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仮面ライダーストロンガー 6 [ライダーストロンガー・ドラマ]

第25話《死ぬな!電気椅子の城茂》
原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;山崎大助

〖奇械人アルマジロン〗
〖奇械人デッドライオン〗登場

【前回までの話は・・・百目タイタンが敗れ、ストロンガーを倒すのは自分しかいないと自負するジェネラル・シャドウは、自分の知らないところで奇械人ハサミガニが動いていることを知った。次期大幹部の座に就いたと思っていたシャドウは、そのことで大首領に不信感を抱き、大首領に訴えた。すると、ブラックサタンの直系でないことを理由に、大首領に信頼されていないことをシャドウは知る。しかも、次期大幹部になる者を大首領が呼び寄せたことを知り、シャドウはブラックサタンを裏切る決意を固める・・・】


◆ついに、ブラックサタン最高幹部のデッドライオンが、日本に着任した。アジトでデッドライオンと対面したジェネラル・シャドウは、自分こそがストロンガーを倒す者だと言って、敵意を見せるのだった。
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『タイタンが情けなく敗れたあと、ストロンガーを倒すのはこの俺の役目だ!』
『自惚れるな!お前が当てにならんから、俺が乗り出したのだ。ストロンガーを倒すのは、ブラックサタン直系の最高幹部、俺以外にはない!』

『それは大首領の意志か?』
『これを見ろ!ブラックサタンの中で唯一人、大首領に信頼される者に授けられるペンダントだ!これを持つ者だけが、大首領に近づくことが許されるのだ。お前は所詮、雇われ者にすぎんのだ!』
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『おのれ、大首領め!俺を散々おだてて、利用しておきながら・・・』
『黙れ!大首領に反逆するような言葉遣いは、許さん!』

「とっとと出て行け!」と言われたシャドウは、怒りの余りデッドライオンに腰のサーベルを突き刺そうとする。すると、デッドライオンの部下、奇械人アルマジロンが現れて、シャドウに襲いかかるのだった。

アルマジロンの硬い背中は、シャドウのサーベルも通じない。2対1の対決となり、危険を察知したシャドウは、トランプをばらまいて姿を消すのだった。
『デッドライオン!オレはこのことを忘れんぞ!いずれ後悔する時が来ると、大首領に伝えろ!』

栃木県那須のホテルに宿泊している三人。朝方出かけた城茂の行方を追って、立花藤兵衛と岬ゆり子はホテルを出たところ、那須岳の火口から吹き上がる煙の様子がおかしいことに気付いた。

二人はロープウェイに乗り、火口付近に向かおうとして、頂上の駅を降りたところで奇械人アルマジロンに襲撃されてしまう。

タックルに変身したユリ子だが、かなう相手ではない。一方、有料道路を走行していて、那須岳の噴火の煙のおかしな様子に気付いた城茂も火口に向かって走っていた。

アルマジロンと戦っているタックルの元に、間に合った茂。
『ヘンシン ストロンガー!』

アルマジロンとストロンガーが戦っている間に、ロープウェイで下山する藤兵衛とユリ子。ところが、ゴンドラが頂上と地上の中間あたりに来たあたりで、ゴンドラが激しく揺れ出した。ロープを支える鉄塔の上に奇械人デッドライオンが立っていて、激しくロープを叩いて切断しようとしていた。
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『俺から逃げることは出来んのだ!』

一方、ストロンガーとアルマジロンの戦いは、一進一退。決着が着かぬまま、アルマジロンは退散していった。ホテルに戻ってきた茂は、二人がまだ帰っていないことをフロントで知った。しかも、城茂に手紙が届いているという。

それは、立花藤兵衛と岬ユリ子に会いたければ、ホテルのディナーショウに今夜来るようにという、ブラックサタンからの招待状であった。ディナーショウの会場に入り、ボーイに誘導されて2階の観覧席に座った城茂。

軽快な太鼓の音でポリネシアンショウが始まり、しばらくすると、舞台の中央に赤い布と黄色い布で覆われた何かが置かれた。音楽が止み舞台が暗くなると、スポットライトが赤と黄色の布に当たった。布が取られると、そこにはユリ子と藤兵衛がいた。

『茂!』
『助けてくれ!』
『ユリ子!おやっさん!』

次の瞬間、城茂の座っていたイスが電気椅子に変わっていた。気が付くと、両手首と胸はそれぞれ鉄製バンドで固定され、城茂は全く動けない。
『城茂。とうとうワナにはまったな!』

