー星人は、地球を爆破して宇宙から消してしまおうとしていた。実は、すでに一部で動き始めているプロジェクト・ブルー計画。宇宙人の侵略に一番使われるルートであるステーションV2とV3の間に、試験的に張っていたのだ。

そのバリアにバドー星人の宇宙船がぶつかって爆破してしまった。計画の詳細を知りたいバドー星人は、宮部博士を攻めたてるが、絶対に口を割らない博士。
『君は計画書を、この家に持ってきているはずだ。必ず見つけ出してみせるよ、ハハハハハハ』

夜になり、グレースが戻ってきた。真っ暗な家の中に、灯りを点ける。今夜は誕生日を二人で祝うはずなのに、誰もいないことを不審に思うグレース。洋服ダンスの中には、背広がある。夫は外出してはいないのだ。ウルトラ警備隊へ電話をするグレース。だが通じない。

電話線を引っ張ってみると、途中で切れている。すると突然、通じないはずの電話からベルの音が、けたたましく鳴った。恐る恐る受話器を取り、耳に当ててみるグレース。
『ワハハハハハハハ』

不気味な声で笑う何者か。突然停電になり、グレースはライターの火を点ける。カツカツと靴音が響いて、こちらへ向かってくる音が聞こえる。グレースは恐怖に駆られてしまう。グレースのこの様子を大画面で見せて、宮部博士に口を割らせようとするバドー星人。

何かが起こっている、キリヤマ隊長のそんな予感は当たってしまう。アンヌに宮部邸へ電話をかけさせると通じず、原因は電話線が切られている状態だと判る。タケナカ参謀とも相談し、キリヤマ隊長は密かに博士の警備をするよう、ダンとアンヌに命令した。

宮部邸へ向かったダンとアンヌは、着いて早々悲鳴を聞き、扉を破壊して突入した。そして、バドー星人に襲われているグレースを助けるのであった。

アンヌにグレースを任せ、ダンはセブンに変身した。階段下の大鏡に向かい、セブンは右手を鏡面に当てると、吸い込まれるように鏡の中へと入っていく。そして、逃げていくバドー星人の円盤に飛び乗り、巨大化して円盤を台地に置くセブン。

全身がうろこ状の皮膚で覆われたバドー星人が、出現した。まるで悪役レスラーのように(メリケン)サックでセブンの顔を攻撃する。セブンにパンチを一発食らったあと、ボディスラムを受けて台地に激突し、バドー星人は泡を吹いて絶命した。

バドー星人の円盤に乗りこんで宮部博士を助け出すと、瞬間移動してグレースのいる部屋へ戻ってきたセブン。もう一度大鏡の前へ行き、鏡にスーッと入っていくセブン。それを後ろから追いかけてきたアンヌは、あごを鏡にぶつけてしまう。

バドー星人が宮部邸の地下に置いてきた地球を破壊する爆弾を、遠く宇宙へと運ぶウルトラセブン。地球は救われた。アンヌは、書類の隠し場所を博士に尋ねてみた。
『隠してなんかいないよ』

グレースの白いドレスに懐中電灯の光を当てると、プロジェクト・ブルー計画の方程式が浮かびあがった。こうして、地球の頭脳・宮部博士のプロジェクト・ブルー計画は、ウルトラ警備隊とセブンの手によって、守られたのであった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
アンヌが大鏡にぶつかるシーンは、何とも言えない絶妙のタイミングだ。セブンの後ろ姿と横から出てくるアンヌの位置がバッチリ。鏡の向こうにある階段は絵だけど、一瞬だからポーズで停めてみないとそれは分からない。

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ウルトラセブン(28) ~『君達の科学も、私達の都市にだいぶ近づいてきたようだな、ハハハハ』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第6話『ダーク・ゾーン』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;若槻文三
 監督;満田かずほ
 特殊技術;有川貞昌
 
◆アンヌ隊員は自分の部屋に入ると、テーブルの上の飴入れのフタを開けて飴を一つつまむと、口に入れて鏡の前で髪を整えた。すると、鏡にあるはずのない黒い影が映り、ビックリして悲鳴を上げてダンを呼んだ。黒い影はじっとして動かない。

