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仮面ライダー(ショッカー編)伝説のドラマ00 [ライダー1号/ショッカー編]

『仮面ライダー本郷猛は、改造人間である』
伝説のヒーローは、ここからはじまった!

《第1話 怪奇蜘蛛男》

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;竹本弘一

◆城北大学・生化学研究室の本郷猛は知能指数が高く、又、超一流のテクニックを持つオートバイレーサーでもあった。この秀才・本郷と組んでグランプリ優勝を狙うのは、本郷が「おやっさん」と慕う立花藤兵衛である。

二人はいま、タイムトライアルを行っていた。
『もう一周回ってきます!今度は、10秒くらいは短縮してみせますからね!』

快調にスピードに乗る本郷のオートバイ。だが、バックミラーに映る謎の女性ライダー5人が、さっきから本郷の後を追ってくるのだ。
『見たことも無いグループだが、俺に挑戦する気だな!』

黒いレオタードに網タイツの、不気味な雰囲気の女性ライダー達。本郷はアクセルを全開にしてスピードを上げていき、女性ライダー達との差はどんどん開いていった。

だが今度は道路前方にも、同じ姿の女性ライダー達5人が、本郷を待ち構えているのだった。
『明らかに俺を狙っている・・・よーし』

本郷はタイミングを見計らってバイクをジャンプさせ、前方から来る女性ライダーたちの上空を飛んだ。前方と後方から本郷をサンドイッチにしようとしていた女性ライダー達は本郷を見失う。

仲間同士の正面衝突をなんとか回避してバイクを停めると、本郷が来た方向へと何も無かったかのように、全員が引き挙げていくのだった。

本郷は肩越しに女性ライダー達を見て、なぜ逃げて行くのか、どうしてあんなマネをしたのかを突き止めるために、奴らの後を追うことにした。森の奥深くへと入って行く女性ライダー達。やがて霧が出てきて女性ライダー達を見失い、前方がよく見えなくなってきた。

突然上から何かが降ってきて、本郷の身体に絡みついて離れない。それはクモの糸のようであった。絡んだ糸を解こうとする本郷を、さっきの黒いレオタード姿の女性達が取り囲んでいた。

『フフフフ・・・』
『ハハハハ・・・』
本郷はだんだん気が遠くなっていき、気絶してしまうのだった。

薄暗い部屋の中で目が覚めた本郷は、両手両足を鉄の輪で縛られ、大きな丸い手術台の上に大の字に寝かされていた。顔に赤い入れ墨のような模様が入った不気味な医師のような男達が、本郷の顔を上から見下ろしていた。

『本郷猛。ようこそ我がショッカーに来てくれた!君は選ばれた栄光の青年なのだ!』
『俺はショッカーに入ったつもりはない!』

『ハハハハ。君の意志に関わらず、君はショッカーの一員に、ほぼなってしまっているのだ。君が意識を失っている一週間の間に、ショッカーの科学グループは、君の身体に改造を施した。君は今や、改造人間なのだ!』

ショッカーとは、全世界のあらゆる所に網が張られている悪の組織であった。ショッカーの狙いは、人間を改造して、それを意のままに動かし、世界征服を計画する恐るべき集団であった。

いま本郷猛に語りかけている声の主が、ショッカー首領であった。
『改造人間が世界を動かし、その改造人間を支配するのが、この私だ。世界は私の意のままになる!』

本郷は、自分の立場がまだ理解できていなかった。そこでショッカー首領は、本郷の身体に5万ボルトの電流を流すよう、ショッカー科学陣に命令した。

本郷猛の身体は、風力によってエネルギーが蓄えられるように改造が施されていた。実験のため、本郷の身体に風圧を当てる科学陣。ベルトの風車が回転し、風力エネルギーが本郷の身体に蓄積されていった。

ガチャンという音と共にスイッチが押され、手術台上の本郷猛に5万ボルトの電流が流された。
『アアッーツ』

本郷の顔が、苦痛で歪(ゆが)んでいた。
『君の身体にはヤケド一つ残らない。ただその苦痛は、脳改造が行われていないからだ』
『これから、本郷猛の脳改造を開始する!』

リーダーの医師が、手術を開始しようとしたその時であった。部屋が暗くなり、警報ベルが鳴り響いた。手術室内は停電となり、戦闘員が入ってきて、発電室が破壊された事を報告した。手術室にいた科学陣全員は、発電室を破壊した裏切り者を探しに、手術室を出て行った。

本郷は逃げようとして、反射的に両手を繋いでいる鎖を引きちぎろうと力を込める。すると、人間とは思えないような力が出て、鎖を引きちぎってしまうのだった。普通の人間なら、当然このようなことは出来ない。

真っ暗な部屋の入口部分に、誰かが立っているのが本郷に分かった。だが明るい廊下の部分が逆光になり、顔が判別できない。その人物は、だんだん本郷に近づいて来た。
『あなたは・・・緑川先生!先生は確か、行方不明に・・・』