後ろでほくそ笑んでいたのは、奇械人アルマジロンであった。だが茂は、フロントでブラックサタンの招待状を読んでいる時、これは敵のアジトへ潜入できるチャンスだと思っていたのである。

那須岳の火口に作ったアジトへ運ばれた茂は、そこで最高幹部デッドライオンと対面した。
『城茂。あんな簡単なワナに引っかかったのか・・・フフフ』
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デッドライオンとアルマジロンに囲まれて、イスに座らされたまま城茂は処刑されようとしていた。余裕があるのか、デッドライオンは茂の両手袋を戦闘員に外させ、「変身できるものならしてみろ」と言う。アルマジロンに命令して、スイッチを入れさせたデッドライオン。

今、茂が座っているイスは、電気椅子では無く電気パワーを吸い取るイスであった。メモリの針がゼロを指してしまったら、茂は戦闘員と戦うこともできぬほどの弱い身体になってしまうのだ。デッドライオンがイスの説明をしている間、茂はこのピンチを切り抜ける方法を考えていた。

デッドライオンは、捕まえてある藤兵衛とユリ子を、戦闘員にこの部屋へ連れて来させた。縛られたまま座った藤兵衛とユリ子の目の前で、電気パワーを吸い取られて立つこともできない城茂の姿を、見せようというのだ。

部屋中を見回しながら、茂は助かるためのヒントを探した。すると、部屋に敷かれた赤いカーペットの先に、花瓶に活けられた花が目に入った。藤兵衛もユリ子も落胆して暴れる元気すらない様子だった。

(あの花瓶の中には、水がいっぱい入っているはずだ。花瓶を倒して中の水がこぼれてくれれば、何とかなるのだが・・・)

茂は、水で濡れたこのイスの配線にアースして、電流を自分の体に逆流させてエネルギーを得ようと考えた。問題は、花瓶をどうやって倒すかだ。

『おやっさん。もし俺が死んだら、あの花瓶の花を飾ってくれ。頼む!』
『城茂が死に際に花を望むとは、まるで娘っ子だな・・・ハハハ』

デッドライオンには、この会話の意味するところが解ってはいない。だが藤兵衛は、茂の頼みを聞いてピンときた。(花瓶の花?そうか、花瓶の水を利用する気だな・・・)

藤兵衛はユリ子に合図を送り、奇械人たちに怪しまれない様にふたりでカーペットを少しずつ手前に引っ張った。ある程度まで引き寄せたら、思い切り引っ張って花瓶を倒す作戦だ。

急げ、メモリの針はあと少しでゼロを指す。藤兵衛が思い切りカーペットを引っ張ると、花瓶が倒れて水がこぼれた。配線がショートして火花が散り、イスも配電盤も火花を散らして室内が混乱しているうちに、茂はイスから立ち上がって藤兵衛とユリ子を助けた。

『さぁ、もう大丈夫だ。早く逃げろ!』
茂は、すぐにライダーストロンガーに変身した。デッドライオン、アルマジロン対ストロンガーの対決。戦いの中で、ストロンガーの手に引っかかる物があった。
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デッドライオンが首から下げていたペンダントだ。
『それを返せ、ストロンガー!』
『何?これがそれほど大事か!』

デッドライオンは、必死にペンダントを取り戻そうとストロンガーに襲いかかるが、ストロンガーにかわされて奪い返すことが出来ずにいた。突然ペンダントが点滅を始め、デッドライオンに大首領からの指令が届いた。

(緊急事態発生。シャドウが反乱を起こした。最高幹部は直ちに大首領のもとへ出頭せよ)
『ペンダントは、必ず取り返すぞ!』

デッドライオンはそう言って、姿を消した。だが、アルマジロンとの戦いは続く。アルマジロンの背中は甲羅の様に硬いが、腹部は柔らかい。ストロンガー電キックが腹部を直撃して、アルマジロンは大爆発して死んだ。

アジトでは、ジェネラル・シャドウがほくそ笑んでいた。
『あのペンダントが、ストロンガーの手に入ったとは愉快だ。いずれストロンガーは大首領と対決し、どちらかが倒れる。まさに俺の狙い通りではないか。ウフフフフ・・・』
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一方、デッドライオンは、ペンダントをストロンガーに奪われた事を大首領に報告し、詫びていた。
『あのペンダントには、ブラックサタンの最高機密が秘められている。何者を犠牲にしても取り戻すのだ!』

