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ウルトラマンエース(6) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第5話 『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』を取り上げます。

脚本;上原正三  
特殊技術;大平 隆
監督;真船 禎
ナレーター;岸田 森

〖大蟻超獣アリブンタ〗
〖ギロン人〗    登場    

◆ある日、青い空が突然ガラスの板のように音も無く割れて、巨大な緑色の眼が人間世界を覗きこんでいた。その眼は、人間の女性だけを物色していた。だが、誰一人そのことに気付く者はいなかった。

しばらくすると、遊園地のコーヒーカップに一人で乗っていた赤いワンピースの女性のカップだけが、突然蟻地獄のようにすり鉢状の砂地に変わってしまった。
『きゃあー、助けてぇー!』

女性はその蟻地獄の中心に向かってずるずると引きずり込まれ、沈んで見えなくなってしまった。女性が見えなくなると、女性が乗っていたはずのカップだけが、誰も乗っていない状態で動き続けていた。周囲にいた人達はその様子に気付いたものの、一瞬のことで助けようがなかった。

その事件はすぐTACに通報され、女性がいなくなったコーヒーカップの周辺は、徹底的にTACによって調査された。だが、TACは何も発見することができなかった。

『みんな、夢をみてたんだよ』
と言う者。
『何を言っているんだ。あれは夢じゃない、現実だ!』
と言う者。

北斗と吉村は何か違和感を感じていたが、今野と山中は陽気のせいにして、現場を去ってしまうのだった。だが、他日の夜。恋人を送り届けた男性の目の前で、女性が急に出来た蟻地獄に落ちて、あっという間に地中に引きずり込まれる事件が起きる。

今度は竜隊長自らが現場に出向き、恋人の男性の証言をもとに、地面を徹底的に掘り返してみるのだった。だが、何も出ては来なかった。

北斗と南は、異次元人ヤプールのしわざにちがいないと意見を出すが、竜隊長が警視庁との合同捜査会議に出席して、この事件は警視庁が引き継ぐことに決まったことを、隊員全員に報告した。

この事件の犯人は、ホログラフィを使って現場を蟻地獄のように見せかけ、女性を誘拐したとの見方を警視庁はしていた。誘拐された女性は皆、血液型がO型であることから、犯人は多量のO型血液を必要として犯行に及んだものとみていた。このホログラフィ説を覆すだけの証拠が無い限りは、TACは手を引くことに決まったのであった。

たくさんの人が歩いている銀座の歩行者天国を、北斗と南の両名は歩いていた。今日は二人とも、TACの休暇日であった。たくさんの買い物をした夕子は、買い物の箱を全部征北斗に持たせて、歩行者天国を楽しそうに歩いていた。

すると突然、夕子の周囲が蟻地獄になって、夕子はズルズルとその中心部へ引きずり込まれていくのだった。
『きゃあー、星司さーん!』

必死に手を伸ばす夕子を見て、北斗は買い物の箱を放り投げると、ジャンプして夕子の手をつかみ、グイと引き上げた。そして引っ張る勢いで夕子と共に、その蟻地獄を抜け出すことが出来た。だが、不幸にもその近くにいた別の女性が、蟻地獄に吸い込まれて姿が見えなくなってしまった。

二人は近くにある地下鉄入口の階段を降りると、今夕子が吸い込まれた辺りの場所まで地下道を走った。だが、その辺りは何の異常も発見されなかった。北斗も夕子も蟻地獄に吸い込まれた瞬間に、巨大な蟻のような生物を見ていた。今回狙われた夕子の血液型も、やはりO型なのであった。

竜隊長は、今回の南隊員が狙われた事でTACの出動も考えていたが、踏み切れずにいた。そんなとき、地下鉄が超獣に襲われる事件が起きた。巨大なアリのような超獣が、地下を走る地下鉄のトンネルに巨大な穴をあけ、線路を蟻酸で溶かして、脱線した電車を襲撃したのだ。

脱線した車両に向かって、口から蟻酸を吐く超獣アリブンタは、車両はおろか人間まで溶かしてしまう恐ろしい超獣だった。

竜隊長は現場を見て、基地からタックビルに出撃指令を出した。タックビルは、地底深くもぐるために先端にドリルが付いた大型戦車だ。竜隊長は美川、今野の両名と共にタックビルで地底に潜り、超獣をロケット弾で攻撃する。地上に這い出てきた超獣を、地上待機している山中、北斗、南が攻撃する作戦だ。

先端のドリルが回転し、地底80メートルまで潜ったタックビルは、巨大なアリの巣にいるアリブンタを発見すると、ロケット弾を叩き込んだ。しかしロケット弾攻撃は効果が無く、逆にタックビルは襲われて車体に損傷を受けてしまう。

暗闇で懐中電灯の灯りを頼りに、必死で故障個所を直す竜隊長。だが、あと1時間ほどで酸素は底をついてしまう。北斗は、夕子に頼む。地底に潜る技術を知らないウルトラマンAが地底に潜る方法、それは夕子が囮になって蟻地獄に落ちることだ。
『蟻地獄に、堕ちろっていうの?』

