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ウルトラセブン(27) ~『大分前に来た時、冥王星にだけ知的生物が生きていた。根絶やしにしてやったよ』 [ウルトラセブン・ドラマ3]

今回は、第19話『プロジェクト・ブルー』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;南川 龍
 監督;野長瀬三摩地
 特殊技術;的場 徹
 
◆宮部博士のプロジェクト・ブルー(地球防御バリア)計画は、月と地球を巨大な磁力線の網で包み込んでしまうという壮大な計画である。ダンがいう。
『バリアのおかげで宇宙人は入ってこないかもしれませんが、我々も月までしか行けぬことになるのでは・・・』

するとキリヤマ隊長が答える。
『バリアには秘密の出入り口を何か所か作ることになっている。宮部博士だ、抜かりはないよ』

これが完成すれば、地球の防御は増々完璧となり、今のフルハシのように、暇を持て余してウロウロする警備隊員が増えるであろう(笑)と、フルハシをからかうキリヤマ隊長。

その頃、宮部博士は久振りに取れた休日を家で過ごそうと、車で家へ向かっていた。途中深い霧の中を歩く人物を見かけた宮部博士は、その人物を乗せてあげようと思い、抜いてから声をかけようとしたが、その人物の姿は消えていた。何かの見間違いだったのだろうと思い、博士はそのまま車を走らせたのだった。

明日は妻のグレースの誕生日でもあった。白いワンピースドレスをプレゼントした宮部博士に、大喜びするグレース。明日はこのドレスを着て楽しみたいと話すグレース。突然取れた夫の休暇なので、午前中に出かける用事を作ったことを謝るグレース。

友達も呼べないことを残念におもうグレースに、一人でくつろぐことが好きな宮部博士にとっては、むしろ好都合なのだ。二人だけの誕生パーティをしようと提案する宮部博士だった。突然、地鳴りがして宮部邸が大きく揺れた。驚くグレースと博士。すぐにそれは収まったが、不安になる二人。

気象台に問い合わせたが、地震ではないらしい。家の周囲を調べてみたが、特に異常も無い。心配いらないとグレースをなだめる博士。だが、その頃ウルトラ警備隊では、月にある宮部計画の資材に爆薬を仕掛ける宇宙人を発見したが消滅してしまったという連絡が入っていた。

宮部博士のこの計画をめぐり、何かが起こりつつあることを感じるキリヤマ隊長は、ダンにパトロールを命令した。次の朝、グレースが出かけてしまったあと起床した宮部博士は、朝食をとろうと食堂へ行く。そこでテーブルがひとりでに持ち上がって、地下へ降りる階段ができていることに驚く。

寝間着のままその階段を降りていくと、突然無数の生き物のような帯にまといつかれ、身動きできなくなった博士は気を失ってしまう。気が付くと、宮部博士は手足を鎖で固定され、ベッドのような台の上に寝かされていた。

『私はバドー星人。宇宙の帝王だ。大分前に来たとき、この地球は火の玉だった。冥王星にだけ知的生物が生きていた。我々の他に知的生物の生存は許せない。根絶やしにしてやったよ』

今度は地球の生物を根絶やしにしようとやって来たバドー星人は、地球を爆破して宇宙から消してしまおうとしていた。実は、すでに一部で動き始めているプロジェクト・ブルー計画。宇宙人の侵略に一番使われるルートであるステーションV2とV3の間に、試験的に張っていたのだ。

そのバリアにバドー星人の宇宙船がぶつかって爆破してしまった。計画の詳細を知りたいバドー星人は、宮部博士を攻めたてるが、絶対に口を割らない博士。
『君は計画書を、この家に持ってきているはずだ。必ず見つけ出してみせるよ、ハハハハハハ』

夜になり、グレースが戻ってきた。真っ暗な家の中に、灯りを点ける。今夜は誕生日を二人で祝うはずなのに、誰もいないことを不審に思うグレース。洋服ダンスの中には、背広がある。夫は外出してはいないのだ。ウルトラ警備隊へ電話をするグレース。だが通じない。

電話線を引っ張ってみると、途中で切れている。すると突然、通じないはずの電話からベルの音が、けたたましく鳴った。恐る恐る受話器を取り、耳に当ててみるグレース。
『ワハハハハハハハ』

不気味な声で笑う何者か。突然停電になり、グレースはライターの火を点ける。カツカツと靴音が響いて、こちらへ向かってくる音が聞こえる。グレースは恐怖に駆られてしまう。グレースのこの様子を大画面で見せて、宮部博士に口を割らせようとするバドー星人。

何かが起こっている、キリヤマ隊長のそんな予感は当たってしまう。アンヌに宮部邸へ電話をかけさせると通じず、原因は電話線が切られている状態だと判る。タケナカ参謀とも相談し、キリヤマ隊長は密かに博士の警備をするよう、ダンとアンヌに命令した。

宮部邸へ向かったダンとアンヌは、着いて早々悲鳴を聞き、扉を破壊して突入した。そして、バドー星人に襲われているグレースを助けるのであった。

アンヌにグレースを任せ、ダンはセブンに変身した。階段下の大鏡に向かい、セブンは右手を鏡面に当てると、吸い込まれるように鏡の中へと入っていく。そして、逃げていくバドー星人の円盤に飛び乗り、巨大化して円盤を台地に置くセブン。

全身がうろこ状の皮膚で覆われたバドー星人が、出現した。まるで悪役レスラーのように(メリケン)サックでセブンの顔を攻撃する。セブンにパンチを一発食らったあと、ボディスラムを受けて台地に激突し、バドー星人は泡を吹いて絶命した。

バドー星人の円盤に乗りこんで宮部博士を助け出すと、瞬間移動してグレースのいる部屋へ戻ってきたセブン。もう一度大鏡の前へ行き、鏡にスーッと入っていくセブン。それを後ろから追いかけてきたアンヌは、あごを鏡にぶつけてしまう。

バドー星人が宮部邸の地下に置いてきた地球を破壊する爆弾を、遠く宇宙へと運ぶウルトラセブン。地球は救われた。アンヌは、書類の隠し場所を博士に尋ねてみた。
『隠してなんかいないよ』

グレースの白いドレスに懐中電灯の光を当てると、プロジェクト・ブルー計画の方程式が浮かびあがった。こうして、地球の頭脳・宮部博士のプロジェクト・ブルー計画は、ウルトラ警備隊とセブンの手によって、守られたのであった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
アンヌが大鏡にぶつかるシーンは、何とも言えない絶妙のタイミングだ。セブンの後ろ姿と横から出てくるアンヌの位置がバッチリ。鏡の向こうにある階段は絵だけど、一瞬だからポーズで停めてみないとそれは分からない。



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