遂に、ブラックサタンとの最終決戦が近づいている予感がする城茂だった。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
電気椅子の部屋に、なぜ花瓶に活けた花があったのか、謎だ。ブラックサタンと花瓶に活けた花、全く結びつかないのだが(笑)

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仮面ライダーストロンガー 7 [ライダーストロンガー・ドラマ]

第26話《見た!大首領の正体》
原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;山崎大助

〖奇械人デッドライオン〗登場

【前回までの話は・・・電気パワーを吸い取るイスに城茂を座らせたところまでは良かったのだが、あと一歩及ばず、逆にストロンガーとの対戦で大事なペンダントを奪われてしまった最高幹部のデッドライオン。あれにはブラックサタンの極秘事項が秘められている、と大首領は言った。一方、大首領から信頼されていないことを知ったジェネラル・シャドウは、ブラックサタンに反旗をひるがえす行動に出る・・・】


◆ブラックサタンの本部は、那須岳の火口に造られている。ペンダントを奪われたデッドライオンが、大首領に報告をしていた。

『あのペンダントにはブラックサタンの最高機密が隠されている。一刻も早く取り戻さぬと、ブラックサタンが危ない。城茂を逃がしたことは、取り返しのつかない手落ちだぞ。デッドライオン!』
『必ず、あのペンダントはこの手で・・・ギャアオゥ!』

城茂は、ユリ子と藤兵衛と一緒にホテルのプールサイドで、デッドライオンから奪ったペンダントを見ながら、戦闘中のデッドライオンの焦る様子を思い出していた。

そこに出現したのは、デッドハンド。デッドライオンがリモートコントロールで自由にどこへでも出現させることが出来る、自分の右腕だ。藤兵衛がペンダントを持っている時に、彼の足をつかんで放り投げたのだ。姿勢を崩された藤兵衛は、ペンダントを放り投げてしまう。

だが、間一髪、茂がペンダントを拾うと、デッドハンドを蹴り飛ばしてしまった。空の彼方へ飛んで行ったデッドハンドを追いかけようとした茂とユリ子は、戦闘員達に囲まれてしまう。

戦闘員たちを蹴散らした二人は、藤兵衛を連れてホテルから逃げた。ところが、逃げる途中でジェネラル・シャドウが三人の前に姿を現すのだった。

『フフフフ。無事で何よりだったな、城茂。その上、大変なモノを手に入れたじゃないか』
『貴様、このペンダントが何か知ってるな?』
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『教えてやろう。そのペンダントは、ブラックサタンの謎を解くカギだ。また会おう!幸運を祈る』
そう言うと、煙の様に姿を消してしまうのだった。このシャドウの言葉を聞いた茂は、自分達が捕らわれていたアジトへ再び行く決心をする。

藤兵衛も、今のシャドウの言葉はまんざら嘘ではなさそうだと言う。今こそ、ブラックサタンを叩きつぶすチャンスかもしれないのだ。

だが、アジトはすでに引き払ったかのように、静かだった。洞穴の奥に行くと、過去に倒された奇械人たちが無数に転がっていた。だが、それらは皆生きていたのだ。
『ヘンシン ストロンガー!』

藤兵衛に襲いかかろうとするのを見た茂は、手袋をはずして両手をこすり上げ、スパークさせた電気エネルギーでストロンガーに変身した。ユリ子もタックルに変身して、藤兵衛を守る。
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5体の怪人達はストロンガーに戦いを挑んだが、まるでエネルギーが切れたかのように5体は一つの場所に倒れ込むと、スーッと消えた。後には、一匹の死んだサタン虫が残っていた。藤兵衛は死んだサタン虫をつかむと、つぶやいた。
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『なんだ・・・こんな奴が操っていたのか』
すると、背後からデッドライオンが出現し、胸から下げたペンダントを指して叫んだ。

『ストロンガー。今度こそ、そのペンダントを返してもらうぞ!』
『渡すものか、行くぞ!』

戦いは、那須岳の頂上へと場所を移した。火口付近からアジトへ潜入したストロンガーに、襲ってくるデッドライオン。アジト内で戦闘となったが、アジト内の様々な仕掛けが待っていた。デッドライオンが急に姿を消した。そこはバーリアで覆われた部屋だった。
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目の前には、赤や青や黄色の光が点滅した見知らぬ機械が置いてある。突然ペンダントの中央が赤く点滅すると、ストロンガーは体の自由が利かなくなり、変身が解けて城茂に戻ってしまう。