命がけのこの方法に躊躇する夕子。もちろんその時に北斗も一緒に飛び込む。
『夕子、勇気を出すんだ!』

私服に着替え、街中を歩く夕子。その後を追う北斗。国会議事堂付近の横断歩道を歩いている時、突然砂嵐が舞って蟻地獄が出現した。
『きゃあー、星司さーん!』
『でぇあー』

蟻地獄の中心に引き込まれる夕子めがけてジャンプした北斗は、夕子のすぐ横に並んで、中心部に向かって引き込まれていった。二人の右手中指のリングが光り輝くと、ウルトラマンAが出現した。蟻地獄の中心部の真下に超獣アリブンタがいた。

ウルトラマンAとアリブンタの決斗が始まる。口から蟻酸を吐くアリブンタ、それを避けると今度はメタリウム光線がアリブンタの顔面にヒットした。

ところがどうしたことか、アリブンタが姿を消した。
『仕掛けた罠に、まんまとハマったな、ウルトラマンA!』

不気味な声を出して、ギロン人が出現した。
『アリブンタはO型の血液が好物なのだ。東京はエサが多い。おかげでたくましく育ってくれた!ワハハハ・・・』

エースがいるこの地底の空洞には、巨大な針の山が天井と地面に生えている。エースの頭上から降りてきた針の山と地面のそれとでサンドイッチになり、身動きできなくなったエース。

針の山には電流が流れ、徐々にエースを押しつぶすように下がってくる。
『このままでは、TACも東京も全滅してしまう・・・何とかしなければ!』

エースはこのピンチを切り抜ける最後の手段として、ウルトラサインをM78星雲に向けて放った。このウルトラサインを受けて、遥か彼方からゾフィが飛んできた!地球に着いたゾフィは、さらに回転しながら土煙をあげて地底に向かって突き進んでいく。

『ゾフィ兄さん!』
地底にできた巨大な空洞に着いたゾフィは、そこでエースを見つけると、右手首にはめているブレスレットで、エースを閉じ込めているギロン人のワナを破壊した。

『タックビル号は、私が救助する』
ゾフィはそう言って、右手首のブレスレットをエースに渡して、地上へ行くように促した。地上では、エースをワナに閉じ込めたギロン人とアリブンタの猛攻撃が始まっていた。地上で待機していたTACの山中と吉村の反撃は、ほとんど効果が無い。

ゾフィからもらったブレスレットでエネルギー補給をしたエースは、アリブンタとギロン人に向かっていく。だが、邪悪なギロン人と巨体のアリブンタが相手では、エースに勝ち目はない。しかし、タックビルを運んで地底からゾフィが出現し、タックビルを安全な場所に置いて参戦するゾフィ。

ゾフィはアリブンタの頭を、エースはギロン人の頭を抱えながら、互いを勢いよくぶつけると、2つの巨体が大きな音を立てて崩れ落ちた。ゾフィとエースの勝利だ!
『ありがとう、ゾフィ兄さん!』
『さようなら、ウルトラマンエース』

エースはゾフィにブレスレットを返すと、二人の勇士は一緒に飛び去っていく。タックビルに乗っていた竜隊長達も無事で、飛び去って行くエースとゾフィを見送っていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラマンAに出てくる怪獣なら、名前と姿がほぼ一致する。変わった名前がエースには登場する。まずアリブンタは、故・菅原文太を思い出させる。そしてカイテイガガン。話の内容はよく憶えてないが、釣り目で口の形が縦長の超獣だ。

エースでウルトラシリーズも4作目。このあたりになると、怪獣の数は、他の番組も含めて相当な数になるだろうから、デザインも大変ならネーミングも大変だったことだろう。いい加減に聞こえるネーミングも、時には出てしまうかな(笑)

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ウルトラマンエース(7) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第6話 『変身超獣の謎を追え!』を取り上げます。

脚本;田口成光  
特殊技術;大平 隆
監督;真船 禎
ナレーター;岸田 森

〖変身超獣ブロッケン〗登場


◆異次元人ヤプールは、超獣製造装置に地球生物のワニと宇宙生物を入れ、それらを合成させて超獣を創ろうとしていた。片側にある透明なドームに入れられたワニと、もう片側のドームに入れられた宇宙生物がみえる。双方のドーム内で火花が散って、中の物が少しずつ変化していく。

やがて見えづらくなったドーム内の物体は、気体となって管の中を移動していく。それらは中央に集められて、ブクブクと泡が立ち始めている。その泡の中で何かが徐々に形成していくが、まだ泡で隠れてよく見えない。

プラズマが走り、やがて眼のような物や手のような物ができあがり、泡が吹き飛ばされたとき、変身超獣ブロッケンが誕生した。

日本初の有人宇宙船・新星号が、月への旅を終えて、今地球の大気圏に突入するところだった。宇宙飛行士第一号のコヤマ隊員は、順調に飛行している様子を伝えてきた。すべてのコントロールと連絡は、科学設備の技術力が進んでいるTACが行なっていた。

