SSブログ
新マン座談会・1 ブログトップ
- | 次の5件

帰ってきたウルトラマン(10) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/プリズ魔の巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、司会の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第六弾はあの名優・岸田森さんの脚本による第35話『残酷!光怪獣プリズ魔』です。

◆世界各地で、灯台や船舶が次々に消失するという怪事件が起こる。世界地図を見ていて、この現象が日本に向かっていることに気付いた坂田と郷は、南へと向かう。やがて日本へ上陸した光怪獣プリズ魔は、彼らの目の前で灯台を光に変えて吸収してしまった・・・。

脚本;朱川審(岸田森)
監督;山際永三
特殊技術;佐川和夫

★★★★★★★★★★★★

きくち氏;
「プリズ魔ね、これ人間は入ってない。遠矢は後ろから押しただけで、いつもと同じギャラを貰ってた(笑)」

司会;
「後楽園球場でのロケですね。プリズ魔って、戦いようのない怪獣ですよね」

きくち氏;
「これは、全面プラスチックでできていました」

司会;
「この回は何と、脚本が岸田森さん。お話されたことは、あるんですか?」

きくち氏;
「直接は無いです。新幹線で一度お見かけしたことがあります」

《オーロラと共に、プリズ魔登場》
きくち氏;
「これは遠矢が腰までの長靴を履いて、水の中に入って押しているんですね、ただひたすら。
僕らは、『遠矢、見えるよ見えるよ』なんて言って、笑ってた。下からピアノ線で引けばよかったんだけど」

司会;
「このシリーズでは、プリズ魔が最強じゃないかな。光のエネルギーを武器とするウルトラマンにとって、光を吸収する怪獣はまさに最強でしょう。姿もベムスターなどと違って顔や手足が無く、物質そのもののイメージで捉えどころのない雰囲気が、最終回のゼットンよりも強そうです。ウルトラマンも勝つには勝ったが、随分痛めつけられた」

《プリズ魔の異空間で、不思議な動きをするウルトラマン》
司会;
「あはは、きくちさんこれ何やってるんですか?」

きくち氏;
「踊ってる。バレエやってる」

司会;
「どういうリクエストだったんですか?」

きくち氏;
「何しろ踊ってくれって。動きの激しいやつ
を」

司会;
「どのくらいカメラまわしたんですか?」

きくち氏;
「けっこう回したなぁ、ほら、こう寝て、足上げて」

司会;
「これ、どんな気持ちで踊ってるんですか?白鳥の湖かな?」

きくち氏;
「気持ちもなにも、とにかく踊ってくれってことだったんです」

《ウルトラマン、怪獣の中に飛び込む》
司会;
「この最後の戦いスゴイですよね。このキラキラしたのはセロファン?」

きくち氏;
「いや、雲母を体中にちりばめるんです」

司会;
「プリズ魔の体中で、スペシウム光線を発射する。きれいな画ですね」

きくち氏;
「岸田森さんは、やはり天才だと思いますね。この回の発想はすごい」


★★★★★★★★★★★★
岸田森氏は、82年に43歳の若さで他界している。演技にはストイックでどんな小さな役柄も手を抜くことはなく、『ワンシーンで映画を変えてしまうような役者になりたい』と常に語っていたといい、そういう演技が出来る俳優であったという。

『怪奇大作戦』(TBS)が円谷プロとの初仕事となる。この作品への出演が自身の芝居の一大転機になったと語り、以後「僕は円谷育ち」と公言している。円谷プロでは『プリズ魔』の他に実名で、《ファイヤーマン》第12話『地球はロボットの墓場』の脚本も手がけている。

『帰ってきたウルトラマン』の光怪獣プリズ魔のような目や口や手足が無い怪獣は、暗黒星雲の怪獣バキューモンを除けば、ブルトン(初代ウルトラマン)やバルンガ(ウルトラQ)などが思いつく。本体に目や口が無くてもそれ自身に意志があれば、それは立派な怪獣であるといえよう。

