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ジャンボーグA(11) [ジャンボーグA・ドラマ2]

第33話『サンタが悪魔の鈴鳴らす』を取り上げます。
 脚本;安藤豊弘  
 特殊技術;矢島信男
 音楽;菊池俊輔
 監督;岡村 精
 怪獣デザイン;米谷佳晃

◆小学校は夏休みに入っていた。毎日寝苦しい夜が続く中、夏だというのに子供たちはサンタクロースの夢を見ていた。鐘を鳴らす音で目が覚めてみると、枕元にプレゼントが置いてある。正夢かと思い、袋を開けた子供たちは・・・。
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『隊長、昨夜から都内で、50人ほどの子供たちが行方不明になっているそうです。警察の調べでは全く手がかりがつかめず、困っているそうです』

警視庁からの応援要請がPAT本部へ届き、野村せつ子隊員が村上隊長へ報告した。
『よし、我々も調査する。行くぞ!』
『はい!』

PAT本部内のカフェで働く和也の母が、子供たちの謎の行方不明事件を聞き付けて、ナオキに声をかけた。

『今日、学校がお昼までだからご飯を食べにくるって言ってたのに、まだ来ないのよ!』
『そう言えば、もう3時だもんな・・・』

ナオキは、いつもの場所へ和也を探しにでかけた。一方、PAT本部では怪電波をキャッチし、それを追いかけていた。解析の結果、鈴のような音であることが判明した。

その頃和也(バットをもつ男児)は、友達2人と学校帰りに道草を食っていた。この付近の子供たちが行方不明になっていることは、和也の耳にも入っていた。そのウワサをしていると、前方から大きな袋をもった友達が手を振っている。
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会って話を聞くと、サンタクロースからのプレゼントだというのだ。
『鈴の音が聞こえてきたからパッと起きてみたら、これがあったのさ』

和也は「うそだろう?!」と言うが、タケシは本当だという。中身を見せてくれと頼む和也とカオリに、勿体ぶるタケシ。和也は怒ってしまい、カオリと反発してしまうのだった。

タケシはススムにだけ見せると言って、この先の踏切を渡った所で、プレゼントを開けようとしていた。和也とカオリはプレゼントの中身が気になり、そうっと隠れてその様子を見ていた。

すると遮断機が下りて、電車が通りかかってしまう。和也のいる所からでは通り過ぎる電車が邪魔になり、向こうの様子がわずかしか見えない。今タケシとススムが、袋を開けて何かを取り出している様子が見える。

また電車が来た。ゴーという電車の音で何も聞こえず、電車が通りすぎたあとにタケシとススムの姿は無く、怪獣人形が二つ置いてあるだけだった。
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『わぁぁぁ!』
しかも、サンタクロースがいきなり現れ、二体の怪獣人形を持ち去ろうとするのを、和也とカオリは目撃してしまう。

『見たな!お前達も、怪獣オモチャにしてやる!』
恐怖におびえる二人は走って逃げようとするが、サンタクロースから魔法のような掛け声をかけられた二人は、逃げようとする姿勢のまま静止してしまう。

逆回転フィルムのようにサンタクロースに引き寄せられていく二人。和也とカオリが大声で助けを求めていると、そこへナオキの運転するジャンカーがやってきた。いつもの場所へ和也を探しに来たナオキ。
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サンタクロースはナオキを見ると、呪文のような掛け声を二人にかけて3人の前から姿を消してしまった。すぐに事情を聴くナオキに、和也はワケのわからない事を言った。カオリが落ちついて説明をした。

『あのね、ススム君とタケシ君がオモチャの怪獣になっちゃったの!』
しばらくすると、和也とカオリのオデコに金色の十字架模様が浮かび上がってきた。
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PAT基地へ帰ったナオキは、和也とカオリの身の上に起こった出来事を報告した。村上隊長以下全員が、このサンタクロースの正体はグロース星人かもしれないと思った。だが、子供たちを狙った目的は、皆目見当がつかない。

『お前達はグロース星へ連れて行き、改造して怪獣にしてやる。ワハハハハ・・・』
サンタクロースはそう言って、怪獣人形にされた子供たちを見て笑った。都内で行方不明になった50人近くの子供たちは、みんな怪獣人形にされていたのだ。

和也とカオリをPAT基地へ連れてきて、オデコに描かれた金色の十字架を消そうと必死になるナオキと和也の母。だが、タオルで拭くくらいではまったく落ちない。突然、カオリが鈴の音が聞こえると言った。ナオキや和也、和也の母には、何も聞こえていなかった。