ダンは、影に向かって丸めた雑誌でつついてみるが、雑誌は影の中へ引っ張り込まれてしまった。
『さ、騒がないでください・・・。苦しい・・・』

ダンはスーパーガンをかまえて、慎重に対処しようとする。この黒い影の主は、どうやら怪我をしているらしい。
『私は・・・私は、遠い星から来たものだが、事故を起こして重症を負っている。手当ては済ませた』

しばらくじっとしていれば治るから、誰も呼ばずに静かにしておいてほしいと影の主は訴えた。ダンとアンヌは影の主の言う通りに、このことを作戦室には連絡しないことにした。

そのような思いやりのある二人の行動が影の主を安心させ、アンヌとダンは影の主とテーブルをはさんで会話するほどに、信頼関係を築いていた。
『君は、どこから来たのか教えてくれ』
『何も言えない。宇宙のある街から来たとだけ、言っておくよ』

『宇宙人なんだね?』
『君達だって宇宙人じゃないか。我が宇宙には1千億の太陽を抱えた島宇宙が、1762億・・・866もあるんだぜ』
『へぇ、計算したのか!』

宇宙の広大さを数字で示すこの影の主は、しかし妙なことを言いだした。
『こんな大きな宇宙の中に、地球と私達の街が一緒に生きる場所が無いなんて、なんと悲しいことだろう・・・』

ダンは、変なことをいうこの影の主に不審感を持った。自分の街の事を一切話そうとはしないこの影の主。アンヌがしつこく街の様子を聞いてくるので、影の主は、水や空気までもが巨大な工場で作られているという話をする。自然の力を一切受けていないというのだ。

同じ頃、作戦室では謎の電波をキャッチしていた。電波源は小さいがとても強力であり、絶対に自然のモノではない。しかも、日本語で呼びかけてきているのだ。
『こちらはペガッサ市。今から80時間の間、地球の軌道変更を要請します。動力系統に重大な故障がおき、太陽や惑星の引力の影響を受け、まもなく地球の軌道に入ります』

地球が、一時的にも、軌道を変えるなどできるはずもない。マナベ参謀は、キリヤマ隊長以下ウルトラ警備隊員に非常招集命令を発した。この話を聞いたダンは、急ぎアンヌの部屋へ戻り、影の主に質問した。
『おい、君はペガッサから来たんではないのか?』

だが、影の主は否定する。そこでダンは、ペガッサ市の事を知らないかと尋ねると、ペガッサ星人が宇宙空間に造った大都市で、都市の密度は地球の8万倍はあると答えたのだ。それはつまり、ペガッサ市は見かけよりも8万倍大きいということであり、そのペガッサ市がまもなく地球と衝突する状況下にあるのだ。

地球はひとたまりも無く、吹き飛んでしまうだろう。
『彼らの言う通り、地球の軌道を変えてあげればいいだろう?ただそれだけのことじゃないか』
『ばかをいえ、地球の軌道をどうやって変えられるんだ』

その影の主は、ダンの言葉を聞いて焦りだす。
『地球は、勝手に動いている物の上に人間が乗っかっているだけなのか?』

さっきまで人間の暖かい心に感謝していた影の主は、急に人間を軽蔑しだした。野蛮な宇宙のほとんどの星と同じだと発言する影の主。影の主は何かを考え始めたのか、それきり黙ってしまう。

キリヤマ隊長に、アンヌの部屋にいる影の主のことを報告するダン。だが、怪我を負っているというアンヌの言葉に、そっとしておくことを決めるキリヤマ隊長。それよりも、地球の軌道に入った時、ペガッサ市を破壊する以外には地球を守る方法が無いと決断するマナベ参謀。

ダンの進言が通り、ペガッサ市破壊の前にペガッサ市民を一時的に地球へ迎え入れることが決まり、ウルトラ警備隊はその任務に就く。美しく巨大な宇宙空間都市ペガッサ。ウルトラホーク1号でペガッサ市の回りを旋回しながら脱出を呼びかけてみるが、反応が無い。

日本語で地球によびかけてきたのだから、日本語での呼びかけが分かるはずだ。遂にホーク1号は呼びかけをあきらめ、ホークが安全圏まで脱出する時間を残して、ペガッサ市から遠ざかっていく。