目や口が無いだけに不気味であり、声も出さない場合はなおさらである。(プリズ魔は、ラララーと女性の声を出していた)バリケーンではないが、自然界の台風も、ひょっとしたら目や手足のない生き物(怪獣)なのかもしれない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

帰ってきたウルトラマン(12) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/キングザウルス三世の巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、司会の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第七弾は、長い角でバリアーを張ってウルトラマンを苦しめたキングザウルス三世が登場する・・・
第4話『必殺!流星キック』です。

◆必殺技スペシウム光線が効かない、恐るべき怪獣が出現した。しかも怪獣の食糧はウランで、原子力発電所を狙っている。あのバリアーを飛び越えねばヤツには勝てないと悟った郷秀樹は、キック力を付けるために特訓を開始した・・・

脚本;上原正三
監督;筧正典
特殊技術;高野宏一

★★★★★★★★★★★★

きくち氏;
「このキングザウルス三世は、ホントに怪獣らしい怪獣だね」

聞き手;
「この怪獣は、うしろ足を上げて入っているでしょ?」

きくち氏;
「人間が四つんばいになるとどうしても手よりも足の方が長いから、後ろ足を折ってしまう。そうすると、怪獣にみえないんですよね」

聞き手;
「後ろ足をあげて入っているから、このキングザウルス三世はホントに怪獣らしい怪獣に見える。画期的です。でも、中の人は辛いんじゃないですか?初代マンにもセブンにも、こんな怪獣は出ていませんね」

きくち氏;
「遠矢は辛かったとおもうよ」

《怪獣の角でウルトラマンが足を刺される》
きくち氏;
「これでやられるんだな。団(次郎)ちゃんも足を怪我するって演出だったでしょ」

聞き手;
「痛そうなんですよね、これが。本当に痛いんですか?」

きくち氏;
「ホントに痛かった。刺さってね」

聞き手;
「ホントに辛そうだ」

きくち氏;
「ウルトラマンが倒れてから、怪獣の足が顔を踏みつけているでしょう。これがまた、痛いんです」

聞き手;
「胸はどうなんです?」

きくち氏;
「胸はゴムが入っているから、痛くないんです」

聞き手;
「本当に当たって痛いというところも、使っているんですね。そりゃあ、リアリティがある。ところで、この回で初めてトランポリンのアクションをやってますが」

きくち氏;
「東映では既に使ってましたが、ウルトラマンでやったのは僕が最初です。時代の要請でしょう」

《ウルトラマンがキングザウルス三世にキックする場面、カメラは上のほうから撮っている》
聞き手;
「これは斬新なカットですね」

きくち氏;
「スタジオの天井近く、かなり高い部分までイントレ(カメラ位置を高くするための折り畳み可能な台)を組んで、そこから飛び降りて撮りましたね。この回はウルトラマンのアクションシーンが多いので、燃えてやった回です」

聞き手;
「初代ウルトラマンのファイトにも勝る出来だと思います」


◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆

キングザウルス三世は後ろ足を上げて入る怪獣だが、そんなにつらくはなかったです。でも足の裏を見せちゃダメなので、足裏を見せずに歩く工夫はしました。この怪獣は頭をピアノ線で吊っていたし、アクションはずいぶん工夫した怪獣です。


★★★★★★★★★★★★
四足怪獣のステゴンはキングザウルス三世と同様、前足と後足が同じ長さの怪獣である。だがキングザウルス三世と違って前足が後ろ足と同じくらい長いので、おそらく手に下駄を履かせているはずときくち氏は言っている。

怪獣役者の遠矢氏はステゴンを演じた記憶があまり定かでないということだが、四つ足のバランスからみて、下駄の様なものを手に履いているのでしょうと説明している。この回だけ使用した新マンの必殺技で、『シネラマショット』と呼ばれる光線技がある。

