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帰ってきたウルトラマン(6) [新マン・ドラマ]

今回は、第18話 《ウルトラセブン参上!》を取りあげます。

    脚本;市川森一
    音楽;冬木 透
怪獣デザイン;熊谷 健
  特殊技術;佐川和夫
    監督;鍛治 昇

【宇宙大怪獣 ベムスター】登場


▼MATステーションは、地球から1000キロ上空で静止している宇宙ステーションである。地球へ侵入してくる宇宙からの敵に備え、常に目を光らせている。ここの梶キャプテンとMAT本部の加藤隊長とは、大学時代からの親友であった。

梶キャプテンには、来月子供が誕生する。子供の為に地上勤務に就くよう話かける加藤隊長に、地上は自分の柄じゃないと嬉しそうに応える梶キャプテン。楽しい話を終えた梶キャプテンに、次々と異常事態の報告が入ってきた。

『ステーション内の電圧が、急激に下がっています!』
『発電機を点検しておいてくれ』

『信じられないことに、ステーション内の酸素が外へ流れ出しています!』
『コントロール室へ。液体酸素タンクを点検せよ!』

次々と起こる異常事態に梶キャプテンは素早く対応するが、事はこれだけでは収まらなかった。
『レーダー室より計器室へ。ステーション頭上500メートルの位置に浮遊物体を発見。垂直に接近中!』

その間にも計器類の針は、どんどんゼロを示していくものばかりであった。隊員の一人が、天井を指差して叫んだ。
『キャプテン、あれを!』

計器室の天井にある丸い窓に、どんどん近づいて来る五角形の口のような物体。その中心部には舌のように見える赤い物が生き物のように動いて、ドロドロとした白い粘液を出していた。

ゴーンという大きな音がして、前方の窓にその物体の顔のような部分が見えた。直ちにレーザー砲で攻撃を開始したが、その物体はレーザー光線を吸収しているのだった。ステーション内のエネルギーが、その物体によってすべて吸い上げられていた。

通信係が、直ちにSOSを地上へ発信した。
『MATステーションよりMAT本部へ。非常事態発生!非常事態発生!宇宙空間より怪獣襲来。正体は・・・』

MATステーションとの通信が途絶えてしまった。MAT本部から加藤隊長が必死に呼びかけているが、返事が無い。
『MATステーション、応答せよ!応答せよ!』

その間にも、MATステーションを襲った巨大怪獣は、腹部の大きな口でステーションの一部を飲み込み始めた。計器室の丸い窓にヒビが入ったため、梶キャプテンは総員に退避命令を出した。

計器室を出た隊員達は、廊下を通って次の部屋へ行こうとしたのだが、この先にあるハッチが破られてしまい、これ以上先にも後にも進めなくなってしまった。梶キャプテンと行動を共にしていた数名の隊員達は行き場を失い、この場で立ち往生するしかなかった。

MATステーションを襲った怪獣は、遂にステーションを丸飲みすると、次の目標の地球へと針路を向けて翼を羽ばたかせた。

『遠隔レーダーが、成層圏内を浮遊中の物体をキャッチした。MATステーションを飲み込むほどの奴だ。巨大な生物にちがいない。慎重に、見つけ次第撃ち落とせ!ミスは許さん!』

いつも冷静な加藤隊長の気持ちは、たかぶっていた。親友の命を奪った怪獣だ、絶対に逃がすわけにはいかない。マットアロー1号で南と上野に出撃を命じた。
『必ず仇は取ってやるぞ、梶!』

マットアロー2号にミサイルを搭載して、岸田と郷に出撃を命令した。怪獣の頭部にあるツノから出す破壊光線でアロー1号は撃墜され、南と上野は負傷してしまう。アロー2号に積んだミサイルも、この怪獣には歯が立たない。加藤隊長は、仕方なく岸田と郷に帰還命令を出した。

梶キャプテンの奧さんのもとへ行き、加藤隊長は辛い報告をしなければならなかった。怪獣は姿を消して、その後しばらく姿を現さなかった。その間に、先の戦闘でアローが撮った航空写真を分析し、怪獣の正体が判明した。