『特殊な光線で光っているのか?もしかすると・・・だが、この放射線に俺の体が耐えられるかどうか』

目の前の見知らぬ機械にペンダントをかざした茂は、どこか知らない場所に瞬間移動してしまう。周りを囲む戦闘員。そしてデッドライオンが再び出現した。
『城茂。ペンダントを返せ!』

茂はふたたび、ストロンガーへと変身した。デッドライオンは、暗い洞窟へと入っていった。後を追って行くと、デッドライオンの影が石の壁の中へ消えていくのを見たストロンガー。
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ペンダントをその石の壁にかざしてみると、ペンダントの中央が赤く点滅しながら、ストロンガーの体は石の中に吸い込まれていくのだった。

ついに大首領の部屋へと入りこんだストロンガー。カーテンの向こうに黒い異形の影があった。
『貴様が大首領か?』
『ストロンガー。とうとうここまでやって来たか・・・』

赤・青・黄色のランプが点滅する機械の上に、サタン虫が乗っていた。
『大首領の正体は、サタン虫だったのか!』
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『おのれ、ストロンガー。よくも私の姿を見たな!私は一族のサタン虫たちを奇械人や戦闘員達の脳の中に送りこんで、彼らを意のままに操ってきたのだ・・・今に、サタン虫が全世界を支配する時が来る。サタンの世界だ!』

『そうはさせん!』

逃げようとする巨大サタン虫を、ストロンガーは追った。変幻自在に姿を消して、大首領室へ戻った巨大サタン虫は、そこで何かに気付き、怯えるような声を出した。

『そうか。そうだったのか・・・奴らがもうここまで乗り込んできていたとは・・・』

もうすでに、大首領には行く所が無い。大首領室を出た巨大サタン虫は、後を追ってきたストロンガーと出会ってしまう。
『ストロンガー。お前なんかに捕まるモノか!』

だが、電パンチを受けた大首領は目玉から火花を散らし、ストロンガー電キックがついにとどめを刺した。大首領の死と共に、アジトは大爆発を起こしていた。アジト内にいるデッドライオンも、おそらく大爆発に巻き込まれて死んだと思われる。ブラックサタンは、ここに完全に滅びた。
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ビールで乾杯する茂、ユリ子、藤兵衛の三人。
『平和がくるのね!』
『ブラックサタンの姿は、もうどこにもない。これで枕を高くして、眠れるわけだ』

だが、茂には気になることがあった。
『大首領の最期の様子が、俺には気にかかるんだ・・・』
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その頃、ブラックサタンを潰し、クーデターを成功させたジェネラル・シャドウが笑っていた。
『これからいよいよ、我らがこの地球を支配するのだ・・・ハハハハ』
ジェネラル・シャドウのもとへ、異形の影たちの列が進んでいく。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
このシリーズでの立花藤兵衛は、これ以前のライダーシリーズとは一味違う演出になっているようである。城茂や岬ユリ子と一緒に国内を旅するという設定はもちろん、外へ出ているから敵との交戦シーンも多い。それにギャグらしきことも時々やっている。
戦闘員のブーツを一所懸命にひねっているアップの藤兵衛。だが、画面を引いてみると、脱げたブーツだけを懸命にひねっている藤兵衛だった・・・とか(笑えない)

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仮面ライダーストロンガー 8 [ライダーストロンガー・ドラマ]

第27話《改造魔人!デルザー軍団現わる》
原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;内田一作

〖荒わし師団長〗
〖鋼鉄参謀〗
〖ドクターケイト〗登場

【前回までの話は・・・デッドライオンとの対戦で手に入れたペンダントは、ブラックサタンの秘密を解くカギであった。それを使ってブラックサタン本部へ乗り込んだストロンガーは、大首領へ肉薄する。大首領の正体は、巨大なサタン虫であった。一方、自分の知らぬ所で暗躍する敵の存在を知った大首領は、逃げ場を失う。ストロンガーによって遂に大首領は倒され、ブラックサタンは壊滅した。だが・・・】


◆ブラックサタンに加担していた雇われ幹部のジェネラル・シャドウは、ライダーストロンガーに味方してブラックサタンを壊滅させると、自分の故郷である「魔の国」から不気味な一団を呼び寄せた。彼等は「デルザー軍団」と呼ばれる改造魔人の一団であった。

