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仮面ライダー(新1号/地獄大使編)ドラマ11 [ライダー1号/ショッカー編]

《第79話 地獄大使!恐怖の正体?》
原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;塚田正煕

◆貯水湖に猛毒を入れて、ここの水を飲料水にしている200万人の人間を毒殺しようとしたガラガランダの「毒水道作戦」の行動が、仮面ライダーに筒抜けになっていた。ライダーが貯水湖を見張っていたため、ガラガランダはライダーの出現に虚を衝かれ、追い払われた形になった。

『放せ!ワシはお前達の指導者だぞ!首領!これはどういうことなのです?』
『地獄大使。自分の胸に聞いてみよ!ガラガランダの報告で、仮面ライダーに作戦を漏らした裏切り者がいることが判った』

ショッカーのアジト内では、地獄大使が鎖で縛りあげられ、戦闘員数人に厳重に見張られていた。どうやらショッカーの中に裏切り者がいて、ガラガランダの「毒水道作戦」計画を漏らした者がいるらしい。この計画を知っているのは、首領以外には大幹部の地獄大使しかいない。

『違う!私ではない!』

地獄大使の主張に聞く耳を持たない首領は、裏切り者として地獄大使を鎖に繋いだまま、死刑執行日まで監禁しておくことを命じた。地獄大使の死刑執行のことは、ショッカー首領自らがライダー隊本部に伝書鳩を送って知らせてよこした。

『親愛なる本郷猛君。君の宿敵・ショッカー日本支部大幹部の地獄大使の死刑執行を、9月30日午後4時、晴海第八倉庫にて行う。立会人として、君に出席してもらいたい』

本郷は、ワナかもしれないが行く決心をした。貯水湖事件の情報を本郷に漏らしたのは、地獄大使かもしれないというわずかな望みがあったからだ。もしそうなら、地獄大使を助けて、ショッカー組織の全貌を聞き出せるチャンスなのだ。

本郷が晴海倉庫へ着くと戦闘員が待っていて、本郷に目隠しをして処刑場へと連れて行った。密かに滝が、その後をつけて行く。倉庫内に忍び込む滝。地獄大使の処刑場に着いて目隠しをとった本郷に、首領が声をかける。

『ようこそ、本郷猛君。ではこれより、元ショッカー幹部・地獄大使の死刑を行う。裏切り者、地獄大使。何か言い残すことは無いか・・・』(首領の声)
『好敵手の君が立会人になってくれたことに、礼を言わせてもらう。ありがとう』(地獄大使)

ドラが鳴り響き、処刑時間が近づいてくる。地獄大使を送り出す本郷。ギロチンに架けられた地獄大使のロープを斬ろうとする黒マスクの死刑執行人。ナイフを振り上げた時、滝の投げた煙幕弾が換気口から大量の煙を吐き出し、そこにいた者達の目をくらませた。

本郷は、その隙に地獄大使をギロチンから助けだした。倉庫から上手く脱出することに成功した滝と地獄大使。本郷が追っ手の戦闘員をすべて倒して逃げようとした時、地獄大使も知らないという怪人が本郷を襲った。怪人は「ガニコウモル」と名乗った。

『貴様、ショッカーの怪人だったのか!』
『そう思うのは、お前の勝手だが!』

本郷はライダーに変身して戦う。
『ライダー変身!トォーッ』

空を飛ぶガニコウモルに、ライダーはサイクロンアタックを仕掛ける。正面衝突して、吹っ飛んでしまうサイクロン号。だが、ガニコウモルも空へ逃げて行った。

ライダー隊本部へ地獄大使を連れてきた本郷と滝。地獄大使が正体を知らないということは、ガニコウモルはショッカー怪人ではないことになる。だが立花藤兵衛は、地獄大使を怪しいとにらんでいる。

『恥ずかしい話だが、首領の信頼無くして何が世界征服だ!』

ショッカーのやり方に嫌気がさして、裏切りをしたと話す地獄大使。怪人ガラガランダは砂漠に棲む毒蛇の改造人間だから、ヤツの潜伏場所は砂漠だと話す地獄大使。本部に地獄大使と女性3名、立花藤兵衛だけを残して、浜松にある砂漠へ向かう本郷と滝。