まもなく大気圏突入という時、緊急事態が発生する。新星号は突然の船体温度の上昇でコントロールを失っていた。TAC側から呼びかけても応答は無く、地球に向かって落下し始めた。

TACでは新星号救出のため、タックファルコンにタックアローを2機積んで出撃。新星号を発見すると、ファルコンから飛び出した2機のアローが新星号に近づき火災を消火したあと、先端に磁力が付いたロープを新星号の左右から打ち込んで、曳航していくのだった。

無事に帰還したコヤマ隊員を、TAC全員が歓迎した。新星号が成功したことで、TACが密かに開発を進める新型ロケットエンジンのテストパイロットも、コヤマ隊員にやってもらうことを検討している。

TAC第三研究所で開発を進めるこのロケットエンジンが完成すれば、光速を超えて四次元世界を覗けるかもしれない。この話を聞き、コヤマ隊員の目がオレンジ色に輝いたことに気づく者はいなかった。

北斗と南隊員がコヤマ隊員を自宅へ送ると、一人で留守番をしていたアツシに会った。母親は出産の為に病院にいて、父は7日間の宇宙パイロットで不在。アツシは小学生ながら、一人で留守番をする元気な男の子だ。

その晩、コヤマ隊員とアツシは、布団に並んで寝た。
『お父さん、手袋したままだよ』
『あとで取るんだよ・・・』

アツシは手袋をはめたまま寝ようとする父を変に思うが、それ以外は父親に変わりは無い。やがて寝付いたが、父のいびきの音で目が覚めるアツシ。父が手袋をしたまま寝ているのを見て、それを外してあげたアツシは思わず息をのんで退いてしまう。右手袋を外した父の手の平には、目と口が一つずつ付いていたのだ。

アツシは裸足で寝間着のまま家を飛び出すと、近くの公衆電話ボックスへ駆け込んでTACに電話した。
『お、お父さんは宇宙人なんです!ほ、本当です!』

だが、電話を取った北斗も山中も、アツシの話を信じない。だが、翌日アツシのもとへ行き、「お父さんが宇宙人だと言う証拠を、何か知っているのか」と問う北斗。
『お父さんの手には、口や目があるんだ!』

話を聞き、コヤマ隊員を尾行してみることにした北斗。コヤマ隊員は、新型ロケットエンジンを開発しているTAC第三研究所に向かっているらしいことが分かった。だが北斗は、途中で尾行に気付いたコヤマ隊員に襲われてしまう。手袋を外した手の平に、確かに目と口が付いていることを確認した北斗は、本部へ連絡する。

竜隊長は、帰還した時に手袋を外さなかったコヤマ隊員のことを思い出していた。あの時変に思っていたが、最初に握手する相手を息子に決めているという言葉に、つい騙されてしまったのだ。

TAC第三研究所に潜入したコヤマ隊員は、どうやら新型ロケットエンジンの破壊を目的にしていることが、推測された。警備の為に第三研究所に行っている今野隊員に連絡すると、すでにコヤマ隊員は中に入ったあとだった。『コヤマ隊員を中に入れるな。宇宙人の疑いがある』

だが、すでに遅かった。ヤプールから命令を受けたコヤマ隊員は、目をオレンジ色に光らせると、素早く走って研究所内に潜入した。研究所のビルが中から破壊され、変身超獣ブロッケンが出現した。ウマのように4本足で立ち、ツノが生えたワニのような顔つきの超獣ブロッケン。

タックパンサーで北斗と一緒に研究所へ来たアツシは、父の仇の超獣を見て、思わず石を投げようと超獣にどんどん近づいてしまう。北斗はアツシを捕まえるが逃げ場を失い、仕方なく超獣と近くなる研究所のビル内に逃げ込んでいく。

『駄目じゃないか!』
『お父さんの仇を取るんだ!』

だがブロッケンは、ビルの中に隠れている北斗を狙っていた。手をビルの中に伸ばして、北斗をわしづかみにした。南夕子はタックアローで攻撃していたが、二人のリングが光ってエースになるタイミングがやって来た。夕子はアローから脱出すると、ブロッケンの右手に捕まれている北斗に向かって、スカイダイビングした。

二人がウルトラタッチをした瞬間、光と熱の衝撃がブロッケンの右手を吹き飛ばしてしまった。そしてブロッケンの鼻先にキックを一発入れて、ウルトラマンAが出現した。エースの体格に比べ遥かに大きいブロッケンを相手に、エースは苦戦を強いられる。

まるで2匹分の超獣を相手にしているような、ブロッケンの大きさだ。光線技を使うブロッケンは、エースのカラータイマーを狙い撃ちした。エネルギ―が少なくなり、カラータイマーが赤く点滅し、苦しみもがくエース。

その時、黒雲が広がり雷鳴がとどろいて、新たな敵の出現かと思われた。だがエースの目に飛び込んできたのは、遥かM78星雲から兄たちが放ったウルトラサインだった。《立て、撃て、斬れ》

