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帰ってきたウルトラマン(6) [新マン・ドラマ]

今回は、第18話 《ウルトラセブン参上!》を取りあげます。

    脚本;市川森一
    音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
  特殊技術;佐川和夫
    監督;鍛治 昇

【宇宙大怪獣 ベムスター】登場


▼MATステーションは、地球から1000キロ上空で静止している宇宙ステーションである。地球へ侵入してくる宇宙からの敵に備え、常に目を光らせている。ここの梶キャプテンとMAT本部の加藤隊長とは、大学時代からの親友であった。

梶キャプテンには、来月子供が誕生する。子供の為に地上勤務に就くよう話かける加藤隊長に、地上は自分の柄じゃないと嬉しそうに応える梶キャプテン。楽しい話を終えた梶キャプテンに、次々と異常事態の報告が入ってきた。

『ステーション内の電圧が、急激に下がっています!』
『発電機を点検しておいてくれ』

『信じられないことに、ステーション内の酸素が外へ流れ出しています!』
『コントロール室へ。液体酸素タンクを点検せよ!』

次々と起こる異常事態に梶キャプテンは素早く対応するが、事はこれだけでは収まらなかった。
『レーダー室より計器室へ。ステーション頭上500メートルの位置に浮遊物体を発見。垂直に接近中!』

その間にも計器類の針は、どんどんゼロを示していくものばかりであった。隊員の一人が、天井を指差して叫んだ。
『キャプテン、あれを!』

計器室の天井にある丸い窓に、どんどん近づいて来る五角形の口のような物体。その中心部には舌のように見える赤い物が生き物のように動いて、ドロドロとした白い粘液を出していた。

ゴーンという大きな音がして、前方の窓にその物体の顔のような部分が見えた。直ちにレーザー砲で攻撃を開始したが、その物体はレーザー光線を吸収しているのだった。ステーション内のエネルギーが、その物体によってすべて吸い上げられていた。

通信係が、直ちにSOSを地上へ発信した。
『MATステーションよりMAT本部へ。非常事態発生!非常事態発生!宇宙空間より怪獣襲来。正体は・・・』

MATステーションとの通信が途絶えてしまった。MAT本部から加藤隊長が必死に呼びかけているが、返事が無い。
『MATステーション、応答せよ!応答せよ!』

その間にも、MATステーションを襲った巨大怪獣は、腹部の大きな口でステーションの一部を飲み込み始めた。計器室の丸い窓にヒビが入ったため、梶キャプテンは総員に退避命令を出した。

計器室を出た隊員達は、廊下を通って次の部屋へ行こうとしたのだが、この先にあるハッチが破られてしまい、これ以上先にも後にも進めなくなってしまった。梶キャプテンと行動を共にしていた数名の隊員達は行き場を失い、この場で立ち往生するしかなかった。

MATステーションを襲った怪獣は、遂にステーションを丸飲みすると、次の目標の地球へと針路を向けて翼を羽ばたかせた。

『遠隔レーダーが、成層圏内を浮遊中の物体をキャッチした。MATステーションを飲み込むほどの奴だ。巨大な生物にちがいない。慎重に、見つけ次第撃ち落とせ!ミスは許さん!』

いつも冷静な加藤隊長の気持ちは、たかぶっていた。親友の命を奪った怪獣だ、絶対に逃がすわけにはいかない。マットアロー1号で南と上野に出撃を命じた。
『必ず仇は取ってやるぞ、梶!』

マットアロー2号にミサイルを搭載して、岸田と郷に出撃を命令した。怪獣の頭部にあるツノから出す破壊光線でアロー1号は撃墜され、南と上野は負傷してしまう。アロー2号に積んだミサイルも、この怪獣には歯が立たない。加藤隊長は、仕方なく岸田と郷に帰還命令を出した。

梶キャプテンの奧さんのもとへ行き、加藤隊長は辛い報告をしなければならなかった。怪獣は姿を消して、その後しばらく姿を現さなかった。その間に、先の戦闘でアローが撮った航空写真を分析し、怪獣の正体が判明した。

『こいつは、明らかに宇宙怪獣だ。かに星雲に棲む宇宙生物ベムスターだ。MAT航空医学センターの分析資料によれば、ヤツは水素、窒素、ヘリウムなどのガス源をエネルギーとしている』

ベムスターは、夜間にガスタンクを狙いに現れた。ベムスターはガスタンクの上に静かに舞い降りると、空気を抜かれたボールの様にガスタンクはしぼんでいく。

食っている最中のガスタンクに向けて、レーザー光線を発射した2機のマットアローだったが、ガスタンクが大爆発して炎を巻き上げてもベムスターはビクともしなかった。

『必ず息の根を止めてやる!』
加藤隊長は、撃墜されたアロー2号から負傷した岸田を救助すると、そうつぶやいた。

第二地区のガスタンク付近に、再び現れたベムスター。一人乗りのマットアロー2号で出撃した加藤隊長は、今度こそ梶キャプテンの仇を取るつもりで、必死の攻撃を仕掛ける。郷は怪獣出現の連絡を受け、マットビハイクルで現場へ到着した。

