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ウルトラセブン(9)  ~破滅の道を選ぶのは地球人か、ガッツか。これが我々の最後の作戦だ! [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第40話『セブン暗殺計画(後篇)』を取り上げます。
監修;円谷英二  
脚本;藤川桂介
監督;飯島敏宏  
特殊技術;高野宏一

◆地球侵略を狙うガッツ星人は周到な計画を立て、ついにウルトラセブンを倒して十字架にかけることに成功、夜明けとともにセブンを処刑すると通告してきた。
一方、宇宙ステーションの回路を使った謎の発信音を傍受した警備隊は、新たな脅威かと疑心暗鬼になりながらも、その発信音の解読に取り組んでいた。
ダンは行方不明、ソガは負傷し、防衛軍の武器では太刀打ちできない。セブンの処刑時刻が刻一刻と迫る中、ガッツ星人に対して戦う術はあるのか。セブンを救出する方法はあるのか・・・。



宇宙ステーションの回路を使った謎の発信音は、途中で妨害されてしまった。直ちにアマギに、分析解読するよう命じたキリヤマ隊長。妨害電波の出ている場所が泉ヶ丘であることを突き止めた警備隊は、泉ヶ丘にガッツの拠点があるのではないかと見当をつけた。

一方で謎の発信音はセブンの脳髄から出ているものであったことが判明し、一同は喜ぶ。
『セブンは生きていたのか!』

身体を動かすためには、マグネリュームエネルギーが必要だとセブンは言ってきているが、まだ世界のどこでも合成に成功していない。しかもマグネリュームエネルギーを合成するためには、アフリカ原産のダイモード鉱石が必要で、なかなか手に入らない代物であった。

それを探すだけでも大変時間がかかるだろうと、タケナカ参謀が眉をひそめる。と、その時、アマギとアンヌが顔をほころばせて、フルハシの方を見た。フルハシの妹の友人である夏彩子が、アフリカ・ラリーに参加した折に、原住民からもらった宝石の一部を送ってくれたことを思い出したのだ。

フルハシの部屋にあったダイモード鉱石の片割れを使って、早速実験が行われた。硬度7、硬度8、硬度10の板を破壊することに成功、もし硬度15の板が割れれば、マグネリュームエネルギーに劣らないエネルギーを確保したことになる。しかし運命の一撃は、板を割るには至らなかった。
『そうだ、大丈夫ですよ。半分は夏君が持っているはずだから・・・』

レース場。練習から戻ってきて車を降りる夏彩子。胸には青い石の付いたペンダントをしている。疲れて戻ってきた夏を、足音がつけてくる。ガッツ星人はセブンの暗号を解読して、夏を襲ったのだった。フルハシとソガが夏彩子の控室へ着いた時は、すでにガッツ星人に襲われた後だった。
『隊長、ガッツに先を越されたようです・・・』

ガッツ星人に連れ去られた夏彩子を、ポインター号で捜索するソガとフルハシは、道端に倒れている夏を発見する。練習中はイミテーションをしていることを明かす夏。夏彩子の持っていた残りのダイモード鉱石を使って実験をする警備隊員たちは、見事に硬度15の板を割ることに成功する。
『破滅の道を選ぶのは地球人か、ガッツか。これが我々の最後の作戦だ!』

十字架にかけられたセブンが空に浮いている。ホーク1号で出撃した警備隊は、セブンの額にあるビームランプめがけて、名手ソガがマグネリュームエネルギーを発射する。が、手ごたえが無い。ガッツ星人の宇宙船からミサイル攻撃を受け、ホーク1号の右翼が被弾した。

安定が保てないホーク1号をフルハシは何とか操縦し、もう一度ソガがビームランプを狙う。するとセブンの姿が幻のように消えてしまった。空にあったセブンが偽物であったなら、本物のセブンはどこにいるのか。ダイモード鉱石をめぐって数時間が経過し、夜明けまであと1時間しかない。

警備隊は夏彩子を囮にして、ガッツ星人の本拠地を探る手段に出た。案の定、夏の車を襲いに来たガッツ。そのあとを尾行するポインター号のフルハシ。泉ヶ丘方面に向かっていることが判り、キリヤマ隊長達はマグマライザーで出撃、フルハシはガッツの円盤を撃破して夏彩子を救出した。フルハシは、泉ヶ丘西方の崖で十字架にかけられたセブンが横たわっているのを発見する。