過去のショッカー大幹部たちが、皆怪人だったことを気にする女性陣。手薄になったライダー隊本部で、地獄大使が薄笑いを浮かべながら正体を現す。地獄大使こそが、ガラガランダであった。

『敵を欺くには、まず味方からだ』

裏切り者がいることを敵に見せておき、処刑される者がいれば、それを本郷達が助けに来ることを見越した上での芝居だったのだ。立花藤兵衛と女性3名は人質としてガラガランダに捕まり、浜松の砂漠に首だけ出して埋められてしまう。

浜松の砂漠に着いた本郷と滝。ガラガランダの行方を追う二人の前に現れる地獄大使。首だけ出して埋まっている立花藤兵衛達を見せる。

『ショッカーに裏切り者などは、おりはせんのだ!』

地獄大使はガラガランダに変身して、本郷に迫る。本郷も変身する。
『ライダー変身!トォーッ』

右手のムチでライダーを攻撃しながら、砂の中に隠れてライダーを翻弄する。だが、ライダーの身のこなしの速さの方がガラガランダの砂に潜る速さよりも速いため、潜る途中でライダーに捕まってしまう。

ライダー返しのあとにライダーキックが炸裂し、台地に叩きつけられたガラガランダは地獄大使の姿に戻ると、大声でショッカーを称えた。

『ショッカー軍団、バンザイ!』

そう叫ぶと、大爆発して跡形も無く吹き飛ぶ地獄大使。首まで砂に埋もれていた藤兵衛達4人は滝に助けられ、地獄大使の最期をライダーと共に目撃していたが、どこからともなくショッカー首領の声が聞こえてきた。

『仮面ライダー。ショッカー日本支部は、たった今放棄する。そして恐るべき組織が造られるのだ。また会おう、仮面ライダー!』

砂漠のどこかでショッカー軍団の最期の様子を見ていたガニコウモルが、奇怪な声で鳴いた。
『いよいよ、我々の出る番が来たわけだ。仮面ライダー。必ず消す!』 

遂にショッカー軍団を壊滅させた本郷猛だが、すぐそこには新たな脅威が迫っていた・・・。(終わり)


【次回予告・・・(首領の声)我々ショッカーは、新しくゲルダムの力を加えゲルショッカーとなった。結成式おめでとう。ゲルショッカーは必ず地球を支配し、仮面ライダーを倒すのだ。行けブラック将軍よ、ガニコウモルよ!】

★★★★★★★★★★★★
地獄大使の死刑執行装置は、斬首(ギロチン)であった。だが、地獄大使の頭のかぶりものが大きくて、首が枠からはみ出ている(笑) まぁ、斬首される直前に滝と本郷に助けられるから、ちゃんと入ってなくてもいいんだけどね!

仮面ライダー(ショッカー編)伝説のドラマ00 [ライダー1号/ショッカー編]

『仮面ライダー本郷猛は、改造人間である』
伝説のヒーローは、ここからはじまった!

《第1話 怪奇蜘蛛男》

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;竹本弘一

◆城北大学・生化学研究室の本郷猛は知能指数が高く、又、超一流のテクニックを持つオートバイレーサーでもあった。この秀才・本郷と組んでグランプリ優勝を狙うのは、本郷が「おやっさん」と慕う立花藤兵衛である。

二人はいま、タイムトライアルを行っていた。
『もう一周回ってきます!今度は、10秒くらいは短縮してみせますからね!』

快調にスピードに乗る本郷のオートバイ。だが、バックミラーに映る謎の女性ライダー5人が、さっきから本郷の後を追ってくるのだ。
『見たことも無いグループだが、俺に挑戦する気だな!』

黒いレオタードに網タイツの、不気味な雰囲気の女性ライダー達。本郷はアクセルを全開にしてスピードを上げていき、女性ライダー達との差はどんどん開いていった。

だが今度は道路前方にも、同じ姿の女性ライダー達5人が、本郷を待ち構えているのだった。
『明らかに俺を狙っている・・・よーし』

本郷はタイミングを見計らってバイクをジャンプさせ、前方から来る女性ライダーたちの上空を飛んだ。前方と後方から本郷をサンドイッチにしようとしていた女性ライダー達は本郷を見失う。

