訃報 団時朗氏 亡くなる

1971年（昭46）のTBS系特撮ドラマ「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹役などで知られる俳優の団時朗（だん・じろう）＝本名・村田秀雄（むらた・ひでお）さんが、2023年3月22日早暁、肺がんのため都内の病院でお亡くなりになりました。享年74

団さんは2017年夏に肺癌と診断され、治療を受けながら仕事を続けていましたが、去年末から体調が悪化していたそうです。

団さんは京都市出身、英国系米国人の父と日本人の母との間に生まれた、いわゆるハーフです。大手化粧品メーカー資生堂の専属モデルとなった団さんは、1968年に男性化粧品「MG5」のCMで一躍その名が知られるようになります。同年には新人俳優・団次郎として渡哲也主演映画に出演し、同年6月にはクラウンレコード（現日本クラウン）から歌手デビューも果たします。

そして1971年に「帰ってきたウルトラマン」（TBS）で主人公・郷秀樹を演じます。ハンサムな郷は一本気で、時に突っ走りつつも苦悩するナイーブな一面もある役どころ。団さんの人気は不動のものとなりました。

1984年、姓名判断により団次郎⇒《団時朗》に改名すると、その年以降は活躍の場を舞台に移します。1985年杉村春子主演「浮巣」、森光子主演の芸術座公演、森繁久弥座長公演に立て続けに出演し、舞台俳優としての地位を確立しました。その後もシリアスな役からコミカルな役までこなす確かな演技力で、多くのテレビドラマや映画に出演しました。

【ウルトラシリーズ】
・帰ってきたウルトラマン（1971年 - 1972年） - 主演・郷秀樹
・ウルトラマンA 第10話「決戦! エース対郷秀樹」(1972年) ニセ郷秀樹（アンチラ星人）
・ウルトラマンタロウ – 郷秀樹
　　第33話「ウルトラの国 大爆発5秒前!」（1973年）
　　第34話「ウルトラ6兄弟 最後の日!」（1973年）
　　第52話「ウルトラの命を盗め!」（1974年）
・ウルトラマンレオ 第34話「ウルトラ兄弟 永遠の誓い」（1974年） - 郷秀樹
・ウルトラマンメビウス（2007年） - 郷秀樹
　　第45話「デスレムのたくらみ」
　　第50話（最終話）「心からの言葉」

【その他特撮】
『スーパーロボット マッハバロン』（1974年）- 村野博士
マッハバロンは、ララーシュタイン率いるロボット帝国と戦う真紅の巨大ロボット。嵐田陽の父・嵐田陽一郎博士が残した設計図を元に、KSS海底基地内部で村野博士が製造した。世界征服を狙うララーシュタインと戦うため、嵐田陽をパイロットに実戦投入されたロボットである。村野博士は嵐田陽の祖父・竜之介と知り合いのロボット工学者で、マッハバロン2号機の製造者であり、且つ嵐田陽が所属するKSS(国際科学救助隊)のリーダーでもあるという役どころ。

江戸川乱歩の『少年探偵団』では正体不明の怪人二十面相を演じたが、最終回では二十面相の正体が演者の団次郎その人という奇抜な演出がなされた。

「帰ってきたウルトラマン」で郷秀樹の恋人坂田アキを演じた榊原るみさんが、追悼のコメントを出しています。
『団さんの突然の訃報をお聞きし、本当に悲しく、言葉になりません。ウルトラマンで共演させて頂いたころはお互いに新人でしたので、演技をすることに精一杯で私語を交わす余裕もなかったのですが・・・いつもとてもお優しい、静かな方でした。でも団さんは、きっと、きっと、帰ってくると信じています。だって、ウルトラマンなんですから・・・』

謹んで、ご冥福をお祈りいたします（合掌）


⇩【昭和特撮ヒーローを読む２】はこちらからどうぞ⇩
https://zarabkemul.blog.ss-blog.jp/

---

スポンサーリンク

タグ：団次郎 マッハバロン 郷秀樹 団時朗 嵐田陽 特撮 帰ってきたウルトラマン