マグマライザーが泉ヶ丘に到着、ソガがセブンのビームランプを狙って発射したマグネリュームエネルギーは、みごとセブンを甦らせた。両手が動き、目が光り、ビームランプが緑色に光る。息を吹き返したセブンは捕らわれていた十字架を破壊すると、まずセブンを処刑に来た円盤3機を破壊する。

太陽に身体を向けてエネルギーを吸収すると、ガッツの母船に向かって、アイスラッガーの数十倍の威力があるウルトラノックで攻撃、母船は大爆発を起してガッツ星人の野望はここに潰えた(ついえた)のであった。  (おわり)


★★★★★★★★★★★★
台本では、謎の発信音の解読風景が描かれている。分析室内でソガとアマギがテープを操作して解読する様子が書かれている。

ダイモード鉱石をフルハシが持っていることを思い出させるシーンで、アマギとアンヌの会話は台本にはなく、あとから付け足されたものである。台本ではフルハシが『ちょっと待ってくださいよ』と、自分で気付くことになっていた。

フルハシが、夏彩子のペンダントがイミテーションだったことを知って、大声で笑ってから「シーッ、聞かれたかな?」とボケるシーンは、台本には無い。アドリブか?

(一番の違い)
セブンを探すために、夏彩子を囮にしてガッツ星人をおびき出す場面。台本ではガッツに襲われた時の為に、独断でフルハシが夏彩子の指輪に発信機を付けておく。レース場方面から泉ヶ丘へ急に進路を変えた夏彩子の車を変に思いあとを追うが、ガッツ星人は夏彩子を車ごと崖から落としてしまう。愕然とするフルハシの目の前に、磔状態のセブンを発見する。最終的に夏彩子は、大怪我で済んだ様であった。

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ウルトラセブン(10)  ~防衛軍の開発した高性能火薬スパイナーの運搬という危険な任務を遂行するダンとアマギ [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第28話『700キロを突っ走れ!』を取り上げます。

侵略者は、地球防衛軍の開発した高性能火薬スパイナーの輸送を妨害してきた。そこでウルトラ警備隊に実験用スパイナーの輸送命令が下る。だが敵の目を欺いてスパイナーをどう運ぶか。ウルトラ警備隊の出した結論は、ラリーに紛れて輸送するという計画だった。ニトログリセリンの数百倍の破壊力を持つスパイナーの輸送はまさに走るダイナマイト、恐怖のレースだ。7号車として出場する恐怖のラリーレースが、これから始まろうとしていた・・・。

監修;円谷英二  
脚本;上原正三  
監督;満田かずほ  
特殊技術;高野宏一


◆今日は非番のダンとアンヌ。映画を観たり遊園地で遊んだり。サハラ砂漠ラリーのニュース映画を観て、アフリカ大陸横断ラリーに思いを馳せるダン隊員は、遊園地でコーヒーカップに乗りながら、アンヌ隊員にそんな話をしていた。

地球防衛軍が開発した高性能火薬スパイナーを実験場へ空輸する途中、何者かの妨害が入り、飛行機は破壊されてしまう。マナベ参謀は、スパイナー輸送任務をウルトラ警備隊に命令した。空も海も輸送路の確保に一長一短あることが分かり、良いアイデアはないものかマナベ参謀は思案していた。

ダンが一言、「グッドアイデアがあります」と提案したのが、ラリーに紛れて運ぶという手段だった。
キリヤマ隊長は、ダンとアマギを輸送要員に選ぶ。ラリー7号車で、700キロを突っ走る死と隣り合わせのレースが開始された。通過ポイントで故障した3号車を追い抜いて、順調に走る7号車。

途中で3号車が凄いスピードで抜いていくと、前方で大爆発を起す。どうやら地雷を踏んだらしい。追い抜いたために、自分たちの身代りに敵の地雷を踏んでしまったのだった。爆発現場でダンとアマギがマシンガン攻撃を受け、敵の狙いが7号車であることがはっきりした。

敵の一人をやっつけたが、もう一人は逃げてしまう。敵は1号車だ。アマギは爆発を異常に怖がる性格だった。少年時代に体験した花火工場の爆発事故が、アマギをそうさせてしまっていた。ダンに告白したアマギだったが、ダンは任務を最後まで遂行するよう促す。