仲間同士の正面衝突をなんとか回避してバイクを停めると、本郷が来た方向へと何も無かったかのように、全員が引き挙げていくのだった。

本郷は肩越しに女性ライダー達を見て、なぜ逃げて行くのか、どうしてあんなマネをしたのかを突き止めるために、奴らの後を追うことにした。森の奥深くへと入って行く女性ライダー達。やがて霧が出てきて女性ライダー達を見失い、前方がよく見えなくなってきた。

突然上から何かが降ってきて、本郷の身体に絡みついて離れない。それはクモの糸のようであった。絡んだ糸を解こうとする本郷を、さっきの黒いレオタード姿の女性達が取り囲んでいた。

『フフフフ・・・』
『ハハハハ・・・』
本郷はだんだん気が遠くなっていき、気絶してしまうのだった。

薄暗い部屋の中で目が覚めた本郷は、両手両足を鉄の輪で縛られ、大きな丸い手術台の上に大の字に寝かされていた。顔に赤い入れ墨のような模様が入った不気味な医師のような男達が、本郷の顔を上から見下ろしていた。

『本郷猛。ようこそ我がショッカーに来てくれた!君は選ばれた栄光の青年なのだ!』
『俺はショッカーに入ったつもりはない!』

『ハハハハ。君の意志に関わらず、君はショッカーの一員に、ほぼなってしまっているのだ。君が意識を失っている一週間の間に、ショッカーの科学グループは、君の身体に改造を施した。君は今や、改造人間なのだ!』

ショッカーとは、全世界のあらゆる所に網が張られている悪の組織であった。ショッカーの狙いは、人間を改造して、それを意のままに動かし、世界征服を計画する恐るべき集団であった。

いま本郷猛に語りかけている声の主が、ショッカー首領であった。
『改造人間が世界を動かし、その改造人間を支配するのが、この私だ。世界は私の意のままになる!』

本郷は、自分の立場がまだ理解できていなかった。そこでショッカー首領は、本郷の身体に5万ボルトの電流を流すよう、ショッカー科学陣に命令した。

本郷猛の身体は、風力によってエネルギーが蓄えられるように改造が施されていた。実験のため、本郷の身体に風圧を当てる科学陣。ベルトの風車が回転し、風力エネルギーが本郷の身体に蓄積されていった。

ガチャンという音と共にスイッチが押され、手術台上の本郷猛に5万ボルトの電流が流された。
『アアッーツ』

本郷の顔が、苦痛で歪(ゆが)んでいた。
『君の身体にはヤケド一つ残らない。ただその苦痛は、脳改造が行われていないからだ』
『これから、本郷猛の脳改造を開始する!』

リーダーの医師が、手術を開始しようとしたその時であった。部屋が暗くなり、警報ベルが鳴り響いた。手術室内は停電となり、戦闘員が入ってきて、発電室が破壊された事を報告した。手術室にいた科学陣全員は、発電室を破壊した裏切り者を探しに、手術室を出て行った。

本郷は逃げようとして、反射的に両手を繋いでいる鎖を引きちぎろうと力を込める。すると、人間とは思えないような力が出て、鎖を引きちぎってしまうのだった。普通の人間なら、当然このようなことは出来ない。

真っ暗な部屋の入口部分に、誰かが立っているのが本郷に分かった。だが明るい廊下の部分が逆光になり、顔が判別できない。その人物は、だんだん本郷に近づいて来た。
『あなたは・・・緑川先生!先生は確か、行方不明に・・・』

緑川博士は、本郷の質問に答えている余裕など無かった。手術室の電源が回復し、もうすぐ科学陣が戻ってきて見つかってしまう。
『い、いかん。ここからすぐ脱出するんだ、本郷君!』

手術室の天井を破れば脱出口があることを告げる緑川博士。
『しかし、どうやって・・・』

『君は改造人間なんだ!ショッカーが実験用に風圧を与えたおかげで、恐るべきエネルギーが君の身体に蓄積された。今の君なら出来る!』

本郷猛は緑川博士を抱いて、天井へジャンプした。
『おお、いない!あっ天井から逃げた!』

手術室に戻ってきた科学陣が、大声で叫んだ。ショッカー基地からの脱出に成功した本郷は、バイクの後ろに緑川博士を乗せて、全速力で逃げる。それを黙って見逃すショッカーではない。改造人間第一号の蜘蛛男が、本郷と緑川の二人を、繁みに隠れて狙っていた。