ベムスターへ挑むため、炎の中へ走っていく郷。「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導く。ウルトラマンにとって、地球へ来て初めて戦う宇宙怪獣であった。

ウルトラマンは、右肩からのショルダータックルで一度はベムスターを倒したが、起き上がって組んで戦うと体力負けしてしまうのだった。必殺のスペシウム光線を放ったが、腹部の五角形部分に全て吸収されてしまい、ウルトラマンはショックを受ける。

カラータイマーが赤く点滅し、エネルギーがわずかなウルトラマンは防戦一方となり、戦う気力を失って飛び去ってしまうのだった。

『太陽よ・・・この私をもっと強くしてくれ。この私に、ベムスターと互角に戦える力を与えてくれ!』
『ウルトラマン。これ以上、太陽に近づいてはならない。引き返すのだ、ウルトラマン!』

忠告を無視して太陽に向かって飛ぶウルトラマンは、遂に太陽の引力圏に捕らえられ、飛行姿勢のバランスを失って太陽に吸い寄せられていく。それを助けたのは、ウルトラセブンであった。

『お前にこれを与えよう。ウルトラブレスレットだ』
セブンの右手からウルトラマンの右手にそれは渡り、そして左手首にピタッとはまった金色に光る腕輪・ウルトラブレスレット。

『これさえ身に着けておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さぁ地球へ戻るのだ、ウルトラマン!』

その頃、地球ではウルトラマンが敗れたあと、加藤隊長は残りのミサイルをすべて使ってベムスターを攻撃し続けていた。だが、ベムスターの破壊光線を受けたアロー2号は撃墜され、炎が機体に回っていた。

加藤隊長は遠くなる意識の中で、ウルトラマンが帰ってくるのを見た。ウルトラマンは墜落していくアロー2号を空中で受け止めると、地面にそっと置いた。
『ウルトラマンが、帰ってきた・・・』

ウルトラマンはベムスターに水平チョップを一発見舞うと、ウルトラブレスレットを左腕から外して右手に持って高くかざすと、それはスパークしてベムスターの動きを金縛りのように止めた。

動かなくなったベムスターへブレスレットを投げつけると、それは白い光となってベムスターの両手と頭部を斬り落として、ブーメランの様にウルトラマンの手に戻ってくるのだった。ドサッと地面に落ちて、ボォッと燃え上がるベムスターの骸(むくろ)・・・

加藤隊長はアローの中で、ウルトラマンがベムスターを倒すのを見た。嬉しさがこみ上げてきた。苦しい戦いの末に、ようやく仇は取った。
『やったぞ・・・梶!』

郷が加藤隊長を迎えに行くと、足を引きずり血を流しながら、怪我の手当てよりも先に、梶の奧さんにこの勝利を伝えたいと言う加藤隊長。郷はマットビハイクルに加藤隊長を乗せて、梶キャプテンの奧さんのもとへ向かうのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
梶キャプテン役で出演しているのは、キリヤマ隊長とは盟友のクラタ隊長役でお馴染み、南廣氏である。今回は出番が少なくて残念!
このときのウルトラセブンの登場が、のちのウルトラ兄弟へとつながって行くのでR!デュワッ!
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帰ってきたウルトラマン(7) [新マン・ドラマ]

今回は、第21話 《怪獣チャンネル》を取りあげます。

    脚本;市川森一
    音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
  特殊技術;高野宏一
    監督;筧 正典

【電波怪獣 ビーコン】登場


▼午前4時。就寝中のミカコちゃんはトイレに行くために目が覚めた。途中、リビングでつけっ放しのテレビを見つけて消そうとテレビの前に立ったとき、それまでザーザーと音を立てて映っていた画面の砂嵐が、突然旅客機の映像に替わったのだった。

『あっ、映った・・・』
どの放送局も、放送開始までには時間がある。これは放送局の放送では無い。同じ頃、MATの南隊員から電話で起こされた郷。

『郷か、早くテレビをつけて見ろ!』
『こんな時間にやってないでしょう・・・』

南に急かされた郷がテレビをつけてみると、確かに旅客機が飛んでいる映像が映し出されているのだった。どこのチャンネルを回しても、みんな同じ映像だった。その直後、旅客機は正面から映し出されて、画面のすぐ下から出た光りによって撃墜されてしまうのだった。

午前5時。MAT隊員全員に非常招集がかかった。
『その映像は、ちょうど獲物を狙う生き物の様にゆっくりと旅客機に近づくと、映像の下から怪光線が発射されて、旅客機は墜落してしまいました』

南隊員は自分が見たままに報告し、郷も同様に報告した。加藤隊長は、二人が映像を見ていた午前4時ごろに東シナ海上空を飛行していた日本の民間機が、原因不明の爆発を起こして墜落した事を告げるのであった。

