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仮面ライダー(7) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その4 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
聞き手;
「サボテグロンで佐々木さんが登場してから、話の展開が非常に明るくなる。それと女性陣も牧千恵子さんが降板する」

佐々木氏;
「きっと海外まで本郷猛を追いかけていって、くっついちゃうんだ(笑)」

聞き手;
「立花レーシングクラブって、どこにあったんでしょうか?たぶん場所的には、生田撮影所の近くですよね?」

千葉氏;
「たぶん、そうだと思いますけどね」

佐々木氏;
「俺、ほとんど覚えてない。だって中のシーンは、いつもセットだもん」

聞き手;
「ロケには、あまり行ってないんですか?」

佐々木氏;
「そう。最初は忙しかったから、遠くまで撮影に行ってない」

聞き手;
「セットといえば、ショッカーのアジトって、怪人のイメージで絵柄を変えてますよね。アジトはどれくらいの広さなんですか?」

佐々木氏;
「小屋みたいだったけど、セットはそんなに狭くはない。あ、ロケでいい事思い出した。実をいうと、サボテグロンで出ているジープみたいな車、治郎チャンのマイカー何ですよ」

千葉氏;
「よく覚えてるね。これはずいぶん撮影で使ったね」

佐々木氏;
「治郎チャンの車、ホントカッコよかったもん」

千葉氏;
「ホントは車体が白なんですよね。それをスプレーで塗っちゃってる」

佐々木氏;
「この後乗り換えたのは、確かワーゲンだったよね」

千葉氏;
「よく覚えてるね(笑)」

聞き手;
「13話『怪人サボテグロンの来襲』で、世界に魔手を広げるショッカーを見せるために、初めて海外から幹部怪人がやってくるんですが、サボテグロンとの最初の戦闘現場って、生田から近いですか?」

千葉氏;
「近いと思います。確かね、小さい貯水池みたいな?」

佐々木氏;
「このときカッコよく戦ってるけど、俺はこの頃総カツラ。だから髪の毛フサフサだもんね。今、あんなに毛が欲しいね。当時あのカツラは、12万8千円くらいだったかな。カツラ屋へ行ったら、宣伝に使わせてくれたらカツラを差し上げますしギャラも入りますって言われて、『このバカヤロウ!』って言ってやった(笑)」

聞き手;
「そうなんですか」

佐々木氏;
「当時のカツラは今みたいに精巧じゃないから、スパって脱げちゃう。だから俺、ヘルメット脱がないんだよ。帽子かぶるようになったのも、ヅラ押さえるためだもん。別に帽子が好きなんじゃないの。今帽子かぶってるのは、完全にハゲ隠しだけど・・・(笑)」

聞き手;
「一本当たりの撮影時間は、どのくらいかかったんですか?」

佐々木氏;
「だいたい週に2本撮りペースだから、これだと月6本くらいは撮る感じだった」

聞き手;
「サボテグロンでは、八木さんから、サボテンの偽物のカポックをたくさん削り出すのにすごく苦労したって聞いてます」

千葉氏;
「八木さんか、思い出した!」

佐々木氏;
「一文字隼人も、最初は恥ずかしくってね。『ショッカーの敵、そして人類の味方!』っていうセリフがどうもね」

聞き手;
「初めて変身するときは、NGとか出したんですか?」

佐々木氏;
「俺、普段からNG多いもん、セリフ覚え悪いから。初変身の時なんか、まだ変身への流れが出来てないんで、ぎこちないよね。いつもはジャケットからベルトを出してから変身なのに、この時は変身ポーズの途中で、ムンッてベルト出してる」

聞き手;
「この時期は予算が少なかった様で、ものすごくマスクが傷んでいて、2号はよく顔が歪みますよね」

佐々木氏;
「サボテグロンでの仮面ライダーは、一部オレが入ってるんだよ」

聞き手;
「平山さんに最近(当時)このことを聞かせたら、あ然としてましたね。藤岡さんの怪我の直後だったから、絶対にライダーの中に入れないでくれって現場に言ってたんだそうです」

