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ウルトラマンエース(7) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第6話 『変身超獣の謎を追え!』を取り上げます。

脚本;田口成光  
特殊技術;大平 隆
監督;真船 禎
ナレーター;岸田 森

〖変身超獣ブロッケン〗登場


◆異次元人ヤプールは、超獣製造装置に地球生物のワニと宇宙生物を入れ、それらを合成させて超獣を創ろうとしていた。片側にある透明なドームに入れられたワニと、もう片側のドームに入れられた宇宙生物がみえる。双方のドーム内で火花が散って、中の物が少しずつ変化していく。

やがて見えづらくなったドーム内の物体は、気体となって管の中を移動していく。それらは中央に集められて、ブクブクと泡が立ち始めている。その泡の中で何かが徐々に形成していくが、まだ泡で隠れてよく見えない。

プラズマが走り、やがて眼のような物や手のような物ができあがり、泡が吹き飛ばされたとき、変身超獣ブロッケンが誕生した。

日本初の有人宇宙船・新星号が、月への旅を終えて、今地球の大気圏に突入するところだった。宇宙飛行士第一号のコヤマ隊員は、順調に飛行している様子を伝えてきた。すべてのコントロールと連絡は、科学設備の技術力が進んでいるTACが行なっていた。

まもなく大気圏突入という時、緊急事態が発生する。新星号は突然の船体温度の上昇でコントロールを失っていた。TAC側から呼びかけても応答は無く、地球に向かって落下し始めた。

TACでは新星号救出のため、タックファルコンにタックアローを2機積んで出撃。新星号を発見すると、ファルコンから飛び出した2機のアローが新星号に近づき火災を消火したあと、先端に磁力が付いたロープを新星号の左右から打ち込んで、曳航していくのだった。

無事に帰還したコヤマ隊員を、TAC全員が歓迎した。新星号が成功したことで、TACが密かに開発を進める新型ロケットエンジンのテストパイロットも、コヤマ隊員にやってもらうことを検討している。

TAC第三研究所で開発を進めるこのロケットエンジンが完成すれば、光速を超えて四次元世界を覗けるかもしれない。この話を聞き、コヤマ隊員の目がオレンジ色に輝いたことに気づく者はいなかった。

北斗と南隊員がコヤマ隊員を自宅へ送ると、一人で留守番をしていたアツシに会った。母親は出産の為に病院にいて、父は7日間の宇宙パイロットで不在。アツシは小学生ながら、一人で留守番をする元気な男の子だ。

その晩、コヤマ隊員とアツシは、布団に並んで寝た。
『お父さん、手袋したままだよ』
『あとで取るんだよ・・・』

アツシは手袋をはめたまま寝ようとする父を変に思うが、それ以外は父親に変わりは無い。やがて寝付いたが、父のいびきの音で目が覚めるアツシ。父が手袋をしたまま寝ているのを見て、それを外してあげたアツシは思わず息をのんで退いてしまう。右手袋を外した父の手の平には、目と口が一つずつ付いていたのだ。

アツシは裸足で寝間着のまま家を飛び出すと、近くの公衆電話ボックスへ駆け込んでTACに電話した。
『お、お父さんは宇宙人なんです!ほ、本当です!』

だが、電話を取った北斗も山中も、アツシの話を信じない。だが、翌日アツシのもとへ行き、「お父さんが宇宙人だと言う証拠を、何か知っているのか」と問う北斗。
『お父さんの手には、口や目があるんだ!』

話を聞き、コヤマ隊員を尾行してみることにした北斗。コヤマ隊員は、新型ロケットエンジンを開発しているTAC第三研究所に向かっているらしいことが分かった。だが北斗は、途中で尾行に気付いたコヤマ隊員に襲われてしまう。手袋を外した手の平に、確かに目と口が付いていることを確認した北斗は、本部へ連絡する。

竜隊長は、帰還した時に手袋を外さなかったコヤマ隊員のことを思い出していた。あの時変に思っていたが、最初に握手する相手を息子に決めているという言葉に、つい騙されてしまったのだ。

TAC第三研究所に潜入したコヤマ隊員は、どうやら新型ロケットエンジンの破壊を目的にしていることが、推測された。警備の為に第三研究所に行っている今野隊員に連絡すると、すでにコヤマ隊員は中に入ったあとだった。『コヤマ隊員を中に入れるな。宇宙人の疑いがある』

だが、すでに遅かった。ヤプールから命令を受けたコヤマ隊員は、目をオレンジ色に光らせると、素早く走って研究所内に潜入した。研究所のビルが中から破壊され、変身超獣ブロッケンが出現した。ウマのように4本足で立ち、ツノが生えたワニのような顔つきの超獣ブロッケン。

タックパンサーで北斗と一緒に研究所へ来たアツシは、父の仇の超獣を見て、思わず石を投げようと超獣にどんどん近づいてしまう。北斗はアツシを捕まえるが逃げ場を失い、仕方なく超獣と近くなる研究所のビル内に逃げ込んでいく。

『駄目じゃないか!』
『お父さんの仇を取るんだ!』

だがブロッケンは、ビルの中に隠れている北斗を狙っていた。手をビルの中に伸ばして、北斗をわしづかみにした。南夕子はタックアローで攻撃していたが、二人のリングが光ってエースになるタイミングがやって来た。夕子はアローから脱出すると、ブロッケンの右手に捕まれている北斗に向かって、スカイダイビングした。

二人がウルトラタッチをした瞬間、光と熱の衝撃がブロッケンの右手を吹き飛ばしてしまった。そしてブロッケンの鼻先にキックを一発入れて、ウルトラマンAが出現した。エースの体格に比べ遥かに大きいブロッケンを相手に、エースは苦戦を強いられる。

まるで2匹分の超獣を相手にしているような、ブロッケンの大きさだ。光線技を使うブロッケンは、エースのカラータイマーを狙い撃ちした。エネルギ―が少なくなり、カラータイマーが赤く点滅し、苦しみもがくエース。

その時、黒雲が広がり雷鳴がとどろいて、新たな敵の出現かと思われた。だがエースの目に飛び込んできたのは、遥かM78星雲から兄たちが放ったウルトラサインだった。《立て、撃て、斬れ》

エースは立ち上がると、腕を大きく広げて必殺技・ウルトラギロチンを放った。エースの手から放れた光の円盤がいくつにも分かれ、ブロッケンの身体をズタズタに引き裂いてしまった。

超獣ブロッケンが倒れた後、魂のぬけたような顔をしたコヤマ隊員が破壊尽くされた研究所に立っていた。その姿には、太陽が照らしているのに影が無い。だが、やがて足元から影が伸びていき、コヤマ隊員は正気に戻るのだった。

『お父さん!』
『アツシ!』

影踏みをしながら、つい先程生まれた赤ん坊に会いに行くコヤマ隊員とアツシ親子の嬉しそうな姿を、TACの隊員達が見送っていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
超獣ブロッケンは、筆者の好きな超獣ナンバー1である。ブロッケンが好きというよりは、ゲスト出演の故・小林昭二氏が出演しているからかもしれない。65才で逝去しているのが惜しい俳優さんである。

「初代マン」ムラマツキャップを始め、「新マン」でのシーモンス・シーゴラスの高村船長、そしてこの小山隊員が記憶に強く残る。もちろん、忘れるわけはない仮面ライダーの「おやっさん」でもある。

ちなみに、コヤマ隊員の息子のアツシ役は、のちにウルトラマンタロウで白鳥健一を演じる子役である。


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