『すると、我々は爆発のテレビ中継を見たんですか?!』
東京都下だけでも、100件を超える家庭が同じ映像を見ていたことが、丘隊員から報告された。

『おそらく、東シナ海上空から発射された強力な電波を通信衛星が自動的に中継して、世界中に流したらしい』

一体何者が、どんな方法で、6000メートル上空からテレビカメラで旅客機を中継したのか?
『それを突き止めるのが、我々の任務だ!』

早速、マットアロー1号で郷と上野が東シナ海へ飛んだ。そこでふたりは、空中を浮遊する謎の怪獣を発見する。驚いたことにその怪獣は電波をすべて吸収してしまうため、ふたりは本部への連絡が出来ないのであった。

緑色の巨体に付いた顔には、まるで信号のような赤い目玉と黄色い鼻が付いていた。アローが撮った航空写真を分析して、怪獣の正体が判ってきた。これはビーコンと呼ばれる電離層にすむ宇宙怪獣で、空中の電波を吸収する特性を持っている。電波を食う怪獣なのである。

ビーコンは電波を食って、それを独自の電波を発信するという機能があるらしい。つまり、ビーコンの身体全体がテレビ局と同じなのである。東京上空は、電波があふれている。ビーコンが次に狙うのは、東京だろう。

『言っておくが、ヘマをするんじゃないぞ。我々の戦いは、ビーコンのカメラアイによって、世界中に中継されてしまう恐れがあるからだ』

ツトムは免許を取ったアマチュア無線でアメリカの友人と交信をしていたが、急に電波が切れてしまい、仕方なくテレビでも見ることにした。

だが、昼のテレビ権は母にあった。お昼のメロドラマを観ていたツトムの母は、突然画面に割って入ってきた旅客機の映像に、横にいた息子のツトムがチャンネルを回したからだと勘違いして怒った。

ツトムは自分では無いと言っているうちに、映像は旅客機の墜落事故を映すのであった。やがてテレビの画面には、マットアロー1号が映る。南と岸田の乗ったマットアロー1号が、北極海上空でビーコンと遭遇したのであった。

攻撃を開始したその様子は、ビーコンのカメラアイを通して、世界中に中継されてしまう。
『あっ、マットアローだ。カッコイイ!』

ツトムと母はマットアローが飛行している様子をしばらく観ていたが、やがて何かに攻撃されてアローの機体が被弾し、煙を出しながら飛ぶマットアロー1号を観て、ツトムはガッカリしてしまう。
『弱いなぁ、MATは・・・』

ガッカリするツトムと、見たくも無い映像を見せられていたツトムの母。だが再びメロドラマに切り替わったテレビ。だが肝心な場面が終わっていたため、ふてくされてしまうツトムの母だった。

MAT本部では、必死にアロー1号と連絡を取ろうとしていたのだが、電波をビーコンに食われてしまい、連絡を取ることができなかった。勝手にビーコンに攻撃を加えて負け戦になったMATの映像は、全世界に放映されてしまった。

レーダーも無線もコンピュータも使えずにビーコンと戦うことは、絶対的に不利だった。郷は加藤隊長に、ビーコンを海上に誘いだすための作戦を進言するのだった。

『東京中の電波を封鎖したのち、マットアローだけが電波を流しながら海上を飛びます。ヤツはそれに必ず食らいついてきます。海上に誘いだしたら、ミサイルで仕留めます』

午後5時。東京中のあらゆる電波が発信を止めた。そして南隊員を乗せたマットアロー2号だけが高周波を出しながら太平洋へ向かって飛び立っていった。アローと本部の通信が切れた時が、ビーコンが電波に食らいついた証拠だ。

この通信が切れたら、ミサイルを搭載したマットアローが基地を飛び立つことになっている。だが、通信はなかなか途切れなかった。おかしいと思って調査していると、江戸川区から別の高周波が流れていることが判明した。それはツトムのアマチュア無線だった。

ツトムは最近アマチュア無線の免許を取ったばかりなので、アメリカの少年と交信したかったのだ。怪獣ビーコンは、悪いことにこのアマチュア無線電波に食らいついてしまった。

太平洋へ向かっていたアロー2号は直ちに戻る様に指示がだされ、江戸川区のアマチュア無線の電波源を特定するために、郷は背中に探知機を背負っていた。

ビーコンは、都内で唯一電波を出しているツトムの家に向かって突進して来た。ビーコンに乗っかられて壊れかけたツトムの家に入り、潰されかけていたツトムを助けると、母といっしょに外へ逃がした。

だが、そのあと郷は木材の下敷きになってしまう。そのとき、「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導いた。ビーコンを両手で持ちあげて、出現したウルトラマン。夕暮れ時、浮遊するビーコン対ウルトラマンの対決がはじまる。

信号のような赤い目から出すビーコン破壊光線と、ウルトラマンのスペシウム光線が空中でぶつかり、激しく火花を散らす。

ウルトラマンは浮遊するビーコンに向かい、ウルトラブレスレットを光輪のように投げた。それを顔面に受けたビーコンは、ドドーンと地面に落下して夕陽の中で絶命した。夕陽を背に飛び去るウルトラマン。

午前4時。ミカコちゃんは、トイレに行く途中でリビングに寄ってテレビをつけてみる。だが、テレビ画面にはザーザーとうるさい砂嵐しか映らない。だって、ビーコンはウルトラマンに退治されちゃったからね!