佐々木氏;
「ふーん。(平山さんは、俺が入ってたことを)知らなかったのか」

聞き手;
「テレビ見て思ったんですけど、劇場版の『仮面ライダー対ショッカー』では、歴代の怪人が全部出てくるんです、一文字編最後の怪人ギルガラス(52話)までね。草津でロケをしたベアーコンガー(46話)は劇場版に出てこない。

それなのに劇場版も草津ロケも、同じ新1号編のショッカーアジトが使われている。だから劇場版を撮ってから、(そのセットをそのまま使って)ベアーコンガーを撮ったのではないかと・・・」

千葉氏;
「そういえばベアーコンガーの時、僕スキーが滑れなかったんですよ」

佐々木氏;
「治郎チャンのスキーの画観てると、カッコいいんですよねぇ。だってプロの吹き替え使ってるから!俺は滑れるから自分で演ったんだけど、山スキーだから格好良くもなんともないのね」

聞き手;
「千葉さんはこの撮影の後、スキーの練習したんですか?」

千葉氏;
「してない。今は滑れるけど、当時はスキーなんかするもんかって、思っていましたからね」

(つづく)


★★★★★★★★★★★★
この当時のカツラの、高価だったこと!今でもカツラは高価なのだろうが、質は当時とは比較にならぬほど良いだろう。いくらなんでも、ヒーローが自分からカツラですとは宣伝できまい、カッコ悪すぎ。怒るのも分る!(笑)


それに引き換え千葉氏の方は、立ち回りがカッコ良すぎてスキーもできるだろうと誰もが思うが、実は滑れないので吹き替えだったとは!付いてる人と付いて無い人の比較をしたような、今回のくだりだった。(笑)

最後の方で聞き手が面白い推理を聞かせるが、鋭い指摘かもしれないと同時に、撮影順と放映順は必ずしも同じではないことはよくあるということだ。

またその推理を聞かされて、千葉氏が思い出したように違う内容のことを話し出すが、聞き手がマニアックなのであって、演じ手(役者)は30数年(当時)も経ってしまっては、よほど記憶に残るような事が起こらない限りは覚えていないだろう。

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仮面ライダー(8) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その5 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
聞き手;
「佐々木ライダーになってから、地方ロケが多くなりますよね。大阪行って、北海道行って、伊豆の温泉みたいな」

佐々木氏;
「ずいぶん、タイアップが効くようになった」

千葉氏;
「ロケで思い出したけど、アマゾニアの時の岩場にある吊り橋って、結構高い所なんだよ。あれ、ぐらぐらして嫌だったな」

佐々木氏;
「俺にもある。強い風が吹いているのに、断崖の上で変身ポーズっていうんだよ。だってさ、画面見るとアップに寄ってるんだよ。これじゃ意味ないでしょ。バカヤロウって、俺怒ったもの。だって下で撮ったって同じじゃない。後ろに空が写っているだけなんだから。

それで俺が嫌がったらさ、剣友会が演って見せるんだよね。だけど『そっちは落っこちたっていいかもしれないけど、俺は絶対にイヤだ』ってやらなかった。だってこんなので、怪我したくないもん(笑)」

聞き手;
「第14話からオープニングもエンディングも変わるわけですが、エンディングの撮影も大変だったらしいですね?」

佐々木氏;
「あの橋から落ちるやつでしょ。(剣友会の)岡田君はね、ホントは泳げないの。泳げないからこそ、豪快に水に転落していくの。水面にぶつかるときの痛さが分からないから、マットに落ちるのと同じでガァンて落ちるわけ。だからきれいなんだよ。泳げるやつは痛いの知ってるから、身体ひねったりするのよ」

聞き手;
「だからあのエンディングは、すごく迫力があると」

佐々木氏;
「だって剣友会の若い奴らってものすごいスタントやらされてたし・・・よくやってた。今は若いのにやれって言うと、さっさと辞めちゃうんだってさ」

千葉氏;
「危ないこと、平気でしてたもんね」

佐々木氏;
「マットに落ちないで岩の上とかに落ちたり、怪我なんてしないほうがおかしいくらいの、迫力あるスタントしてたよな」

聞き手;
「大野剣友会の話が出たところで、ライダーのアクション部分についてお聞きします。ライダースーツ着てても、大野剣友会の人ってそれぞれの動きに独特のクセがあるからすぐわかりますよね?」

