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初代ウルトラマンの思い出(1) ~元科特隊3人が語る当時のあんな事こんな事 [ウルトラマンこぼれ話2]

放送終了から半世紀近くが過ぎても、未だに親から子へ語り継がれているウルトラマンとその物語。すでにムラマツキャップは他界しておられないが、他の科特隊メンバーはいまだ健在。今日は座談会という形を借りて、ハヤタ、アラシ、フジの三隊員に登場して頂こう。

ハヤタ元隊員;黒部進氏
アラシ元隊員;毒蝮三太夫氏
フジ元隊員 ;桜井浩子氏


ハヤタ;
「(アラシを指して)あなた、全然変わらないね」

フジ;
「キャップはお亡くなりになって、残念でしたね(1996年8月没)」

ハヤタ;
「あれ、もう何年になる?」

フジ;
「もう20年くらい。私ね、もうキャップが亡くなった時の年齢を通り越したもの」

アラシ;
「おれも、ハヤタももう超えちゃったんだ!キャップの分まで、俺たちが人生楽しんであげないとなぁ(笑)キャップを偲んで。5人いたよな、あとキャップと二瓶か、いないのは。」

ハヤタ;
「二瓶(イデ隊員役)ちゃんは、生きてるよ(笑)。ここにいないだけで」

ハヤタ;
「世界でも珍しい作品だよね、これだけ長く支持されている番組はね」

アラシ;
「誰かが言ってたよ、ミッキーマウスやスーパーマンは定着したよね。でも日本では定着することは珍しいって。それだけウルトラマン・ウルトラセブンが、作家も、演出家も、俺たちも・・・・俺たちは違うか?(笑)」

ハヤタ;
「いやぁ、俺たちもいないとダメだったのよ。ハヤタがいないとダメだったのよ」

アラシ;
「自分のことばっかり言うけどね、アラシがいないとダメだったんだよ」

フジ;
「あたしも、フジ隊員がいないとダメだったのよ、紅一点だもの」

ハヤタ;
「みんな、そうなの!」

アラシ;
「そんなこと思ってないよ、あの時は。俺たちは会えばすぐ、撮影の後どこに飲みに行く?ってそればっかりだったもん(笑) 台本は読んでないわ・・・」

フジ;
「読んでますよ、私は。あなたたちでしょ(笑)」

アラシ;
「字が難しかった(笑)」

ハヤタ;
「漢字が多かったね(笑)、台本に」

フジ;
「難しかったですよね、漢字が」

アラシ;
「台本がちゃんと活字で印刷されててさ、今みたいにさ。当時のテレビの台本ってさ、ガリ版刷りもあったんだよ。それに比べたらきちっとした物でね、結構、漢字が多かったなぁ」

ハヤタ;
「うん、漢字が多かった。ホントは絵で描いてくれれば、よかったんだけどさ(笑)」

アラシ;
「シュワッしか読めなかったな(笑)。二瓶(イデ隊員)なんか読めないもんだから、それに黒部(ハヤタ)も読めない。それでキャップにこれ何て読むのって聞いたら、誰かに聞いとくれって(笑)」

フジ;
「ウルトラマンの顔を初めて見たときの印象は、どうでしたか?」

ハヤタ;
「ウルトラマンにしろセブンにしろ、支えたのはあのフェイス(顔)のデザインがすごく大きいと思う。故・成田さんがデザインしたウルトラマンのフェイスですよ」

アラシ;
「あれから派生してウルトラマンは何代も続いたけど、原点は変わってないもんな。最初見たときにね、ツタンカーメンを思い出したよね」

ハヤタ;
「日本でいうと菩薩ですよ、それくらいすばらしいものですよ」

アラシ;
「『これが子供たちのヒーローになるかな?』っていう、違和感はあったね」

フジ;
「ちょっと、鉄仮面みたいだったわね」

アラシ;
「近寄りがたい印象な。素晴らしいものを作ってくれたよ」

ハヤタ;
「あのフェイスの中にはね、人間が持ってなきゃいけない『勇気・理性・愛情・パワー』、そういったものがどっかに感じられるのよ」

フジ;
「当時、ウルトラマンがこんなに人気が出ると思いましたか?」

アラシ;
「思わないヨ。当時この隊員服着るのが嫌で嫌で。こんなオレンジ色の服、恥ずかしかったよなぁ」

フジ;
「それは、みんな共通(笑)」

ハヤタ;
「銀座とか丸の内のロケでひとりだと恥ずかしかったから、いつも5人いっしょでね(笑)。だけどやってよかったんでしょ?」

アラシ;
「よかったよ、おれの歴史からウルトラマン、ウルトラセブンは外せないんだから。(フジを指して)私はフジアキコじゃないわよって言ってた時期があったんだよ」

フジ;
「そうそう、それで私怒られたのよ」

アラシ;
「ウルトラマンはお前の世界から外せないんだから、『知らないよとかやってない』ってウソついちゃいけないヨって、怒ったんだよ」

フジ;
「キャップにも同じように、怒られましたね」

ハヤタ;
「ボクら当時若かったから、こういう作品に出演してることが恥ずかしかったんだね」

アラシ;
「この前、俺と黒部が一緒にいたら、『素敵なショットですよ』って言われてさ。知ってる年代の人から見たら、夢のショットなんだよ。ハヤタとアラシがいるっていう」