カオリにしか聞こえない鈴の音に導かれて、カオリはある場所へと向かって行く。そっとカオリの後を追って来たナオキは、カオリがサンタクロースと会うのを目撃するのだった。

ナオキは走って止めに入ろうとしたが、サンタクロースの魔法にかかって気を失ってしまう。カオリは光るボールを渡され、その光によって怪獣人形になってしまう。

行方不明の子供たちは全員、プレゼントの袋に入っていたこの光るボールマシンで、怪獣人形にされてしまっていたのだった。

小さな怪獣人形にされたカオリは、サンタクロースが担いでいる袋の中へ入れられてしまった。鈴の音が聞こえるとカオリが言っていた頃、PAT本部でも謎の電波を捉えて発信源を見極めようとしていた。

ジープに乗って発信源に到着したPAT隊員達は、そこで倒れているナオキと逃げようとするサンタクロースを発見する。隊員が発砲しようとすると、サンタクロースはこう言った。

『撃てるモノなら撃ってみろ。この袋の中には、子供たちが入っているんだぞ!』
村上隊長に介抱されたナオキは経過を隊長へ説明し、隊長からの攻撃中止の声を聞いたサンタクロースは、姿を消してしまうのだった。

依然として、和也のオデコの十字架模様は取れない。こんどは、和也の耳に鈴の音が聞こえてきた。ナオキは、和也を囮に使ってサンタクロースをおびき出そうと言い出す。

だが、和也の母は猛反対した。
『あなたが付いていながら、カオリちゃんは・・・ダメ、絶対にお断りよ!』

だが、怪獣人形にされて拉致された子供たちを取り返すために、和也の母は折れた。ジャンカーに和也を乗せて、鈴の音が聞こえる方向へ走るナオキ。そのあとをPAT隊員がジープで追いかけていく。

だが、ナオキは和也にウソの鈴の音の発生源を教えられて、ジャンカーを降りたわずかのスキに、サンタクロースは和也を怪獣人形へと変えてしまった。PAT隊員2名がサンタクロースに発砲し、弾は命中した。

だが、サンタクロースは巨大化し、グロース星人サタンゴーネに変身した。
『このサタンゴーネ、貴様らごときにヤラレはせん。この子供たちは怪獣ロボットに改造して、地球攻撃兵器に使う!』

連絡を受けた村上隊長は大型戦闘機ファイティングスターで出撃、ナオキはジャンカーで急ぎその場を脱出し、ジャンカーをツーダッシュさせた。ジャンボーグ9登場!

『この袋の中の大勢の子供たちの命は、ワシの一存で抹殺できるのだぞ!』
『今は、子供たちを助けることが先決だ・・・』
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左手に握られた子供たちの入った袋を、どうやって取り返すのか。サタンゴーネは袋の中の子供の命を盾にして、ジャンボーグ9の攻撃を封じようとしている。

ジャンボーグ9は一瞬のスキを突いて、口からスワニービームを発射、サタンゴーネをシビレさせた。倒れたサタンゴーネは、左手に持っている袋を放り出してしまう。
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(ジャンボーグ9の口から発射されるスワニービームは、口の形をしている)

袋を取り返そうと走るジャンボーグ9の足を引っかけて倒し、その間に袋を再び取り戻そうとするサタンゴーネ。だが、動きが鈍いサタンゴーネはジャンボーグ9に捕まり、袋はどちらの手にも入らず、地面に置かれたままだ。

ジャンボーグ9がミラクルフラッシャーを放ったが、決め技にはならない。戦闘が長引き、体力の限界が来たのか、フラフラのサタンゴーネ。
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最大の必殺技ダイナマイトパワーを使うために、ジャンボーグ9が全身にエネルギーを溜めている最中に、サタンゴーネは空へ飛び立ち逃げ去っていった。

ジャンボーグ9は子供たちの入った袋を両手で覆うと、復元光線を放射した。これにより、怪獣人形にされた子供たちは、全員人間に戻ることができた。新たなる敵・サタンゴーネとの戦いに闘志を燃やす、立花ナオキとPATチームだった。(つづく)
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★★★★★★★★★★★★
番組名の看板を背負った巨大ヒーロー(ジャンボーグA)が一度も出て来ず、それに代わるヒーローが敵と戦って勝ちを収めるという番組が、過去にあっただろうか。ウルトラセブンのカプセル怪獣のように、ヒーローが変身出来ない間を持たせる代理はあったが、その場合、最後はヒーローが戦って勝ちを収めた。ジャンボーグAは、極めて珍しいケースではないだろうか。



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