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ウルトラマンエース(10) [ウルトラマンA・ドラマ1]

今回は、第25話 『ピラミッドは超獣の巣だ!』を取り上げます。

脚本;斎藤正夫  
特殊技術;川北紘一
監督;筧 正典
ナレーター;岸田 森

〖古代超獣スフィンクス〗
〖オリオン星人〗    登場


◆ある小学校で、体育の時間に数人の児童がバタバタと倒れてしまう。担任の先生は、急いで他の児童たちに校舎へ入るよう促すと、倒れた児童たちを抱きかかえて校舎へ避難するのだった。

最初は光化学スモッグによるものかと思ったが、数人の児童が同じ証言をしていた。
『玉ねぎの腐ったようなニオイがして、花壇の方から赤い煙が流れてきたんだ』

放課後、花壇を掘り起こす先生たち。その現場にTACの北斗と南の両隊員も立ち会っていた。花壇を掘り起こしても何も出てこないので、子供のいたずらではないかと言う先生もいたが、数人の子供が同じ様子を目撃したことから、何かあると北斗はにらんでいた。

すると突然、ある地点から赤い煙が激しく噴き出し、同時に地面が激しく揺れ出した。急いで避難を呼びかける北斗と南の目の前で、赤い煙が噴き出している付近が大きく盛り上がり、地面から何かが出てきた。先端が尖っているその物体は、徐々にその高さを増していく。

それはなんと、ピラミッドであった。小学校の花壇から、巨大なピラミッドが出現したのである。しかも、赤い煙はそのピラミッドの先端から噴き出していた。校庭一面を漂う赤い煙は、人間の身体に害を及ぼす。それなのに、赤い煙の中を歩いている少女がいた。

北斗は、その少女を急いで煙の少ない方へと引っ張っていくが、なぜかそれを嫌がる少女。それを見ていた南隊員の脳裏に疑問が湧き、問い詰めた。
『おかしいわ。今頃こんな所で何をしていたの?』

現場にいて赤い煙を吸い込んだ児童や先生たちは、みんな体調を崩して病院へ運ばれていった。北斗と南も病院へ行き、原因を突き止めようと医師に意見を聞く。みんなの症状は白血球が減少しているので、輸血をすることで改善すると医師は言う。そんな中で、あの少女は輸血を拒否していた。

北斗が少女にも輸血が必要なことを説くが、北斗の血を輸血したら自分は死ぬと、その少女は言うのだった。助けてあげたいと言う人に対して、なぜそのようなことを言うのか、南隊員には理解できない。赤い煙から遠ざかることを拒んだ事といい、今の発言といい、少女ミチルの言動を疑惑の目で見る南隊員。

TACの科学分析班によれば、小学校に出現したピラミッドは、地球に存在しない金属で出来ているらしいことが、スペクトル分析で判明した。

少女ミチルは、病院から抜け出してしばらく歩いていると、頭痛を起こして芝生に倒れ込んでしまう。急いでバッグの中からビニル袋に入った赤い煙を吸うと、表情が明るくなり元気になるのだった。

そこへミチルをナンパしに来た若い男が二人。男達は、ミチルがおいしそうに吸っている赤い袋の中身欲しさに、ミチルの質問に答えるのであった。

『アンタ達、タックって知ってる?』
『ブイナインって知ってる?』
『タックの基地は、どこにあるの?』

TAC基地が富士山ろくにあることを聞きだしたミチルは、その赤い煙の入った袋を置いてさっさと逃げてしまう。袋の中身を吸った二人は、気を失って倒れてしまう。富士山ろくのゴルフ場へ向かうバスに紛れ込んだミチルは、バスの中で頭痛を起こして赤い煙を吸ってしまう。

車内に充満した赤い煙で気分が良くなったミチルとは対照的に、乗客と運転手は意識を失ってしまうのだった。バスは運転手を失い、道路をふらつきながら走っていた。

タックパンサーでパトロール中の北斗と南がそのバスとすれ違った時、窓から漏れる赤い煙を見て、北斗はユーターンしてそのバスを追った。運転を南隊員と交代してバスに飛び乗った北斗は、そこで少女ミチルと再び会うのだった。