「やっぱり映らないかぁ」と言う顔をしてテレビを消すと、そっとリビングを出ていくミカコちゃんだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
この回の導入部(ミカコちゃんの話)は、市川森一氏がかつてウルトラセブンの「ひとりぼっちの地球人」でやった、覗いてはいけないものを覗いたために事件に巻き込まれるパターンと、同じだろう。

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帰ってきたウルトラマン(8) [新マン・ドラマ]

今回は、第3話 《恐怖の怪獣魔境》を取りあげます。

  脚本;上原正三
  音楽;冬木 透
  美術;池谷仙克(デットンは劣化テレスドン;成田亨)
特殊技術;高野宏一
  監督;筧 正典

【岩石怪獣 サドラ】
【地底怪獣 デットン】登場


▼霧吹山(きりふきやま)は魔の山と呼ばれ、謎の転落事故が多いことで有名な山であった。霧が深くなる時には決まって、転落事故が起きている。今日も又、勇気ある青年が頂上を目指して登っていたが、霧が深くなった時にふたりの若者が転落事故に遭っていた。

その頃、霧吹山上空をマットアロー1号がパトロールしていた。郷は上野に、怪獣が吠えるような声が聞こえたと言ったが、ここは地上4千メートル上空なのだ。空耳だろうと言って、上野は片づけてしまう。

ウルトラマンの超能力を持つ郷には怪獣の叫び声が聞こえていたのだが、普通の人間の上野に、それは説明のしようが無い。上空も霧が深くなってきた。だが郷の目には、頂上の岩山の影にうごめく怪獣の姿が見えていた。

『あっ、怪獣だ!』
もっとよく見ようとして近づけば、乱気流に巻き込まれてしまう。そこで郷は、航空写真を撮影してみた。基地へ帰っても、上野と郷の意見はぶつかり合っていた。

視力がいい上野は、自分の目に自信を持っていた。そのとき、加藤隊長がある情報を発表した。
『郷が怪獣を見たという同じ時刻頃、城南大学の学生が二人転落死している。原因は、落石によるものと断定された』

丘隊員が、郷の航空写真をスライドにして、隊員たちが座る六角形の机の中央部に投影した。4枚のスライド写真には怪獣の姿は写っていなかったが、怪獣の尻尾のようなモノが写っていた。
『いや、これは岩肌です。隊長!』

上野は自分の視力を信じて、そう判定した。だが、加藤隊長は、南、岸田、上野、郷を霧吹山へ行かせることにした。少しでも疑問があれば確認しに行くことが、MATの使命だと隊長は言うのだ。

4人は南と郷、岸田と上野の二手に別れ、険しい岩山をロープを使って登り、頂上へ到着した。その名の通り、霧が深く、岩しかない頂上で、怪獣の影すらも見ることは出来なかった。リーダーの南は怪獣はいないと判断して、下山しようとする。

だが郷の耳には、遠くかすかに怪獣の声が聞こえていた。基地へ帰った4人は南や岸田までもが郷と対立し、郷は孤立してしまうのだった。翌日、郷は休暇で坂田のもとへ来ていた。流星2号の図面を引くために、郷と坂田はいろいろな意見、考えをめぐらしていた。

だがどういう訳か、郷の耳には霧吹山で聞いた怪獣の声が、今も聞こえているのだった。なにか悪い予兆なのか?気になって仕方が無い郷を見ていて、坂田はもうやる気を失ってしまうのだった。

その頃、加藤隊長は怪獣の有無を自分の目で確認するため、ひとりで霧吹山へ登っていた。霧が深くなり、ほんの数メートル先も見えない岩だらけの頂上で、加藤隊長の目の前に巨大な怪獣サドラが出現して迫ってきた。

岩陰に隠れた加藤隊長だったが、サドラが崖崩れを起こして、落下してきた岩石で加藤隊長は右足に大怪我をしてしまった。基地へ連絡を試みるが、雑音ばかりで無線が通じない。この辺一体の岩石が磁石になっているためであった。

ピッケルを杖にしながら、なんとか怪獣から発見されぬよう洞穴に隠れる加藤隊長。だが前進も後退もできず、応援も呼べず、怪我もしている。八方ふさがりで、このままでは死を待つ以外にない。一方MAT本部では、定時連絡が無く消息不明の隊長を、隊員たちが心配していた。