山道を走ってくる本郷と緑川の乗るバイクに、「シュルシュル・・・」と蜘蛛の糸がまきついて、バイクはバランスを崩して転倒してしまう。反対側の崖下に本郷は落ちてしまう。
『ほ、本郷くーん!』

崖下に落ちなかった緑川博士には、もっと恐ろしいことが待っていた。蜘蛛男と戦闘員達に囲まれてしまう博士。
『ショッカーを裏切れば、死だ。たった一人のお前の娘もな!』

だが、崖の上に赤いマフラーをなびかせた異形の影が・・・本郷猛は崖下に落ちた時にベルトの風車に風を受け、仮面ライダーに変身していた。
『トォーッ!』

ジャンプして空中で一回転すると、蜘蛛男と戦闘員達の前に立ちはだかり、パンチ、キックで次々と敵をなぎ倒していく。博士のおかげで脳改造をされる前に脱出することが出来た本郷猛は、改造人間・仮面ライダーとしてショッカーと戦うことを決意するのだった。

ひとまず蜘蛛男から逃れることが出来た本郷と緑川博士は、トウラ埠頭50号倉庫に身を隠していた。ショッカーの恐るべき陰謀を全世界に知らせる生き証人である緑川博士。博士を助け、人間の自由の為に闘うことを決意する本郷。

だが、水道の蛇口を軽く握っただけで壊してしまった本郷は、自分が改造人間になってしまった悲しみを、改めて感じるのだった。緑川博士がショッカーに推薦した為に、捕らえられ改造されてしまった本郷猛。何度も何度も詫びる、緑川博士。

立花藤兵衛に緑川博士の居場所を伝えた本郷は、一人娘・ルリ子が博士を迎えに来るから安心するように言う。だが、蜘蛛男が放ったスパイグモによって、博士の潜伏先は蜘蛛男に知られてしまう。

倉庫の屋根から忍び入った蜘蛛男は、クモの糸を緑川博士の首に巻き付けて、裏切り者の処刑を行うのだった。首に巻き付いた糸を本郷が取ろうとしているところにルリ子が到着し、首を絞めているような誤解を受けてしまう本郷。

しかも蜘蛛男の毒針で、博士の身体は泡のように溶けて消えてしまうのだった。
『お父様・・・人殺し!』

ルリ子は本郷のことを誤解したまま、逃げる途中で蜘蛛男に襲われ誘拐されてしまう。気を失ったルリ子を背負い、車で逃げる蜘蛛男をバイクに乗って追いかける本郷。

ハンドルに付いているスイッチでサイクロン号へと変化させると、後部からジェットを噴射して、サイクロン号のスピードは風のように速い。ベルトの風車に風圧を受けた本郷は仮面ライダーに変身し、目が赤く光り出す。

蜘蛛男をダムに追い詰めた仮面ライダー。戦闘員達が襲いかかってくる。足を振り上げてキックが炸裂、戦闘員を羽交い締めにしていると、蜘蛛男の毒針が飛んで来たので、戦闘員を盾にして避けると、泡となって溶けてしまう戦闘員。

ライダーのドロップキックが炸裂し、蜘蛛男は泡となって消滅した。気を失ったままのルリ子を抱えて、戻ってきた本郷。

立花藤兵衛が、車でルリ子を迎えに来た。藤兵衛は、本郷のよき理解者だ。緑川博士はショッカーの魔の手にかかってしまい、博士の娘・ルリ子は本郷を父殺しの犯人と信じている。ルリ子の誤解が晴れるのはいつの日か。

そして、本郷猛はショッカーの裏切り者として、怪人たちに狙われる日々が待ち受けているのである。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
まだ第一話では、『ライダーキック』という叫び声は聞けない。キックを「必殺技」扱いをしていない。手探り状態の作りだね。

仮面ライダー(ショッカー編)伝説のドラマ01 [ライダー1号/ショッカー編]

『仮面ライダー本郷猛は、改造人間である』
伝説のヒーローは、ここからはじまった!