エースは立ち上がると、腕を大きく広げて必殺技・ウルトラギロチンを放った。エースの手から放れた光の円盤がいくつにも分かれ、ブロッケンの身体をズタズタに引き裂いてしまった。

超獣ブロッケンが倒れた後、魂のぬけたような顔をしたコヤマ隊員が破壊尽くされた研究所に立っていた。その姿には、太陽が照らしているのに影が無い。だが、やがて足元から影が伸びていき、コヤマ隊員は正気に戻るのだった。

『お父さん!』
『アツシ!』

影踏みをしながら、つい先程生まれた赤ん坊に会いに行くコヤマ隊員とアツシ親子の嬉しそうな姿を、TACの隊員達が見送っていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
超獣ブロッケンは、筆者の好きな超獣ナンバー1である。ブロッケンが好きというよりは、ゲスト出演の故・小林昭二氏が出演しているからかもしれない。65才で逝去しているのが惜しい俳優さんである。

「初代マン」ムラマツキャップを始め、「新マン」でのシーモンス・シーゴラスの高村船長、そしてこの小山隊員が記憶に強く残る。もちろん、忘れるわけはない仮面ライダーの「おやっさん」でもある。

ちなみに、コヤマ隊員の息子のアツシ役は、のちにウルトラマンタロウで白鳥健一を演じる子役である。
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ウルトラマンエース(8) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第7話 『怪獣対超獣対宇宙人』を取り上げます。

脚本;市川森一  
特殊技術;佐川和夫
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖超獣ドラゴリー〗
〖メトロン星人ジュニア〗
〖怪獣ムルチ〗    登場


◆地球に大きな危機が迫っていた。大宇宙のはるかかなたから、地球を目指して直進してくる巨大な燃える妖星ゴラン。直径が地球の倍以上ある妖星ゴランがぶつかれば、地球はひとたまりもない。このままいけば、7日のちに地球と衝突する計算であった。

地球では、TACが妖星ゴラン迎撃用ミサイル「マリア1号」を建造し、打ち上げる計画が着々と進んでいた。マリア1号打ち上げの3時間前の事であった。発射司令塔の通信係マヤは、TACの山中隊員の婚約者であった。

発射秒読み係のマヤと階段ですれ違った山中は、こんな所でムードが無いけどと言って、婚約指輪をマヤの左手薬指にはめてあげるのであった。笑顔で微笑むふたり。
『ありがとう。私、幸せよ』

いよいよ発射60秒前のカウントが始まった時、地震と共に地割れが発生して、地中からせり上がるようにメトロン星人ジュニアが現れた。マリア1号はメトロン星人によって破壊されてしまい、司令塔と発射台は大きな被害をこうむってしまうのだった。

破壊活動のあと、ゆらゆらとまぼろしの様に消え失せてしまうメトロン星人ジュニア。破壊された司令塔内で、かろうじて生きていたマヤ。意識を取り戻したマヤは助けを呼ぼうとするが、壁から現れたメトロン星人ジュニアによって光線を受け、マヤは絶命してしまう。

メトロン星人ジュニアはそのマヤの身体に乗り移り、次の計画を遂行するために、マヤに成りすますのだった。無残に破壊された司令塔を見た山中隊員は、それでも婚約者マヤを助けるために捜しに行き、階段付近でまだ息のあるマヤを見つけて、担いで助け出すのだった。

TACのメディカルルームで治療をうけたマヤに、山中隊員は会いに行く。意識が回復したマヤと話をする山中は、設計図の管理場所のことやマリア2号建造のことをマヤに話す。
『そう。マリアの設計図は無事だったの・・・』

あと6日以内にマリア2号を建造して打ち上げないと、地球は破滅してしまうのだ。兵器開発部の金庫に保管してあるマリア・ロケットの設計図を狙って、メトロン星人は行動を起こした。兵器開発部の金庫が爆破され、設計図は燃えてしまう。基地内にいる犯人を捜すTAC隊員達。

目の前の通路を走っていくメトロン星人を見つけた北斗は、タックガンを撃つ。それはメトロン星人の右手に命中し、腕をかばいながら走っていくメトロン星人。だが北斗は、病室付近でメトロン星人を見失ってしまう。

病室へ入ると、そこにはマヤがいた。北斗はマヤに「メトロン星人が入って来なかったか」と質問するが、ベッドのマヤは何も言わない。すると、マヤのシーツが赤く染まっていくのが、北斗の目に止まった!
『貴様はマヤさんじゃないな!貴様、メトロン星人!』

マヤはニヤリと笑うだけだった。タックガンをかまえる北斗。そこに山中が入ってきて、北斗のタックガンを狙い撃った。
『北斗、貴様どういうつもりだ!』
『助けて!この人が私を・・・』

北斗は今までの経緯を山中に話して、マヤがメトロン星人であることを説明するが、婚約者マヤに銃を向けた北斗に、貸す耳を持たない山中。

基地付近に超獣出現の一報が入り、TAC全員に出撃命令が下された。北斗と南は、もしこの非常時にヤプール人の超獣が出現したら、エースバリアを使うしかないと以前から打ち合わせをしていた。宇宙人と超獣を一度に相手にすることは、いくらエースでもできない。