夜になって1号車が止まっている場所に出くわす。森の奥深くへ入って行くと、そこにはキャンプファイヤーをしているキリヤマ隊長たちがいた。
『バカ者、なぜ車を離れた!』

キリヤマ隊長に叱られてすぐに車へ戻ってみると、トランクの中のスパイナーに時限爆弾が仕掛けられていた。時限装置を外すように命令されたのは、爆弾恐怖症のアマギ隊員だった。「できません」と命令に逆らうアマギに平手打ちをして、「時間が無い、早くやれ!」再度命令するキリヤマ隊長。

ダンに励まされ、アマギはついに起爆装置を外すことに成功する。翌朝、アマギはフルハシと交代するようにキリヤマ隊長に言われると、
『あと100キロです。任務を遂行させてください!』

昨夜の爆弾の一件で自信をつけたアマギの、力強い言葉が返ってきた。出発早々、謎のヘリコプターが出現し、7号車は天井に気球を付けられて、上空高く舞い上がってしまう。それを見ていたキリヤマ隊長は、ソガに気球を撃つよう命令する。気球は破裂し、7号車は地上へ向けて落ちていく。

だが敵に襲撃された時の為に付けておいた特殊装置が役に立つ。地面へ激突する直前でホバークラフトのように浮き上がり、7号車は無事に着陸する。

こうして実験場まで無事に運搬することに成功したダンとアマギ。だが本物のスパイナーは、キリヤマ隊長たちの乗っていたジープに積んであったのだ。ラリー車は囮(おとり)だ。
『敵を欺くには、まず・・・』

キリヤマ隊長の目的は、敵の目を誤魔化すことと同時に、この任務を遂行させることでアマギの臆病を治してしまおうとする親心もあったのだ。
『隊長、ありがとうございます!』

早速スパイナーの実験が行われることになった。が、そこに恐竜戦車が突如出現し、スパイナーをくわえてしまう。スパイナーの設置作業をしていた者達が、置き去りにされて危ない。ダンは彼らを救出するため、ウルトラセブンに変身した。だが恐竜戦車のしっぽがセブンを容赦なく叩きのめす。

セブンのビームランプが点滅をはじめた、もうエネルギーが残り少ない。セブンは後ろに回り込んでスパイナーを吐き出させると、恐竜戦車がスパイナーの上を通る直前に、スパイナー目がけてフィンガーショットを撃った。恐竜戦車は大爆発を起して粉々に破壊された。

ウルトラ警備隊の任務は厳しい。大きな勇気とたゆまぬ努力が必要だ。アマギ隊員も立派に任務を遂行した。これからも恐ろしい敵は次々と現れるだろう。だが我々がウルトラ警備隊魂を持ち続ける限り、地球の平和は守られるに違いない。  (おわり)


★★★★★★★★★★★★
台本との一番大きな違いは、ラリーに出場する選手がアマギではなくフルハシである点だ。豪放磊落な性格のフルハシである、花火事故による臆病な性格を治すという部分は、台本には無い。時限爆弾を解除する役はアマギではなくダンであり、フルハシは電燈を照らす役目をしている。

台本では恐竜戦車の恐竜部分は特殊金属でできていることになっており、アイスラッガーを受け付けない。満田監督が台本に無いアマギをメインに使ったことで、敵の目を欺いたという部分以外に、キリヤマ隊長のリーダーとしての資質の素晴らしさも強調されたと思う。

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ウルトラセブン(11)  ~セブンはもうすぐ地球人の敵になるのよ! [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第46話『ダン対セブンの決闘』を取り上げます。

謎のサロメ星人が科学力を結集して造り上げたロボットウルトラセブン。その実力は本物のセブンも倒す力があるという。伊良湖岬一体で暗躍するサロメ星人の情報を追って、ウルトラ警備隊はダン、フルハシ、アンヌを潜入捜査に投入するが・・・。

監修;円谷英二  
脚本;上原正三・市川森一  
監督;鈴木俊継  
特殊技術;大木 淳

◆伊良湖岬一帯に怪現象が頻繁に起こっているとの情報に基づき、海と陸の両面から原因を追求することになった防衛軍は、ダン・フルハシ・アンヌの3人を潜入捜査のため現地に派遣した。問題の女が水中翼船に乗って現れると、赤いスポーツカーに乗り変えてどこかへ突っ走って行く。ダンとアンヌはそのあとを追う。