大爆発がして、一瞬で宇宙から消えるペガッサ市。ちょうど同じ頃、黒い影の主はアンヌを呼んで、こう言った。
『地球はもうおしまいだ。お前はすぐ地球から逃げるんだ。ダンも連れて行け!』

影の主は、やはりペガッサ星人だったのだ。万一地球が軌道を変えなかった時に、地球を爆破する目的でやってきていた。黒い影がTの字の形に変わりペガッサ星人が出現して、アンヌの部屋を走って出て行く。夜の街中を疾走するペガッサ星人は、ある場所で立ち止まると、空に向かい何か合図を送っていた。

空から巨大なかたまりが落ちてきて、それは地面に穴をあけて地下へ潜って行く。アンヌから連絡を受けたダンは、ペガッサ星人を発見した。愛するペガッサ市を守るために、地球を破壊する爆弾を地球の中心へ撃ち込んだと話す星人。だがダンは、ペガッサ市は破壊してしまったことを話す。

いつでも爆弾を地球に撃ち込むことはできたが、最後まで望みを捨てず、ペガッサの科学がこの危機を回避できるものと信じていたペガッサ星人。地球人が先にペガッサ市を破壊してしまったことに、怒りを露わにした。
『ペガッサは、宇宙が生んだ最高の科学なんだ。何ということをしたんだ。復讐してやる』

ダンは地球を救うために、静かにウルトラアイを着眼した。セブンはアイスラッガーを投げてペガッサ星人を追い払うと、地面にあいた巨大な穴へ飛んで入っていった。セブンは撃ち込まれた爆弾を抱えて戻ってくると、それを宇宙まで運んで爆発させるのだった。

あの事件以来、ダークゾーンを見ると、あの気弱なペガッサ星人のことが思い出されると語り合う、ダンとアンヌだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
宇宙パトロールから帰って来たダンとアマギが作戦室に入り、そのあと通信隊員の顔がアップになるが、その隊員はセブンのスーツアクター上西弘次氏である。

ペガッサ星人を地球へ迎え入れるという案はとてもいい案だと思うが、一時的とはいえ、地球が迎え入れることができる人数には限界がある。バルタン星人の時もそうだったが、20億のバルタンを迎え入れることはとても出来ない。キャパの問題は、重要である。現実にヨーロッパでは、同様なことでもめている国があるのだから。

台本には面白い描写がある。影の主に飲食物を与える為に買い物に行くというシーンで、アンヌとダンの会話。ホットドッグを作ったけど口にあわないようだとか、水道水は臭くて飲めないけど、ミネラルウォーターは飲んだとか。映像では、自分達には紅茶を入れ、影の主にはミネラルウォーターを渡すシーンがある。
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ウルトラセブン(29) ~『アンヌ、それはダンじゃない。ゴドラ星人だ!』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第4話『マックス号応答せよ』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;山田正弘・金城哲夫
 監督;満田かずほ
 特殊技術;有川貞昌
 
◆ソガ、アマギ両隊員は、極秘命令書をマナベ参謀から渡されて、秘密裏に基地を出た。モロボシ・ダンが運転するポインター号に乗ってある海岸に着くと、そこから目指す目標が遠くに見えた。海岸からモーターボートに乗り二人が目指すのは、地球防衛軍が総力を上げて造った「マックス号」であった。

船長に案内されてドアを二度通り、奥の部屋へと進む。そこで二人を待っていたのは、タケナカ参謀であった。マックス号の中では、二人の指揮はタケナカ参謀が執ることになっている。イスに座るように言われた二人に、タケナカ参謀は思いもよらないような発言をする。

いかなるアクシデントにも耐えるように造られたこのマックス号の行き先は、「地獄」だというのである。ある海域で、1か月前に原子力タンカー2隻が、1週間前にはその原因調査に出かけた海上保安庁の調査船が、行方不明になっている。

当時の状況から、これらの船舶は単なる遭難とは考えにくい点が多く、何者かの陰謀であるという線で極秘に調査をすることになった。
『我々の任務は、消息を絶った船の捜索と、陰謀団を突き止めてそれを撃滅することだ』

