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マグマ大使(10-1) [マグマ大使・ドラマ3]

今回は、第49話『再生怪獣キンドラ出現!』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;高久 進
 特撮演出;堺 武夫
 特撮美術;入江義夫
 特殊造形;開米栄三
 監督;船床定男

〖再生怪獣 キンドラ〗登場


◆ゴアにとっては、広大な宇宙のすべてが自分のモノだという認識である。人類の打ち上げたロケットが宇宙を飛んでいるのをみかけたゴアは、自分の庭に土足で踏み込んできた侵略者だと、人類のことを断じた。侵略者は討たねばならない。

今、金星付近を飛行している人類初の太陽系一周ロケットのアンドロメダ3号に、ゴアが仕掛けたワナは「オレンジ作戦」だった。

ゴアの円盤から噴射したオレンジ色の煙のような物体が、アンドロメダ3号の機体をほぼ覆い尽くした。ロケットの窓はオレンジ色の塗料が塗られたかのようになり、ロケットは故障して制御不能になってしまった。

『宇宙センターへ!こちらアンドロメダ3号。噴射装置故障!駄目だ、予備ロケットも故障・・・あっオレンジ色が鳴いている・・・』

この通信を最後に、アンドロメダ3号との交信は途絶えてしまう。この通信記録のテープは国際スクランブル隊本部にもたらされ、救出方法を検討していた。だが、宇宙へ行く方法は、スクランブル隊も持ってはいないのだ。

海老名隊長のもとに集まっていた村上や木田も、手の打ちようがない。だが、ニュースを見て飛んで来たマモルが一言。
『あるよ。マグマ大使に頼むんだ!』

マモルの笛を聞いたマグマに、アースが告げる。
『マグマ、用件は判っておる。人類最初の太陽系一周ロケットが事故を起こし、宇宙を漂っているのだ。強力磁石を装備して、すぐに行くがよい』

アースは、マグマが救助へ向かったことをスクランブル隊へ伝えるようにと、ガムに指示した。宇宙空間に漂うアンドロメダ3号を発見したマグマは、磁力でロケットの腹部に吸いつけると、そのまま地球へ運んでいた。

ところが、男鹿半島上空を飛行中に、突然強力磁石を離れてアンドロメダ3号は落下していってしまう。原因はマグマにも判らなかった。マグマは、このことを至急スクランブル隊に連絡するのだった。

アンドロメダ3号が落下したと思われる地点は、磁石から離れた地点から推測して、蔵王付近だと思われた。救援隊を送る準備を始めるスクランブル隊。

落下現場付近を、近くに住む猟師二人が歩いていた。アンドロメダ3号の落下をみた猟師たちは、山奥に墜落したロケットを見て驚く。きれいなオレンジ色に輝くその残骸。飛行士2人はすでに死亡していた。

猟師たちは、オレンジ色に輝く機体の一部を見て、「宇宙の金」だと思った。現金に交換できると思った二人は、そのオレンジ色に光る金属を一かけら持って、山を下りて行った。

一方、スクランブル隊の出す救援隊より、一足早く現場へ向かったマモルとガムは、オレンジ色に光るロケットの残骸を発見するが、それらが音を出していることに気付く。いや、鳴いているといった方がより近い。金属同士をこすった時に出るような、チイチイという嫌な音だ。

すると、一部が突然爆発を起こし、そこからトカゲのような怪獣が出現した。ゴアがそれをみて叫んだ。
『キンドラ行け!キンドラ星の怪獣の威力を、人類どもに見せてやれ!』

結果的に、マグマ大使は怪獣を地球へ運んで来てしまったのだ。まんまと、ゴアの策略にはまってしまったマグマ大使。マモルとガムは、怪獣を見て、急いで草かげに隠れた。
『チクショウ!お父さんはゴアに一杯食わされたんだね』

