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ウルトラマンエース(6) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第5話 『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』を取り上げます。

脚本;上原正三  
特殊技術;大平 隆
監督;真船 禎
ナレーター;岸田 森

〖大蟻超獣アリブンタ〗
〖ギロン人〗    登場    

◆ある日、青い空が突然ガラスの板のように音も無く割れて、巨大な緑色の眼が人間世界を覗きこんでいた。その眼は、人間の女性だけを物色していた。だが、誰一人そのことに気付く者はいなかった。

しばらくすると、遊園地のコーヒーカップに一人で乗っていた赤いワンピースの女性のカップだけが、突然蟻地獄のようにすり鉢状の砂地に変わってしまった。
『きゃあー、助けてぇー!』

女性はその蟻地獄の中心に向かってずるずると引きずり込まれ、沈んで見えなくなってしまった。女性が見えなくなると、女性が乗っていたはずのカップだけが、誰も乗っていない状態で動き続けていた。周囲にいた人達はその様子に気付いたものの、一瞬のことで助けようがなかった。

その事件はすぐTACに通報され、女性がいなくなったコーヒーカップの周辺は、徹底的にTACによって調査された。だが、TACは何も発見することができなかった。

『みんな、夢をみてたんだよ』
と言う者。
『何を言っているんだ。あれは夢じゃない、現実だ!』
と言う者。

北斗と吉村は何か違和感を感じていたが、今野と山中は陽気のせいにして、現場を去ってしまうのだった。だが、他日の夜。恋人を送り届けた男性の目の前で、女性が急に出来た蟻地獄に落ちて、あっという間に地中に引きずり込まれる事件が起きる。

今度は竜隊長自らが現場に出向き、恋人の男性の証言をもとに、地面を徹底的に掘り返してみるのだった。だが、何も出ては来なかった。

北斗と南は、異次元人ヤプールのしわざにちがいないと意見を出すが、竜隊長が警視庁との合同捜査会議に出席して、この事件は警視庁が引き継ぐことに決まったことを、隊員全員に報告した。

この事件の犯人は、ホログラフィを使って現場を蟻地獄のように見せかけ、女性を誘拐したとの見方を警視庁はしていた。誘拐された女性は皆、血液型がO型であることから、犯人は多量のO型血液を必要として犯行に及んだものとみていた。このホログラフィ説を覆すだけの証拠が無い限りは、TACは手を引くことに決まったのであった。

たくさんの人が歩いている銀座の歩行者天国を、北斗と南の両名は歩いていた。今日は二人とも、TACの休暇日であった。たくさんの買い物をした夕子は、買い物の箱を全部征北斗に持たせて、歩行者天国を楽しそうに歩いていた。

すると突然、夕子の周囲が蟻地獄になって、夕子はズルズルとその中心部へ引きずり込まれていくのだった。
『きゃあー、星司さーん!』

必死に手を伸ばす夕子を見て、北斗は買い物の箱を放り投げると、ジャンプして夕子の手をつかみ、グイと引き上げた。そして引っ張る勢いで夕子と共に、その蟻地獄を抜け出すことが出来た。だが、不幸にもその近くにいた別の女性が、蟻地獄に吸い込まれて姿が見えなくなってしまった。

二人は近くにある地下鉄入口の階段を降りると、今夕子が吸い込まれた辺りの場所まで地下道を走った。だが、その辺りは何の異常も発見されなかった。北斗も夕子も蟻地獄に吸い込まれた瞬間に、巨大な蟻のような生物を見ていた。今回狙われた夕子の血液型も、やはりO型なのであった。

竜隊長は、今回の南隊員が狙われた事でTACの出動も考えていたが、踏み切れずにいた。そんなとき、地下鉄が超獣に襲われる事件が起きた。巨大なアリのような超獣が、地下を走る地下鉄のトンネルに巨大な穴をあけ、線路を蟻酸で溶かして、脱線した電車を襲撃したのだ。

脱線した車両に向かって、口から蟻酸を吐く超獣アリブンタは、車両はおろか人間まで溶かしてしまう恐ろしい超獣だった。

竜隊長は現場を見て、基地からタックビルに出撃指令を出した。タックビルは、地底深くもぐるために先端にドリルが付いた大型戦車だ。竜隊長は美川、今野の両名と共にタックビルで地底に潜り、超獣をロケット弾で攻撃する。地上に這い出てきた超獣を、地上待機している山中、北斗、南が攻撃する作戦だ。

