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帰ってきたウルトラマン(9) [新マン・ドラマ]

今回は、第8話 《怪獣時限爆弾》を取りあげます。

  脚本;田口成光
  音楽;冬木 透
  美術;池谷仙克
特殊技術;高野宏一
  監督;筧 正典

【爆弾怪獣 ゴーストロン】登場


▼大杉谷に怪獣ゴーストロンが出現した。緊急集合したMATチームは早く処分するために、X弾を使うことにした。それは、岸田隊員が昨日完成させたばかりの新型ロケット弾だ。郷は、自分がその役を買ってでることにした。

一人乗りのマットアロー2号で出撃した郷は、怪獣ゴーストロンの背後から迫って、X弾を命中させるつもりでいた。ゴーストロンは、まるで散歩でもしているかのように気楽な感じで歩いている様にみえた。だが、アローが背後から迫っていることには、気付いていたのである。

『怪獣発見、攻撃開始します。一発で仕留めてみせます!』
郷は、知らぬ間に怪獣への攻撃をなめてかかっていた。操縦席のスイッチは左が通常のX弾、右が時限装置付きX弾である。

郷は、左側のボタンを押すことになっていた。怪獣の背後に迫ったその時、怪獣は振り向きざまに口から火炎を吐いた。驚いた郷は火炎を避けながら、とっさにX弾のボタンを押した。だが、尻尾付近に当たったはずのX弾は爆発しない。

『X弾が不発です・・・』
怪獣は地面を掘って、どんどん地底へ潜ってしまった。加藤隊長が二発目のX弾発射を指示した時には、怪獣は地底に姿をくらましたあとだった。

本部へ戻った郷は、X弾が不発なのは機械の故障が原因だと思っていた。だが、アロー2号の発射装置類は正常で問題は無かった。ところが、郷の操作を録画したビデオを再生してみると、そこにはハッキリと郷のミスが映し出されていた。

郷は右側のボタンを押していた。すぐ爆発するX弾では無く、時限装置付きX弾を発射してしまったのだ。時限装置によって、怪獣は10時間後に爆発する。

『よかったな、郷。あと10時間で、ヤツは天国へ急行だ・・・』
『バカなことをいうな。物事は慎重に考えろ。ヤツが町のど真ん中へ出て来たらどうする?』

隊長は、南の不用意な発言を怒った。小さな郷のミスが、大変な事態を招いてしまうかもしれなかった。この緊急事態に備え、全員待機して様子を見ることになった。

加藤隊長は郷を柔道場へ呼ぶと、乱取(らんどり:柔道で自由に技をかけあう練習)をした。だが今日は、ウルトラマンである郷が隊長に簡単に投げられてしまうのだった。
『郷。なぜおまえが、俺に投げられたか解るか?』

郷は、自分に油断があったことを悟るのだった。もっと緊張して、物事に臨まなければならなかったのだ。そのことに気付いた郷。

緊急集合のブザーが鳴り、作戦室に集合する隊員達。地下に潜った怪獣の動きは、レーダーで監視している。その怪獣が都心に向かって動き出した。東京都下に緊急避難命令が発令され、坂田兄弟も逃げる準備をしていた。

しばらくすると、怪獣は青木高原に向けて進み出した。高原なら安心だと発言する上野を、加藤隊長は叱りつけた。
『良い方にばかり考えるんじゃない!』

あの辺りには、ニチニチ化学のダイナマイト工場がある。加藤隊長は、郷を連れてマットジャイロで偵察に出かけた。工場には、東京を吹き飛ばせる量のニトログリセリンがあるのだ。

怪獣は完全に東京から遠ざかり、避難命令は解除された。だが、今度はそれ以上に大変な事態になるかもしれなかった。加藤隊長は最悪のケースを考えて、マットジャイロをニチニチ化学工場に着陸させると、ニトログリセリンの運び出しを考えた。