城茂はブラックサタンのアジトに集まり出した謎の集団を見かけ、そのあとをつけることにした。その集団の先頭には、ジェネラル・シャドウがいて、10人程の人数で断崖の道をある方向へ歩いていた。

彼等を追って洞窟へ入っていくと、岩盤に作られた鋼鉄のトビラがあった。
『物音は、確かにこのドアの中へ消えた・・・』

茂は思い切って肩からドアに当たり、ドアを開けたのだが・・・ドアの先は断崖絶壁で、茂はそこから転落して意識を失ってしまうのだった。

一方、岬ユリ子は、1時間も連絡が無い茂のことを心配していた。こちらから無線で呼びかけてみるも応答がないため、不安になっていた。だが藤兵衛は、ブラックサタンが滅びたことですっかり安心しきっており、昼寝でもしているのだろう、くらいにしか思っていないのだ。

新たに造ったアジトに集まったデルザー軍団の面々。ジェネラル・シャドウが言葉を発した。
『我が計画は見事に成功し、我々デルザー軍団はブラックサタンに取って代わることができた。まずこのことを、諸君と共に祝いたい』
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すると、シャドウのことを良く思わない人物が、言葉を返した。

『へっ、いつの間にかリーダー気取りだ!』
『何か言われたかな、荒わし師団長!』
『イヤ、別に・・・』

デルザー軍団に所属する改造魔人たちは、皆プライドが高い。スキあらば、いつでも自分がリーダーになろうと考えている連中ばかりなのだ。

『まぁ、いずれにせよ、ブラックサタンを倒した手柄は、認めなくちゃならないわね。そうでしょ、鋼鉄参謀・・・』

『ともかく、手柄話はそれぐらいにして、この後の計画を聞こう!ジェネラル・シャドウ。あなたの考えは?』

ドクターケイトは、シャドウの活動内容を素直に褒めたが、話を振られた鋼鉄参謀は気に入らないようだ。さっさと話題を変えてしまうのだった。

シャドウは、デルザー軍団が世界征服を遂げるためには、消さなくてはならない邪魔者が日本にいることを皆に告げた。

『ジョウシゲル。またの名を、仮面ライダーストロンガー』
『ヤツのことなら、俺たちはとっくに研究済みだ』

『俺たちをなんだと思っておる。遠い昔、散々人間どもを震え上がらせた魔人の子孫だぞ。電気パワーに負ける者など、一人もおりはせん!』

お互いに自分の力を自慢しあう改造魔人たち。そのことをどう思っているのか、シャドウはただ笑っていた。その時、鋼鉄参謀が言った。

『よし。オレが片づけてしまおう!』
『待て!ライダーストロンガーを倒した者には、何か得があるのか?』

荒わし師団長が、言葉をはさんだ。損得勘定しか頭に無い荒わし師団長は、自分にとって益になることしかしないのだ。シャドウは、答えた。
『そりぁあ、無論だ。デルザー軍団のリーダーになる資格があると思う・・・』

途端に、自分が一番にやると言い出して騒ぎ出す改造魔人たち。
『諸君!この際、一番先に名乗り出た鋼鉄参謀に、やっていただこうじゃないか!やっていただけますな、鋼鉄参謀?』

『よし。引き受けた!』
『それにはまず、ストロンガーをおびき出すことだ』
『その作戦は、明日を期して行う。期待していてもらおう!』

デルザー軍団の新しい基地を造るため、工事現場の作業員を襲う鋼鉄参謀とその配下達。作業員達を奴隷にして、死ぬまで働かせるつもりなのだ。
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電波人間の岬ユリ子は怪電波をキャッチしていたが、城茂との連絡は依然つかず、立花藤兵衛にそのことを連絡した。藤兵衛がジープを運転して、ユリ子と二人で怪電波の発信源を探すことにした。その途中で、血相を欠いて道路に飛び出してきた男と出会った藤兵衛とユリ子。

混乱している様子の男を落ち着かせると、男はこう言った。
『あなた方は、さっきの奴らの仲間じゃないのですね・・・』

男は、自分の作業場に突然恐ろしい連中が襲ってきて、作業員のほとんどは連れて行かれたか殺されてしまったと言った。黒いマスクをかぶった恐ろしい連中だと言って、今も震えあがっているのだ。

