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ウルトラQ(2) ~のどかな平和な歌声を破って、それは地球に到達した [ウルトラQ・ドラマ]

今回は第3話『宇宙からの贈りもの』(監督;円谷一 脚本;金城哲夫)を取り上げます。
白黒ながらクリアになった迫力ある画像を観ることが出来て、うれしいかぎり。

◆火星表面を撮影するために打ち上げたロケットが行方不明になって、半年が経った。それがある日何の前触れもなく、カプセルだけが地球に戻ってきた。発見者はたまたまセスナで飛んでいた、星川航空の万城目と由利子。

これは火星に住む我々と同等か、それ以上に進んだ高等生物が送り返してきたとしか思えない。カーネル・サンダースのようなお顔の一ノ谷博士が、そうつぶやいた。

有識者の意見を聞くため、緊急会議を招集した政府。有識者メンバーの中に、脚本家・金城哲夫氏の顔が見える。ウルトラマンのザラブ星人の時も、こんな感じで出演している。もちろん金城氏のセリフは無い。

着水地点から回収したカプセルのパラシュートが、未知の繊維だった。カプセルに積んであったカメラが、何物かを写していた。そしてカプセルには、うずらの卵大の金色の玉が2個積まれていた。

『友情のしるしというわけか!』 楽観視するメンバーが多い中、一ノ谷博士と議長(軍事関係者か?)だけは慎重な姿勢を崩さない。『用心に越したことはない。小さいが未知のモノだ』
 
厳重に金庫へ保管された2個の金色の玉は、悪人が金塊と間違えて持ち去ってしまう。星川航空にその悪人が現れ、万城目は脅されて指示通りオオクラ島へ飛ぶ。オオクラ島へ何しに来たのか分からないが、洞穴の中で何かを探す悪人ふたり。

洞窟の中ですべった拍子に、金色の玉のひとつが煮えたぎる池の中へ転がり落ちた。やがてそれは巨大な卵となり、カラを破って中から怪生物が出現した。全身がテカテカに光り、ぬるぬるしたナメクジを思わせるような皮膚感の怪生物。

長く伸びたふたつの目から怪光線が発射され、それに当たった悪人ふたりは固まったように動かなくなった。オオクラ島の洞窟から異様なうなり声が聞こえるとの通報を受け、現場に向かう万城目たち。

洞穴の中で死んだ悪人たちを見つけると、火星怪獣が咆哮しながら万城目たちに迫る。島の端に追い詰められる万城目たち。万城目ひとりが囮になって、火星怪獣を引き付ける。が、後ろは海だ。崖に必死にしがみつく万城目。

と、次の瞬間、火星怪獣は大海原に落ちていった。ブクブクと泡を立てて溶けていく火星怪獣。事件解決?しかし金色の玉はふたつあったはず。もう一つはどこへ? 万城目が、一ノ谷博士に問いかける。

『火星人は、どうして怪獣の卵をカプセルの中に入れたんでしょうか?』
『きっと、人類に対する挑戦か威嚇だね』
 
そんな話をしているうちに、由利子の胸元に掛けている金色のペンダントが、どんどん大きく重くなっていく。『キャー、早く外して!』コーヒーを作るためにアルコールランプが焚かれていた。その炎に温められて、胸元の金色の玉はどんどん大きくなっていく。

それは悪人が万城目と格闘した時に事務所内に落とした金色の玉の一つで、一平が拾ってペンダントを作り、由利子にプレゼントしたものだった。ペンダントからはずして窓の外へ捨てたそれは、巨大なたまごと化し、殻を破って中からは再びあの火星怪獣が出現した!

『無限にある海水が、このドラマを締めくくってくれるに違いない・・・ナレーションが被ってこの恐ろしい話は終わる』


★★★★★★★★★★★★
タイトルだけ見るとロマンがあるが、中身は地球侵略モノである。このストーリーは、のちに金色の玉を合体ロボット・キングジョーに変えて、侵略宇宙人モノとして『ウルトラセブン』で映像化される。

人類が打ち上げたロケットを侵略と勘違いしたペダン星人が、報復の為に侵略ロボットを地球に送り込み攻撃するという話である。どちらの場合も、文明が進んだ星々の間では大宇宙のルールが決められていて、勝手に振る舞うことは許されない時代になっているという設定。

それを知らない地球側が勝手をしてしまい、しっぺ返しを食らうという話だ。我々の人間社会でも同じだ。成人になったら、『それは知りませんでした』は通らない。社会常識や社会ルールは教えてもらうのを待つのではなく、自分で調べることが求められる。

世間とは冷たいものだ。目を見開き耳を大きくして、世の中の様子をよく観察することが、大切だ。ウルトラQでは、人類はまだまだ未熟なので、(戦争や差別などを完全に無くすまでは)大宇宙の仲間には入れてもらえないだろうと悲観的である。

この時から半世紀近くの時が経つ。果たして人類は、どの程度進歩しただろうか?


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