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仮面ライダー(8) ~一文字隼人と滝和也、メモリアルヒーローズ対談その5 [一文字ライダー・その1]

(前回のつづき)
聞き手;
「佐々木ライダーになってから、地方ロケが多くなりますよね。大阪行って、北海道行って、伊豆の温泉みたいな」

佐々木氏;
「ずいぶん、タイアップが効くようになった」

千葉氏;
「ロケで思い出したけど、アマゾニアの時の岩場にある吊り橋って、結構高い所なんだよ。あれ、ぐらぐらして嫌だったな」

佐々木氏;
「俺にもある。強い風が吹いているのに、断崖の上で変身ポーズっていうんだよ。だってさ、画面見るとアップに寄ってるんだよ。これじゃ意味ないでしょ。バカヤロウって、俺怒ったもの。だって下で撮ったって同じじゃない。後ろに空が写っているだけなんだから。

それで俺が嫌がったらさ、剣友会が演って見せるんだよね。だけど『そっちは落っこちたっていいかもしれないけど、俺は絶対にイヤだ』ってやらなかった。だってこんなので、怪我したくないもん(笑)」

聞き手;
「第14話からオープニングもエンディングも変わるわけですが、エンディングの撮影も大変だったらしいですね?」

佐々木氏;
「あの橋から落ちるやつでしょ。(剣友会の)岡田君はね、ホントは泳げないの。泳げないからこそ、豪快に水に転落していくの。水面にぶつかるときの痛さが分からないから、マットに落ちるのと同じでガァンて落ちるわけ。だからきれいなんだよ。泳げるやつは痛いの知ってるから、身体ひねったりするのよ」

聞き手;
「だからあのエンディングは、すごく迫力があると」

佐々木氏;
「だって剣友会の若い奴らってものすごいスタントやらされてたし・・・よくやってた。今は若いのにやれって言うと、さっさと辞めちゃうんだってさ」

千葉氏;
「危ないこと、平気でしてたもんね」

佐々木氏;
「マットに落ちないで岩の上とかに落ちたり、怪我なんてしないほうがおかしいくらいの、迫力あるスタントしてたよな」

聞き手;
「大野剣友会の話が出たところで、ライダーのアクション部分についてお聞きします。ライダースーツ着てても、大野剣友会の人ってそれぞれの動きに独特のクセがあるからすぐわかりますよね?」

佐々木氏;
「足の長さで、これは岡田君だとか。文弥さんも、肩に力の入った変身ポーズですぐわかる。綺麗だったのは、中屋敷くん。あいつはサイドキックして、足あげたそのままのポーズで静止できたからね」

千葉氏;
「みんな、怖いもの知らずのスゴイ人ばっかりでしたね。『仮面ライダー』の魅力の一つであるアクションのテンポが良いって部分も、彼らの功績ですよ」

佐々木氏;
「剣友会の連中って、本質的にはみんな役者志望なんですよ。だからゲストとして役者さんが出演しても、上手くなければ剣友会で間に合うって思ってたの。

だから『なんで剣友会を出してあげないの?』って、阿部さんなんかとよく口論になった。大野剣友会だって素顔で出演出来たらうれしいし、励みになるじゃない」

聞き手;
「この頃のライダーを演じているのは、基本的には岡田さんと中村さんですか?」

佐々木氏;
「ほとんど、そう。たまに大杉君とか。中屋敷は、他の番組に行ったのかな、ちょっと抜けてたこともある。結果的には、たくさんの人間がライダーに入ってると思う」

聞き手;
「千葉さんは剣友会が演出する立ち回りを、どう感じて演技してましたか?」

千葉氏;
「今見ると、僕は立ち回りの意味を解ってなくて、やってたんですよ。なんていうか、どうも上手くないですね」

佐々木氏;
「剣友会の立ち回りっていうのは、殺陣なのね。治郎チャンのは、どっちかっていうとアクションなのよ」

聞き手;
「千葉さんは時々、後ろ回し蹴りをやりますけど、あれは相手との距離が合いにくいでしょう?」

千葉氏;
「いや、剣友会は蹴られ殴られ役のプロばっかりですから、見事なヤラレっぷりを見せてくれましたよ」

佐々木氏;
「剣友会の殺陣は、一つ一つの殺陣の動きの中にキメがある。だから時代劇の刀を上段に構えた時みたいな、見栄をきる所作が入ってる」

聞き手;
「アクションに関して、役者側からこんな風にしたいっていうのは、ないんですか?」

千葉氏;
「一度無理言って、何カットか殺陣をやらしてもらったことありましたけど、全然異質なモノになっちゃいました。どうしてもね、自分の趣味が入っちゃうでしょ。それがフィルムになった時に見栄えがいいかどうかっていうと、全然別なんですよ。だから大した事できませんでした」

佐々木氏;
「俺も失敗したことあるんだ。『柔・黒帯風雲録』という番組で、ちょうど殺陣師が風邪ひいてこなかった時があって、1シーン分の立ち回りを自分でやったんですよね。

その日俺はいつものように遅刻して、監督は怒って口もきいてくれなかった。殺陣はって聞かれてあ、『お前、自分でつけろ』って言われた。それで自分で殺陣付けて、許してもらったんです」

千葉氏;
「じゃあ、ちゃんと殺陣付けられたってことでしょ。さすが剛ちゃんは現場に強いね」

佐々木氏;
「いやぁ、番組の内容が柔道モノだったからできたの。『柔道一直線』経験してるから、朝飯前ですよ」  (つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回の内容は、治郎ちゃんより剛ちゃんのほうの《メインの話》が多かったようですね。ところで、『黒帯風雲録・柔』について補足しておく。柔道の講道館の創始者である嘉納治五郎の生きざまを描いた原作『柔』をベースにした、佐々木剛主演の60分番組である。

日本テレビ系の土曜ゴールデンの時間帯に放送するも視聴率では裏番組『全員集合』に太刀打ちできず、またこの時間帯は巨人戦ナイトゲームの放送もあって、半年間の放送期間ながら印象の薄い番組になってしまっていた。

話は変わるが、美空ひばりさんの『柔』という曲のカラオケ(機種は不明)に、この柔道ドラマのフィルムが使われているらしい。カラオケに行ったらこの歌にチャレンジしてみよう。運が良ければ、若き日の佐々木剛に会えるかもしれない。



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