ハヤタ;
「だから僕らは今になって見ると、恵まれたんだなぁって思うよね」

アラシ;
「だから自分から率先して、『この役、ボクにやらして下さい』って言ったってよかったんだよ。(ハヤタを指して)イヤイヤやってたのが、よくなかったんだよ」

ハヤタ;
「そうなんだよね(笑)」

アラシ・フジ;
「(大笑)」

アラシ;
「イヤイヤやってただろ?お前」

ハヤタ;
「そんなこと無いよ(笑)。よくホン(台本)を読んで・・・」

アラシ;
「ウソつけ、バカヤロウ(笑)。漢字がわかんないとか、違う回の台本持ってきて、あれ!あわねえ?とか(笑)。これは俺だ(笑)」

フジ;フジ;
「キャップに怒られたじゃない。みんな真面目にやれって(笑)」

(つづく)     
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初代ウルトラマンの思い出(2) ~造形家が語るマスクの謎と元科特隊3人が語るあんな事 [ウルトラマンこぼれ話2]

ウルトラマンを初めて立体化した男、造形家佐々木明氏の話をここで紹介しよう。

佐々木明氏;
「デザイナーの成田亨さんがウルトラマンのデザインを持ってきまして、次はこれをやるから模型を作ってくれと。その模型の段階でも、成田さんのいくつかの指摘はありましたけどね。マッチョマンみたいな感じも必要であるし、またスマートさも必要だと。目はトンボか、バッタのイメージだと。顔全体はちょんまげを付けた侍のイメージで。それで40センチくらいの全身像を造りました」

初代ウルトラマンには3つのタイプの顔がある。初回から13話までがAタイプ、14話から29話までがBタイプ、30話から最終回までがCタイプと呼ばれるマスクだが、いずれも怪獣との激しい戦いで傷んだボディを作り直す際に、少しずつ手を加えていった結果なのだが、Aタイプだけ特に他と違う理由とは・・・

佐々木明氏;
「一番最初のマスク(Aタイプ)は、これは誰からの要請か忘れましたが、ウルトラマンがしゃべるということで。それでどうやって作ったらいいかということで、全体を合成ゴム(ラテックス)で造りました。合成ゴムの裏側に樹脂の型を付けて、その樹脂の型をアゴの部分で分けて口を開閉できるようにしました。

最初のうちはいいんですけども、何回か撮影しているうちに、アゴの部分のゴムが伸びてシワが寄るようになってシワが残っちゃうわけ。で、2~3話やってるうちに円谷(英二)先生が見えて、『これ止めよう』ということになったんです。あまりにもシワができちゃうんで(笑)」


(前回座談会のつづき)元科特隊3人が語る当時のあんな事こんな事

フジ;
「シリーズ39話の中で、記憶に残っている場面は?」

ハヤタ;
「伊豆のシャボテン公園でお尻にシャボテンが刺さって、(アラシを指して)あなたにライト当ててもらってさ(笑)、トゲを一本ずつ抜いてもらった事とかさ(笑)」

フジ・アラシ;
「(大笑い)」

アラシ;
「おまえね、ハヤタ隊員はね、変身するスターだよ。一番カッコいい役だろう(笑)」

ハヤタ;
「足元が悪かったわけよ。下が砂利で凸凹だったのよ。怪獣だっていうんで、こうスーパーガンを構えてね、そしたらよろけて、ウチワシャボテンの上に腰を下ろしたと(笑)」

アラシ;
「シャボテンの上にしゃがんじゃったんだよな!そして『痛い、痛い痛い!』って。それで『カット、カット!』ってな。どうしたんだ?って言われてな。(夜間撮影で)見えないんだよな。

それで大きい10キロライト持ってきてもらって、ハヤタの方明るくしてもらおうとしたら、『バカヤロウ、ハヤタのケツ映すためにあるんじゃないよ!』って怒られちゃってな(笑)。それで見たら、黒部のケツに刷毛みたいにトゲがたくさん刺さってるんだよ、な。オレが取ってやったんだよ!」

