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シルバー仮面(2) [シルバー仮面・ドラマ]

今回は、第2回《地球人は宇宙の敵》を取りあげます。

脚本;佐々木守
監督;実相寺昭雄
宇宙人デザイン;池谷仙克
音楽;日暮雅信
ナレーター;森山周一郎

【キルギス星人】登場

【前回までの話は・・・
5人の兄妹の体に光子ロケットエンジンの設計図を隠して亡くなった父・春日博士。ロケットエンジンを完成させるためには、その秘密を解かねばならない。秘密を探るべく父の親友や愛弟子を訪問する旅に出た春日兄妹を、行く先々で宇宙人が狙っていた・・・】


◆東京近郊のとある村にある、津島博士の研究所を訪ねた春日兄妹。津島博士は春日博士の愛弟子だったため、期待していた5人だったが、残念ながら何も聞いてはいなかった。津島博士のプリズム方式で光一と光二の身体を調査してみたが、何も発見することはできなかった。

『亡くなった父は、先生の事をたいへん信頼していました。何かヒントのような事を、申していませんでしたか?』

『オレは一日も早く、オヤジの残した光子ロケットを完成させたいんだ。そして、オヤジを殺した宇宙人に復讐したいんです!』

長男の光一は何かきっかけをつかもうとして、また一番父親を尊敬していた光三は、若いせいもあって、発言に血の気が多かった。光三の言葉を聞いた津島博士は、反対意見を言った。

『光三君の気持ちは解る。しかし、光子ロケットをそんな目的の為に使うことは、私は賛成しないな・・・』

兄の光一も、津島博士と同意見だった。光一は、光子ロケットは一個人の恨みのために造られる物ではないと、光三を叱りつけるのだった。

村の小径を、先生と一緒に持久走をしている児童たち。と、突然赤や黄色のガスが森の方から流れてきて、子供達を襲うのだった。咳き込む子供達と先生は、目や口内が痛くなってきた。
『先生、痛い。助けて!』

その赤や黄色のガスを撒いている男が、森の中から現れた。背中にタンクを背負って、薬剤を散布するようにノズルの先からガスを撒いている。気が違ってでもいるかのように、男は大笑いしながらガスを撒いて、走り去っていった。

先生と児童たちは男を捕まえようと、後を追いかけて行く。男はガスを撒きながら山の方へ逃げて行き、やがて切り立った崖に追い詰められてしまう。男は背負っていたタンクを捨てて、ロープを大木に縛り付けると、崖から降りようとするのだった。

崖の上には、騒ぎを聞きつけた駐在さんや近所の農家の人など、大勢が集まってきていた。
『おーい。危ないから上がって来ーい!』

それでも男は、ロープで崖を降りていこうとする。徐々に下がっていったが、男は途中でロープを首に巻き付けてしまい、宙づりになってしまう。このままでは、この男の首が絞まって死んでしまう・・・。現場は大騒ぎになっていた。

春日兄妹は宇宙人に見つからないよう、津島研究所から一歩も外出しない生活を送っていた。だが、この騒動は研究所の周囲でも話題となり、閉じこもり生活にうんざりしていた末っ子のはるかは、姉・ひとみの制止を振り切って食事の途中で様子を見に出て行ってしまう。

それを見た光二と光三も、はるかの後を追って行くのだった。様子を聞いてきたはるかは、男が首吊り状態になっているから助けたいと言うのだった。それでも、兄姉たちは外へ出ようとはしなかったが、はるかの話を聞いた光二は違っていた。

目の前で死にかかっている人間を助けることが大事だと、立ち上がった光二。光二の意見に、兄の光一も同意した。崖下からライフル銃でロープを狙う光一、シルバーの力で落下してくる男を受け止めようとする光二。

だが、光三がスペクトルグラスをかけて崖の上から男を見ると、巨大な電球が左右に一つずつ突き出たような頭の形の宇宙人が、そこにいた。
『光一アニキ、止めろ!そいつは宇宙人だ!』

だが、光三の叫び声は、光一には届かなかった。ライフル銃の弾丸は正確にロープを捉え、男は崖下へ10メートル程落下していった。ジャンプして、素早く男を受け止めるシルバー仮面。気を失っている男をゆっくりと空き地へ寝かせるシルバー仮面に、せせら笑う男の声が聞こえた。