そこで、大気に亀裂を作って一瞬のうちに相手を閉じ込めてしまうエースバリアなら、すぐに決着が着くと考えたのだ。だが、エースバリアは危険な技でもある。二人の内のどちらかの命を奪うかもしれない。二人はそれを承知でウルトラマンAに変身すると、超獣ドラゴリーにエースバリアを仕掛け、見事に空間に封じ込めてしまう。

だが、変身を解いた後に、夕子の心臓に負担がかかっていることがわかり、夕子は苦しんでいた。一方メトロン星人は、超獣出現で基地内がカラになった間隙をぬって、作戦室を破壊してしまう。北斗は、犯人はメトロン星人にちがいないと言う。

山中は、マヤがメトロン星人だという北斗の説を、隊員全員の前で話して聞かせた。だが、誰も信じる者はいなかった。北斗は、山中に謝罪するのだった。だが夕子だけは、北斗の事を信じていた。夕子には、考えがあった。それを使う時が、刻々と近づいていた…。

設計図が焼けて、マリア2号は建造できなくなったのかといえば、そうではなかった。設計を担当した梶技師の頭の中に、設計図は存在していた。早速、梶技師によって、マリア2号の建造が進められた。山中隊員は、マリア2号の建造が進んでいることを、病室のマヤに話していた。

すると、「マリア2号が見たい」と、突然言い出すマヤ。TAC隊員と技師以外の立ち入りは禁止になっていることを告げると、マヤは、「北斗と同様に自分を信用できないのか」と、山中に問い詰める。それどころか、今度北斗を見つけたら、撃ち殺してほしいと山中に懇願するのだった。

さすがに、以前のマヤとは違うと感じ始めた山中。北斗が言うように、これはメトロン星人なのだろうかと疑う気持ちが芽生えだしていた。どうしても信じたい山中は、秘密工場へマヤを連れていくことにした。だが、警備当番の北斗と南が、山中とマヤの侵入を拒む。

『彼女にマリア2号をみせてほしいんだ』
『駄目です。この扉の向こうには、地球の運命がかかっているんだ』
『二人とも止めて。二人を通す代わりに、マヤさんに条件があるの』

南隊員は、マヤにマリア2号を見せる代わりに、左手の指輪を欲しいという条件を出した。すると、喜んでその条件を飲むマヤ。薬指にはめていた婚約指輪を、簡単に南隊員に渡してしまうのだった。

この様子をみた山中隊員は、ようやく目の前にいるモノの正体がわかったのだ。
『メトロン星には、婚約指輪の習慣が無いらしいな』

マヤは動揺し、横にいた山中のタックガンを抜くと、北斗に向け発砲した。すぐに山中もマヤに発砲し、倒れたマヤの姿はやがてメトロン星人ジュニアに変わっていくのだった。南隊員は婚約指輪を山中隊員に返して、山中隊員の心中を察した。
『マヤさんの仇を、取りましょう‥‥』

北斗はメトロン星人ジュニアを追い詰めていくが、メトロン星人は巨大化して逆にTACに襲いかかって来た。ヤプール人もこの時を逃さず、超獣ドラゴリーを送り込む。メトロン星人とドラゴリーを相手にするTAC。北斗は心臓が苦しい夕子に問いかける。

『夕子、超獣と宇宙人を相手に戦えるか?』
『やるしかないわ』

二人のリングが光り、ウルトラタッチでエースが登場する。メトロン星人とドラゴリーを相手に苦戦するエース。エースと比べ、ドラゴリーは巨大で腕力もある。そんなとき、近くの山から突如蒸気が噴出して、巨大魚怪獣ムルチが出現した。

体格では負けてしまうエースは、ドラゴリーに簡単に投げ飛ばされてしまい、転がりこんだ先には出現したばかりの怪獣ムルチがいた。立ち上がったエースは、すぐ目の前にいるムルチと格闘することに・・・。目まぐるしく変わる3体の敵、ムルチ、ドラゴリー、メトロン星人ジュニア。

エースは、これら3体の敵を相手にどう戦うのか!?そして妖星ゴランは、刻一刻、地球に接近しつつある。ロケット・マリア2号の建造は、果たして間に合うのか!? (つづく)


★★★★★★★★★★★★
この回のゲスト出演者として、山中隊員のフィアンセ・マヤ役で、関かおり氏が出演しています。南夕子役に最初に決まっていたのが関かおり氏で、撮影が進んでいたのに怪我をして降板せざるを得なくなり、のちに星光子氏が夕子役に抜擢されたという経緯は、今では知られた話です。

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ウルトラマンエース(9) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第8話 『太陽の命 エースの命』を取り上げます。

脚本;上原正三  
特殊技術;佐川和夫
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖超獣ドラゴリー〗
〖メトロン星人ジュニア〗
〖怪獣ムルチ〗    登場