一方、海底からの捜索をしていたハイドランジャーは、何者かのミサイル攻撃を受けて撃沈されてしまう。プールサイドでくつろいでいる女を監視しているダンとアンヌ。女はそのふたりにニヤリと笑うと、腕時計を置いたまま逃走する。

ダンはアンヌに基地への連絡を頼むと、自分は女のあとを車で追う。伊良湖岬灯台付近で女の車を見失ったダンは、怪しい灯台に侵入しようとしてワナにはまり、気絶してしまう。

灯台の地下は、巨大な海底工場になっていた。気が付いたダンはサロメ星人の男と女に促されて、工場で造っている物を見せられる。そこでダンが見たものは、なんと「ウルトラセブン」だった。サロメ星の科学力を結集して造り上げたロボットセブン。だが足りないものが一つだけあった。ウルトラビームだ。

トークマシンを使って、ダンにウルトラビームの秘密を吐かせようとするサロメ星人たち。マスクを付けられスイッチが入ると、しばらくは抵抗していたダンだったが、やがて無意識に言葉が出てくる。
『M2SH3GWFB1』

ダンから聞き出したウルトラビームの秘密を、ロボットセブンに取り付ける作業が開始される。やがてビームランプが点滅をはじめると、海底工場を飛び出したロボットセブンは、伊良湖岬に集まっていたウルトラ警備隊に空から攻撃を開始した。急いでウルトラホークへ乗り込むウルトラ警備隊員たち。

一方、仕掛けた時限爆弾で海底工場もろともダンを吹き飛ばそうとするサロメ星人は、水中翼船型円盤で海中から空へ飛び出すと、ニセウルトラセブンを見てご満悦だ。ホーク1号は水中翼船型円盤を攻撃するが、ニセセブンにエメリューム光線を受けて撃墜されてしまう。

ダンの命は、風前の灯だ。ウルトラアイは隊員服と共に車の中にあり、両手足は縛られて動くことができない。迫り来る爆発時間、だがダンは落ち着いて考えをめぐらす。そしてズボンのポケットにあるライターを使って、腕輪を焼き切り、なんとか自由になることに成功する。間一髪、脱出に成功したダンは、泳いで海岸までたどり着いた。

ダンはウルトラアイを着眼するまでの間、カプセル怪獣アギラをニセセブンに立ち向かわせた。だが、アギラは、自分のご主人様であるウルトラセブンに殴られ蹴られて戦意喪失、岩場へ隠れてほおづえをついて考え込んでしまう。その頃、ダンはようやく灯台付近に乗り捨てた自動車にたどり着き、制服の胸ポケットからウルトラアイを取り出すと、セブンに変身した。

ウルトラ警備隊の目の前にふたりのセブンが出現、セブン対ニセセブンの対決が始まった。アイスラッガー対アイスラッガー、ビーム対ビームの対決でひけを取らないニセセブン。空へ飛びあがったセブンとニセセブンは、空中でぶつかり合って海へ落ちていく。

しばらくして、大爆発と共に巨大な水しぶきが上がると、一人のセブンが泳いでくる。だが本物かニセモノか、ここからでは判らない。やがて水中翼船型円盤の横を通り過ぎていくと、攻撃してこないセブンに安堵し、中に乗っていたサロメ星人たちは喜んだ。
『もうこれで、世界は我らのもの・・・』

だが直ぐにセブンはUターンしてサロメ星人の円盤を遠方まで運んでいくと、大きな火柱が上がり、そのあと大音響が響いてきた。
『セブンは勝ったんだ!俺たちのセブンだ!』

アマギ隊員が大声で叫ぶと、飛んで戻ってきたセブンは、ウルトラ警備隊へ右手で敬礼するのだった。  (おわり)


★★★★★★★★★★★★
台本では、キリヤマ隊長が灯台の階段に仕掛けられたバリヤーを察知して一旦退却すると、一同はポインター号を使って海中へもぐる場面が書かれている。海中を捜索していると、海底工場から出現したニセセブンをポインターは見かけるが、そのポインターをニセセブンが襲ってくる。海中でハンドルを切って、なんとか逃れるポインター。

その様子を縛られたダンもサロメ星人と一緒に画面で見ている。やがてダンを置いて、サロメ星人たちは工場に時限爆弾を仕掛けて脱出する。ポインターは陸へ上がり、ニセセブンにロケット弾を発射するが歯が立たないので、ポインターを捨ててホークへ乗り換えるウルトラ警備隊たち。ポインターはビーム光線により破壊されてしまい、ここからはホーク1号で戦闘する場面になる。