本部へ帰った北斗と南は、半分ケンカ腰の言い合いを始めた。
『赤い煙のある所に必ずあのミチルさんがいるのよ。絶対に何かあるわ!』
『同じ人間が二度被害に遭うことが、なぜおかしいんだ?』

だが、南隊員の証言で決定的だったのは、赤い煙を少なからず吸った人間は皆体調を崩して入院しているのに、彼女は平然としていたという発言だ。今TACのメディカルセンターで手当てを受けている少女ミチルについて、竜隊長から警戒を怠らぬようにという指示がでた。

南隊員は、ミチルの病室へ行ってみることにした。ミチルが散歩に出たことを看護婦から聞いた夕子は、ミチルの病室でTACの兵器工場の地図を発見する。TACの兵器工場では、V9(ブイナイン)という新兵器を製造最中である。

瞬間的にミチルの目的が解った南隊員は、すぐに兵器工場へと急いだ。倒れている警備兵の横で、爆弾を仕掛けているミチルを見つける南隊員。爆弾を仕掛け終わったミチルから赤い煙を出す手りゅう弾を投げつけられて、南隊員は煙で気を失いかけていた。だが、気力を振り絞り、爆弾の信管を取り除くことに成功する。

バイクで逃げるミチルの後を、タックパンサーで追いかける夕子。逃げ着いた場所は、巨大ピラミッドのある校庭だ。ミチルは、自分の正体を明かす。
『そうよ。地球人の敵、オリオン星人よ』
『時限装置は外した。あなたは失敗したのよ』

驚くミチル。だがピラミッドから出た赤い光が夕子を包みこみ、真っ暗なピラミッドの中へと引き込まれてしまう夕子。1万3千年前に地球を植民地にしていたオリオン星人は、大洪水が起こってピラミッドの中で冷凍睡眠していたという。

そして今、ふたたび地球を人間から奪回するチャンスが巡ってきたと話すオリオン星人リーダー。作戦遂行に失敗したミチルはピラミッドに入れてもらえず、オリオン星人リーダーから見放されてしまう。赤いオリオンガスが無いと生きていけないと哀願するミチル。

ピラミッドが開いて、中から超獣スフィンクスが出現した。潰されそうになるミチルを助けたのが、北斗だった。超獣スフィンクスは、額に付いているヘビから火炎を噴射して、町を焼き払おうとする。TACの新兵器V9が完成したが、ピラミッドの先端から捕虜になった南夕子が磔の姿で現れた。

『V9を使うがいい。的は南夕子だ!』
北斗はそれを見ると、タックパンサーで本部へ帰り、タックアローに乗って夕子に近づこうとした。空中でウルトラタッチを試みるつもりなのだ。

タックアローは撃墜され、脱出した北斗は磔の夕子へ向かいスカイダイビングして、一瞬真っ白く発光した。そしてウルトラマンAが、空から右足で超獣の顔に蹴りを入れて登場。だが、ライオンの様に凶暴なスフィンクスは火炎放射でエースに迫る。

超獣の左右の触覚が光り、エースは劣勢に陥ってしまう。それをみたミチルは笛を吹いて、笛の音でスフィンクスをなだめて大人しくさせてしまう。だが、オリオン星人リーダーは、裏切り者のミチルへピラミッドから怪光線を放ち、ミチルは命を落としてしまう。

エースはこのわずかな瞬間に、形勢を逆転させるタイマーショット光線を放ち、スフィンクスは大爆発してしまう。逃げようとするピラミッドにメタリウム光線を浴びせて、これを破壊したエース。

地球に味方して命を落としたミチルの亡き骸を、エースは宇宙へ運んで行くのだった。今オリオン座の中に、「ミチルの星」という名の新しい星が誕生した。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
TAC(タック)とは、「Terrible-monster Attacking Crew」の略(別名「超獣攻撃隊」)である。突如現れた超獣ベロクロンに全滅させられた「地球防衛軍」に代わって組織された。
本部はニューヨーク。極東支部は日本に存在し、北斗星司と南夕子が入隊したのも極東支部である。


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