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レッドバロン(19)【宇宙鉄面党編】 [レッドバロン/ギラスQ編]

◎今回は第30話『レッドバロンをあやつる少年』を取り上げます。

脚本;上原正三
音楽;ボブ佐久間
原案;渡辺一彦・斎藤汎司(日本テレビ) 
特撮撮影;大岡新一
監督;外山 徹

《ベムパンサー1号・2号・3号》 登場

【前回までの話は・・・
宇宙鉄面党は、レッドバロンの素晴らしい性能に魅せられて、RB強奪計画を実行に移した。子供に化けた戦闘員3号は、健やマリの眼前で両親を殺されたことで同情を買い、スキだらけになった紅健はまんまと声紋と指紋を盗まれてしまう。今、健以外の者によって操縦されたレッドバロンが、紅健を踏みつけようとしていた・・・】


◆鉄面党リーダーの指示により、戦闘員3号・シゲルは紅健を踏みつけようとして、必死に操縦レバーを引いていた。だが、これ以上いくら力を入れてもレバーは動かない。レッドバロンは左足を上げたまま、降ろさなくなっていた。

『レッドバロン、俺を踏みつけるつもりか!』
『どうした、早く踏みつぶせ!』
『操作レバーが動かないのです・・・』

その時、こちらに向かって突っ込んでくるバイクの轟音に、振り返る鉄面党リーダー。バイクの主は、三神博士だ。この一瞬のスキをついて、マリ、哲也、熊野警部は反撃を開始した。怪我をした健を迎えに行ったマリは、アイアンホークの助手席に健を乗せて、この危機からの脱出に成功した。

だが、レッドバロンは敵の手に渡り、ベムパンサー三兄弟とともにSSIに向かって進撃してくるのだった。ここは一旦退却する以外には手が無いSSIだった。

戦闘員3号・シゲルに操縦されたレッドバロンとベムパンサー三兄弟が、町を破壊している。SSIには、手をこまねいてそれをみているより他に手段が無い。そんなとき、宇宙鉄面党最高司令官ギラスQと名乗る声が、SSIに語りかけてきた。

『紅健とSSIのメンバーは、30分後に希望が原に来い。もし来ない場合は交戦の意志ありとして、レッドバロンに日本全土を破壊させる!』

だが、戦闘員3号に剣で刺されて重傷の紅健は、その時SSI基地内で手術を受けて絶対安静の状態にあった。だが話を聞いた健は、自分も一緒に行くと言う。99パーセント絶望でも、残る1パーセントにすべてを賭けてみたいという。まったく手段が無いわけでは無い。三神博士は、腹案を3人に話して聞かせた。

30分後、希望が原にアイアンホークとジープで乗り付けたSSIメンバーの3人。健、マリ、哲也は鉄面党リーダーの前にゆっくりと出ていく。すると、早速死刑にせよと、リーダーの指示が飛ぶ。
『我々が本当のSSIかどうか調べもしないで、死刑にするのか?』
『何?おい、写真を出せ』

部下が持っていた写真で、3人の顔確認をするリーダー。だが、怪我でやつれた健の顔が、写真と違うような気がしてくるリーダー。そこでリーダーは無線で戦闘員3号を呼び出し、顔を確認させることにした。

ヘッドギア型のマイクを外して操縦席を離れ、レッドバロンの左の肩先に出てきた戦闘員3号は、そこから双眼鏡で紅健の顔をまじまじと観察した。
『間違いありません。その男は紅健です』

と、そのとき、スペースウィングスが、猛スピードでレッドバロンの横を通り過ぎていった。戦闘員3号は風圧で吹き飛ばされ、そのまま地上へ転落して爆発してしまう。

三神博士の腹案とは、これであった。これでレッドバロンの操縦者は、ふたたび紅健ひとりになった。哲也とマリは衰弱している健をかばいながら、鉄面党戦闘員達と戦う。なんとか健を、アイアンホークの助手席に乗せることが出来た。

操縦者のいないレッドバロンは、スペースウィングスからのリモコン操作でドッキングして空へ逃げると、ベムパンサー三兄弟もその後を追跡していった。だが、これは時間稼ぎをしているのであり、戻ってくる頃には三神博士の次の手が出来上がっている頃なのだ。

バイクに乗って、三神博士が到着した。アイアンホークの助手席には、携帯用のレッドバロン操縦レバーが作られていた。三神博士は、新兵器ドリルアローを改造して、レッドバロンを操縦するための装置を仕込んだ。

ドリルアローを両肩にセットして、リモコンでレッドバロンを操縦しようというわけだ。だが、リモコン操作は2キロ以内に距離を保たないと効かないことが、この作戦の弱点であった。

改造ドリルアローが完成し、飛行して来た。レッドバロンの両肩にドリルアローを着装する健。
『ファイトレバーオン!』
『あ、レッドバロンが動いたわ!』

健の操作で、レッドバロンが動いている。バロンパンチを繰り出すと、ベムパンサー1号に命中した。リモコン操縦作戦は、大成功である。だが、衰弱している健には、操縦が思うように行かない。胸から血が噴き出しはじめ苦しい健は、レッドバロンを必死に操縦している。

だが、もう健の操縦は限界に来ているようだった。ロボット三兄弟に、動きの鈍いレッドバロンは袋叩きにされていた。そのとき、ベムパンサー三兄弟の動きが突然おかしくなった。同士討ちする2号と3号。一体どうしたというのか?

そのとき、三神博士が叫んだ。
『コントロールマシンが、変調をきたしたんだ!反撃するなら、今だ!』

それは、熊野警部のお手柄であった。熊野警部は、独自に鉄面党のアジトを捜索していた。普通の一軒家に見えたが、入口にいる見張り2名を倒して潜入した熊野警部は、目の前に戦闘員達が操作している大きな電子計算機のような操縦装置を見つける。

レバーを操作する者やメーターを確認する者、全部まとめて手りゅう弾で吹き飛ばして、破壊することに成功した。その途端に三兄弟ロボットの行動が狂ったのだった。発射したドリルアローが命中して、ベムパンサー1号を破壊したレッドバロン。だが2号と3号は、空へ逃げていく。

『マズい。2キロ以上離れては、リモコンが効かない!』
健は最後の力を振り絞り、自らレッドバロンに乗るつもりなのだ。体力はかなり消耗していたが、なんとか操縦席に乗り込んだ健。

『ファイトレバーオン!』
空へ上昇して、ベムパンサー2号3号を追って行くレッドバロン。アームミサイルを発射しようとするが、弾が出ない。

『こうなったら、体当たり戦法だ!』
レッドバロンの身体は、ニューバロンニウムでできている。高速飛行で体当たりしたら、2体の鉄面党ロボットなどは木っ端みじんに砕け散ってしまうのだった。こうして、熊野警部とSSIの活躍によって、強奪されたレッドバロンは、ふたたび紅健の手に戻ってきたのである。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
紅健とSSIが、ここまで窮地に陥ったのははじめてじゃないかな。真の操縦者以外の人物がロボットを操縦したという点では、過去にジャイアント・ロボでもニセ草間大作が現れたことがあった。バロンもロボも時に人の感情が解るようで、「本物の主人」の言うことしか聞かないところが泣けるなぁ。


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