休暇中の郷にも、緊急招集がかかる。隊長はどこへ行ったのか。郷は直感で思った。
『隊長は、霧吹山へ行ったんだ!』
『証拠でもあるのか!』

証拠はないが、郷の意見にはサブリーダーの南も同感であった。
『もしかすると、隊長は自分の目で確かめに行ったのかもしれない・・・』

救助隊を出せないのなら自分一人でも行こうとする郷に、南がマットジャイロで送ることになった。だが、もう夜になり暗くて危険なため、山頂への着陸は出来ない。朝を待って登った方がいいという南の意見に、郷はパラシュートで降下すると言い出す。

無茶をするのには、理由があった。郷の父親は、郷が13歳の時、山で遭難したのだ。救助隊があと100メートル先を捜索してくれていたら、父は助かったかもしれなかった。捜索隊のいる位置から100メートル先の岩陰で、大怪我をして動けない父と仲間がいたのだった。

だから、とても朝までは待っていられなかった。南が止めるのも聞かずに、郷はパラシュートで降下していく。暗い山頂に降りた郷は、ヘルメットのライトを頼りに大声で隊長を呼びながら探した。仮眠したあと、朝日が昇って明るくなってきたので、郷は再び隊長探しに動くのだった。

怪獣サドラに洞窟の前に居座られ、隊長は朝を待って、マットシュートで攻撃をした。サドラがあきらめていなくなった頃に、郷が大声で呼びながら洞窟の前を通った。

『郷、ここだ!』
『しっかりしてください!』
『来てくれたのか・・・だがこんな恐ろしい所へ一人で来るやつがあるか・・・バカ者』

郷は、加藤隊長が自分の思っていたような人物であったことが、嬉しかった。確信が持てるまでは、トコトン追求するタイプの人であった。

さぁ怪獣サドラがいない間に、ここを脱出しなければならない!ところが、怪獣はサドラだけでは無かった。もう一匹の怪獣デットンが出現したのだ。二人は岩陰に隠れてデットンに手りゅう弾を投げたが、あまり効き目が無い。

デットンの声を聞きつけて、サドラがやって来た。二大怪獣が加藤隊長と郷の目の前で、戦いを始めた。この二匹が戦っている間に、郷は怪我をしている隊長に肩を貸しながら、少しずつ移動をした。だが、岩だらけの山頂は歩き難い。

両者の激しい戦いの振動で、郷と隊長が隠れていた岩陰が崩れて、郷の足は岩と岩とで挟まってしまった。加藤隊長に本部へ連絡するよう話すが、ここでは無線が通じない。隊長は足を引きずりながら、無線の通じる場所まで行くことにした。

だが、それを見たサドラとデットンは戦いを止めて、二匹で加藤隊長を追っていくではないか・・・。必死に岩から足を引き抜こうとする郷に、「ウルトラマンの光」が変身へ導く。ウルトラマン登場!

ウルトラマンは、初めて二匹の大怪獣を相手にする戦いに挑む。サドラの巨大なハサミが、背後からウルトラマンを叩いて襲った。倒れたウルトラマンの右足に噛みつくデットン。ウルトラマンの首をハサミで締め付けるサドラ。

青から赤に変わるカラータイマー。ウルトラマンが危ない!寝ころんだ状態からキックでデットンを突き飛ばすと、起き上がってサドラを首投げする。逃げて行くデットンの背中にスペシウム光線を撃ち、振り返ってサドラには八つ裂き光輪を投げて、首を斬り落してとどめを刺した。

足を引きずりながら戻ってきた加藤隊長は、足を引きずりながら歩く郷を見つけて、ふたりは笑顔で握手を交わす。隊長も郷も、この魔の山での激しい戦いをくぐり抜け、お互いに相手のことを思いやっていた。

『大丈夫か、郷!』
『隊長の方こそ・・・!』
『なぁに、怪獣如きには負けはせんよ(笑)』 

ゆっくり下山している途中で、ふたりを迎えに来た南隊員たちを見つけた加藤隊長と郷は、手を振って合図するのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
郷にとって休暇とは、体を休める日ではなく、坂田兄妹へのサービスをする日なのであった(笑)

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帰ってきたウルトラマン(9) [新マン・ドラマ]

今回は、第8話 《怪獣時限爆弾》を取りあげます。

  脚本;田口成光
  音楽;冬木 透
  美術;池谷仙克
特殊技術;高野宏一
  監督;筧 正典

【爆弾怪獣 ゴーストロン】登場


▼大杉谷に怪獣ゴーストロンが出現した。緊急集合したMATチームは早く処分するために、X弾を使うことにした。それは、岸田隊員が昨日完成させたばかりの新型ロケット弾だ。郷は、自分がその役を買ってでることにした。

一人乗りのマットアロー2号で出撃した郷は、怪獣ゴーストロンの背後から迫って、X弾を命中させるつもりでいた。ゴーストロンは、まるで散歩でもしているかのように気楽な感じで歩いている様にみえた。だが、アローが背後から迫っていることには、気付いていたのである。