先端のドリルが回転し、地底80メートルまで潜ったタックビルは、巨大なアリの巣にいるアリブンタを発見すると、ロケット弾を叩き込んだ。しかしロケット弾攻撃は効果が無く、逆にタックビルは襲われて車体に損傷を受けてしまう。

暗闇で懐中電灯の灯りを頼りに、必死で故障個所を直す竜隊長。だが、あと1時間ほどで酸素は底をついてしまう。北斗は、夕子に頼む。地底に潜る技術を知らないウルトラマンAが地底に潜る方法、それは夕子が囮になって蟻地獄に落ちることだ。
『蟻地獄に、堕ちろっていうの?』

命がけのこの方法に躊躇する夕子。もちろんその時に北斗も一緒に飛び込む。
『夕子、勇気を出すんだ!』

私服に着替え、街中を歩く夕子。その後を追う北斗。国会議事堂付近の横断歩道を歩いている時、突然砂嵐が舞って蟻地獄が出現した。
『きゃあー、星司さーん!』
『でぇあー』

蟻地獄の中心に引き込まれる夕子めがけてジャンプした北斗は、夕子のすぐ横に並んで、中心部に向かって引き込まれていった。二人の右手中指のリングが光り輝くと、ウルトラマンAが出現した。蟻地獄の中心部の真下に超獣アリブンタがいた。

ウルトラマンAとアリブンタの決斗が始まる。口から蟻酸を吐くアリブンタ、それを避けると今度はメタリウム光線がアリブンタの顔面にヒットした。

ところがどうしたことか、アリブンタが姿を消した。
『仕掛けた罠に、まんまとハマったな、ウルトラマンA!』

不気味な声を出して、ギロン人が出現した。
『アリブンタはO型の血液が好物なのだ。東京はエサが多い。おかげでたくましく育ってくれた!ワハハハ・・・』

エースがいるこの地底の空洞には、巨大な針の山が天井と地面に生えている。エースの頭上から降りてきた針の山と地面のそれとでサンドイッチになり、身動きできなくなったエース。

針の山には電流が流れ、徐々にエースを押しつぶすように下がってくる。
『このままでは、TACも東京も全滅してしまう・・・何とかしなければ!』

エースはこのピンチを切り抜ける最後の手段として、ウルトラサインをM78星雲に向けて放った。このウルトラサインを受けて、遥か彼方からゾフィが飛んできた!地球に着いたゾフィは、さらに回転しながら土煙をあげて地底に向かって突き進んでいく。

『ゾフィ兄さん!』
地底にできた巨大な空洞に着いたゾフィは、そこでエースを見つけると、右手首にはめているブレスレットで、エースを閉じ込めているギロン人のワナを破壊した。

『タックビル号は、私が救助する』
ゾフィはそう言って、右手首のブレスレットをエースに渡して、地上へ行くように促した。地上では、エースをワナに閉じ込めたギロン人とアリブンタの猛攻撃が始まっていた。地上で待機していたTACの山中と吉村の反撃は、ほとんど効果が無い。

ゾフィからもらったブレスレットでエネルギー補給をしたエースは、アリブンタとギロン人に向かっていく。だが、邪悪なギロン人と巨体のアリブンタが相手では、エースに勝ち目はない。しかし、タックビルを運んで地底からゾフィが出現し、タックビルを安全な場所に置いて参戦するゾフィ。

ゾフィはアリブンタの頭を、エースはギロン人の頭を抱えながら、互いを勢いよくぶつけると、2つの巨体が大きな音を立てて崩れ落ちた。ゾフィとエースの勝利だ!
『ありがとう、ゾフィ兄さん!』
『さようなら、ウルトラマンエース』

エースはゾフィにブレスレットを返すと、二人の勇士は一緒に飛び去っていく。タックビルに乗っていた竜隊長達も無事で、飛び去って行くエースとゾフィを見送っていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ウルトラマンAに出てくる怪獣なら、名前と姿がほぼ一致する。変わった名前がエースには登場する。まずアリブンタは、故・菅原文太を思い出させる。そしてカイテイガガン。話の内容はよく憶えてないが、釣り目で口の形が縦長の超獣だ。

エースでウルトラシリーズも4作目。このあたりになると、怪獣の数は、他の番組も含めて相当な数になるだろうから、デザインも大変ならネーミングも大変だったことだろう。いい加減に聞こえるネーミングも、時には出てしまうかな(笑)



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