セブン同士の戦いでは、空中戦になり二人とも海に没するが、そのあと一人のセブンが海から上がってきて水中翼船型円盤を手のひらに乗せる。勝ち誇ったサロメ星人だったが、手のひらの中で円盤は握り潰されていくという場面がある。首より下を見ないとどちらが本物か判らないから、決着がついてどちらが勝ったのかわからないというシーンでは、体が海に沈んでいて見えない方が演出上いい。台本どおりよりも映像になった方が、より良いシーンになったと思う。

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ウルトラセブン(13)  ~どうもね、嫌な予感がするんだよ。何か一大事が起こりそうな気がするんだよ・・・ [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第11話『魔の山へ飛べ』を取り上げます。

監修;円谷英二  
脚本;金城哲夫  
監督;満田かずほ  
特殊技術;的場 徹

◆岩見山で頻々(ひんぴん)として起こった若者たちの謎の遭難事故。犠牲者はすでに26名に上っていた。どの死体にも外傷は無く、死因は不明であった。この謎の遭難事故を解明するために、ダンとソガに岩見山一帯の予備調査の命令が下る。現場へ向かうホーク3号の中で、黙りこんでいるソガ。

ダンがソガに問いかけると、
『どうもね、嫌な予感がするんだよ。ダン、今日はどういう日だか知ってるか?13日の金曜日・・・何か一大事が起こりそうな気がするんだよ』

『一大事って?』
『つまり一大事さ・・・』
『ハハハハハハ・・・』

そんなの迷信でしょうとでも言いたげに、ダンは笑った。現場に着くと、二手に分かれて放射能測定調査から始めたダンとソガ。岩陰から、ライフルのような形の物がダンを狙っていた。そしてシャッター音と共に、パタッと倒れるダン。

ウマの嘶き(いななき)が聞こえて、男がウマに乗って去っていくのを見かけるソガ。男がいたあたりに拍車(馬に乗る時に靴のかかとに取り付ける金具)が落ちているのを見つけると、その先にダンが倒れていた。胸に耳を当てて心音を確かめるソガ・・・。
『おいダン・・・、ダン、ダーン!・・・』

至急本部へ運ぶも、ダンの死亡が確認され、号泣するソガ。
『申し訳ありません。自分が付いていながら・・・』

静かに涙を流すフルハシとアマギ。キリヤマ隊長は防衛軍全体の士気に影響が出ぬよう、ダンの死を伏せておく命令を出す。ダンの死を無駄にしないためにも、我々の手で必ず敵を倒すと宣言するキリヤマ隊長。
『いいか、これはダンの弔い合戦だ!』

手がかりはソガが拾った拍車だ。岩見山牧場の牧童たちに拍車を見せると、数日前から行方のわからないユキムラ青年のものであることが判明した。群馬県警からの連絡で、岩見山の三合目付近にある洞窟で怪音がしているとの情報が入る。

県警2人とキリヤマ、ソガ、フルハシがその洞窟へ入って行くと・・・、警官が一人、また一人、急に倒れてしまう。物音のする方向に、三人の銃器が一斉に火を噴いた。銃器が止んでしばらくすると、宇宙人が姿を現してはすぐに消えた。

宇宙人のいたあたりには、ライフルのような形をした機械が落ちていた。ソガを洞窟の見張りに残し、キリヤマとフルハシはこの機械の正体を調べるために本部へ戻った。アマギの報告で、この機械が「命を吸い取るカメラ」であることが判明する。

しかもカメラによって吸い取られた命は、フィルムの中で生きているという。フィルムをモニターしてみると、モロボシ・ダンや他の被害者たちが、もがきながら生きている様子がスクリーンに映る。一方その頃、三合目の洞窟内では、ソガと姿を消したワイルド星人が話し合いをしていた。

ワイルド星人はみな年老いて滅びようとしているので、どうしても地球人の若い生命が欲しいのだという。そんな勝手な言い分の為に人間の命は一人たりとも渡すことはできないと、ソガは拒否する。するとワイルド星人は光線を発し、それを浴びたソガは動けなくなってしまう。ワイルド星人に操られたソガは、生命カメラのフィルムを三合目洞窟へ持ってくるように、本部のキリヤマ隊長へ連絡した。