佐々木氏;
「足の長さで、これは岡田君だとか。文弥さんも、肩に力の入った変身ポーズですぐわかる。綺麗だったのは、中屋敷くん。あいつはサイドキックして、足あげたそのままのポーズで静止できたからね」

千葉氏;
「みんな、怖いもの知らずのスゴイ人ばっかりでしたね。『仮面ライダー』の魅力の一つであるアクションのテンポが良いって部分も、彼らの功績ですよ」

佐々木氏;
「剣友会の連中って、本質的にはみんな役者志望なんですよ。だからゲストとして役者さんが出演しても、上手くなければ剣友会で間に合うって思ってたの。

だから『なんで剣友会を出してあげないの?』って、阿部さんなんかとよく口論になった。大野剣友会だって素顔で出演出来たらうれしいし、励みになるじゃない」

聞き手;
「この頃のライダーを演じているのは、基本的には岡田さんと中村さんですか?」

佐々木氏;
「ほとんど、そう。たまに大杉君とか。中屋敷は、他の番組に行ったのかな、ちょっと抜けてたこともある。結果的には、たくさんの人間がライダーに入ってると思う」

聞き手;
「千葉さんは剣友会が演出する立ち回りを、どう感じて演技してましたか?」

千葉氏;
「今見ると、僕は立ち回りの意味を解ってなくて、やってたんですよ。なんていうか、どうも上手くないですね」

佐々木氏;
「剣友会の立ち回りっていうのは、殺陣なのね。治郎チャンのは、どっちかっていうとアクションなのよ」

聞き手;
「千葉さんは時々、後ろ回し蹴りをやりますけど、あれは相手との距離が合いにくいでしょう?」

千葉氏;
「いや、剣友会は蹴られ殴られ役のプロばっかりですから、見事なヤラレっぷりを見せてくれましたよ」

佐々木氏;
「剣友会の殺陣は、一つ一つの殺陣の動きの中にキメがある。だから時代劇の刀を上段に構えた時みたいな、見栄をきる所作が入ってる」

聞き手;
「アクションに関して、役者側からこんな風にしたいっていうのは、ないんですか?」

千葉氏;
「一度無理言って、何カットか殺陣をやらしてもらったことありましたけど、全然異質なモノになっちゃいました。どうしてもね、自分の趣味が入っちゃうでしょ。それがフィルムになった時に見栄えがいいかどうかっていうと、全然別なんですよ。だから大した事できませんでした」

佐々木氏;
「俺も失敗したことあるんだ。『柔・黒帯風雲録』という番組で、ちょうど殺陣師が風邪ひいてこなかった時があって、1シーン分の立ち回りを自分でやったんですよね。

その日俺はいつものように遅刻して、監督は怒って口もきいてくれなかった。殺陣はって聞かれてあ、『お前、自分でつけろ』って言われた。それで自分で殺陣付けて、許してもらったんです」

千葉氏;
「じゃあ、ちゃんと殺陣付けられたってことでしょ。さすが剛ちゃんは現場に強いね」

佐々木氏;
「いやぁ、番組の内容が柔道モノだったからできたの。『柔道一直線』経験してるから、朝飯前ですよ」  (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回の内容は、治郎ちゃんより剛ちゃんのほうの《メインの話》が多かったようですね。ところで、『黒帯風雲録・柔』について補足しておく。柔道の講道館の創始者である嘉納治五郎の生きざまを描いた原作『柔』をベースにした、佐々木剛主演の60分番組である。

日本テレビ系の土曜ゴールデンの時間帯に放送するも視聴率では裏番組『全員集合』に太刀打ちできず、またこの時間帯は巨人戦ナイトゲームの放送もあって、半年間の放送期間ながら印象の薄い番組になってしまっていた。

話は変わるが、美空ひばりさんの『柔』という曲のカラオケ(機種は不明)に、この柔道ドラマのフィルムが使われているらしい。カラオケに行ったらこの歌にチャレンジしてみよう。運が良ければ、若き日の佐々木剛に会えるかもしれない。