【前回までの話は・・・ 妖星ゴランが衝突する危機が地球に迫り、ロケット・マリア1号を建造してゴランを破壊する計画が進んでいたが、発射間際にメトロン星人によって破壊されてしまう。残り6日間でマリア2号を建造する以外、地球を救う手段は無い。そんな時に超獣ばかりか怪獣までも出現し、3体の敵を相手に戦うエースは大ピンチに陥る】


◆超獣、怪獣、宇宙人の3体を相手にするウルトラマンA。夕子は前回変身の時に使ったエースバリアで重傷を負い、万全の体調で変身したわけでは無かった。そのこともあってか、苦しい戦いを強いられるエース。風に揺れる枯れ葉のように、3体の敵の間でエースはもてあそばれる様に、右へ左へと身体はふらついていた。

その時、エースがジャンプして空中へ逃げたために、エースに迫っていた超獣ドラゴリーと怪獣ムルチが鉢合わせしてしまう。怒ったドラゴリーは、強力な腕力でムルチの下あごや尻尾を引き裂いてしまう。引き裂かれた部分から大出血して、息絶えるムルチ。

メトロン星人の両手から発射された破壊光線を浴びて苦しむエースを、怪力で容赦なく痛めつけるドラゴリー。ムルチが死んで相手は2体になったが、何か手を打たなければ、エネルギーが残り少ないエースに勝ち目はない。

ふたたびエースバリアを使うことを、エースは決断する。それによって夕子がどうなるかは、分からない。だが、このままではエースは間違いなく死ぬ。腕をクロスしたエースは、その場でゆっくりと回転を始める。

やがてそれは高速回転となってエースの姿は見えなくなり、まるで竜巻のような黒い空気の渦巻きに変わっていく。それは二手に別れると、一つはメトロン星人へ、もう一つはドラゴリーへ近づいていった。二つの黒い竜巻が星人と超獣をそれぞれ飲み込んだかと思うと、それらは光を発して一瞬のうちに消滅してしまうのであった。

それまで騒がしかった戦場が、ウソのように静まりかえっていた。エースはエネルギーが尽きて、静かにその姿を消していく。変身を解いた北斗は夕子を見つけるが、夕子は心臓が衰弱して重体であった。急ぎTACメディカルセンターへ入院させるが、医師の診断では予断を許さない状況になっていた。

北斗は悔やんだ。エースバリアの効力は1日だけだが、マリア2号は1日では完成しない。エースバリアは、いたずらに夕子を苦しめるだけではなかったかと!

病室に見舞いに行った北斗は、夕子に謝った。だが夕子は笑顔で応える。
『あの場合、バリアで封じ込めなければエースは負けていたわ』
夕子は使命を果たしたことに満足していると、健気に笑顔を見せるのであった。

TACは基地周辺の警備を厳重にし、パトロールを強化した。タックパンサーで警戒中の北斗と吉村は、メトロン星人が透明なバルーンに閉じ込められて浮遊している姿を発見する。報告を受けた竜隊長は、攻撃せずに見守ることを命令した。

『眠れる獅子を起こすことは無い』
だが、婚約者をメトロン星人に殺された山中は、今野を連れて自分の一存でメトロン星人のバルーンをタックアローで攻撃してしまう。バルーンは破壊され、メトロン星人は復活を遂げてしまう。

息を吹き返したメトロンから逆に攻撃され、タックアローは撃墜されてしまう。最初は止めに入った北斗だったが、仕方なくパンサーを降りて、地上から攻撃を加えてしまうのだった。

隊長命令を無視した山中、今野、そして山中を止めようとした北斗は、隊長から叱りつけられてしまう。今我々がやらなければならないことは、1秒でも早くマリア2号を建造して妖星ゴランを撃破することである。

『お前達は、わざわざ藪をつついて蛇を出す暴挙にでたのだ』
作戦に私情をはさむような行為は、隊員として一番恥ずべき行為であると竜隊長は言う。そんな時、夕子が危篤状態に陥ったとの連絡が入る。

竜隊長は病室に北斗を残して、山中らを警戒に当たらせ、竜隊長と美川隊員はマリア2号建造基地へと向かった。だが、メトロン星人とドラゴリーが再び姿を現す。また、妖星ゴラン接近のために、地球各地で津波や竜巻などの異常気象が起こりだしていた。

妖星ゴラン破壊ミサイル・マリア2号を急いで飛ばさなければ、地球は気象バランスを崩して危険な状況に瀕していた。夕子は、自分も現場へ連れていってほしいと、北斗に懇願した。
『今超獣に襲われたら、地球はおしまいよ。私は死んでも構わない・・・』

医師の制止を振り切って、北斗は夕子を戦場へ連れて行ってしまう。タックパンサーの助手席に乗せられた青い顔色の夕子を、懸命に励ます北斗。その頃、マリア2号がやっと完成し、打ち上げが開始されようとしていた。だが、マリア2号に接近していくドラゴリーとメトロン星人ジュニア。

戦場に着いた北斗と夕子だったが、夕子の命は風前の灯であった。北斗は夕子を一人置いて、超獣と宇宙人にタックガンを撃ちながら接近していく。
『南隊員、力を貸してくれ。(叫ぶ)夕子!』
『(声に力無く)星司さん』