《第2話 恐怖蝙蝠男》

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;折田 至

◆ヨーロッパの本戦レースに出場するために、今日の国内レースには何としても勝利したい本郷と立花藤兵衛。二人三脚で厳しい練習を重ねてきた本郷猛は、その成果が出て見事に優勝する。

『おめでとうございます!』
レースの花であるモデルの女性が花束を持って現れ、ゴールしたばかりでまだバイクにまたがったままの本郷に花束を渡したその女性は、本郷の顔にくちびるを近づけて左頬にキスしようとした。

目の前でそんな行為を見せつけられた立花藤兵衛は、思わず口笛を吹いて「この色男!」とでも言いたげであったが、次の瞬間予期せぬことが起きた。

女性の口角に鋭い2本のキバが生えている姿を、バックミラーの中にみた本郷はとっさに女性をかわして、事なきを得るのだった。キバの生えた口を開けて何度も本郷に襲ってくるモデルの女性に、本郷は一撃を食らわせたため、女性は意識を失ってしまう。

普通の女性の顔だった顔面には、コウモリの形のアザが浮かび上がり、そのモデルの女性は死んだ。昨夜、この女性はマンションの自室でコウモリ男に襲われ、首に殺人ヴィールスを植え付けられていたのだった。

『ショッカーの改造人間なのか・・・』
本郷猛はこの女性の奇怪な死に方をみて、女性の自室に何か証拠があるはずと、夜になり出かけていくのだった。

だが本郷が訪れたマンションは、すでにショッカー怪人・コウモリ男の人体実験場になっていた。昨夜女性に植え付けた殺人ヴィールスの成功を本郷のレースで確認したコウモリ男は、同じマンションの住人全員にヴィールスを植え付けていった。

吸血鬼が首筋に噛みつくように、コウモリ男は首筋に噛みついて人間に殺人ヴィールスを注入していった。マンションに足を踏み入れた本郷の前に、殺人ヴィールスを植え付けられて顔面に奇怪な模様が浮かび上がった住人たちが、立ち塞がってきた。

『俺がこの人達と戦って倒せば、昼間のモデルのように死んでしまう・・・』
本郷は、マンションのベランダから下へ飛び降りた。改造人間の本郷猛は、ベルトの風車に風圧を受けて仮面ライダーに変身した!

マンションの屋上まで、一気にジャンプした仮面ライダー。それをみたコウモリ男も、屋上まで飛行していく。闇の中で、仮面ライダーとコウモリ男の格闘が始まった。ジャンプして空中で一回転した後、コウモリ男のすぐ前に立って足を蹴り上げキックするライダー。

キックを浴びたコウモリ男は背中から落ちて、ふらついていた。ライダーはコウモリ男を地面に向かって投げ落とした。コウモリ男は、自分が危険に瀕した時には、自己催眠によって危険が去るまで眠る習性があった。ライダーの攻撃から身を守るために、今コウモリ男は催眠状態に入った。

ショッカーに裏切り者として処刑された、緑川博士の一人娘・ルリ子は、本郷猛が父を殺した犯人だと信じている。実はルリ子がアルバイトをしている喫茶店のマスターが、立花藤兵衛なのだった。ルリ子は、藤兵衛と本郷猛が仲間である気がしてならない。

だが、藤兵衛は、ルリ子に本当の事を今は言えないと思った。ショッカーを知らない方が、ルリ子にとっては良いことだと思うからだ。本郷猛は、城南大学・生化学室で、仲間の岸森と殺人ヴィールスの研究をしていた。

『信じられん。本郷が持って来た血液の中には、頭脳を持ったヴィールスがいる。それが脳細胞に回れば、音波によって支配されてしまうかもしれない・・・』

『岸森。このヴィールスの血清は、作れないだろうか?』
こんなヴィールスの存在自体が信じられないという岸森は、とても血清作りは無理だと言う。

ルリ子は、本郷猛と立花藤兵衛の関係を怪しみ、立花藤兵衛を尾行することで、とうとう本郷猛のマンションを見つけてしまう。立花藤兵衛が入った本郷のマンションの自室には、殺人ヴィールスに侵された人々が眠っていた。

本郷によれば、ライダーと戦ったコウモリ男が危険を察知して自己催眠に入ったことで、殺人ヴィールスの犠牲者もおなじように眠っているのだという。だから、ここに隔離することが出来たわけだった。