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仮面ライダー(9) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その6 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
佐々木氏;
「治郎チャンも、カメストーンでのマンションでの屋上のシーンで、肩車でブン投げられて、そのままマンションの手すりの向こうに命綱無しでぶら下がってくれって殺陣師に言われた。でもそれだけはイヤだってキッチリ断ったよね」

千葉氏;
「基本的に高い所は、イヤなんです。特にビルは嫌いです。狭いし距離感だってつかめないですからね」

聞き手;
「カメストーンって、撮影は向ヶ丘遊園ですね」

佐々木氏;
「治郎チャンの動きって、やっぱ軽快だよね。バネがあるから脚回るしさ、俺も器械体操やっておけばよかったな!」

聞き手;
「カメストーンでは、汚い池に顔を突っ込まれるっていう水責めのシーンもあったし、千葉さんは、ずいぶんひどい目に会ってましたよね?」

千葉氏;
「汚い池に顔を突っ込まれるの、もし自前の服だったら、怒ってやってない。ところで、いいこと思い出した。イソギンチャックの回で、柿を作っている畑の斜面のシーンがあるでしょ。この立ち回りで転がるんですけど、そこって堆肥まいたとこなんですよ。

だから芝居のあと、なんか服がクサくなってたまらなかったですね。でもこの時は、自前の服じゃなくて衣装だったんですよ(笑)」

佐々木氏;
「そんなの、助監督がチェックしとかないとね」

聞き手;
「立ち回り観てると、佐々木さんって左利きなんですね」

佐々木氏;
「右が最後に決まらないと、どこにいくか分からないんです。だから右で巻き藁を突いたこと無いですもの。どうしても、右手では耐えられないんですよ」

千葉氏;
「僕は右利きですけど、左手の方が正確。左手の方が、力入らないんですよ。だから余計な力を入れずに、正確に突ける」

聞き手;
「千葉さんのアクションのスピードは、特撮系ヒーロー系の役者さんの中でも、一番速いと思います」

千葉氏;
「そうですか。自分ではそんなこと、考えたことも無かった」

佐々木氏;
「そりゃ速いよ、観てて分るもん。俺とか藤岡君って様になってないし、ポーズがきまらないんだよね。アクションやって終わった時に、治郎チャンはピタッとハマってるのよ。でも当時は速かったけど、動きがまだちょっと小さかった」

千葉氏;
「まだアクションの見せ方を知らなかったんですよ。役者辞めてから、初めてそういうことが分るようになったんです。芝居のこととか目線とか、辞めてみてはじめて、それまでと違う角度から見るようになって、リズムとか呼吸とか分るようになった。自分が演ってるときは、全然気が付かなかった」

佐々木氏;
「千葉真一さんが大山倍達をやった『けんか空手・極真拳』やった時の治郎チャンをみて、ついにアクションで兄貴を超えたかって思ったもん。それくらい素晴らしかった。アクションが大きくなって、身体つきも変わってたし。いい意味でショックだった。

それで役者辞めたって聞いて、『何で?』って思ったもの。もっと役者として伸びていけるのに、持ったいない。何で辞めちゃったの?」

千葉氏;
「その頃自分じゃ、自分のこと見えてなかったんですよ。あのころ剛ちゃんが励ましてくれてたら、まだ役者辞めて無かったかもしれない(笑)」

佐々木氏;
「俺、治郎チャンと演ってて一番情けないと思ったのは、一緒にショッカーを追いかけてて、垣根があったとするじゃない。治郎チャンだけ垣根を飛び越えるんだよな。俺なんかは、垣根をよけて脇を走っていくしかないの・・・。これってたまんないよね。バネが違う、ホントにすごいなってこと、何度もあったもん」

千葉氏;
「ライダーでは、器械体操やってたのが役に立ちましたね。当時はバック転もできましたよ。そういう意味で、ぼくのは演技というか、何も考えずに体当たりでやってました。だから、剛チャンみたいに役者じゃ無かったんですよ。剛ちゃんは役者として、いつも見せることを考えて動きを創ってた。

僕はただ演ってるだけなんですよ。そういうことに、ある日突然気づいて、それで『自分は向いて無いな』ってしみじみ思って、役者を辞めることにした。剛チャンもそうだし兄貴もそうなんだけど、ふたりは根っからの役者、本質的に役者なんですよ。