その頃、ダンは怪我をして本部に帰ってきていた。アンヌから、おでこにバンソウコウを張ってもらうダン。アンヌは二度とケンカをしないようにと、お守りを首から下げてくれた。だが、心穏やかでないダン。

ソガとアマギを送った帰り道、ダンは車の故障で困っている女を見かけ、エンジンルームを点検している最中に、スパナで女に殴られてしまう。女は胸ポケットにしまってあるウルトラアイを盗んで、逃走したのだった。
『あの女は最初から、秘密のウルトラアイを狙っていたのだ。なんと迂闊な!』

問題の海域に到着したマックス号。何も起こらない・・・船長はじめ、タケナカ参謀らが安心して笑いだした途端、船体がフワッと上昇し、赤い霧のようなものがマックス号を包んでいく。マックス号は、そのまま上空へ消えて行ってしまった。

マックス号との通信が途絶えたため、防衛軍本部ではウルトラホーク1号を出動させて問題の海域を捜索したが、何の手がかりもつかめなかった。一方、ホーク2号で宇宙へ出たフルハシは、宇宙空間に漂うマックス号を発見する。

だが、妨害電波で通信機が使えず、ホーク2号は船内捜索を行うため、マックス号にドッキングした。フルハシは、気を失っているタケナカ参謀、ソガ、アマギの3名を船内で発見した。他の船員は見当たらない。するとゴドラ星人が姿を現し、4人に侵略目的を告げるのであった。
『こうして船を隠せば、防衛軍の目は船の消えた海域に集中する。その隙に地球を征服するのだ』

連絡の途絶えていたホーク2号が、帰還して来た。通信機故障で連絡が取れなかったと理由を話すフルハシ。しかも、宇宙空間にはマックス号は見つからないので、海洋捜索を徹底すべきだと主張していた。だが・・・ダンの第六感は、この人物がフルハシでないと告げている。

ダンは密かにフルハシを見張っていると、フルハシはエレベーターで地下へ降りて行く。後をつけるダンは、地下18階の第二動力室の原子炉の傍に爆弾を仕掛けようとするフルハシに声をかけた。

『お前は誰だ!正体を現わせ!』
『ハハハハハ・・・さすがはモロボシ・ダン、いやウルトラセブンだ』

肩を怒らせるような仕草をして、フルハシはゴドラ星人になった。ダンの攻撃をかわしたゴドラは、ダンを不思議なカプセルの中へ閉じ込めてしまう。
『あと15分で、君の身体は木っ端みじんだ、ウルトラセブン!』

そう言うと、ゴドラ星人はモロボシ・ダンの姿になって、作戦室へ戻って行った。廊下でダンとすれ違ったアンヌは、オデコにバンソウコウが無いこと、お守りのペンダントをしてないことを不審に思った。

マックス号にいる4人は、ゴドラ星人が地下18階の第二動力室に時限爆弾を仕掛けたことを聞き、あと15分で爆発することを聞いて焦る。何とかして、爆弾のことを基地に知らせないと。だがその手段があるのか。フルハシは、気象観測用ロケットが積んであることを思い出す。

見張りのゴドラ星人を倒し、アマギに全てを賭けた一人乗り用ロケットは、発射カウントする所までこぎつけた。だが、発射寸前にゴドラ星人に阻止され、アマギは気を失ってしまう。フルハシが気力を振り絞って押した発射ボタンで、気を失ったままのアマギを乗せたロケットは発射した。そして奇跡的に地球に到着したアマギは、メディカルルームのベッドの上にいた。

地下18階動力室では、不思議なカプセルに入れられたダンが脱出できずにいた。すると、ウルトラアイを盗んだ女が動力室に現れたのだ。女は、ダンが落としたペンダントを拾い不思議な顔で見ていた。ダンはレーザーガンでそのペンダントを撃つと、外からの刺激を受けたカプセルは破壊された。

『あと3分でこの基地は爆破されるわ。アハハハ・・・』
女はゴドラ星人に変身すると、ダンと格闘になった。ゴドラ星人の足元に落ちたウルトラアイを拾ったダンは、それを素早く着眼した。