緑川博士は、本郷の質問に答えている余裕など無かった。手術室の電源が回復し、もうすぐ科学陣が戻ってきて見つかってしまう。
『い、いかん。ここからすぐ脱出するんだ、本郷君!』

手術室の天井を破れば脱出口があることを告げる緑川博士。
『しかし、どうやって・・・』

『君は改造人間なんだ!ショッカーが実験用に風圧を与えたおかげで、恐るべきエネルギーが君の身体に蓄積された。今の君なら出来る!』

本郷猛は緑川博士を抱いて、天井へジャンプした。
『おお、いない!あっ天井から逃げた!』

手術室に戻ってきた科学陣が、大声で叫んだ。ショッカー基地からの脱出に成功した本郷は、バイクの後ろに緑川博士を乗せて、全速力で逃げる。それを黙って見逃すショッカーではない。改造人間第一号の蜘蛛男が、本郷と緑川の二人を、繁みに隠れて狙っていた。

山道を走ってくる本郷と緑川の乗るバイクに、「シュルシュル・・・」と蜘蛛の糸がまきついて、バイクはバランスを崩して転倒してしまう。反対側の崖下に本郷は落ちてしまう。
『ほ、本郷くーん!』

崖下に落ちなかった緑川博士には、もっと恐ろしいことが待っていた。蜘蛛男と戦闘員達に囲まれてしまう博士。
『ショッカーを裏切れば、死だ。たった一人のお前の娘もな!』

だが、崖の上に赤いマフラーをなびかせた異形の影が・・・本郷猛は崖下に落ちた時にベルトの風車に風を受け、仮面ライダーに変身していた。
『トォーッ!』

ジャンプして空中で一回転すると、蜘蛛男と戦闘員達の前に立ちはだかり、パンチ、キックで次々と敵をなぎ倒していく。博士のおかげで脳改造をされる前に脱出することが出来た本郷猛は、改造人間・仮面ライダーとしてショッカーと戦うことを決意するのだった。

ひとまず蜘蛛男から逃れることが出来た本郷と緑川博士は、トウラ埠頭50号倉庫に身を隠していた。ショッカーの恐るべき陰謀を全世界に知らせる生き証人である緑川博士。博士を助け、人間の自由の為に闘うことを決意する本郷。

だが、水道の蛇口を軽く握っただけで壊してしまった本郷は、自分が改造人間になってしまった悲しみを、改めて感じるのだった。緑川博士がショッカーに推薦した為に、捕らえられ改造されてしまった本郷猛。何度も何度も詫びる、緑川博士。

立花藤兵衛に緑川博士の居場所を伝えた本郷は、一人娘・ルリ子が博士を迎えに来るから安心するように言う。だが、蜘蛛男が放ったスパイグモによって、博士の潜伏先は蜘蛛男に知られてしまう。

倉庫の屋根から忍び入った蜘蛛男は、クモの糸を緑川博士の首に巻き付けて、裏切り者の処刑を行うのだった。首に巻き付いた糸を本郷が取ろうとしているところにルリ子が到着し、首を絞めているような誤解を受けてしまう本郷。

しかも蜘蛛男の毒針で、博士の身体は泡のように溶けて消えてしまうのだった。
『お父様・・・人殺し!』

ルリ子は本郷のことを誤解したまま、逃げる途中で蜘蛛男に襲われ誘拐されてしまう。気を失ったルリ子を背負い、車で逃げる蜘蛛男をバイクに乗って追いかける本郷。

ハンドルに付いているスイッチでサイクロン号へと変化させると、後部からジェットを噴射して、サイクロン号のスピードは風のように速い。ベルトの風車に風圧を受けた本郷は仮面ライダーに変身し、目が赤く光り出す。

蜘蛛男をダムに追い詰めた仮面ライダー。戦闘員達が襲いかかってくる。足を振り上げてキックが炸裂、戦闘員を羽交い締めにしていると、蜘蛛男の毒針が飛んで来たので、戦闘員を盾にして避けると、泡となって溶けてしまう戦闘員。

ライダーのドロップキックが炸裂し、蜘蛛男は泡となって消滅した。気を失ったままのルリ子を抱えて、戻ってきた本郷。

立花藤兵衛が、車でルリ子を迎えに来た。藤兵衛は、本郷のよき理解者だ。緑川博士はショッカーの魔の手にかかってしまい、博士の娘・ルリ子は本郷を父殺しの犯人と信じている。ルリ子の誤解が晴れるのはいつの日か。

そして、本郷猛はショッカーの裏切り者として、怪人たちに狙われる日々が待ち受けているのである。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
まだ第一話では、『ライダーキック』という叫び声は聞けない。キックを「必殺技」扱いをしていない。手探り状態の作りだね。



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