うちの兄貴なんか、他人がいたら24時間千葉真一のままなんですよ。あれこそが役者だなって、思った。だけど、僕はそういうタイプじゃない。『僕は、ぼくでしかいられない』って感じたんです」

聞き手;
「ファンとしては、つくづく惜しいと思いますね」

千葉氏;
「そう言ってもらえるとうれしいですね。でも役者として足りないものが、たくさんあった」

佐々木氏;
「俺はやけどをした後に、役者として再起したかったんだけど、くすぶってた期間が5~6年あって、もうダメなんだって何回も思った。でもこのまま思いを残して辞めたら、役者として中途半端だと思った。このまま終わりたくない、ちゃんと演技がしたい。

オレが理想とする俳優は滝沢修さんで、その人を勝手にライバルだと思ってた。10代の頃その人の芝居を見て、役者を目指すようになった。でもいくら演っても、その人との距離は縮まってない。でももうちょっと役者として、何とかなりたいよね」

千葉氏;
「僕が役者を辞める時、ずいぶん言われましたね。でも僕の中ではリタイアとは違う。自分には信念がありましたから、きっぱりと足を洗いました。中途半端に役者やってた自分には、芝居に対して厳しい気持ちが無かったんだと思っています」  (つづく)


★★★★★★★★★★★★
千葉治郎氏はハンサムなので、この対談に載ってる写真はもうおじさんのはずなのだが、見ていてカッコイイなぁと思う。本当に、役者を辞めてしまったことが勿体ないなと思ってしまう。人は見かけによらないという言葉(ちょっと使い方が違うかナ!)もある。

カッコイイから役者に向いているとは限らないということだ。だとしたら、筆者にもチャンスはあるかな?(笑) 今は森林を守る仕事に就いておられると聞く。

話は変わるが、快傑ズバットで、千葉治郎氏が悪役をやっていたことを思い出した。ズバットスーツに対抗する?ために開発した繊維、シルベールをめぐって争う話だ。どうも悪役は彼には似合わない、やっぱり悪をたおす正義の味方がよく似合う。

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仮面ライダー(10) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その7 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
聞き手;
「千葉さんは、佐々木さんの火事のこと知ってたんですか?」

千葉氏;
「全く知らなかったです。ついこの間、知ったんです」

佐々木氏;
「(聞き手を指して)君たちの様な年代の人から『あの頃どうだったんですか?』ってライダーの取材を受けるようになって、俺はずいぶんうそつきになってきたような気がするの。『仮面ライダー』やってた頃って、一生懸命だったけど、俺だって治郎チャンと同じで、それほど深く考えてなかった。

今になって、こうして取材を受けるようになって、『仮面ライダー』がとてつもなく大きな存在なんだなって分かる。何故かというと、俺の俳優人生の中で仮面ライダー2号を演じているのはたった1割くらいの部分なのに、いつもライダー、ライダーって言われるじゃない。

そうじゃなきゃ、『昔見たことありますよね』くらいで終わっちゃうはずだもん。ライダーをやっていたからこそ、こうやって自伝まで出してもらえるじゃない。だからこそ、あんまりエラそうなこと言っちゃいけないって気がする」

聞き手;
「なるほど」

千葉氏;
「ボクも最近、『仮面ライダー』を見てた人達から『本当に辞めちゃったんですか?』って聞かれて、『サインしてくれ』なんて言われる。けど、もうサインなんかすっかり忘れちゃってて出来ない。そうして自分ではすっかり忘れていたはずの滝和也という存在がどんどん大きくなって、また意識するようになってきたんですよね」

聞き手;
「『仮面ライダー時代』の千葉さんの写真って、まだありますか?」

千葉氏;
「全部捨てました。子供に見られたくなかったんです。子供にこういう商売させたくなかったし、なんかイヤだったんですよ。台本とかも押入れの中に半分くらいあったけど、全部捨てた」

聞き手;
「千葉真一さんの弟という意味でのプレッシャーは、ありましたか?」

千葉氏;
「正直言って、ありますよ。すべての面で付いて回ったし、だからこそ最初からポンポン役が取れたのは、間違い無いですしね」

佐々木氏;
「だから一時、矢吹二朗に芸名変えたんですよ」

千葉氏;
「今思えば、変えなきゃよかった(笑)」

佐々木氏;
「変えたって同じだって、言ったのに」

聞き手;
「ライダーの現場でも、千葉真一の弟だってことで期待されて、それに応えなくちゃってことはありましたか?