しかし、工場関係者の話で、運び出しには準備が必要なため数時間はかかるという。ニトログリセリンは振動を与えると爆発する性質があるので、焦って持ちだすわけにはいかないのだ。とりあえず、工場の全従業員を避難させるしかなかった。

地底のゴーストロンの進行方向が、青木高原からニチニチ化学工場の方へ向かいだしたという連絡が、本部の丘隊員からあった。もし工場付近で居座られたら、X弾の爆発がニトログリセリンにも誘発して、この辺と東京一体まで大きな被害を受けてしまうだろう。

最悪なことに、ゴーストロンはニチニチ化学工場のすぐ横の地底から現れ、そのまま胡坐(あぐら)をかいて居座ってしまった。加藤隊長は怪獣の写真を撮り、分析を行うことにした。

怪獣は40メートルと小型で、目が悪いことが推測された。それは、マットジャイロが怪獣に20メートルまで接近して、初めて口から火を吐いたことで推測された。レントゲン写真の結果、X弾は怪獣の尻尾に命中している。

岸田の提案で、麻酔弾を撃ち込んで眠らせている間に尻尾に刺さったX弾の信管を抜くという作戦を、隊長は採用する。

ただし、怪獣は反応が鈍い為、麻酔弾の成分調整をする必要があるのだ。タイムリミットが3時間と迫る中、成分調整に2時間を要するという。前後の行動を考えれば、これはギリギリであった。

郷は、地底のゴーストロンが急に工場に針路を変えた理由を考えていた。着陸するために低空飛行したマットジャイロのプロペラ音に、反応したのではないか?

そして工場に避難命令が出てサイレンが鳴り響いたため、サイレンの音に反応した怪獣は、工場へ向かって進んで来たのではないだろうかと。

どうやらこの怪獣は、目は悪いが音を聞き分ける耳はいいらしいと推測する郷。怪獣爆弾が破裂するまで、タイムリミットはあと3時間弱。郷は隊長に内緒で、ジープに拡声器とサイレンを取り付けていた。

あれから2時間が経過し、出来上がった改良麻酔弾を持って、加藤隊長と岸田はゴーストロンに近づいていく。二人はバズーカ砲で麻酔弾を撃ったが、麻酔の効き目がよくない。タイムリミットまであと15分しかなかった。

突然ふたりの横を、郷の乗ったジープが拡声器からサイレンを鳴らして走っていった。ゴーストロンは立ち上がると、サイレンに反応してそのジープを追いかけていくのだった。怪獣の口から吐く火炎をハンドル操作でかわしながら、郷はどんどん走っていく。

あと5分で爆発だ。だが、安全圏まではもう少しある。
(あの丘の向こうまで行けばいい)

だが、ジープはタイヤを取られてスピンし、大きく横転してしまうのだった。その様子を見ていた加藤隊長が叫んだ。
『あっ、郷!』

工場からサイレンが鳴り、ゴーストロンは再びサイレンの音に惹かれて工場の方へ向かって行く。が、そのとき、ウルトラマンが現れて、ゴーストロンと戦いだした。

だが、爆発までもう時間が無い。ウルトラマンがスペシウム光線や光線技を使えば、怪獣は爆発して工場のニトログリセリンも誘爆してしまう恐れがある。どうする、ウルトラマン!

ウルトラマンは両腕を上げると、静かに回転し始めた。そしてだんだん回転速度を増していき、地中を掘り進んでいくのだった。姿が見えなくなったと思ったら、ゴーストロンのいる場所の真下から出現して、ウルトラマンはゴーストロンを持ちあげて空へ飛んで行くのだった。

しばらくして、空の彼方で小さくピカッと光った後に爆発音が聞こえた。ゴーストロンは、上空で時限装置により大爆発を起こして散った。ウルトラマンによって、怪獣時限爆弾は無事に処理することができたのである。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
言うまでも無く、ゴーストロンはアーストロンの改造怪獣である。スーツアクターの遠矢氏が中に入ったら、自分のニオイが残っていたと証言している((´∀`))ケラケラ



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