ウルトラセブンのワイドショットと同じく腕をL字に組んで発射する白色光線。キングザウルス三世のバリアーの前に、歯が立たなかった。新マンの描き方というのは、当時流行のスポ根に関連していると思われる。初代マンはゼットンと対戦するまで無敵であったが、新マンはこのキングザウルス三世との対戦で早くも敗戦を味わう。

初代マンは無敵超人だったが、新マンはまだ成長途中の超人といえるかもしれない。最初の戦いで敗戦を経験し、苦しみの中から新しい技(この回では流星キック)を生み出して、次の対戦では敵を倒す。新マンの話とは、人間と同じように悩み苦しんで、そこから活路を見出そうとする、ウルトラマンの成長物語だったのだ。

《おまけ》
ウルトラマンが戦い終わって、空へ飛んでいくシーンに使うイントレ。これは初代マンの時からの伝統だけど、確か飯島敏宏さん(監督)が考えたんだと思います。イントレを使うようになったわけは、初代ウルトラマンに入っていた古谷(敏)がスーツを着たままではうまく飛び上がれなかったので、みんなで持ち上げようということになったためなんです。(故・高野宏一氏談)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

帰ってきたウルトラマン(17) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/ナックル星人&ブラックキングの巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第八弾は、悪賢いナックル星人と用心棒怪獣ブラックキングが登場する・・・
第37話『ウルトラマン 夕陽に死す』
第38話『ウルトラの星 光る時』の二本立てでお送りします。

◆地球侵略を狙うナックル星人はウルトラマンを亡き者にするため、抹殺計画を企てる。まずシーゴラスとベムスターを使って能力を探り、次に精神面で動揺させるために坂田兄妹を容赦なく殺害した。深い悲しみと怒りに平常心を失った郷秀樹=ウルトラマンはもう怖くない。ナックル星人は用心棒怪獣ブラックキングを、ウルトラマンにぶつけてきた。

脚本;上原正三
監督;冨田義治
特殊技術;大木淳


★★★★★★★★★★★★

聞き手;
「いよいよこのシリーズ最大のクライマックスです。僕はこの前後編で、実質ウルトラシリーズは終わったと思ってます」

《アキと坂田、ナックル星人の車にひかれる》
きくち氏;
「殺される?死んじゃうんだ!」

聞き手;
「うわー。これで郷の怒り爆発ですよ。しかしこんな子供番組は、前代未聞です。この後の変身の仕方が良いんです。ビルから飛び降りるんですね。郷秀樹はピンチになるとウルトラマンに変身できることを知っているから、自らをピンチの状態に追い込んだんですね。

変身出来なくて死んでもいいというくらい、郷の心は荒れ狂っていたんですね。そんなくらいだから、戦いも思うようにいかない。だから勝てないんです。ここで変身した後、きくちさんは良い芝居演ってますね」

きくち氏;
「この回は特に力が入りましたね。ナックル星人が、遠矢です。この時は遠矢と話して、人間のアクションのヤシの実割り(プロレスの技)とかやってるでしょう。ブラックキングに入っているのは有川君って言って、JFAの若手でしたね」

聞き手;
「特撮監督は、大木さんですね」

きくち氏;
「大木さんは、夕陽のシーンを巧く撮りますね。この夕陽は画になりますねぇ」

聞き手;
「徹底的にやってますね。ふつうここまでのピンチになると新マンは消えちゃうんですが
、今回は消えない」

きくち氏;
「僕がやられて、宇宙船に鎖でつながれて空を行くこのラストシーン、画がきれいでいいですねぇ」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
怪獣にばかり入っていると、飽きてくるんですよ。怪獣はその役者の資質というより、とにかく動くという体力勝負のところがある。でも宇宙人、このナックル星人は自分の身体のラインがそのまま出てるから、燃えましたね。この素振りは、東映の任侠映画のチンピラがいいもんをいたぶる、あの感じでやってます(笑)



***引き続き、第38話『ウルトラの星 光る時』をお送りします。***

◆ナックル星人の卑劣な作戦の前に、ついにウルトラマンは力尽きて倒れてしまう。ナックル星で処刑するため、宇宙船に鎖でつながれて運ばれるウルトラマン。ナックル星で逆さ磔にされたまま、処刑の時は刻一刻と迫る。

その時、初代マンとセブンが新マン救出に現れた!二人の力をもらって、新マンは復活する。さあ、友情のウルトラパワーで、ナックル星人とブラックキングを倒せ、ウルトラマン!