セブンとゴドラが地下18階で戦っている最中に、ベッドのアマギが目を覚ました。心配するキリヤマ隊長に、気力を絞って危険を伝えるアマギ。
『大変だ、時限爆弾が爆発する!第二動力室の原子炉の傍・・・あ・・・』

ゴドラ星人とセブンが戦っているすぐ横を、アマギの言葉を受けたキリヤマ隊長がやって来た。原子炉のそばで赤いランプを点滅させている爆弾を見つけると、スイッチを切った。キリヤマ隊長を襲おうとしたゴドラ星人を、エメリューム光線で倒すセブン。

その頃、ダンに変身したもうひとりのゴドラ星人が、アンヌを人質にしようとしていた。セブンが、アンヌの前に立ち塞がって叫ぶ。
『アンヌ、それはダンじゃない。ゴドラ星人だ!』

アイスラッガーがダンの額に当たり、ポインター号で逃げるダン。ポインター号で逃げたダンは、基地付近の高原でゴドラ星人に変身して巨大化した。セブンも巨大化して、砂塵の中で対峙する両者。作戦に失敗し、逃げようとするゴドラをエメリューム光線で撃破すると、キリヤマ隊長から時限爆弾を受け取り、宇宙に浮かぶマックス号へ、残された隊員を救出に向かうセブン。

マックス号に時限爆弾を仕掛けると、タケナカ、ソガ、フルハシは酸素ボンベを付けて脱出した。セブンがロープで引っ張るようにして、3人を地球へと導いていく。ゴドラ星人に占領されたマックス号は、爆弾が爆発して木っ端みじんになった。

やがて、救助のために出動したホーク2号がやって来た。アンヌの目に、宇宙遊泳をしているセブンとソガ達の姿が、だんだん近づいて見えてきた。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
ニセモノの役をやる時は、眉毛を濃く描くようだ。この時のモロボシ・ダンの眉毛が濃い。
『ジャイアント・ロボ』で、ゲルマ博士がニセ草間大作少年を造った時も、眉毛がやたらに濃かった(笑)
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ウルトラセブン(30) ~『不吉な雲の流れが、地球防衛軍の上空をみるみる暗くしていた・・・』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第25話『零下140度の対決』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;金城哲夫
 監督;満田かずほ
 特殊技術;高野宏一
 
◆『これはただの吹雪では無い。一体、なにがこの異常寒波を・・・?』
モロボシ・ダンは、ポインター号でパトロール中に異常寒波に見舞われ、四苦八苦していた。不吉な黒い雲が地球防衛軍基地一帯を覆い、まるで冷凍室にでもいるかのような異常寒波に包まれていた。

外は猛烈な吹雪が吹き荒れ、白一色の世界になっていた。原因は不明。表の気温は零下112度になっている。フルハシの故郷の北海道でさえ、せいぜい零下40度であった。

ポインター号が寒さでエンストしてしまったため、基地に連絡を入れたダンは、ポインターを捨てて徒歩で基地に帰ることになった。肩を落としたダンのうしろ姿は、この寒波が身体に相当堪えて(こたえて)いることを表していた。ダンにとって、この異常寒波の中を徒歩で帰ることほど辛いことはない。

モロボシ・ダンの故郷・M78星雲には冬が無い。無敵のウルトラセブンといえども、寒さには弱かったのだ。
『ダン。暖かいコーヒーが待ってるわよ、早く帰ってらっしゃいよ!』

アンヌが明るい声で、そう話しかける。地下18階の動力室では原子炉が赤々と燃えているのだから、外がいくら寒くても騒ぐことは無いよ、ソガはおおらかに笑った。その直後、突然地震のような揺れがして部屋が停電した。キリヤマ隊長が動力室へ電話を入れると、原子炉が破壊されたという。

大至急アマギとフルハシを動力室へ派遣し、調査にあたらせた。責任者のムカイ班長によれば、原子炉は巨大なドリルのようなモノで突き破られ、復旧の見込みが立たないほど激しくやられてしまっていた。現場に灯りがないため、バッテリーで電気を作って簡易照明を照らし、復旧工事が始まった。