ハヤタ;
「そうそう、そうそう」

フジ;
「カッコわるー、これが記憶に残った場面?」

ハヤタ;
「記憶に残っているのは、スプーンを持って変身しようとするやつかな」

フジ;
「実相寺さんのヤツね!あれ、つながってなかったんですよね!一回(テーブルに)置いてるんだもんね。あれって、やれって言われたの?」

ハヤタ;
「そう、やれって言われたの」
「そういえば、ここにはいないけど、ホシノ君もいたんだよな?」

アラシ;
「ホシノ少年ね。大きくなったよ、どっかでバッタリ会ったモン。10話くらい出たのかなぁ?」

フジ;
「後で聞いた話だけど、脚をスキーで骨折して、それで出演できなくなっちゃったんだって」

ハヤタ;
「そうだったの。一回みんなで会ってみたいもんだね」

アラシ;
「生きてるうちにな!(笑)」

全員;
「(笑)」

アラシ;
「あの時の作家の人たちが、単なる子供番組じゃなくてね、メルヘンでね、平和の願いを込めた内容を書いてくれたよね」

ハヤタ;
「全編にね、平和祈願の気持ちが流れてるのよ。そういうものが39本の話の中に流れてて、なお且つ、長い時間が経ってもファンが離れないということですよ」

アラシ;
「演じている当時はわからなかったけれども、『地球は地球人で守れ』っていう、円谷英二さんの大きなテーマだったな。それが最近になってわかってきたんだよな」

ハヤタ;
「そういう精神は、やってる当時はわからなかったんだよな」

アラシ;
「俺たち、こんな話今までしたことないよ。世界平和とかね、地球環境とかね、高邁な精神(がウルトラマンの話に込められてることを)だったっていうことを、これからも俺たちは言っていかなきゃいけないよな」

フジ;
「最後にあなたにとって、ウルトラマンとは何ですか」

アラシ;
「水戸黄門みたいな感じがするよ。俺たちは、助さん・格さんだよ。で、黄門さまが出てくれば、世の中が収まるっていう。そういう点で、俺は良い助さんであり格さんだったかなって、思うね」

ハヤタ;
「大変貴重な財産ですね」

フジ;
「この人達と長くお付き合いさせていただいて、とてもうれしく思います(笑)」
(おわり)

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ピグモン、エライ!~怪獣が身体を張って人間を助けるお話(第37話 小さな英雄) [ウルトラマンこぼれ話2]

ある日、銀座のデパートに怪獣が出現!通報で駆け付けた漫才師風の警察官ふたりは、『こういう時は・・・』と言って、科特隊に電話をかける。ここで面白いことが判る。科特隊の直通電話番号だ。『局番なしの999』。数分でムラマツキャップ他4名が到着。

怪獣の正体は、フジ隊員よりも小さい友好珍獣ピグモンであった。ピグモンが騒ぐように、吠えている。何かを訴えているようだと、ハヤタ隊員がつぶやく。ここでイデ隊員が変なことをいう。『あのう、どなたか通訳できる方は、いらっしゃいませんか?』(笑)。

怪獣語の通訳なんか出来る人間、いるわけ無いだろう!注意してみると、そのあともピグモンに向かってイデはボケ続けていて、声をかけてる。『あの、ピグモン、あんた、何言ってんの?』

あれだけボケていたイデ隊員が、場面が変わって、ひどく落ち込んでいる。そこへ、頼んでおいた武器の修理が終わってないとカンカンに怒るアラシ隊員。それはそうだろう。武器は科特隊の命だ。武器が使えなかったら、怪獣を倒すことはできない。

ハヤタ隊員が徹夜しているイデにコーヒーを運んでくると、イデはハヤタにつぶやく。『俺たちがいなくても、ウルトラマンがいれば十分だと思うんだ・・・』 当事者のハヤタは、『科特隊がウルトラマンを助けたことだって、あるじゃないか!持ちつ持たれつだよ』 

それでも、やる気を失くしているイデは、納得いかないようす。やがて怪獣酋長ジェロニモンが、怪獣たちを甦らせて総攻撃をかけようとしていることが判明する。人間の味方のピグモンは、いち早くそれを知らせに来てくれたのだ。早くジェロニモンを倒さなければ、大変なことになる。

この回に出てくる科特隊の兵器の威力は、スゴイものがある。まずキャップ、アラシ、フジの三人がスーパーガンの銃口を一つに集めて撃つ、トリプルショットだ。再生怪獣とはいえ、テレスドンを一撃で倒してしまう。イデはというと、相変わらずウルトラマンを頼みにしている。

ハヤタはそんなイデに対して、『俺たちが力一杯戦っている時にだけ、ウルトラマンは力を貸してくれるんだ』とイデを叱咤激励しながら怪獣に立ち向かう。再生ドラコが襲いかかりイデがピンチ、イデは大声でウルトラマンを呼ぶ。ハヤタはそれを見て、わざとウルトラマンにならなかった。

そこにピグモンが現れて囮(おとり)になって重傷を負う。『ピグモンは、お前の代わりに犠牲になったんだ!』ハヤタはイデを責める。自分の無責任さに目が覚めたイデは、新兵器スパークエイトで再生ドラコを仕留めるが、ピグモンは死んでしまう。

スパークエイト、これがスゴイ新兵器!怪獣の身体が蒸発するように、腹、足、頭と無くなっていく。しかも連続使用が可能だ。ウルトラマンが持ち上げたジェロニモンを、同様にイデがスパークエイトで仕留めている。

これだけ凄い兵器がそろっていれば、ウルトラマンはいらないとさえ思える新兵器である。脚本は金城哲夫、監督は円谷一、監修は円谷英二。これ以上の良いスタッフで良い作品はないだろう。


★★★★★★★★★★★★
人は自信を持って生きよう。依頼心を捨てて、自分を頼りに毎日を生きていこう。力一杯やれば、それが自分の成長につながるんだということを、この物語は教えていると思う。

タグ:小さな英雄
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