《逆さ吊りされた新マンを、初代マンとセブンが助ける》
聞き手;
「いよいよ最高の見せ場です。(逆さ吊りにされたウルトラマンの中に)きくちさん、中に入ってるんですか?」

きくち氏;
「本当に逆さづりにされてるんですよ。頭に血がのぼって、きつかったですねぇ」

聞き手;
「それは辛いでしょうね。この初代マンとセブンには、誰が入ってるんですか?」

きくち氏;
「セブンはベムスターの回でもやった望月君。初代マンは斎藤君」

聞き手;
「初代マンの飛行ポーズが、昔と変わってるんですが」

きくち氏;
「これね、帰ってきたウルトラマンの飛び人形を改造して初代マンにしたの。だから手が開いてる。前と違うって言われてもね、当時はそこまで見てるとは思わなかったですよ」

聞き手;
「宇宙を飛ぶ三人のウルトラ戦士。無敵の状況です。こんなに夢を与えたシーンは、無いですね。これで初代マンとセブンの出番は終わり。これくらいがちょうどいいんですよ。これ以上でるとね・・・」

《ウルトラマンとブラックキングの戦い、ブラックキングの崩した岩が隊長に当たる》
きくち氏;
「何気ないシーンですが、本編と特撮の打ち合わせをよくやってないと出来ないシーンです」

《ウルトラマンのカラータイマーが赤になるが、ナレーション『だがウルトラマンは負けない。初代マンとセブンの友情が心の支えになっているのだ』と言った瞬間強くなる》
聞き手;
「いい!良いテーマだ。人間の心の持ち方次第だっていう。しかし、ワンカットでやってるんですね」

きくち氏;
「ここね、結構長回しで、俺が殴っても遠矢が全然反応しない。ちょっとしてから、吹っ飛んだね(笑) たぶん、くたびれていたんだろうね」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆
本気で殴れって監督に言われて、最初は疑問感じながらやってたんですが、ナックル星人の時、今回は人間アクションでいこうってことにしたんです。人間の形してるからホントに殴らないとアクションが少しずれる。のぞき穴をモロに殴られて、『うっ、この野郎!』なんて思ったこともあります。でも、先輩だから、あとで呑ましてもらって、それで後腐れ無しです(笑)


★★★★★★★★★★★★
昨日の記事を読んだ方は覚えていると思うが、怪獣造形は、新マンから開米プロが引き受けている。それまで高山良作氏が受け持っていたすべてを、引き継いだわけだ。このナックル星人とブラックキングも、よく出来た造形だと思う。(ブラックキングは熊谷健氏、ナックル星人は作者不明)

熊谷健氏は映画界の人であったが、1963年に円谷プロに入社。『帰ってきたウルトラマン』ではプロデューサー補として活躍された。中盤からは池谷仙克氏の後を受けて、怪獣デザインを担当した。熊谷氏によると、人気怪獣とは、

①二本足怪獣で、おもちゃにしたときに格闘させて遊びやすい 
②ドラマチックな登場や死に方をしている 
③角やムチなど特徴ある武器を持っている 

この3条件を備えていることだという。なるほど、シーゴラスやベムスター、ゼットンやバルタン星人は、いずれもこの3条件を満たしているように思える。その意味では、ブラックキングは条件②を満たしてないため、人気が今ひとつであるようだ。筆者の好きなエレキングはこの3条件を満たしていると思うが、どうだろう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