今のうちに血清を作る以外に、この人達を助ける術はない。もしもこの人達が起き出して人を襲えば、コウモリ男に操られるヴィールス人間はどんどん増えて続けて行くだろう。
『ショッカーの被害者は俺で最後にしたいんだ、立花さん!』

本郷猛の部屋を確認したルリ子は、本郷と間違えて立花藤兵衛を殴って気絶させてしまうのだった。本郷はちょっと前に、この人達を別の場所へ移すための車を用意しに、部屋を出て行った。藤兵衛はヴィールス犠牲者を見張っていたのだ。

ちょうどその時、犠牲者の一人が目を覚ました。ルリ子はこの人達がヴィールスの犠牲者だとは知らずに、本郷に拉致されてここにいるものと思っていた。
『本郷猛に、どうしてこんな目に合うんですか?』

『本郷を、何故知っている?』
『父の緑川浩を殺したんです』
ルリ子は自分の父が緑川博士であることを告げた。

コウモリ男に操られた男は、本郷は敵で自分はルリ子の味方であるように、言葉巧みに誘導していった。
『本郷猛が緑川博士を殺した証拠を持っている。さぁ縄を解いてくれ』

ルリ子はヴィールス人間を解放してしまい、男にヴィールスを首から注入されてしまうのだった。本郷がちょうど帰ってきたが、悲鳴を聞いた時はすでに遅く、コウモリ男がルリ子を人質に取っていた。

身体にヴィールスが広がって行くルリ子に、ショッカー首領の声が聞こえてくる。
『お前の父・緑川は、ショッカーの裏切り者として始末された。裏切り者は死、これがショッカーの掟だ』

ルリ子は、初めて本郷猛の無実を知った。ヴィールスはルリ子の身体に回り、このままにしておけばルリ子は死ぬ。助かるためには、血清を打つしかないのだ。

『この娘を活かすも殺すも、お前次第だ!』
ショッカー首領はそう言って、人質と交換に本郷に脳手術を受けるよう、条件を出すのだった。
『信用するな、たとえ条件を飲んでも、ルリ子さんが助かる保証はないぞ!』

立花藤兵衛がそう言って、安易な結論を出さぬよう、求めた。
『ルリ子さんを助ける方法は?』
『ルリ子の自由を戻す血清がある!』

コウモリ男はそう言って、本郷に血清があることを告げるのだった。希望を持った本郷・・・。
『確かに助かるという証拠を見せれば、条件は飲む』

本郷の交渉術にはまったコウモリ男は、倒れている犠牲者の一人に、「目覚めのトゲ」と呼ぶ爪の血清を打つように命令した。

犠牲者の男の顔がみるみるうちに元通りに戻り、意識が回復した。
『そうか、血清は貴様の身体にあるのか・・・』

「シメタ」と薄ら笑いを浮かべる本郷は、風車に風を受けて仮面ライダーに変身した。雑魚の戦闘員達を片付けて、コウモリ男と決戦だ。コウモリ男に投げ飛ばされたライダーは、壁を蹴って反転すると、コウモリ男の背後を取って羽根をむしり取る。そして・・・

『ライダー投げ!』
地面に激突して血しぶきを上げて倒れるコウモリ男。

羽根の爪(血清)をルリ子や犠牲者に注射し、みんなの顔が元通りきれいになっていく。今回のことで、ルリ子の誤解は解けた。だが、本郷猛の改造人間にされた哀しみは変わらない。本郷はバイクに乗って、ひとり疾走していくのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
第一話では本郷猛のことを、城北大学・生化学研究室の研究員と立花藤兵衛が説明しているが、第二話ではナレーションが城南大学・生化学研究室勤務と説明し、殺人ヴィールスの研究する様子が映る。少々、脚本内容と人物設定に不確実なところがあるね!

仮面ライダー(ショッカー編)伝説のドラマ02 [ライダー1号/ショッカー編]

『仮面ライダー本郷猛は、改造人間である』
伝説のヒーローは、ここからはじまった!