『こいつは、明らかに宇宙怪獣だ。かに星雲に棲む宇宙生物ベムスターだ。MAT航空医学センターの分析資料によれば、ヤツは水素、窒素、ヘリウムなどのガス源をエネルギーとしている』

ベムスターは、夜間にガスタンクを狙いに現れた。ベムスターはガスタンクの上に静かに舞い降りると、空気を抜かれたボールの様にガスタンクはしぼんでいく。

食っている最中のガスタンクに向けて、レーザー光線を発射した2機のマットアローだったが、ガスタンクが大爆発して炎を巻き上げてもベムスターはビクともしなかった。

『必ず息の根を止めてやる!』
加藤隊長は、撃墜されたアロー2号から負傷した岸田を救助すると、そうつぶやいた。

第二地区のガスタンク付近に、再び現れたベムスター。一人乗りのマットアロー2号で出撃した加藤隊長は、今度こそ梶キャプテンの仇を取るつもりで、必死の攻撃を仕掛ける。郷は怪獣出現の連絡を受け、マットビハイクルで現場へ到着した。

ベムスターへ挑むため、炎の中へ走っていく郷。「ウルトラマンの光」が郷を変身へ導く。ウルトラマンにとって、地球へ来て初めて戦う宇宙怪獣であった。

ウルトラマンは、右肩からのショルダータックルで一度はベムスターを倒したが、起き上がって組んで戦うと体力負けしてしまうのだった。必殺のスペシウム光線を放ったが、腹部の五角形部分に全て吸収されてしまい、ウルトラマンはショックを受ける。

カラータイマーが赤く点滅し、エネルギーがわずかなウルトラマンは防戦一方となり、戦う気力を失って飛び去ってしまうのだった。

『太陽よ・・・この私をもっと強くしてくれ。この私に、ベムスターと互角に戦える力を与えてくれ!』
『ウルトラマン。これ以上、太陽に近づいてはならない。引き返すのだ、ウルトラマン!』

忠告を無視して太陽に向かって飛ぶウルトラマンは、遂に太陽の引力圏に捕らえられ、飛行姿勢のバランスを失って太陽に吸い寄せられていく。それを助けたのは、ウルトラセブンであった。

『お前にこれを与えよう。ウルトラブレスレットだ』
セブンの右手からウルトラマンの右手にそれは渡り、そして左手首にピタッとはまった金色に光る腕輪・ウルトラブレスレット。

『これさえ身に着けておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さぁ地球へ戻るのだ、ウルトラマン!』

その頃、地球ではウルトラマンが敗れたあと、加藤隊長は残りのミサイルをすべて使ってベムスターを攻撃し続けていた。だが、ベムスターの破壊光線を受けたアロー2号は撃墜され、炎が機体に回っていた。

加藤隊長は遠くなる意識の中で、ウルトラマンが帰ってくるのを見た。ウルトラマンは墜落していくアロー2号を空中で受け止めると、地面にそっと置いた。
『ウルトラマンが、帰ってきた・・・』

ウルトラマンはベムスターに水平チョップを一発見舞うと、ウルトラブレスレットを左腕から外して右手に持って高くかざすと、それはスパークしてベムスターの動きを金縛りのように止めた。

動かなくなったベムスターへブレスレットを投げつけると、それは白い光となってベムスターの両手と頭部を斬り落として、ブーメランの様にウルトラマンの手に戻ってくるのだった。ドサッと地面に落ちて、ボォッと燃え上がるベムスターの骸(むくろ)・・・

加藤隊長はアローの中で、ウルトラマンがベムスターを倒すのを見た。嬉しさがこみ上げてきた。苦しい戦いの末に、ようやく仇は取った。
『やったぞ・・・梶!』

郷が加藤隊長を迎えに行くと、足を引きずり血を流しながら、怪我の手当てよりも先に、梶の奧さんにこの勝利を伝えたいと言う加藤隊長。郷はマットビハイクルに加藤隊長を乗せて、梶キャプテンの奧さんのもとへ向かうのだった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
梶キャプテン役で出演しているのは、キリヤマ隊長とは盟友のクラタ隊長役でお馴染み、南廣氏である。今回は出番が少なくて残念!
このときのウルトラセブンの登場が、のちのウルトラ兄弟へとつながって行くのでR!デュワッ!


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