その頃アマギと研究員たちは、カメラを扱っていて、偶然に肉体と生命とを合体させる方法を見つける。モルモットで実験を重ね、遂にモロボシ・ダンを生き返らせることに成功する。ソガの様子がおかしいことに気付いたキリヤマ隊長は、フィルム缶だけを持って三合目の洞窟内へと入って行く。

ワイルド星人は、予想通り気を失ったソガとフィルムとの交換を要求してきた。カラのフィルム缶を渡してソガを受け取ると、ソガを担いで急いで洞窟の外へ出ていくフルハシ、キリヤマ。騙されたことに怒ったワイルド星人は、怪獣ナースを呼び寄せた。稲妻に紛れて数日前に地球に侵入していたのだった。

洞窟の外へ逃げてきたキリヤマたちに、円盤に姿を変えた怪獣ナースが攻撃を仕掛けてくる。ナースに向かって走っていくワイルド星人を見つけたソガは、狙撃する。
『ダンの仇だ!』

燃え上がるワイルド星人。円盤になって空を飛び回るナースに、ウルトラセブンが飛んで来て挑む。円盤状態を解いて長い身体をセブンに巻き付けたナースは、強力な力でセブンを締めつける。だがセブンが腕ごと身体を開くと、ナースはバラバラに四散してしまった。

遠くからウマの走る音がすることに、ソガが気付く。近づいてくる馬のヒヅメの音。
『ダンじゃないか! 助かったのかダン。この野郎!』

キリヤマ隊長に、被害者全員を救出したという連絡がアマギから入る。ダンがアマギに言う。
『おかげで命を取り留めることができました。まさに命の恩人です。ありがとう』

『命は自分だけの一度きりのものだ。そうたやすく宇宙人なんかにやってたまるか、なぁ!』
キリヤマ隊長は、ダンや皆を見て笑った。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
台本と映像とで、大きな違いは無い。ほぼ台本通りの展開である。
この11話でアマギはダンの命を助け、文字通り命の恩人になる。そして最終回。今度はアマギがゴース星人の捕虜になり、星人の秘密基地をたたくために、アマギを犠牲にして爆弾を積んだマグマライザーで突っ込むという話をビデオシーバーで見ているダン。11話で受けた恩に対し、最終回で動かない身体に鞭打ってアマギを助け、恩返しを果たすダン。
『アマギ隊員がピンチなんだよ!』
どちらの回も、金城哲夫氏の脚本である。

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ウルトラセブン(14)  ~あっクラタ。この悪党! オー、モグラめ。元気か! [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第13話『V3から来た男』を取り上げます。
監修;円谷英二  
脚本;市川森一  
監督;鈴木俊継  
特殊技術;高野宏一

◆地球から数キロ離れた宇宙空間には、侵略者の侵入を水際で食い止めるべく、宇宙ステーションV3が昼夜を欠かさず監視を続けている。

今正体不明の宇宙船がこの領域に侵入し、ステーションパトロール隊との間で戦闘状態に入っていた。3機のステーションホークが出撃したが、いずれも帰還しなかったことは、地上の防衛軍基地にも連絡が入った。

マナベ参謀がキリヤマ隊長を呼んで、この情報を伝えた。
『隊長のクラタ君は、君の友人だったはずだが』
『は、士官学校以来の親友で、優秀なヤツでした』

キリヤマ隊長は思った。あいつはきっと生きているに違いないと。その頃、宇宙船は戦闘で燃料を切らし、燃料補給の為に地球に侵入していた。ステーションホークでただ1機残ったクラタ隊長機は、ホーク1号からの呼びかけに対し、無線機をやられて応答することができなかった。

ホーク1号は横に並んで乗員のクラタ隊長と他1名を確認するが、その直後に両機は地上に隠れていた宇宙船の攻撃を受け、ホーク1号は尾翼を攻撃されて不時着していった。ステーションホークも撃墜は免れたが自由が利かなくなり、死亡した部下を座席に残してクラタは脱出した。

防衛軍基地へ着いたクラタは、作戦室でキリヤマ隊長と再会を果たす。
『あっクラタ。この悪党!』
『オー、モグラめ。元気か!』

宇宙船を追ってきたがホーク1号もステーションホークも撃墜されたことを話すと、地上基地では宇宙船の侵入をキャッチしていなかったばかりか、ホーク1号遭難の情報も知らずにいた。一方、ホーク1号に乗っていたフルハシとアマギはアイロス星人に捕らえられ、カプセルに閉じ込められていた。

