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初代ウルトラマンの思い出(2) ~造形家が語るマスクの謎と元科特隊3人が語るあんな事 [ウルトラマンこぼれ話2]

ウルトラマンを初めて立体化した男、造形家佐々木明氏の話をここで紹介しよう。

佐々木明氏;
「デザイナーの成田亨さんがウルトラマンのデザインを持ってきまして、次はこれをやるから模型を作ってくれと。その模型の段階でも、成田さんのいくつかの指摘はありましたけどね。マッチョマンみたいな感じも必要であるし、またスマートさも必要だと。目はトンボか、バッタのイメージだと。顔全体はちょんまげを付けた侍のイメージで。それで40センチくらいの全身像を造りました」

初代ウルトラマンには3つのタイプの顔がある。初回から13話までがAタイプ、14話から29話までがBタイプ、30話から最終回までがCタイプと呼ばれるマスクだが、いずれも怪獣との激しい戦いで傷んだボディを作り直す際に、少しずつ手を加えていった結果なのだが、Aタイプだけ特に他と違う理由とは・・・

佐々木明氏;
「一番最初のマスク(Aタイプ)は、これは誰からの要請か忘れましたが、ウルトラマンがしゃべるということで。それでどうやって作ったらいいかということで、全体を合成ゴム(ラテックス)で造りました。合成ゴムの裏側に樹脂の型を付けて、その樹脂の型をアゴの部分で分けて口を開閉できるようにしました。

最初のうちはいいんですけども、何回か撮影しているうちに、アゴの部分のゴムが伸びてシワが寄るようになってシワが残っちゃうわけ。で、2~3話やってるうちに円谷(英二)先生が見えて、『これ止めよう』ということになったんです。あまりにもシワができちゃうんで(笑)」


(前回座談会のつづき)元科特隊3人が語る当時のあんな事こんな事

フジ;
「シリーズ39話の中で、記憶に残っている場面は?」

ハヤタ;
「伊豆のシャボテン公園でお尻にシャボテンが刺さって、(アラシを指して)あなたにライト当ててもらってさ(笑)、トゲを一本ずつ抜いてもらった事とかさ(笑)」

フジ・アラシ;
「(大笑い)」

アラシ;
「おまえね、ハヤタ隊員はね、変身するスターだよ。一番カッコいい役だろう(笑)」

ハヤタ;
「足元が悪かったわけよ。下が砂利で凸凹だったのよ。怪獣だっていうんで、こうスーパーガンを構えてね、そしたらよろけて、ウチワシャボテンの上に腰を下ろしたと(笑)」

アラシ;
「シャボテンの上にしゃがんじゃったんだよな!そして『痛い、痛い痛い!』って。それで『カット、カット!』ってな。どうしたんだ?って言われてな。(夜間撮影で)見えないんだよな。

それで大きい10キロライト持ってきてもらって、ハヤタの方明るくしてもらおうとしたら、『バカヤロウ、ハヤタのケツ映すためにあるんじゃないよ!』って怒られちゃってな(笑)。それで見たら、黒部のケツに刷毛みたいにトゲがたくさん刺さってるんだよ、な。オレが取ってやったんだよ!」

ハヤタ;
「そうそう、そうそう」

フジ;
「カッコわるー、これが記憶に残った場面?」

ハヤタ;
「記憶に残っているのは、スプーンを持って変身しようとするやつかな」

フジ;
「実相寺さんのヤツね!あれ、つながってなかったんですよね!一回(テーブルに)置いてるんだもんね。あれって、やれって言われたの?」

ハヤタ;
「そう、やれって言われたの」
「そういえば、ここにはいないけど、ホシノ君もいたんだよな?」

アラシ;
「ホシノ少年ね。大きくなったよ、どっかでバッタリ会ったモン。10話くらい出たのかなぁ?」

フジ;
「後で聞いた話だけど、脚をスキーで骨折して、それで出演できなくなっちゃったんだって」

ハヤタ;
「そうだったの。一回みんなで会ってみたいもんだね」

アラシ;
「生きてるうちにな!(笑)」

全員;
「(笑)」

アラシ;
「あの時の作家の人たちが、単なる子供番組じゃなくてね、メルヘンでね、平和の願いを込めた内容を書いてくれたよね」

ハヤタ;
「全編にね、平和祈願の気持ちが流れてるのよ。そういうものが39本の話の中に流れてて、なお且つ、長い時間が経ってもファンが離れないということですよ」

アラシ;
「演じている当時はわからなかったけれども、『地球は地球人で守れ』っていう、円谷英二さんの大きなテーマだったな。それが最近になってわかってきたんだよな」

ハヤタ;
「そういう精神は、やってる当時はわからなかったんだよな」

アラシ;
「俺たち、こんな話今までしたことないよ。世界平和とかね、地球環境とかね、高邁な精神(がウルトラマンの話に込められてることを)だったっていうことを、これからも俺たちは言っていかなきゃいけないよな」

フジ;
「最後にあなたにとって、ウルトラマンとは何ですか」

アラシ;
「水戸黄門みたいな感じがするよ。俺たちは、助さん・格さんだよ。で、黄門さまが出てくれば、世の中が収まるっていう。そういう点で、俺は良い助さんであり格さんだったかなって、思うね」

ハヤタ;
「大変貴重な財産ですね」

フジ;
「この人達と長くお付き合いさせていただいて、とてもうれしく思います(笑)」
(おわり)



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