『怪獣発見、攻撃開始します。一発で仕留めてみせます!』
郷は、知らぬ間に怪獣への攻撃をなめてかかっていた。操縦席のスイッチは左が通常のX弾、右が時限装置付きX弾である。

郷は、左側のボタンを押すことになっていた。怪獣の背後に迫ったその時、怪獣は振り向きざまに口から火炎を吐いた。驚いた郷は火炎を避けながら、とっさにX弾のボタンを押した。だが、尻尾付近に当たったはずのX弾は爆発しない。

『X弾が不発です・・・』
怪獣は地面を掘って、どんどん地底へ潜ってしまった。加藤隊長が二発目のX弾発射を指示した時には、怪獣は地底に姿をくらましたあとだった。

本部へ戻った郷は、X弾が不発なのは機械の故障が原因だと思っていた。だが、アロー2号の発射装置類は正常で問題は無かった。ところが、郷の操作を録画したビデオを再生してみると、そこにはハッキリと郷のミスが映し出されていた。

郷は右側のボタンを押していた。すぐ爆発するX弾では無く、時限装置付きX弾を発射してしまったのだ。時限装置によって、怪獣は10時間後に爆発する。

『よかったな、郷。あと10時間で、ヤツは天国へ急行だ・・・』
『バカなことをいうな。物事は慎重に考えろ。ヤツが町のど真ん中へ出て来たらどうする?』

隊長は、南の不用意な発言を怒った。小さな郷のミスが、大変な事態を招いてしまうかもしれなかった。この緊急事態に備え、全員待機して様子を見ることになった。

加藤隊長は郷を柔道場へ呼ぶと、乱取(らんどり:柔道で自由に技をかけあう練習)をした。だが今日は、ウルトラマンである郷が隊長に簡単に投げられてしまうのだった。
『郷。なぜおまえが、俺に投げられたか解るか?』

郷は、自分に油断があったことを悟るのだった。もっと緊張して、物事に臨まなければならなかったのだ。そのことに気付いた郷。

緊急集合のブザーが鳴り、作戦室に集合する隊員達。地下に潜った怪獣の動きは、レーダーで監視している。その怪獣が都心に向かって動き出した。東京都下に緊急避難命令が発令され、坂田兄弟も逃げる準備をしていた。

しばらくすると、怪獣は青木高原に向けて進み出した。高原なら安心だと発言する上野を、加藤隊長は叱りつけた。
『良い方にばかり考えるんじゃない!』

あの辺りには、ニチニチ化学のダイナマイト工場がある。加藤隊長は、郷を連れてマットジャイロで偵察に出かけた。工場には、東京を吹き飛ばせる量のニトログリセリンがあるのだ。

怪獣は完全に東京から遠ざかり、避難命令は解除された。だが、今度はそれ以上に大変な事態になるかもしれなかった。加藤隊長は最悪のケースを考えて、マットジャイロをニチニチ化学工場に着陸させると、ニトログリセリンの運び出しを考えた。

しかし、工場関係者の話で、運び出しには準備が必要なため数時間はかかるという。ニトログリセリンは振動を与えると爆発する性質があるので、焦って持ちだすわけにはいかないのだ。とりあえず、工場の全従業員を避難させるしかなかった。

地底のゴーストロンの進行方向が、青木高原からニチニチ化学工場の方へ向かいだしたという連絡が、本部の丘隊員からあった。もし工場付近で居座られたら、X弾の爆発がニトログリセリンにも誘発して、この辺と東京一体まで大きな被害を受けてしまうだろう。

最悪なことに、ゴーストロンはニチニチ化学工場のすぐ横の地底から現れ、そのまま胡坐(あぐら)をかいて居座ってしまった。加藤隊長は怪獣の写真を撮り、分析を行うことにした。

怪獣は40メートルと小型で、目が悪いことが推測された。それは、マットジャイロが怪獣に20メートルまで接近して、初めて口から火を吐いたことで推測された。レントゲン写真の結果、X弾は怪獣の尻尾に命中している。

岸田の提案で、麻酔弾を撃ち込んで眠らせている間に尻尾に刺さったX弾の信管を抜くという作戦を、隊長は採用する。

ただし、怪獣は反応が鈍い為、麻酔弾の成分調整をする必要があるのだ。タイムリミットが3時間と迫る中、成分調整に2時間を要するという。前後の行動を考えれば、これはギリギリであった。

郷は、地底のゴーストロンが急に工場に針路を変えた理由を考えていた。着陸するために低空飛行したマットジャイロのプロペラ音に、反応したのではないか?