《第13話 トカゲロンと怪人大軍団》

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;北村秀敏

■東洋原子力研究所は、昼夜を問わず厳重な警備態勢が敷かれている。研究所の回りを警備員が二人体制で巡回していた。そこへショッカー怪人のコウモリ男とサソリ男が出現して、警備員二人を血祭に上げてしまう。

サソリ男が正面から入ろうとしたところ、青白い閃光を発して10メートル程吹き飛ばされてしまった。
『バ、バーリアで、入口がふさがれている!』
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それを聞いたコウモリ男は、空を飛んで上空から侵入しようと試みた。ところが、コウモリ男も、青白い閃光と共に吹き飛ばされてしまうのであった。この電磁波を利用した見えない壁(バーリア)によって、東洋原子力研究所は死角ゼロの鉄壁の守りを誇っていた。

しかも、このバーリアは原水爆のエネルギーでも破れることが無い、強力なモノであった。コウモリ男とサソリ男はアジトへ帰って、首領へ報告をした。

『あのバーリアを破壊しない限り、研究所襲撃は無理です。我々の力ではどうにもならぬほど、強力です』

『弱音を吐くな!ショッカーの世界征服計画は、日本支部が一番遅れているのだ。科学者諸君。直ちに、バーリア破壊ボールを使用させろ』

首領は怖気づいた怪人たちに喝を入れ、ショッカーが誇る科学陣に命令を下した。ところが、科学陣は・・・。

『お言葉ですが首領、あのバーリア破壊ボールは、20メートルの距離から投げ込まなければ威力を発揮できません。5キロの重量があるあのボールを、20メートルの距離から投げ込む力を持つ改造人間は、存在しません』

『バカモノ!直ちに、その能力を備える改造人間を造りだせ!』
さすがはショッカー首領である。無ければ作り出せという。仕事を遂行するためには、新しい発想が必要なのである(笑)

ショッカーが目を付けた男の名は、野本拳。プロサッカー選手で、超一流のセンターフォワードであった。野本の放つ殺人シュートは、相手チームにとって恐怖の的であった。

しかも野本は、所属チームが自分一人で持っていることをいいことに、チームワークを乱して横暴に振る舞っていた。ファンの子供達がサインをもらいに来ても、追い返してしまうのである。

控室で着替えをしているチームメイトに向かって、エラそうに言うのだ。
『野本拳さまの健康を祝って、乾杯だ!』

ウイスキーを一人で飲んでいる野本を残して、チームメイトは部屋を出て行ってしまうのだった。
『まったく、ダラシノねぇ奴らだ!』

ショッカーが、このような男を放っておくわけがない。控室に入ってきたクモ男の口から糸が吐かれて、野本はグルグル巻きにされて捕まってしまうのだった。

ショッカー科学陣は、野本拳を毒トカゲの能力を持つ改造人間、トカゲロンに改造した。巨象をも倒す毒トカゲの尾の力と、プロサッカーのウルトラシュートを放つ野本の足の力をプラスしたこのトカゲロン。

『このトカゲロンこそ、バーリア破壊ボールのシュートに最適です』
首領は、原子力研究所の周囲で一番防御の弱い所を探らせて、トカゲロンにバーリア破壊ボールを打ち込ませる指令を下した。

立花藤兵衛の経営するスナックに、滝和也が現れた。本郷猛を探しているという。
『猛はな、ここだよ』

マスターの藤兵衛は新聞記事を滝に見せて、ある記事に指を差した。それは、東洋原子力研究所の守衛2名が殺害された事件の記事であった。

東洋原子力研究所の周辺を、何度も回っている黄色い車があった。滝和也は本郷猛の指示で、研究所の周囲を見張っていたのだ。怪しい黄色い車を追いかけていた滝は、大きな屋敷にたどり着く。滝は軽い身のこなしで正面の門を飛び越えると、屋敷内へ潜入した。
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ある部屋に入ると、白い布をかぶった彫刻があった。滝は一つ一つ布を剥ぎ取ると、そこには気味の悪い姿の彫刻像が立っていた。
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サラセニアン、サソリ男、コウモリ男、蜂女、クモ男、ヤモゲラス、カメレオン男、カマキリ男、ゲバコンドルそしてコブラ男。やがて滝は、この家の主人・野本に見つかってしまう。野本は滝を帰らせてしまうが、帰ったあとで怪人達が文句を言うのだった。