すると暗闇の中から、鳴き声のような音がして、冷凍光線を吐く生物のようなモノがいることが判った。工事は中断、アマギとフルハシは火炎放射器で反撃するが、生物の吐く冷凍光線が勝り、一旦退却せざるを得なかった。

基地内の気温は、零下90度まで下がっていた。バッテリーで簡易電燈を点けた作戦室内に、防寒着を着たヤマオカ長官とキリヤマ隊長がいる。怪物の存在を知らせるフルハシとアマギ。電気が無い為に格納庫が開かず、ホークやマグマライザーなどの超兵器は一切使えない。

地下にいる怪物とも、素手で戦うよりほかにない。荒木隊員が、このままでは医師として隊員の健康責任が持てないので、撤退命令を出すよう長官に直訴にやって来た。
『基地を見捨てることは、地球を見捨てることと同じだ。我々は地球を守る義務がある。退却は出来ん』

ヤマオカ長官はそう言って、撤退命令を却下するのだった。その頃、ダンは猛吹雪の中を、歩いて基地へ向かっていた。寒さのため疲労が蓄積する身体を懸命に動かしていると、目の前に、真っ赤に燃え盛る炎の中で浮かぶ3体の謎の生き物が見える。

『光の国が恋しいだろうねぇ、ウルトラセブン!』
ポール星人が幻覚の中に姿を現して、そう語りかけた。

『地球上に3度目の氷河時代を起こして、すべてを氷詰めにしてやる。手始めに、邪魔な地球防衛軍をまず凍らせてやった。ハッハッハッハ』

基地が危ないことを知ったダンは、セブンになろうとポケットを押さえるが、そこにあるはずのウルトラアイが無い。どこかで落としてきたに違いない。急いで今来た雪道を戻り、懸命にウルトラアイを探すダン。

怪獣ガンダーが、ダンの前に滑空して出現した。ウルトラアイが見つかるまで、カプセル怪獣で対応するほかない。ダンは黄色いカプセルを投げ、ミクラスを出現させた。三角形の顔から伸びる二つの目玉と赤い唇がとぼけた印象のガンダーだが、なかなか強い。

一方、動力室から怪物がいなくなったことが判り、工事を再開するムカイ班長達作業チーム。ムカイ班長以下、みんな必死になって復旧工事に取り組む。だが、この寒さのため次々と倒れて行く作業員たち。荒木隊員は医師として、もうこれ以上は我慢できないと再び直訴にきた。

『全員ここで討ち死にしろとおっしゃるのですか?使命よりも人命です。人間一人の命は地球よりも重いって、いつも私達隊員に・・・』
長官と隊長に訴えるアラキ医師。ヤマオカ長官はアラキ隊員の言葉を聞き入れて、撤退する決意をする。

だがヤマオカ長官も寒さの為に、ついに力尽きて倒れてしまう。
『我々は、外部との通信も応援も途絶えてしまった。涙をのんで一時基地から撤退をしよう』

キリヤマ隊長が長官に代わり、残りの隊員達に撤退放送を流すと、隊員達は暗闇の通路の中を撤退していくのだった。その頃、吹雪の中で懸命にウルトラアイを探すダン。この真っ白な世界のどこにウルトラアイは落ちているのか。

雪の上に無造作に落ちているウルトラアイをやっと見つけたダンはそれを着眼すると、セブンの額のビームランプが点滅して、残り少ないエネルギーを知らせる。エネルギーを補給するために、わずかなエネルギーで太陽付近まで飛んで行かなければならないセブン。

キリヤマ隊長の撤退放送を聞きみんな撤退する中で、フルハシが一人現場に残り、ドリルやスパナを使って作業を続けていた。フルハシの気力と体力、そして何より使命感が、遂に原子炉に再び赤々と火をともした。

通路灯が点灯し基地内が明るくなると、寒さと疲労で重い足取りの隊員達の顔に輝きが戻った。これで超兵器が使用できる。ガンダーを倒すために、ホーク1号と3号が出撃していく。キリヤマ隊長はホーク1号を3つに分けて、ガンダーをカルテット作戦で攻撃した。