そして工場に避難命令が出てサイレンが鳴り響いたため、サイレンの音に反応した怪獣は、工場へ向かって進んで来たのではないだろうかと。

どうやらこの怪獣は、目は悪いが音を聞き分ける耳はいいらしいと推測する郷。怪獣爆弾が破裂するまで、タイムリミットはあと3時間弱。郷は隊長に内緒で、ジープに拡声器とサイレンを取り付けていた。

あれから2時間が経過し、出来上がった改良麻酔弾を持って、加藤隊長と岸田はゴーストロンに近づいていく。二人はバズーカ砲で麻酔弾を撃ったが、麻酔の効き目がよくない。タイムリミットまであと15分しかなかった。

突然ふたりの横を、郷の乗ったジープが拡声器からサイレンを鳴らして走っていった。ゴーストロンは立ち上がると、サイレンに反応してそのジープを追いかけていくのだった。怪獣の口から吐く火炎をハンドル操作でかわしながら、郷はどんどん走っていく。

あと5分で爆発だ。だが、安全圏まではもう少しある。
(あの丘の向こうまで行けばいい)

だが、ジープはタイヤを取られてスピンし、大きく横転してしまうのだった。その様子を見ていた加藤隊長が叫んだ。
『あっ、郷!』

工場からサイレンが鳴り、ゴーストロンは再びサイレンの音に惹かれて工場の方へ向かって行く。が、そのとき、ウルトラマンが現れて、ゴーストロンと戦いだした。

だが、爆発までもう時間が無い。ウルトラマンがスペシウム光線や光線技を使えば、怪獣は爆発して工場のニトログリセリンも誘爆してしまう恐れがある。どうする、ウルトラマン!

ウルトラマンは両腕を上げると、静かに回転し始めた。そしてだんだん回転速度を増していき、地中を掘り進んでいくのだった。姿が見えなくなったと思ったら、ゴーストロンのいる場所の真下から出現して、ウルトラマンはゴーストロンを持ちあげて空へ飛んで行くのだった。

しばらくして、空の彼方で小さくピカッと光った後に爆発音が聞こえた。ゴーストロンは、上空で時限装置により大爆発を起こして散った。ウルトラマンによって、怪獣時限爆弾は無事に処理することができたのである。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
言うまでも無く、ゴーストロンはアーストロンの改造怪獣である。スーツアクターの遠矢氏が中に入ったら、自分のニオイが残っていたと証言している((´∀`))ケラケラ

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帰ってきたウルトラマン(10) [新マン・ドラマ]

今回は、第13話 《津波怪獣の恐怖東京大ピンチ》を取りあげます。

    脚本;上原正三
    音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
  特殊技術;佐川和夫
    監督;冨田義治

【津波怪獣 シーモンス】
【竜巻怪獣 シーゴラス】登場


▼フィリピン海峡を横断中の海神丸は、順調に航海を続けていた。暗い夜の海を銀色の月が照らしていた。いつもなら海神丸はマグロを積んでいるのだが、今度の航海はオパールやサファイヤの原石3トンを積んでいるのだった。

赤道を通り越し、船員たちは日本が近いことを喜んで、みんな酒を飲んで陽気に歌い踊っていた。船長の高村はしらふではあったがご機嫌な様子で、ギターに合わせて船員たちの前であの土民の歌を披露していた。

ルレクハ ヒィウモォ ♬
ケナケナ シーモンス ♫
ヨォドサ ハァウコム ♫
メウラァ シーモンス ♫

ちょうど船員のひとりが小型テープレコーダーを使って、高村船長のこの歌を録音していた。操舵室に入って来た高村船長はずっと舵を握り続ける操舵手に声をかけると、操縦を交替してやるのだった。一緒に歌って踊って来いと、親心で皆のもとへ促してやったのだ。

それからそう経たないうちに、船はいきなり大きな衝撃を受けた。船員たちは横に倒れ、何が起こったのかまだよく解からない様子だ。すぐに船員から、船体が浸水しているとの情報がもたらされて来た。

すぐに処置するよう船員たちに指示をだした高村船長は、操舵室のガラス越しに海面から突き出た巨大なツノが、目もくらむ閃光を発したのを目撃した。
『シーモンス・・・』

その後、海神丸の船体は真っ二つに引き裂かれ、あっという間に沈没してしまった。それから10日後、黄色いゴムボートが漂流しているのをパトロール中のマットアローが発見、海上保安庁へ連絡して救助された海神丸の乗組員は、高村船長と船員2名だけであった。

高村船長は、海難事故の責任を問われていた。ところが高村船長自身、精神的に大きなダメージを受けていたため、詳しく話が出来ない状態なのだ。病室では、新聞記者たちが船長と娘・陽子の周りに集まって、インタビューをしていた。

高村船長は救助されて以来ずっと「シーモンス」という言葉を繰り返すだけであった。娘の陽子はその言葉の意味を知っている。

『シーモンスは、西イリアンの島々に棲むと言われている怪獣です。遭難の原因はおそらくシーモンスのせいですわ!子供の頃からよく聞かされていました。シーモンスとシーゴラスは仲のいい夫婦怪獣で、シーモンスは四つ足のメス怪獣、シーゴラスは二つ足のオス怪獣・・・』

記者のひとりが、それはお父さんの作り話じゃないのかと問いかけ、怪獣のことはMATに聞いてみることになった。だがその場にいた郷も上野も、自分たちの知識の中には無い怪獣の名であったことと、それを肯定するだけの証拠が乏しいことで、否定せざるを得なかった。