『ウフフフフ・・・春日光二、やっと出てきたな。ちょっとしたイタズラで、おびき出されたな。アハハハ・・・』
『何者だ、お前!』

男は宇宙人に変身すると、シルバー仮面に向かって言った。
『お前達の父が発明した光子ロケットの秘密は、必ずもらうぞ!』
そう言って、宇宙人は飛び去って行った。

光三は急いで部屋へ戻ると、宇宙人辞典のページをめくりながら、自分が見た宇宙人の姿を探した。
『くそぉ、ないなぁ・・・あった!キ、ル、ギ、ス、星人。こいつだ!』

光三はキルギス星人を退治しようと、ライフル銃を持ちだして村内を探し回ろうとするが、光一がそれを止めた。

『バカヤロウ。兄貴たちのおかげで、村の人達が迷惑しているんだ!キルギス星人を放っておけるか!』

ライフル銃は光一に取り上げられてしまったが、光三は村内を探し回った。そして、あの男を見つけ出すと、得意の空手で男を捕まえることに成功した。光三は男を研究所へ連れてくると、椅子に座らせてロープで縛り上げた。

5人の兄妹がキルギス星人に尋問しようとしていた時、叔父の大原が現れた。まるで、キルギス星人と示し合わせたように現れた大原に、疑いを持つ兄妹たち。大原も光子ロケットの秘密が知りたくて仕方がないのだ。

ケンカ腰のやり取りをしている春日兄妹と大原の前で、キルギス星人の男は突然、光一に向かって話し出した。

『地球人同士でも、信用できない人間がいるとみえるな。我々宇宙人が地球人を信用できないと言うのも、当たり前じゃないか?』
『違う。光子ロケットは、宇宙平和の為にしか使わない。信じてくれ!』

『地球人は、いつもうまいことばかり言う。それじゃあ聞くが、月の石を黙って持って帰ったり、金星にロケットを打ち込んだりしたのは、誰に断ったんだ?』
『・・・・』

『みろ、答えられないじゃないか・・・地球人は泥棒だ。昔、地球人は戦争をして、相手の国を盗もうとした。そして今、地球人は宇宙の星を盗もうとしているんだ。確かに、地球の科学の発達はめざましい。しかし、地球人はその科学を、戦争や国を盗むことにしか使わなかったじゃないか』

『何もかも一緒にしないでくれ。光子ロケットは、他の星と戦うために完成させるのではない。それだけは信じてくれ!』
『光子ロケットの秘密を渡せ。そうしたら、お前達が宇宙を侵略するつもりの無い事を信じてやる』

『光子ロケットの秘密は、俺たちにも解っていないんだ・・・』
『ウソをつけ。お前達が知らないわけがない。地球人の言うことなんか、信じられん・・・』

今まで黙って縛られていた男は、突然キルギス星人に変身すると、春日兄妹の前から姿を消してしまうのだった。

研究所から脱走したキルギス星人は、謎のガスを村中にまき散らしだした。このガスには、キルギス星特有のテールマチン毒が含まれており、このままでは毒に侵されて村人は全員死亡するだろうと津島博士は言った。

だが、春日博士から今日のような事態になることを聞いていた津島博士は、密かにワクチンの研究を進めていたのだ。

ワクチンは隣町の病院に出来上がっているのだが、行きつくまでに山一つ越えなければならない。光二と津島博士との会話を聞いていた末娘のはるかは、ジープを運転してワクチンを取りに行こうとする。

それを聞いた光一が乗り込み、はるか、ひとみと共にワクチンを取りに向かうのだった。だが、それを阻止しようとして、キルギス星人がジープを襲ってきた。

その時、バイクでやって来た光二が、キルギス星人にバイクごと突っ込んでいった。突っ込む寸前にバイクからジャンプしてシルバー仮面に変身した光二は、キルギス星人と戦う。シルバー仮面のパンチとキックが、星人を段々弱らせていった。

光一とひとみは、自分達の持つ赤光銃と白光銃をキルギス星人に向け発射すると、星人はたちまち燃え上がって絶命してしまった。

春日兄妹が取りに行ったワクチンで、村人たちは救われた。だが、春日兄妹が滞在する限り、宇宙人がまた村を襲うと思いこんでいる村人たちは、兄妹に立ち退くことを要求し、津島博士もそれを抑えきれなかった。春日兄妹は追い出されるように、この村をあとにするのだった。 (つづく)


★★★★★★★★★★★
宇宙人と春日兄妹との会話は、ウルトラセブンのペダン星人とダンとの会話に少し似ている。地球人の勝手な振る舞いに、宇宙全体が怒っていると宇宙人は言う。だが、宇宙人の狡猾さが、この後に顔を出す・・・

シルバー仮面の変身ポーズは、この時点ではまだ手探り状態であった模様。「アタック」の掛け声と変身ポーズが決まっていくのは、第5話からである。



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