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マグマ大使VSスペクトルマン(1) ~ピープロの特撮はウルトラ特撮よりスゴイ! [ピープロ特撮]

フジテレビ系列の初期の特撮テレビドラマと言えば、マグマ大使・スペクトルマン・ライオン丸である。いずれもピープロの作品で、マグマ大使はウルトラマンより2週間早く放送が始まっているので、『国産初のカラー特撮テレビ映画』の栄誉はマグマ大使に軍配が上がる。

ピープロダクション(通称;ピープロ)を立ち上げたのは、鷺巣富雄(さぎすとみお)氏(故人)である。東宝に就職して円谷英二に師事したが、戦争がはじまり、終戦を迎えても映画界は混乱した。そのため『うしおそうじ』のベンネームで漫画家に転身したが、映画への情熱から漫画家を廃業し、1960年にピープロを設立した。

マグマ大使制作の原動力は、独立1年後に参加した大映の超大作映画『釈迦』にある。ここでピープロはアニメ特撮を担当し、実写とアニメーションの合成技術を、映像内で見事に表現した。それはマグマ大使の中で、ゴアの円盤やマグマ大使の腹から出る連発ミサイルの表現などに見事に活かされている。ここで、主人公マモル少年役の江木俊夫氏に当時の話を聞く。


◆当時の思い出について
江木俊夫氏(俳優);
「マグマ大使っていうのは村上一家という、マモル少年を中心とした家族ということでお話を頂いて、ピープロのうしおさんが、マモル少年は江木君にやってもらうということを前提で話をしました。

一番の思い出は、亡くなられた岡田真澄さんと劇中だけでなくプライベートな時間でも親子のような関係で、ホントの父親のような存在でしたね。お母さんの八代(万智子)さんは、当時子供のボクから見ても美人のおかあさんだなぁという印象でした。

一番難しかったのは、ガムのロケットに乗って下を見ながら、『アッ、あそこに怪獣がいる』とか『あそこにゴアがいる』とかの指令を出すんですね。それをどこを見て言えばいいのか解らなくて、それが困ったことでしたね。演技でそれをやってくれって言われて、当時13歳くらいだったので、言われる通りにやってました」


◆ピープロ特撮の魅力について
大月俊倫氏(プロデューサー。近年ピープロ作品をリメイクした);
「チョット思ったのは、特撮というより渡辺善夫さんの合成作画の魅力ですね。ゴアの円盤が画面の奥からグィーンと出てくる所が渡辺善夫さんの合成作画なんですが、ウルトラ特撮よりスゴイって当時思ってたし。マグマ大使のお腹から出るミサイルのズドンズドンズドンていう音が、カッコイイじゃないですか。

あれもウルトラマンのスぺシウム光線よりもスゴイって当時思っていたし。マグマのツノから出す光線も合成作画なんですが、あれもスゴイって思ってて。ウルトラマンの特撮よりもマグマ大使の特撮の方がスゴイって。チョットだけ、子供心に、悪い言葉で言えば騙されてたような気がします(笑)」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ピープロの特撮は円谷特撮と比較すると、『アニメーションで見せるという技術』が、ウルトラには無い魅力を醸し出していると思う。次回扱うスペクトルマンも、ウルトラには無い魅力がある作品である。


【ドラマ マグマ大使】へは、ここからジャンプできます!
     ⇩⇩⇩⇩⇩
https://ztonbaltan.blog.so-net.ne.jp/archive/c2305528874-1

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マグマ大使VSスペクトルマン(2) ~ピープロの特撮は、悪役が主役! [ピープロ特撮]

悪役が主役という異色の特撮番組、それがスペクトルマンだ。『猿の惑星』という映画が話題を独占していた当時、うしおそうじはこの映画に着想を得た『宇宙猿人ゴリ』という悪役を生み出した。

祖国を追放された宇宙人が地球侵略をもくろむという企画はフジテレビの編成局長の目に留まり、ここに約3年ぶりにピープロ制作による特撮番組がスタートすることとなった。ゴーサインが出てから第一話放送日まで、1か月も無かったという超強行スケジュールであったらしい。

タイトル変更については、テレビ局との話し合いによって『宇宙猿人ゴリ』→『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』→『スペクトルマン』と、移り変わっていった。だが最初のタイトルの宇宙猿人ゴリの設定は、公害によって人間が美しい地球をダメにしていくのを見て、その地球を救うために出てきたのがゴリだった。

ところがスペクトルマンというヒーローが現れると、ゴリが悪役になってしまったという。いつの時代もヒーローを求めるという子供たちの想いが、タイトル変更に反映された形だった。それでは、主役・蒲生譲二役の成川哲夫氏(故人)のインタビューをどうぞ。