別々の場所にいるふたりのウルトラリングが光り、腹ばいになって星司に向かって這っていく夕子と、その夕子に向かって走る北斗。ウルトラマンA登場。メトロン星人にはTACが銃撃して食い止め、ドラゴリーはエースが食い止めている間に、マリア2号の打ち上げは成功した。

轟音と共にどんどん上昇していくマリア2号。だが、夕子が重体のため、エースはいつもの力を出し切れないでいた。フラフラになりながらも、エースはウルトラギロチンを放ってメトロン星人を真っ二つに切り裂いてしまう。

エネルギー消耗の激しいウルトラギロチンを使用したエースは、遂に台地に倒れてしまう。妖星ゴランの影響で異常気象となり、太陽は黒雲にその姿を隠したままであり、エースはエネルギーを太陽から集めることが不可能であった。

だが上空では、打ち上げたマリア2号が妖星ゴランを破壊することに成功していた。黒雲が消え去ってきれいに晴れ渡り、エースの頭頂部に開いた穴に太陽エネルギーが集積され始めた。

エネルギーを得て元気を回復したエースはドラゴリーの右腹部にパンチで風穴を開け、エースブレードでドラゴリーの首を切断して、最後はメタリウム光線でとどめを刺すのであった。

太陽の光のおかげで夕子の身体も回復し、先程まで重体だったとは思えないほど元気になり、竜隊長と隊員たちのもとへ駈けていく南隊員と北斗隊員の姿があった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
『ウルトラマンA』の当初のタイトルは『ウルトラA』だったのだが、商標の問題で『ウルトラマンA』に改題された。だがこのことが、これ以降に誕生するウルトラヒーローたちには「ウルトラマン○○」というネーミングを付けることへと定着していく。

筆者の記憶にも、『銀河連邦からの指令により、ウルトラマンエースと呼ぶようになった』と、当時毎月買っていた小学館の雑誌に書いてあった事をよく覚えている。

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ウルトラマンエース(10) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第25話 『ピラミッドは超獣の巣だ!』を取り上げます。

脚本;斎藤正夫  
特殊技術;川北紘一
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖古代超獣スフィンクス〗
〖オリオン星人〗    登場


◆ある小学校で、体育の時間に数人の児童がバタバタと倒れてしまう。担任の先生は、急いで他の児童たちに校舎へ入るよう促すと、倒れた児童たちを抱きかかえて校舎へ避難するのだった。

最初は光化学スモッグによるものかと思ったが、数人の児童が同じ証言をしていた。
『玉ねぎの腐ったようなニオイがして、花壇の方から赤い煙が流れてきたんだ』

放課後、花壇を掘り起こす先生たち。その現場にTACの北斗と南の両隊員も立ち会っていた。花壇を掘り起こしても何も出てこないので、子供のいたずらではないかと言う先生もいたが、数人の子供が同じ様子を目撃したことから、何かあると北斗はにらんでいた。

すると突然、ある地点から赤い煙が激しく噴き出し、同時に地面が激しく揺れ出した。急いで避難を呼びかける北斗と南の目の前で、赤い煙が噴き出している付近が大きく盛り上がり、地面から何かが出てきた。先端が尖っているその物体は、徐々にその高さを増していく。

それはなんと、ピラミッドであった。小学校の花壇から、巨大なピラミッドが出現したのである。しかも、赤い煙はそのピラミッドの先端から噴き出していた。校庭一面を漂う赤い煙は、人間の身体に害を及ぼす。それなのに、赤い煙の中を歩いている少女がいた。

北斗は、その少女を急いで煙の少ない方へと引っ張っていくが、なぜかそれを嫌がる少女。それを見ていた南隊員の脳裏に疑問が湧き、問い詰めた。
『おかしいわ。今頃こんな所で何をしていたの?』

現場にいて赤い煙を吸い込んだ児童や先生たちは、みんな体調を崩して病院へ運ばれていった。北斗と南も病院へ行き、原因を突き止めようと医師に意見を聞く。みんなの症状は白血球が減少しているので、輸血をすることで改善すると医師は言う。そんな中で、あの少女は輸血を拒否していた。

北斗が少女にも輸血が必要なことを説くが、北斗の血を輸血したら自分は死ぬと、その少女は言うのだった。助けてあげたいと言う人に対して、なぜそのようなことを言うのか、南隊員には理解できない。赤い煙から遠ざかることを拒んだ事といい、今の発言といい、少女ミチルの言動を疑惑の目で見る南隊員。

TACの科学分析班によれば、小学校に出現したピラミッドは、地球に存在しない金属で出来ているらしいことが、スペクトル分析で判明した。

少女ミチルは、病院から抜け出してしばらく歩いていると、頭痛を起こして芝生に倒れ込んでしまう。急いでバッグの中からビニル袋に入った赤い煙を吸うと、表情が明るくなり元気になるのだった。