エネルギー補充を終えたセブンは、ガンダーに立ちふさがった。ガンダーを無重力状態にして台地に叩き落とすと、アイスラッガーで両手と首を切り落とした。

『どうやら、我々の負けらしい・・・』
セブンにではなく、人間の持つ忍耐や使命感に敗北したと言って、地球を去るポール星人。地球防衛軍基地一帯を覆っていた黒雲は去り、太陽と青空が見えてきた。

無敵と思われたセブンの思わぬ弱点を突いたポール星人。その攻撃をなんとかかわしたウルトラセブンは、ダンに戻ってじっと立ち尽くすミクラスをカプセルに回収すると、青空の下、防衛軍基地へと帰っていくのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラアイを、念力で探すことは出来なかったものか。又、ユートムの時に使用したベルトに付いている遠隔誘導装置は、どうだったろうか。自分から見える範囲内の距離でしか、有効ではないのかもしれないが。
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ウルトラセブン(31) ~『ウルトラ警備隊員に送ってもらえるなんて、光栄ですね(笑)』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第2話『緑の恐怖』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;金城哲夫
 監督;野長瀬三摩地
 特殊技術;高野宏一
 
◆石黒隊員は7日間の休暇をもらい、6か月ぶりに宇宙ステーションV3から帰還してくる。今日は、その石黒隊員を乗せたホーク2号が防衛軍基地に到着する日であった。これから夫を出迎えに行こうとしている石黒夫人は、庭の隅に巨大な鉛色の物体が置いてあることに気付く。

心当たりが全く無いというお手伝いさんにすぐ片づけるように云いつけて、防衛軍基地へ向かう夫人。夫人が車で出かけて程なくして、送り主不明の小包が石黒邸に届く。

基地では石黒夫人の到着が遅れているので、石黒隊員をポインター号で送り届けることを提案するダン。差し迫った事件も無いので、キリヤマ隊長の許可が下りた。遅れてやって来た夫人と共に石黒隊員を乗せたポインターが石黒邸に着くと、あの鉛色の物体はまだ置いてあった。

お手伝いさんは警察に撤去を依頼したのだが、重くてすぐには動かせず、しばらくの間放置されていた。ダンは、帰りがけに石黒邸で大きな鉛色の物体を見かけ、不審に思った。ダンの超能力で透視できない物質なのだ。

(待てよ、この物質はチルソナイト808。確かワイアール星から産出される金属だが・・・。地球には存在しないはずの金属が、どうしてここにあるのだろうか・・・)ダンは心の中でそうつぶやく。邸に戻ってからも、タイプライターに向かって仕事をしている石黒隊員。

夜、夫宛てに届いた小包を夫人が持って来た。それを見て、一瞬目を輝かせる石黒隊員。夫人が部屋を出て行くと、不気味な声で笑いながら小包を開ける石黒隊員。包装を解くと、ラグビーボール大の鉛色の金属が入っていた。

それは大きさこそ違うが、庭に置かれたままの物体と同じ物であった。石黒が手にした瞬間から、妙な音を出し始めるその物体。するとセッティングされたかのように、庭の物体が3回程緑色に光ってまた元に戻った。石黒は鍵のかかる引き出しに物体をしまうと、厳重に鍵をかけた。

その夜遅く、ほろ酔いかげんで夜道を歩いていた男が、謎の生物の襲撃を受けて、気を失ってしまう。石黒邸に夫人の車を送り届けた帰りのダンとアンヌは、悲鳴を聞きつけて現場へと向かった。男は何か液体らしきものを浴びていて、瀕死の重傷であった。

ポインター号を呼んで男をメディカルセンターへ運ぶダン。収容した男はベッドの上で叫び声をあげると、緑色の怪物に変化した。アンヌはパラライザーを撃って、怪物の神経を麻痺させて倒すのであった。

同様な事件は、翌日の深夜にも起こった。警察はパトロールを強化するとともに、夜間は戸締りをして外出しないように呼びかけた。3日間で数十名が襲われ、怪物化していた。しかも襲われた者は次の者をまた襲うという風に、ねずみ算式に被害者が増えて行く。