帰ってきたウルトラマン(18) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/ゴルバゴスの巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第九弾は、カメレオンのように周りの景色に同化して姿を隠すことができる、いつもはおとなしい怪獣ゴルバゴスが登場する第7話『怪獣レインボー作戦』です。

◆坂田次郎とアキ、郷の3人がハイキングに行って撮った写真の1枚に怪獣が写っていて、大さわぎに。さっそく調査したMATだが、怪獣の影すらも見つけ出せない。次郎を信じる郷はひとり再調査に行き、岩場に削り取ったような大きな爪あとを見つける。その夜、キャンプ場で若者たちが姿の見えない何者かに襲われるという事件が起こった・・・。

脚本;上原正三
監督;本多猪四郎
特殊技術;高野宏一


★★★★★★★★★★★★

きくち氏;
「これは保護色怪獣で、すぐ隠れちゃうんでMATがスプレーで色を付けて戦うという話ですよね」

《ウルトラマンの戦いを見ながら》
聞き手;
「この頃にはもう、ウルトラマンのスーツ、ボロボロになってますね。何話に一回新調してたんですか?」

きくち氏;
「6/23付の新聞の切り抜き記事に7着目と書いてありますから、1か月に一体の割ですかね。この頃は、3体あったと思います」

聞き手;
「ブーツのうしろ、赤く塗ってありますね。これは最初からですか?」

きくち氏;
「最初から塗ってありました」

聞き手;
「これも初代ウルトラマンと違う部分です。手袋はいくつあったんですか?」

きくち氏;
「スーツと同じ数で、手袋も3着くらいあったかな」

きくち氏;
「特撮の撮影日数は、何日くらいだったんですか?」

きくち氏;
「1週間のうち、ウルトラマンの出番は大体4日くらいでしたね。日曜も関係なく、もうホント、生活すべてがウルトラマンと一体化してましたよ。この回くらいになると、生活のペースがつかめて来てね。週4日のウルトラマン変身に合わせて、体調をつくる。

1回スーツに入ってブーツを脱ぐと、汗がジャーッと水道の水みたいに出るほど疲労するんで、サラダに真っ白になるくらい塩をかけて食べてね。

これはいくら何でも体に悪くなるかと思ったこともあるんですが、51本撮った後、医者に凄いこと言われましたよ。あと、にんにくの特製しょうゆ漬けというのを、毎日の食事の時にガリガリ食べてました」

聞き手;
「ウルトラ・ニンニク。ウルトラファイトの源という訳ですね。食べたいなぁ」

きくち氏;
「まだ残っていると思うから、こんど持ってきますよ」

聞き手;
「ええ!だって24年前のものでしょう?」

きくち氏;
「まだあるんですよ」

聞き手;
「スゴイ!時を超えたニンニクだ。読者プレゼントしましょう(笑)」

◆◆◆怪獣役者;遠矢孝信氏の証言◆◆◆

このゴルバゴスの思い出は、スプレーのニオイだけですね。直接ぬいぐるみに吹き付けられたんで、臭くってしょうがなかったのを覚えています。



★★★★★★★★★★★★★★★
この怪獣ゴルバゴスは、筆者の好きな怪獣の上位に入る。岩石のような質感の皮膚をもつ怪獣で、普段はグレー色。しかしカメレオンのように皮膚の色を周りの景色に同化させて、それが保護色となり透明になってしまう。
夜行性で性質はおとなしいという設定だから、無理に退治することも無いのに、とも思う。

ウルトラセブンの第1話クール星人の見えない円盤を探すのに、特殊噴霧装置を開発して円盤に色を付けてやったように、透明なゴルバゴスを見えるようにするには、こちらから色を吹き付けてやる他に手は無い。