そこへミチルをナンパしに来た若い男が二人。男達は、ミチルがおいしそうに吸っている赤い袋の中身欲しさに、ミチルの質問に答えるのであった。

『アンタ達、タックって知ってる?』
『ブイナインって知ってる?』
『タックの基地は、どこにあるの?』

TAC基地が富士山ろくにあることを聞きだしたミチルは、その赤い煙の入った袋を置いてさっさと逃げてしまう。袋の中身を吸った二人は、気を失って倒れてしまう。富士山ろくのゴルフ場へ向かうバスに紛れ込んだミチルは、バスの中で頭痛を起こして赤い煙を吸ってしまう。

車内に充満した赤い煙で気分が良くなったミチルとは対照的に、乗客と運転手は意識を失ってしまうのだった。バスは運転手を失い、道路をふらつきながら走っていた。

タックパンサーでパトロール中の北斗と南がそのバスとすれ違った時、窓から漏れる赤い煙を見て、北斗はユーターンしてそのバスを追った。運転を南隊員と交代してバスに飛び乗った北斗は、そこで少女ミチルと再び会うのだった。

本部へ帰った北斗と南は、半分ケンカ腰の言い合いを始めた。
『赤い煙のある所に必ずあのミチルさんがいるのよ。絶対に何かあるわ!』
『同じ人間が二度被害に遭うことが、なぜおかしいんだ?』

だが、南隊員の証言で決定的だったのは、赤い煙を少なからず吸った人間は皆体調を崩して入院しているのに、彼女は平然としていたという発言だ。今TACのメディカルセンターで手当てを受けている少女ミチルについて、竜隊長から警戒を怠らぬようにという指示がでた。

南隊員は、ミチルの病室へ行ってみることにした。ミチルが散歩に出たことを看護婦から聞いた夕子は、ミチルの病室でTACの兵器工場の地図を発見する。TACの兵器工場では、V9(ブイナイン)という新兵器を製造最中である。

瞬間的にミチルの目的が解った南隊員は、すぐに兵器工場へと急いだ。倒れている警備兵の横で、爆弾を仕掛けているミチルを見つける南隊員。爆弾を仕掛け終わったミチルから赤い煙を出す手りゅう弾を投げつけられて、南隊員は煙で気を失いかけていた。だが、気力を振り絞り、爆弾の信管を取り除くことに成功する。

バイクで逃げるミチルの後を、タックパンサーで追いかける夕子。逃げ着いた場所は、巨大ピラミッドのある校庭だ。ミチルは、自分の正体を明かす。
『そうよ。地球人の敵、オリオン星人よ』
『時限装置は外した。あなたは失敗したのよ』

驚くミチル。だがピラミッドから出た赤い光が夕子を包みこみ、真っ暗なピラミッドの中へと引き込まれてしまう夕子。1万3千年前に地球を植民地にしていたオリオン星人は、大洪水が起こってピラミッドの中で冷凍睡眠していたという。

そして今、ふたたび地球を人間から奪回するチャンスが巡ってきたと話すオリオン星人リーダー。作戦遂行に失敗したミチルはピラミッドに入れてもらえず、オリオン星人リーダーから見放されてしまう。赤いオリオンガスが無いと生きていけないと哀願するミチル。

ピラミッドが開いて、中から超獣スフィンクスが出現した。潰されそうになるミチルを助けたのが、北斗だった。超獣スフィンクスは、額に付いているヘビから火炎を噴射して、町を焼き払おうとする。TACの新兵器V9が完成したが、ピラミッドの先端から捕虜になった南夕子が磔の姿で現れた。

『V9を使うがいい。的は南夕子だ!』
北斗はそれを見ると、タックパンサーで本部へ帰り、タックアローに乗って夕子に近づこうとした。空中でウルトラタッチを試みるつもりなのだ。

タックアローは撃墜され、脱出した北斗は磔の夕子へ向かいスカイダイビングして、一瞬真っ白く発光した。そしてウルトラマンAが、空から右足で超獣の顔に蹴りを入れて登場。だが、ライオンの様に凶暴なスフィンクスは火炎放射でエースに迫る。

超獣の左右の触覚が光り、エースは劣勢に陥ってしまう。それをみたミチルは笛を吹いて、笛の音でスフィンクスをなだめて大人しくさせてしまう。だが、オリオン星人リーダーは、裏切り者のミチルへピラミッドから怪光線を放ち、ミチルは命を落としてしまう。

エースはこのわずかな瞬間に、形勢を逆転させるタイマーショット光線を放ち、スフィンクスは大爆発してしまう。逃げようとするピラミッドにメタリウム光線を浴びせて、これを破壊したエース。

地球に味方して命を落としたミチルの亡き骸を、エースは宇宙へ運んで行くのだった。今オリオン座の中に、「ミチルの星」という名の新しい星が誕生した。 (終わり)


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TAC(タック)とは、「Terrible-monster Attacking Crew」の略(別名「超獣攻撃隊」)である。突如現れた超獣ベロクロンに全滅させられた「地球防衛軍」に代わって組織された。
本部はニューヨーク。極東支部は日本に存在し、北斗星司と南夕子が入隊したのも極東支部である。
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