聞き手;
「タイトルについて、どう思いますか」

成川氏;
「脚本を読んでみるとスペクトルマンが主役なのに、悪役のゴリが題名なのが不思議ではありましたね、私本人はね。でもね、ゴリを非常によく描いてますし、魅力のあるキャラクターだったから、(善と悪を)裏返してもよかったのかなとも思っていましたね、最初はね」

聞き手;
「特殊な設定については、どうですか」

成川氏;
「『ネビュラ71、変身願います』って言って、断られることもあるんです、まだ早いとか。また急に言われて変身しろとか。自分の意志で変身したり元の姿に戻ったりするんじゃなくて、上からの命令で変身するわけですね。また曇ってたりするとネビュラ遊星が見えなくて、交信できなくなっちゃうんですよ。そうすると変身もできなくなっちゃう。そういう意味では、非常に不思議な感じはしてましたね。

聞き手;
「スペクトルマンとは、なんですか?」

成川氏;
「まぁ、ボクの青春だと思ってますね。丁度若い時期にやりましたし、その当時結婚もしましたしね。やっぱり一番印象に残ってますから、私の青春そのものだったって気はします」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
成川哲夫氏はスペクトルマン終了後も俳優活動をしていたが、師事していた空手の師範が死去し、指導者として道場を引き継ぐ形となったため、俳優業を引退。のちに国際空手道連盟玄制流成道会を発足。成道会の会長・師範として尽力したが、2010年1月、病気のため死去。享年66歳であった。筆者は成川氏が他界したことを当時は知らず、もっと後になってから、特撮関連本を読んで知ったのである(立ち読み(笑)だが)。スペクトルマン主演以降は、怪傑ライオン丸、仮面ライダー、ロボット刑事、ウルトラマンレオなどの特撮番組にゲスト出演している。

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快傑ライオン丸 ~時代劇変身ヒーローの草分け [ピープロ特撮]

ピープロ特撮の魅力は、あとあと心に残るという魅力だ。それは『リアル・アニメーション』と呼ばれる技法にあるのかもしれない。マグマ大使のゴアの円盤とかマグマの腹からでるミサイルなどの、アニメーションながら迫力のある映像である。

円谷プロの光線技を描く技術(光学撮影)は、確かにすばらしいしカッコイイと思う。しかし、リアル・アニメーション技法が、子供心には『ええっ?』と思いながらも大きなインパクトを残していることは、間違いないと思う。

ピープロはスペクトルマンの後番組として、『ライオンマン』という企画案を放送局に持ち込んだが、これでは今までとあまり代わり映えしないということで、時代劇にしたらどうかという案がその会議の場で出たという。

これは面白そうだということになり、主人公を『ライオン丸』にして企画は進んでいった。ここに時代劇変身ヒーローの草分け的存在、『快傑ライオン丸』が産声をあげた。『快傑ライオン丸』の主役に抜擢されて本格的デビューを果たし、続く『風雲ライオン丸』でも主演を務めた潮哲也氏にインタビュー。


聞き手;
「当時の苦労話を、お願いします」

潮氏;
「ボクはオーディションで決まりまして、撮影に入るまでに五日しか無かったんですよ。時代劇ははじめてなもんですから、五日の間に立ち回りとウマと、全部覚えといてって言われまして。『ええっ!五日で・・・』そうは言っても、やらなきゃショウガナイもんですから。

で、その五日の間にやったんですよ。立ち回りも、公園で4~5時間かけてやって。あと朝は、乗馬をやって。ところが4日目、撮影の前の日に落馬したんですよ(笑)。そこで思いっきり腰を打ちましてね。いやぁ、こりゃ参ったなぁと思いましてね。

次の日が撮影初日だったんですけども、大立ち回りのシーンだったんですよ、最初から・・・。これできるかなぁと思って。現場行ってやりましたけど。最後の決めの所で、2メートル位の崖から飛び降りて、それから立ち回りするんですが、着地するときに腰にガクッと来てね。

どうしても腰が痛くて立てなくてね。何度もNG出して、何とか誤魔化しながら撮ったっていうのを覚えてますけどね(笑)」


★★★★★★★★★★★★
キカイダーに強力なライバルのハカイダーがいるように、ライオン丸には、タイガージョーというライバルがいた。人間態の時の名は『虎錠之助』。

このタイガージョーが、とてもカッコイイ。獅子丸の敵・ゴースンから生を受けながら、最後はゴースンを倒す側に回り命を落とすという、ハカイダーと同じような最後をたどる。

なお筆者の記憶には全く無かったのだが、虎錠之助役の俳優が撮影中に不慮の事故死を遂げたことを、この稿を書くにあたり知った。人気のあるキャラだっただけに、大変残念に思う。

【ドラマ・快傑ライオン丸】へは、こちらからどうぞ!
  ⇩⇩⇩⇩⇩
http://zarabkemul.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306156097-1

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