遠矢氏の発言は、撮影中に塗料を吹き付けられたため、乾かなくて臭かったという意味なのか?いくら何でも、それではかわいそうだ。シンナー中毒になっちゃう!このゴルバゴスとシュガロン、ダンガーはいずれも池谷仙克氏のデザインによる。どれもストーリー未定のまま、先行デザインされたものであるという。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

帰ってきたウルトラマン(19) ~座談会;振り返ってみたウルトラマン/バルタン星人Jrの巻 [新マン座談会・1]

ウルトラマンのスーツアクター・きくち英一氏が、聞き手の某映画監督とふたりでビデオを見て、当時の記憶を思い出しながら各話のエピソードを語るシリーズ。第十弾は、かつてウルトラマンに倒されたはずの宇宙人バルタン星人の息子が、ビルガモ・ロボットを使って復讐にやってきた第41話『バルタン星人ジュニアの復讐』です。

◆坂田次郎はある晩、工事中のマンションでバルタン星人の姿を目撃する。次郎の話を聞いた郷は、バルタン星人は初代ウルトラマンが倒しているからと、その言葉を信じようとはしなかった。

工事中のマンションそのものをロボット化するビルガモ計画を着々と進めていたバルタン星人ジュニアは、マンション内に人質を取ると、ついにロボット・ビルガモを動かしてウルトラマンに挑戦してきた・・・。

脚本;長坂秀佳
監督;佐伯孚治
特殊技術;佐川和夫

★★★★★★★★★★★★

聞き手;
「今回は、悪名高いバルタン星人ジュニアです」

きくち氏;
「このバルタン星人は前の奴と違って、新調したんですね」

聞き手;
「『ウルトラファイト』に出ていた奴の改造らしいですよ」

きくち氏;
「このバルタン星人の飛び人形、40センチくらいの奴が我が家にあったんですけど、天井から落ちて粉々になって捨てたんです。今思うと、もったいなかったなぁ」

《爆発の炎が、ウルトラマンに燃え移る》
聞き手;
「あ、足が燃えてる」

きくち氏;
「これね、早かったの、スイッチヤーが」

聞き手;
「え、事故なんですか?」

きくち氏;
「そう。タイミング間違った。俺が逆さになった時、側転して手をついたらスイッチを押してくれっていう打ち合わせだった。それが早すぎた」

聞き手;
「危ない。ホントに燃えてますよ。ウルトラマンは燃えやすい素材なんですか?」

きくち氏;
「塗ってある塗料が、ラッカーみたいなもんだから」

聞き手;
「命がけですね」

きくち氏;
「後で分かったんですよ。映像みて初めて。熱いことは熱かったんだけど、夢中でやってたからね。映像見たら結構凄かったんで、ビックリしちゃった」

聞き手;
「でも編集の方は喜んで、『こりゃ、いいや』
って、使ったんでしょうね」

きくち氏;
「まあ、それが映画屋ですね。でもね、下手すれば、大事なトコロが使い物になりませんよ、本当に(笑)」

《バルタン星人ジュニア登場に、驚くウルトラマン》
きくち氏;
「これは、本当にビックリしてますね(笑)予定に無いことをやられると、人間?だもの、驚きますよ」

聞き手;
「バルタン星人は人間の50倍も頭がいいはずなんだけど、この回は原始的な侵略でしたね(笑)」


★★★★★★★★★★★★
新マンの後半の怪獣デザインは、高橋昭彦氏が主に担当している。このビルガモもそう。侵略者の手先としては、なんとも笑ってしまうようなユーモラスな表情をしている。ユートムとかキングジョーとか、侵略ロボットとしての緊張感が無いなぁ、ビルガモには。バルタン星人のデザインもジュニアとはいえ、強そうに見えない。

せっかくバルタン星人なのにシャキッとしないトコがあるのが、少し残念である。
脚本の長坂秀佳氏は、新マンではこの回だけしか担当していないが、東映のキカイダーやゼロワンではメインで書いた脚本家であることは、ご存じのとおりである。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ
- | 次の5件 新マン座談会・1 ブログトップ