だが、リーダーである野本ことトカゲロンは言う。
『お前達は、かつて仮面ライダーに痛い目にあった負け犬だ。このトカゲロン様に任せておけ!フフフフ』
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トカゲロンは、滝を襲って仮面ライダーをおびき寄せた。サイクロン号でやってきた仮面ライダーに、怪人トカゲロンは直径1メートル程もある巨大な岩を、三つ四つと軽々キックして、ライダーにぶつけてきた。

『受けてみろ、トカゲロンのシュートを!』
次々と飛んで来る巨大岩石を浴びて、ついにライダーは崖下へ転落、滝とルリ子の目の前で立てなくなり、敗北してしまうのだった。
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滝和也もトカゲロンの攻撃を受けて入院し、新妻の看病を受けていた。
『仮面ライダーが負けた。これからどうしたらいいか・・・』

その頃、ライダーはひとりトカゲロンの攻撃を破る必殺技を編み出すべく、自分を鍛えていた。そこに立花藤兵衛が合流した。
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『いつかこの山で、一流レーサーになるためのトレーニングをしたな。もう一度、あの時の苦労をやろう!』
『オレは必ず、トカゲロンのシュートを破ってみせる!』

藤兵衛は崖上から巨大な岩を投げて、それをライダーが身体で受ける特訓が始まった。そうして編み出したのが、電光ライダーキックだ。空中で身体を何度も回転させ、そのエネルギーをキックに集中させる技であった。

怪人トカゲロンを倒す算段がついた。藤兵衛は滝にそのことを伝えようと病室へ行ってみるが、ベッドはカラであった。ベッドの下に手帳が落ちていた。それは滝和也の身分証明書であった。滝は、FBI特命捜査官なのだ。(それでアイツは、事件に首を突っ込みたがったのか・・・)

滝が野本の屋敷へ再び潜入した時、トカゲロンと10人の再生怪人達は、原子力研究所へ向かったあとだった。戦闘員達に襲われながら、ショッカー首領からそのことを告げられた滝は、現れたライダーに言った。

『ライダー。奴らは原子力研究所を襲って、放射能で東京を攻撃するつもりだ、早く!』

その頃、トカゲロンはバーリア破壊ボールを蹴って、研究所を破壊しようとしていた。とっさに、サイクロン号でボールにアタックしたライダー。ボールはふたたびトカゲロンの手元に戻り、10人の再生怪人達が集合していた。
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『俺に勝てないお前が、11対1で勝てるか?』
だが、次々と再生怪人達を倒していくライダー。トカゲロンのバーリア破壊ボールが、ライダーを狙った。

『必殺シュートだ!』
『電光ライダーキック!』
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とっさにジャンプしたライダーは、回転力をキックに込めてバーリア破壊ボールを蹴り返した。トカゲロンは蹴り返されたボールを腹部にもろに受け、大爆発してしまうのだった。
『勝った!ライダーキックの勝利だ』

11体の怪人すべてを倒したライダーを見送るルリ子と藤兵衛、滝。
『偉いわ。自分の命を捨ててまで、人の為に闘っているのね』
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『そう。自分のことばかり考えていちゃ、本当に平和で幸せな世の中にはならないからな。彼はそのために戦っているんだ』
仮面ライダーの正体を知る立花藤兵衛は、その後ろ姿を見送りながら、そう相槌を打つのだった。(終わり)


【次週から始まる、仮面ライダー新シリーズ。装いも新たに、興味抜群、スリル、アクション。次週仮面ライダー「魔人サボテグロンの襲来」にご期待ください】
★★★★★★★★★★★★
本郷猛役の藤岡弘氏が怪我を負ったため、第9話(コブラ男)では藤岡氏の映像はあるモノの、アフレコが出来ない状態で別人が声を充てている。

滝和也が出てくる第11話(ゲバコンドル)では、藤岡氏の映像は過去のモノを少し使っただけで一切出て来ず、変身後のライダーが滝や仲間と共に活躍するストーリーになっている。

本郷の代わりに緑川ルリ子がバイクに乗って滝と共に活躍するのだが、フルフェイスのヘルメットではないため、ルリ子(女性)でないことがバレバレである(笑)。

一文字隼人が出現するまで、苦しいながら頑張っているスタッフ達の様子がよく分かる。第14話から新シリーズと銘打って、一文字ライダーが颯爽と登場することになる。

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