『見ない人間の方が多いんじゃ、作り話にされても仕方がない』
病室を出た郷に、上野はそう言うしかなかった。ところが、一緒に救助された船員のひとりが、帰ろうとする郷と上野にあの晩録音した船長の歌声の入ったカセットテープを聞かせてくれたのである。

テープには、高村船長の声でシーモンスと言う言葉が入った南洋の土民の歌のようなものが録音されていた。ふたりはそのテープを本部へ持ち帰ると、加藤隊長の了解を得て、言語分析機にかけることにした。

『・・・ヨォドサ ハァウコム メウラァ シーモンス♫』
丘隊員が分析された結果を隊長へ渡し、唄の内容を読む加藤隊長。

『シーモンスは島の守り神 シーモンスは気立ての優しい怪獣 だがシーモンスが海を渡る時は気をつけろ 恐ろしいことが起こる・・・』

この土民の歌では、シーモンスが怪獣だと歌われていることが判明した。だが、シーモンスの歌はあっても、シーモンスが実在する確証は無いため、この歌だけではMATが動くことはできないのだ。

ところが、八丈島で夜釣りをしていた人から巨大な怪獣を見たという情報が寄せられ、MATは本格的に動くことが決まったのである。

高村陽子は八丈島へ行こうとしていた。父の潔白を証明するには、八丈島に出現した怪獣を見る必要があるとおもったからだ。もし八丈島に現れた怪獣がシーモンスなら、ツノが光るはずだと陽子は郷に言うのだった。

MATが本格的に動くからと、陽子をなだめた郷は、西イリアンの土民の歌を陽子からすべて聞かせてもらい、シーモンスに関して何か情報を得ようと言語分析機にかけたのだった。

丘隊員から渡された分析結果を、神妙な顔つきで読む岸田隊員。
『シーモンスをいじめるな シーモンスをいじめるとツノ光る ツノ光ればシーゴラスも怒り 海も天も地も怒り・・・』

分析結果を読み終わらぬうちに、東京湾に怪獣出現の緊急情報がMATに入って来た。マットアロー1号2号で出撃した隊員達。東京湾には四つ足の怪獣が上陸していた。直ちにロケット弾攻撃を実施するマットアロー。

その時、ツノが光るのを目撃する隊員たち。この怪獣は四つ足でツノが光ることから、郷はシーモンスであると判断した。もし歌の通りなら、怪獣を刺激して天と地と海の怒りが起こってはたいへんだと郷は思った。

『隊長、攻撃を中止すべきです。シーモンスを怒らすとシーゴラスが怒る。もし歌のとおりなら身の毛がよだつ何かが起こるのでは・・・』

加藤隊長は、しばらく様子を見ることにした。シーモンスは工場のセメントを静かに食べているだけで、町を壊そうとしてはいない。だがセメント工場長は、怒りが収まらない。しばらく様子を見るという加藤隊長の言葉に怒った工場長は、自衛隊火器部隊にシーモンスの爆破を依頼するのであった。

郷と南が爆破現場に行くが、司令官はシーモンスの周囲に仕掛けられた爆弾を一斉に爆破してしまう。シーモンスは大声で吠えると、その声に導かれるように海中からもう一匹の怪獣が出現した。巨大なツノをもつこの怪獣は、シーゴラスなのか?

海面から顔を出した怪獣は、巨大な波を沖合で立てていた。その波はやがて大津波となって海岸線に迫ってきていた。二匹の怪獣が互いに吠えながら、何か合図でも送っているようにツノを光らせている。

陽子は怪獣を見ようと東京湾に向かって行ってしまった。だが、東京湾には巨大な津波がもうすぐそこまで迫っていた。丘隊員からこのことを聞いた加藤隊長は郷に陽子を探すように指示し、残りのメンバーはマットアローで沖合に出現した怪獣を攻撃することになった。

東京湾付近の一番良く見える場所に来て怪獣を見ていた陽子。そのとき四つ足怪獣のツノが光った。
『やっぱり、シーモンスだわ!』

郷が陽子を探し出した時、大津波はすぐそこまで来ているのだ・・・。走りながら、陽子に声をかける郷。
『陽子さーん、早く逃げろ!』

その時、ウルトラマンの光が、郷を変身へ導いた。海岸線に立つウルトラマン!すぐ後方には津波怪獣シーモンスがいて、沖合にいるシーゴラスに向かって咆えていた。

東京に押し寄せる大津波は、刻一刻と湾岸を飲み込もうと迫ってくる。迫りくる大津波と二大怪獣の前に、ウルトラマンにはどんな作戦があるのだろうか? (つづく)


★★★★★★★★★★★★
改めて見ると、津波を起こしているのはシーゴラスの方であり、シーモンスはシーゴラスとツノを光らせて連動することで、竜巻を起こしている。津波怪獣はシーゴラスの方であろう。

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