早く逃げようと言うその男・杉本を連れて藤兵衛はジープを走らせると、ユリ子は黒マスクの連中を探すために、藤兵衛とここで別れた。
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杉本が言っていた工事現場へユリ子が行ってみると、突然数本のチェーンがユリ子に飛んで来て体にまとわりついた。チェーンを引っ張りながらユリ子を取り囲む仮面の集団は、ブラックサタンでは無かった。

『お前達は誰?ブラックサタンじゃないわね!』
すると、巨大な鉄球を持った鋼鉄参謀が、土管の上に出現した。
『一体、何者なの?』
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『オレは、遠い魔の国からやって来たデルザー軍団のひとり、鋼鉄参謀だ!城茂の仲間というのは、お前だな。まず血祭に上げてやるから、覚悟しろ!』
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と、その時、行方不明だった城茂が現れた。
『デルザー軍団の鋼鉄参謀とか、言ったな。相手になってやる!』

だが、岬ユリ子が人質になっているので、不用意に手が出せない。だが、背の高い雑草に隠れて背後から近づいてきた立花藤兵衛が、仮面の戦闘員達をこん棒で引っ叩き、ユリ子を救出。茂はストロンガーに変身した。

鋼鉄参謀に果敢に挑むストロンガー、そして藤兵衛に助けられたユリ子もタックルに変身、藤兵衛を守りながら戦闘員達と戦った。鋼鉄参謀配下の戦闘員達は、銀色の仮面をかぶってチェーンを操る。背中合わせのストロンガーとタックルを囲んで、チェーンで二人を締め上げてしまう。

だが、ストロンガーのエレクトロ・ファイア攻撃によってチェーンに激しい電流が走り、戦闘員達は黒焦げになってしまった。
『さぁ来い、鋼鉄参謀!』

ストロンガーは、自信満々で鋼鉄参謀に向かっていく。必殺の電キックを鋼鉄参謀に見舞ったところ、軽々と弾き飛ばされてしまった。
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『う、うう・・・』
『ハハハハ・・・驚いたか!俺の体に電気パワーを加えれば、お前自身に逆流するのだ』

このままでは勝てないことを悟ったストロンガーは、タックルに藤兵衛を任せて、カブトローで逃げるしかなかった。ユリ子、藤兵衛と合流した茂は、ブラックサタンの比では無い強さのデルザー軍団の話をしていた。すると、ジェネラル・シャドウが、茂たちの目前に姿を現した。

デルザー軍団と戦い、その実力を知った茂に、シャドウは大人しく身を引くように忠告をしに来たと言う。
『断る!俺に命のある限り、どこまでも貴様たちと戦うぞ!』

シャドウは、自分の忠告を無視した茂に苛立った。ストロンガーに変身した茂に、「シャドウ分身」を使って攻めてきた。10人に分身したシャドウに対し、カブトキャッチャーで本物を見分けようとするストロンガー。だが、カブトキャッチャーでも、ふたりのうちのどちらが本物かは判らない。
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その時、鋼鉄参謀がやって来たため、分身術を解いたシャドウは、トランプカードに紛れて姿を消してしまう。鋼鉄参謀との戦いで、巨大鉄球がストロンガーを襲った。この強烈な一撃にストロンガーは崖下へ転落、城茂にもどったまま意識を失ってしまうのだった。
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荒わし師団長配下の戦闘員は、空を飛べる。鋼鉄参謀の動きを空から監視していた荒わし師団長は、この時を待っていた。崖下に転落して気を失った城茂を、チェーンで巻いたまま吊り上げて、空高く飛んで行ってしまうのだった。
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『荒わし師団長!何をする?』
『この獲物は、ワシが預かっていく!』
『おのれ、荒わしメ!・・・』(つづく)


★★★★★★★★★★★★
ブラックサタンの様に、大幹部が怪人と戦闘員を操って活動するパターンと、デルザー軍団の様に、個々の怪人が幹部で、戦闘員を操って活動するパターンがある。仮面ライダー1号2号、V3、X、アマゾンは、ブラックサタン型であった。首領も居ず、力ある者がリーダーになるという形が面白いが、それは同時に、仲たがいは必至ということでもある。そこがヒーローの狙い目だ。

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仮面ライダーストロンガー 9 [ライダーストロンガー・ドラマ]

第28話《あっ!ストロンガーがこなごなに?!》
原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;内田一作