『このままいけば、数か月後には地球上の人類がすべて怪物化してしまう。これは明らかに、人類への挑戦か侵略である!』

防衛軍基地では、タケナカ参謀が事件の経緯を隊員達に説明していた。メディカルセンターでアマギが撮った写真を分析した結果、宇宙生物に間違いないと結論付けるタケナカ参謀。石黒邸にあった鉛色の物体は防衛軍基地に運ばれ、化学班が分析することになった。

夜間外出禁止令のため、人っ子一人いない街。ワイアール星人は獲物を失って、血に飢えたまま石黒邸に帰ってきた。邸に帰ってきたワイアール星人の姿を見た石黒夫人は、叫び声をあげ失神してしまう。

警察へ連絡しようとするお手伝いさんを、石黒は止める。
『地球防衛軍の隊員の家が襲われたなんて、物笑いになるだけだ!絶対にいかん!』

東京は物騒だからと、翌朝、石黒は夫人を連れて、箱根にある別荘へ向かっていた。箱根行きの特急電車の中で、果物を食べながら楽しく過ごしている石黒と夫人。

石黒邸のお手伝いさんから、大至急来てほしいとダンに通報が入る。急行したダンに、石黒隊員の机の中から妙な音がするからと、調査を依頼するお手伝いさん。机の引き出しを壊すと、中から小さな鉛色の物体が出てきた。

『地球の物質ではない。庭にあったものと、何か関係があるかもしれない』
妙な音がする鉛色の物体をハンマーでたたくダン。物体は簡単に割れて、中から発信機付きの電子頭脳が出てきた。

その頃、化学班では、運ばれた大きな鉛色の物体を破壊しようとして、傷一つ付けることが出来ずにいた。だが突然、鉛色の物体が大きな音を立てて裂けると、中から気絶した石黒隊員が現れたのだ!

驚くキリヤマ隊長達!
『ダン、驚くなよ!例の物体から石黒隊員が出てきたぞ!』

ビデオシーバーにアマギからの連絡が入った。驚くダンとアンヌ。するとお手伝いさんが言う。
『嘘ですよ!旦那様は奥様と一緒に、箱根行きの電車の中ですよ!』

その頃、電車の中の石黒隊員は、脂汗を流して苦しんでいた。右手の甲が緑色に変色し、顔は徐々に怪物に変化していった。もはや夫人の隣に座っているのは、石黒では無くなっていた。

隣を振り返り、恐怖におののく石黒夫人。電車内は大パニックに陥る。電車はトンネル内で急停車し、人々は電車から次々に降りて行った。ダンとアンヌはポインターで現場近くへ駆けつけると、トンネル内に止まっている電車に向かった。

ワイアール星人をスーパーガンで攻撃し、ひるんだ隙に腰が抜けた石黒夫人を救助するダン。夫人を安全な場所まで運んだ時、トンネルが崩れて巨大なワイアール星人が現れた。

トンネル出口に救助を求める男性の姿を見つけたダンはトンネルに戻り、トンネル内の退避壕に男性を座らせてから、ウルトラアイを着眼しウルトラセブンに変身した。

まるで野菜の春菊みたいな姿のワイアール星人に、セブンのアイスラッガーがヒットして、ワイアール星人は真っ二つに裂けた。左右に倒れた半分ずつをエメリューム光線で焼き、燃え尽きるのを見届けると、セブンはどこかへ飛び去って行った。

ホーク1号で現場へ到着したキリヤマ隊長達。一緒に現れた石黒隊員を見て、一瞬たじろぐ夫人。
『奥さん、本物の石黒ですよ!』

本物の石黒を鉛色の物体に閉じ込め、電送に似た方法で石黒の姿になりすましたワイアール星人。小さい物体に入っていた電子頭脳で、行動をコンロトールしていたのだ。星人の死とともに、被害者のすべては人間に復活し、事件は解決したのであった。

事件は終わった。だが、宇宙からの侵略が終わったわけではない。あの鉛色の物体が、いつあなたの庭に落ちてくるかもしれないのです。明朝目が覚めたら、まず庭をごらんください・・・ (終わり)


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シナリオは、レッドマン(仮)となっている。
この回は、ウルトラ警備隊の活躍を全く見ることができないのが残念。ウルトラ警備隊のテーマがカッコ良く大好きである筆者は、あの曲が番組内で1度は流れて欲しいといつも思っている。
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