佐々木氏;
「俺も含めて、どうしても比較しちゃうじゃない。あの千葉真一の弟だってことに、興味持っちゃう。だけどそれほど、比較してみようって気でもないんだよ。でも本人が、周りの目を意識してしまうってことは、あっただろうな」

千葉氏;
「そりゃ、ありますね。だから僕は父親になって、子供だけは絶対比較するのは止めようって思った。だから、それぞれの良い所を引き出そうって努力してきました。一人一人、個性もちがいますからね」

聞き手;
「ここでちょっと『おふたりが語る共演者への思い』ということで、おやっさんを演じられたライダーの父、小林昭二さんの印象からお聞きしたいんですが」

千葉氏;
「小林さんが『仮面ライダー』の中できちんとアクションに絡めるのは、足腰がしっかりしていたからだよね」

聞き手;
「おやっさんは40代には見えない様に、わざと老け演技してますよね」

佐々木氏;
「役の為に、少し声のキーを下げてるんですよ」

千葉氏;
「今の感覚で見るおやっさんって、50歳超えてるって感じだよね」

佐々木氏;
「お仕事でご一緒させてもらったのは『仮面ライダー』が最初なんだけど、俳優小劇場養成所に入るときの試験官だったの。だから先生なんですよ。大先輩でもあり、舞台を見に行ってすごく感動させてもらった部分もある。たしか『鯉』だったかな、これが素晴らしい舞台だったの。だから役者として、心から尊敬しています」

千葉氏;
「ホントに良い人でしたね。僕も、現場で随分勉強になりました。芝居のこととか、しゃべり方とかね」

聞き手;
「発声などを、小林さんが千葉さんに直接アドバイスしてくれたりとかは、あったんですか?」

千葉氏;
「直々にそういうことは無かったですけど、たくさん演技を盗むことはできましたね」

佐々木氏;
「基本的にああだこうだという指導型の人ではなかったけれど、ふとした時に教えてくれたりする。そういうやさしさがある人だった」

千葉氏;
「本当に素晴らしい方で、もうそれしか言葉がありません」

佐々木氏;
「それに、先輩なんだからっていう態度を、一度も感じたことが無い」

千葉氏;
「本当に『おやっさん』っていう、親しみやすいイメージの方でした」

佐々木氏;
「周りと緊張させない、すごく穏やかな人だったよね」

聞き手;
「撮影中に、小林さんに助けてもらったことは?」

佐々木氏;
「いるだけで、現場の雰囲気を和ましてくれた。あれだけ若い連中ばかり集まった現場の中で、先輩格の役者さんが威張る人だったら、現場が委縮しちゃうでしょ。そういう意味で、若い俺たちにやさしく接してくれた『おやっさん』がいたからこそ、みんな伸び伸びと芝居ができたんだよね。包容力があって、素晴らしい先輩だった」

聞き手;
「生田スタジオの頃って、役者さんはほとんどが若い人ばっかりですもんね」

千葉氏;
「役者もスタッフも、スタントもメーキャップも、大体同い年くらいだし。ある意味で、仲間意識がある。アクションもありますので、危ないことだってする。そういう中で、小林さんの優しさだけが、みんなの心の拠り所でしたね」   (おわり)


★★★★★★★★★★★★
佐々木剛氏は、34歳の時に自宅を全焼する火事を出し、一命は取り留めたものの、役者の命ともいえる顔に火傷痕を残してしまった。回復後9年間は仕事が激減し、生活は苦難を極めた。しかし44歳の時に昔の俳優仲間の支援で舞台に復帰、俳優業への復帰を果たす。

そのことをきっかけに、人生が徐々に回復をしてきている。そして『仮面ライダー』も、人生の応援をしてくれている!がんばれ、一文字隼人、佐々木剛!

2012年、ファンのための居酒屋「バッタもん」を東京都板橋区大山に開業。自ら接客をして、ファンサービスをしている。

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