〖荒わし師団長〗
〖鋼鉄参謀〗  登場


【前回までの話は・・・ ブラックサタンよりも強大な敵・デルザー軍団が出現した。ジェネラル・シャドウはデルザー軍団の一員であり、ストロンガーを倒した者がリーダーになる資格があると言ったシャドウの言葉に、軍団の改造魔人たちは打倒ストロンガーに燃える。先頭を切って鋼鉄参謀がストロンガーを見事に倒したが、横取り目的の荒わし師団長は配下の者に空から監視させ、戦いに敗れ気を失った城茂をまんまと連れ去ってしまう・・・】

◆鋼鉄参謀の巨大鉄球の一撃を食らい、気を失ってしまった城茂。待ってましたとばかりに空から降りてきた荒わし師団長とその配下の者は、城茂を空へと連れ去ってしまうのだった。
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しばらくして気がついた城茂だが、チェーンが身体に絡んで身動きが出来ない。何とかしようと身体を動かしたところ、荒わし師団長が気付いた。
『じたばたするな、俺はデルザー軍団きっての強者、荒わし師団長だ。諦めて静かにしていろ!』
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茂の体は、鋼鉄参謀との戦いで電気エネルギーを使い果たして変身が出来ない状態であった。だが、向こうの方に雷雲が広がっていた。荒わし師団長は雷雲を避けて飛ぶつもりだが、茂はこの雷雲から電気エネルギーを吸収するつもりであった。

身体を揺らして暴れる茂。だんだんと高度が下がり、荒わし師団長は雷雲に入ってしまった。
『エレクトロ・チャージ!』
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雷雲の電気エネルギーを吸収して、茂はストロンガーに変身することができるようになった。反転キックを浴びた荒わし師団長は、ストロンガーを放りだして逃げて行くのだった。

地上へ着地したストロンガーに、鋼鉄参謀と配下達が襲ってきた。
『荒わし師団長の手から、どうやって逃げた?今度は逃がさんぞ!』

巨大な鉄球で、またストロンガーをぶちのめそうとする鋼鉄参謀。ストロンガーは、鋼鉄参謀の体が重いことを利用しようと考えた。崖っぷちへ追い詰められ後がないフリをしたストロンガーは、ジャンプして鋼鉄参謀と位置を入れ替えると、キックして突き落としてしまった。

だが、十数メートル崖から落下したものの、その程度のことで参る鋼鉄参謀ではない。ストロンガーは電キックでとどめを刺そうするが、再び跳ね返されてしまうのであった。
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『ムハハハハ・・・オレの体に電気パワーを加えれば、直ちにおまえ自身に逆流すると言ったのを忘れたのか!』

新しい攻略法を考えつくまでは自分に勝ち目が無い事を思い知ったストロンガーは、カブトローを呼んで逃げるほかはなかった。だが、カブトローにまたがった上から網をかぶせられ、体の自由を奪われてしまうストロンガー。もがけばもがく程、絡みつく網。
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そこにまたしても荒わし師団長が現れ、網をつかんで空へ飛んで逃げて行くのだった。
『鋼鉄参謀、ストロンガーはもらっていくぞ!』
『貴様、またしても俺の獲物を!・・・』

アジトへ帰った鋼鉄参謀は、ジェネラル・シャドウに訴えた。二度も自分の倒した獲物を横取りされた鋼鉄参謀の怒りは、怒髪天を衝くものがあった。だが、シャドウは言う。
『力の強い者が勝つ。それが我らデルザー軍団の掟だからな・・・』

シャドウにしてみれば、手柄争いが激しくなるほど、ストロンガーは早く片付くとみていた。仕事がやりやすくなるわけだ。

荒わし師団長のアジトへ連れて行かれたストロンガーは、網に捕らわれたまま吊るされていた。
『その網は、電気を通さない絶縁体で出来ているのだ。いくらあがいても、何の効果もないぞ』
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ストロンガーは、相手に強力な電気エネルギーを通すことで敵をやっつけてきた。絶縁体の網に包まれていては、手足をもがれたも同然だった。
『卑怯者メ。俺を殺したければ、網から出して勝負してみろ!その度胸もないのか!』

ストロンガーは荒わし師団長を挑発するが、荒わし師団長は自分の頭を指差して、ここで勝負する主義だと言いのけた。そして、ストロンガーをどんな方法で殺そうかと考えているのだった。

