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ウルトラセブン(14)  ~あっクラタ。この悪党! オー、モグラめ。元気か! [ウルトラセブン・ドラマ1]

今回は、第13話『V3から来た男』を取り上げます。
監修;円谷英二  
脚本;市川森一  
監督;鈴木俊継  
特殊技術;高野宏一

◆地球から数キロ離れた宇宙空間には、侵略者の侵入を水際で食い止めるべく、宇宙ステーションV3が昼夜を欠かさず監視を続けている。

今正体不明の宇宙船がこの領域に侵入し、ステーションパトロール隊との間で戦闘状態に入っていた。3機のステーションホークが出撃したが、いずれも帰還しなかったことは、地上の防衛軍基地にも連絡が入った。

マナベ参謀がキリヤマ隊長を呼んで、この情報を伝えた。
『隊長のクラタ君は、君の友人だったはずだが』
『は、士官学校以来の親友で、優秀なヤツでした』

キリヤマ隊長は思った。あいつはきっと生きているに違いないと。その頃、宇宙船は戦闘で燃料を切らし、燃料補給の為に地球に侵入していた。ステーションホークでただ1機残ったクラタ隊長機は、ホーク1号からの呼びかけに対し、無線機をやられて応答することができなかった。

ホーク1号は横に並んで乗員のクラタ隊長と他1名を確認するが、その直後に両機は地上に隠れていた宇宙船の攻撃を受け、ホーク1号は尾翼を攻撃されて不時着していった。ステーションホークも撃墜は免れたが自由が利かなくなり、死亡した部下を座席に残してクラタは脱出した。

防衛軍基地へ着いたクラタは、作戦室でキリヤマ隊長と再会を果たす。
『あっクラタ。この悪党!』
『オー、モグラめ。元気か!』

宇宙船を追ってきたがホーク1号もステーションホークも撃墜されたことを話すと、地上基地では宇宙船の侵入をキャッチしていなかったばかりか、ホーク1号遭難の情報も知らずにいた。一方、ホーク1号に乗っていたフルハシとアマギはアイロス星人に捕らえられ、カプセルに閉じ込められていた。

アイロス星人は、ふたりの人体をコピーして作ったニセのフルハシとアマギに、防衛軍基地から固形燃料を奪うよう指令を出した。防衛軍に戻った二人を見て無事生還を喜ぶキリヤマ隊長だったが、精気の無い二人の様子を変に思った男が二人いた。一人はモロボシ・ダン、もう一人はクラタだった。

ダンは、様子がおかしい二人の後を追って、燃料室へ入って行くのを確認する。固形燃料を運び出そうとしたふたりとダンは銃撃戦になり、二人はダンに射殺されてしまう。騒ぎを聞いて駆けつけたキリヤマ隊長の目の前で、死体のフルハシとアマギは影のように黒くなって消えてしまう。

クラタはその一部始終をドアに隠れて見ていた。
『モロボシ・ダン。やるな!』

キリヤマ隊長は、拉致された二人を返せば燃料を渡すという交換条件を、アイロス星人に出す。アイロス星人側に有利な条件を出され、部下の命には代えられないと合意するキリヤマと、逃がすものかと攻撃しようと言うクラタは、意見がぶつかり合う。

しかし、猶予は30分しかない。ホーク3号に固形燃料を積んで、約束の場所へキリヤマは一人で飛んだ。クラタはキリヤマが心配でならない。作戦室内でウロウロしていると、ソガは彼の心を読んで出撃を促すような進言をする。クラタも出撃を決意する。急ぎエレベータに乗って下降ボタンを押すと、マナベ参謀が乗っていた。

マナベ参謀も心中は同じだった。ホークに乗るために必要なカギを、クラタは渡される。
『キリヤマを守ってもらいたい・・・ヤツは良い友人をもって幸せだ』
『ありがとうございます!』

クラタはマナベ参謀に、直立して最敬礼するのだった。クラタ隊長がホークで出撃したことを知り、自分達もとソガに訴えるダン。「あ、そう」とトボけていたソガだったが、ダンと共にポインター号で出撃する。

アイロス星人はホーク3号のキリヤマに固形燃料をパラシュートで落とすよう指示を出すと、ロボットアームで燃料を回収した。宇宙船は捕虜になっている二人を渡すフリをして、ロケット弾攻撃を仕掛けてきた。急上昇して攻撃をかわすホーク3号。

そこにホーク1号のクラタが到着、親友二人はアベック攻撃を宇宙船に仕掛ける。地上から宇宙船に近づいて攻撃をするダンとソガ。ソガの負傷で、ダンは宇宙船の近くまで行きウルトラアイを着眼、セブンになって宇宙船内のフルハシとアマギを救出する。

宇宙船からアイロス星人が出現すると、宇宙船は空へ上昇していく。その宇宙船をホーク1号と3号が迎撃する。セブンに救出されたフルハシとアマギはソガと合流、宇宙船から脱出したセブンは巨大化してアイロス星人と対峙する。

アイロス星人にはアイスラッガーもエメリューム光線も通用しない。口から火炎弾を吐いてセブンを攻めるアイロス星人。セブンは宇宙最大の破壊光線ワイドショットで、星人にとどめを刺した。ホーク1号と3号が宇宙船の上方からロケット弾を見舞うと、宇宙船は煙をあげて墜落、大爆発した。

ホーク2号でクラタ隊長がステーションV3へ帰るときが来た。通信係が座るイスに、キリヤマ隊長が座っている。
『本部よりホーク2号へ、応答せよ』
『おう、こちらホーク2号だ』
『こちらキリヤマだ・・・』
『キリヤマか・・・。もう会えそうもないな・・・』
『クラタ・・・気をつけてな。命を粗末にするなよ・・・』
『おう・・・、お前もな・・・』 
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
台本との違いは、地球に来たクラタをしばらく地上勤務にするよう、キリヤマが参謀に願い出るというシーンがある。しかし地球でのアイロス星人との戦闘が済むと、今度はV3でふたたびアイロス星人の艦隊と戦闘になり、クラタはホーク2号で帰らざるを得なくなるという展開が待っている。

ところどころに、男の友情とか親友を思う心の様子が、よく描かれている。このドラマを観直してみて、こんなにいいドラマだったのかと、初めてそう感じた。なおこの回には、アンヌ隊員は一度も出てこない。



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