ガムはロケットに変身すると、怪獣キンドラに果敢に向かっていった。熱線砲を浴びせるも、ガムの身体が小さいために放射されるエネルギーも小さく、効かない。キンドラの口から放ったオレンジ色の光線が、ガムに照射された。よろよろと森に落ちてしまうガム。

ガムが落下した場所へ行き、ガムを介抱しながらマモルは聞いてみた。
『しっかりしろ、ガム。あのオレンジ色の光線はなんだ?』
『わかんない・・・』

だが、かなりのダメージがありそうなガムの表情。マモルは、すぐにマグマ大使を呼んだ。スクランブル隊と村上達が、蔵王山のロケットが落下したと思われる地点に到着した。蔵王山中にはマグマ大使が現れて、キンドラと対峙していた。

キンドラの吐くオレンジ光線を避けると、進撃するマグマ。
『さぁ、いくぞ!』

キックがキンドラの顔面に決まり、四足歩行怪獣のキンドラは裏返しになって腹を見せたまま立てない。すかさずキンドラの尻尾を持って引っ張ろうとするマグマ。しかし、キンドラの尻尾がトカゲのようにプチッと切れて、マグマの左わきに抱えて残っていたのは、切れた尻尾の先だけであった。

尻尾が切れて身軽になったキンドラは、マグマから走るようにして逃げて行く。だが、キンドラの尻尾の付け根からは、皮膚の色が少し違う新しい尻尾がもう生えてくるのだった。突然キンドラの回りに爆発が起き、キンドラは姿を消してしまうのだった。

オレンジ色に光るロケットの破片を金目の物だと思った猟師たちは、それを宝飾店に持ち込んで現金に換えようとしていた。

応対した女性店員は全く話に応じないので、オレンジ色に輝く破片をポケットの中から出して見せようとして、突然手の痛みを訴えだすのだった。ポケットから手を出してみると、右手が白骨化していた。

病院に運ばれたのは、その猟師たちだけではなかった。宝飾店の女性店員も足にオレンジ色の何かが付き、苦痛を訴えて入院した。

先に運ばれた猟師たちは、ふたりとも半日の内に全身が白骨化して死んでしまった。病院で取材した村上達は、猟師たちを保存していた霊安室で、チイチイと鳴いているオレンジ色のベットリとした物体を発見する。

村上はこの物体を採取して山形大学の細菌研究所へ持ち込み、分析してもらうことにした。
『このオレンジ色のモノは、今まで地球には存在したことのない生物だ。一言で言えば、大宇宙の人食いカビと言った方がいい・・・』

人間ばかりか、動物・植物・鉱物あらゆる物を食い尽くす、凄まじい繁殖力を持つ宇宙カビであることが判明する。ガムはキンドラの光線を浴びていることを思い出すマモル。
『ガムが危ない!』

対策を尋ねる村上に、細菌研究所の博士は「ウーン」と言ったまま、言葉が無い。再び出現したキンドラに、アースはマグマに出撃を命じた。だが、キンドラの吐く宇宙カビは、ロケット人間の身体をも溶かす力を持つことを、アースはマグマに念を押す。

だが、キンドラと対戦したマグマ大使は、不覚にもオレンジ光線を浴びてしまう。しかも、キンドラは身体の再生能力が速い。ミサイルで破壊した左腕が、あっという間に新しく生え変わるのだった。

宇宙カビを浴びたガムやマグマの運命は? そして、人類を恐怖のズンドコに陥れる宇宙カビの対策は、どうすればよいのか?  (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回は、ゴアのスーツアクターで声も担当されている故・大平透氏が、細菌学研究所の博士役で出演されている。約50年前のフィルムなので、さすがにお若い。重労働のスーツアクターさんの仕事に対して、ねぎらいの意味でこのようにチョイ役で顔を出すことは、よくあることである。

最後に、「恐怖のズンドコ」は「恐怖のどん底」の間違いである(笑)。これは、昔ある女優さんが焦っていて?思わず言ってしまった言葉であることを、明記しておく。おしまい(笑)



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