そこへ、怒りが収まらない鋼鉄参謀が、荒わし師団長のアジトへやってきた。
『これは鋼鉄参謀・・・突然何の用だ?』

『しらじらしい事をいうな!俺が捕らえたライダーストロンガーを横から盗んでいったのは、どこのどいつだ!』

『人聞きの悪い事を言ってはいかん。ストロンガーは我らデルザー軍団、共通の敵。誰が捕まえようと殺そうと、文句はあるまい!』

しかし、ストロンガーの命には、デルザー軍団のリーダーの地位がかかっている。誰が殺したかが、一番大事なのだ。

『一番槍を付けた、この俺のものだ。返せ!』
『イヤだと言ったら?・・・』

二人は、一触即発の状態であった。だが、荒わし師団長が突然手を引くと言い出した。網にかかってぶら下がったままじっとしているストロンガーを前にして、荒わし師団長は素直になった。
『同士討ちしても始まるまい。獲物は最初の矢の射手のもの・・・お返ししよう』

二度も横取りされた鋼鉄参謀は怪訝に思いながらも、網の中でじっとしているストロンガーをアジトから運び出すと、崖の上から宙づりにして処刑しようとしている。

『どうした?!恐ろしくて声も出んか!俺は荒わし師団長とは違う。ひとおもいに、楽に死なせてやるわ!』
自慢の巨大鉄球をブンブン振り舞わす鋼鉄参謀。その様子を遠くから見ている者がいた。
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立花藤兵衛と岬ユリ子であった。網の中でジッとしているストロンガーに、遠心力で猛スピードが付いた鉄球がぶつかっていく。
『ああ、もう見ちゃおれん!』
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次の瞬間、ストロンガーの体はバラバラに吹き飛んでしまった!それを見ていたユリ子は、ショックで気を失ってしまう。だが、鋼鉄参謀がストロンガーの死体に近づいてバラバラの体の一部を拾い上げると、悔しそうに地面に叩きつける様子を見て、藤兵衛は気付いた。

頬を叩いてユリ子を起こすと、あのストロンガーは人形だったことを教える藤兵衛。
『すると・・・本物はどこだ?』

二人は茂を探しに、その場をそっと離れていった。鋼鉄参謀の怒りは最高潮に達した。荒わし師団長は、アジトに鋼鉄参謀たちが近づいて来ていることを知り、網に捕まったニセのストロンガーを用意したのだった。

本物のストロンガーを前にして、悔しがっている鋼鉄参謀の様子を想像している荒わし師団長は、大笑いしていた。そして、本物のストロンガーを処刑する場所を滝つぼに決めた荒わし師団長は、絶縁体の網に捕らわれたままのストロンガーを滝つぼへ放り込んでしまおうとする。

ストロンガーは考えた。絶縁体といえども、水が染み込めば通電するのではないか。突き落とされる前に、50メートルは落差がある滝つぼへ自分から落ちて行くストロンガー。思った通り水中で電気を流すと、絶縁体の網は爆発を起こしてこなごなになった。

自由の身になったストロンガーは、水中を泳いでその場から去っていった。茂を探して滝つぼの近くまでやって来た藤兵衛とユリ子は、荒わし師団長達に発見されてしまう。二人が襲われていたその時、城茂が現れた。変身してストロンガーになると、荒わし師団長に決戦を挑む。
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ユリ子もタックルに変身し、藤兵衛も一緒に戦った。やはり電パンチも電キックも、荒わし師団長には通用しない。だが、水中に引きずり込んでエレクトロファイアを見舞うと、荒わし師団長は叫び声を上げながら大爆発してしまうのだった。

アジトで占いをしていたジェネラル・シャドウは、並べられたカードの中からスペードの9をめくり、荒わし師団長の死を知った。薄笑いを浮かべながら、シャドウは考えていた。
『さて、鋼鉄参謀の対抗馬に誰をだすか・・・』(つづく)

特撮ファミリー・2http://zarabkemul.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306128493-1へ続きます


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ブラックサタンの様に、大幹部が怪人と戦闘員を操って活動するパターンと、デルザー軍団の様に、個々の怪人が幹部で、戦闘員を操って活動するパターンがある。仮面ライダー1号2号、V3、X、アマゾンは、ブラックサタン型であった。首領も居ず、力ある者がリーダーになるという形が面白いが、それは同時に、仲たがいは必至ということでもある。そこがヒーローの狙い目だ。

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