アイロス星人は、ふたりの人体をコピーして作ったニセのフルハシとアマギに、防衛軍基地から固形燃料を奪うよう指令を出した。防衛軍に戻った二人を見て無事生還を喜ぶキリヤマ隊長だったが、精気の無い二人の様子を変に思った男が二人いた。一人はモロボシ・ダン、もう一人はクラタだった。

ダンは、様子がおかしい二人の後を追って、燃料室へ入って行くのを確認する。固形燃料を運び出そうとしたふたりとダンは銃撃戦になり、二人はダンに射殺されてしまう。騒ぎを聞いて駆けつけたキリヤマ隊長の目の前で、死体のフルハシとアマギは影のように黒くなって消えてしまう。

クラタはその一部始終をドアに隠れて見ていた。
『モロボシ・ダン。やるな!』

キリヤマ隊長は、拉致された二人を返せば燃料を渡すという交換条件を、アイロス星人に出す。アイロス星人側に有利な条件を出され、部下の命には代えられないと合意するキリヤマと、逃がすものかと攻撃しようと言うクラタは、意見がぶつかり合う。

しかし、猶予は30分しかない。ホーク3号に固形燃料を積んで、約束の場所へキリヤマは一人で飛んだ。クラタはキリヤマが心配でならない。作戦室内でウロウロしていると、ソガは彼の心を読んで出撃を促すような進言をする。クラタも出撃を決意する。急ぎエレベータに乗って下降ボタンを押すと、マナベ参謀が乗っていた。

マナベ参謀も心中は同じだった。ホークに乗るために必要なカギを、クラタは渡される。
『キリヤマを守ってもらいたい・・・ヤツは良い友人をもって幸せだ』
『ありがとうございます!』

クラタはマナベ参謀に、直立して最敬礼するのだった。クラタ隊長がホークで出撃したことを知り、自分達もとソガに訴えるダン。「あ、そう」とトボけていたソガだったが、ダンと共にポインター号で出撃する。

アイロス星人はホーク3号のキリヤマに固形燃料をパラシュートで落とすよう指示を出すと、ロボットアームで燃料を回収した。宇宙船は捕虜になっている二人を渡すフリをして、ロケット弾攻撃を仕掛けてきた。急上昇して攻撃をかわすホーク3号。

そこにホーク1号のクラタが到着、親友二人はアベック攻撃を宇宙船に仕掛ける。地上から宇宙船に近づいて攻撃をするダンとソガ。ソガの負傷で、ダンは宇宙船の近くまで行きウルトラアイを着眼、セブンになって宇宙船内のフルハシとアマギを救出する。

宇宙船からアイロス星人が出現すると、宇宙船は空へ上昇していく。その宇宙船をホーク1号と3号が迎撃する。セブンに救出されたフルハシとアマギはソガと合流、宇宙船から脱出したセブンは巨大化してアイロス星人と対峙する。

アイロス星人にはアイスラッガーもエメリューム光線も通用しない。口から火炎弾を吐いてセブンを攻めるアイロス星人。セブンは宇宙最大の破壊光線ワイドショットで、星人にとどめを刺した。ホーク1号と3号が宇宙船の上方からロケット弾を見舞うと、宇宙船は煙をあげて墜落、大爆発した。

ホーク2号でクラタ隊長がステーションV3へ帰るときが来た。通信係が座るイスに、キリヤマ隊長が座っている。
『本部よりホーク2号へ、応答せよ』
『おう、こちらホーク2号だ』
『こちらキリヤマだ・・・』
『キリヤマか・・・。もう会えそうもないな・・・』
『クラタ・・・気をつけてな。命を粗末にするなよ・・・』
『おう・・・、お前もな・・・』 
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
台本との違いは、地球に来たクラタをしばらく地上勤務にするよう、キリヤマが参謀に願い出るというシーンがある。しかし地球でのアイロス星人との戦闘が済むと、今度はV3でふたたびアイロス星人の艦隊と戦闘になり、クラタはホーク2号で帰らざるを得なくなるという展開が待っている。

ところどころに、男の友情とか親友を思う心の様子が、よく描かれている。このドラマを観直してみて、こんなにいいドラマだったのかと、初めてそう感じた。なおこの回には、アンヌ隊員は一度も出てこない。

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