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ウルトラセブン(30) ~『不吉な雲の流れが、地球防衛軍の上空をみるみる暗くしていた・・・』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第25話『零下140度の対決』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;金城哲夫
 監督;満田かずほ
 特殊技術;高野宏一
 
◆『これはただの吹雪では無い。一体、なにがこの異常寒波を・・・?』
モロボシ・ダンは、ポインター号でパトロール中に異常寒波に見舞われ、四苦八苦していた。不吉な黒い雲が地球防衛軍基地一帯を覆い、まるで冷凍室にでもいるかのような異常寒波に包まれていた。

外は猛烈な吹雪が吹き荒れ、白一色の世界になっていた。原因は不明。表の気温は零下112度になっている。フルハシの故郷の北海道でさえ、せいぜい零下40度であった。

ポインター号が寒さでエンストしてしまったため、基地に連絡を入れたダンは、ポインターを捨てて徒歩で基地に帰ることになった。肩を落としたダンのうしろ姿は、この寒波が身体に相当堪えて(こたえて)いることを表していた。ダンにとって、この異常寒波の中を徒歩で帰ることほど辛いことはない。

モロボシ・ダンの故郷・M78星雲には冬が無い。無敵のウルトラセブンといえども、寒さには弱かったのだ。
『ダン。暖かいコーヒーが待ってるわよ、早く帰ってらっしゃいよ!』

アンヌが明るい声で、そう話しかける。地下18階の動力室では原子炉が赤々と燃えているのだから、外がいくら寒くても騒ぐことは無いよ、ソガはおおらかに笑った。その直後、突然地震のような揺れがして部屋が停電した。キリヤマ隊長が動力室へ電話を入れると、原子炉が破壊されたという。

大至急アマギとフルハシを動力室へ派遣し、調査にあたらせた。責任者のムカイ班長によれば、原子炉は巨大なドリルのようなモノで突き破られ、復旧の見込みが立たないほど激しくやられてしまっていた。現場に灯りがないため、バッテリーで電気を作って簡易照明を照らし、復旧工事が始まった。

すると暗闇の中から、鳴き声のような音がして、冷凍光線を吐く生物のようなモノがいることが判った。工事は中断、アマギとフルハシは火炎放射器で反撃するが、生物の吐く冷凍光線が勝り、一旦退却せざるを得なかった。

基地内の気温は、零下90度まで下がっていた。バッテリーで簡易電燈を点けた作戦室内に、防寒着を着たヤマオカ長官とキリヤマ隊長がいる。怪物の存在を知らせるフルハシとアマギ。電気が無い為に格納庫が開かず、ホークやマグマライザーなどの超兵器は一切使えない。

地下にいる怪物とも、素手で戦うよりほかにない。荒木隊員が、このままでは医師として隊員の健康責任が持てないので、撤退命令を出すよう長官に直訴にやって来た。
『基地を見捨てることは、地球を見捨てることと同じだ。我々は地球を守る義務がある。退却は出来ん』

ヤマオカ長官はそう言って、撤退命令を却下するのだった。その頃、ダンは猛吹雪の中を、歩いて基地へ向かっていた。寒さのため疲労が蓄積する身体を懸命に動かしていると、目の前に、真っ赤に燃え盛る炎の中で浮かぶ3体の謎の生き物が見える。

『光の国が恋しいだろうねぇ、ウルトラセブン!』
ポール星人が幻覚の中に姿を現して、そう語りかけた。

『地球上に3度目の氷河時代を起こして、すべてを氷詰めにしてやる。手始めに、邪魔な地球防衛軍をまず凍らせてやった。ハッハッハッハ』

基地が危ないことを知ったダンは、セブンになろうとポケットを押さえるが、そこにあるはずのウルトラアイが無い。どこかで落としてきたに違いない。急いで今来た雪道を戻り、懸命にウルトラアイを探すダン。

怪獣ガンダーが、ダンの前に滑空して出現した。ウルトラアイが見つかるまで、カプセル怪獣で対応するほかない。ダンは黄色いカプセルを投げ、ミクラスを出現させた。三角形の顔から伸びる二つの目玉と赤い唇がとぼけた印象のガンダーだが、なかなか強い。

一方、動力室から怪物がいなくなったことが判り、工事を再開するムカイ班長達作業チーム。ムカイ班長以下、みんな必死になって復旧工事に取り組む。だが、この寒さのため次々と倒れて行く作業員たち。荒木隊員は医師として、もうこれ以上は我慢できないと再び直訴にきた。

『全員ここで討ち死にしろとおっしゃるのですか?使命よりも人命です。人間一人の命は地球よりも重いって、いつも私達隊員に・・・』
長官と隊長に訴えるアラキ医師。ヤマオカ長官はアラキ隊員の言葉を聞き入れて、撤退する決意をする。

だがヤマオカ長官も寒さの為に、ついに力尽きて倒れてしまう。
『我々は、外部との通信も応援も途絶えてしまった。涙をのんで一時基地から撤退をしよう』

キリヤマ隊長が長官に代わり、残りの隊員達に撤退放送を流すと、隊員達は暗闇の通路の中を撤退していくのだった。その頃、吹雪の中で懸命にウルトラアイを探すダン。この真っ白な世界のどこにウルトラアイは落ちているのか。

雪の上に無造作に落ちているウルトラアイをやっと見つけたダンはそれを着眼すると、セブンの額のビームランプが点滅して、残り少ないエネルギーを知らせる。エネルギーを補給するために、わずかなエネルギーで太陽付近まで飛んで行かなければならないセブン。

キリヤマ隊長の撤退放送を聞きみんな撤退する中で、フルハシが一人現場に残り、ドリルやスパナを使って作業を続けていた。フルハシの気力と体力、そして何より使命感が、遂に原子炉に再び赤々と火をともした。

通路灯が点灯し基地内が明るくなると、寒さと疲労で重い足取りの隊員達の顔に輝きが戻った。これで超兵器が使用できる。ガンダーを倒すために、ホーク1号と3号が出撃していく。キリヤマ隊長はホーク1号を3つに分けて、ガンダーをカルテット作戦で攻撃した。

エネルギー補充を終えたセブンは、ガンダーに立ちふさがった。ガンダーを無重力状態にして台地に叩き落とすと、アイスラッガーで両手と首を切り落とした。

『どうやら、我々の負けらしい・・・』
セブンにではなく、人間の持つ忍耐や使命感に敗北したと言って、地球を去るポール星人。地球防衛軍基地一帯を覆っていた黒雲は去り、太陽と青空が見えてきた。

無敵と思われたセブンの思わぬ弱点を突いたポール星人。その攻撃をなんとかかわしたウルトラセブンは、ダンに戻ってじっと立ち尽くすミクラスをカプセルに回収すると、青空の下、防衛軍基地へと帰っていくのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラアイを、念力で探すことは出来なかったものか。又、ユートムの時に使用したベルトに付いている遠隔誘導装置は、どうだったろうか。自分から見える範囲内の距離でしか、有効ではないのかもしれないが。


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