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シルバー仮面(1) [シルバー仮面・ドラマ]

今回は、第1回《ふるさとは地球》を取りあげます。

脚本;佐々木守
監督;実相寺昭雄
宇宙人デザイン;池谷仙克
音楽;日暮雅信
ナレーター;森山周一郎

【チグリス星人】登場


◆ある夜、科学者・春日勝一郎博士の春日研究所が、巨大な炎に包まれてしまう。数台の消防車がサイレンを鳴らして春日研究所に到着し、消火活動をしようとホースを研究所へ向けた途端、ホースから火炎が放射されて驚く消防隊員たち。

それを見て笑っている黒いコートの男がひとりいた。黒い帽子をかぶり黒いコートを着た謎の男は、春日研究所が燃えている様子を見て、満足そうに甲高い声で笑っていた。
『ウーアハハハハハ・・・』

闇の中で響く笑い声の男の辺りからロケット弾が発射され、燃え盛る春日研究所に破壊活動を行う黒いコートの男。それを見ていた消防隊員のひとりが「何者だ!」と男に叫んだ途端、コートの男は消防隊員達にロケット弾を発射、彼等を殺害してしまうのだった。

停電で暗闇の中、炎の灯りに照らされながら、5人の兄妹たちは光子ロケットの設計図を必死に探していた。三男の光三が部屋から外へ出て、父からもらったスペクトルグラス(敵の正体が判るサングラス)をかけてみた。

すると、闇の中でひとり立つコートの男が、宇宙人の姿に見えた。光一があとから、光三を追いかけてきた。
『チクショウ!アニキ、アイツがオヤジの言ってたチグリス星人だ!これをかけてみてみろ!』

光一は光三からスペクトルグラスを受け取るとそれをかけてみた。すると、前方にいる男の姿が、猫背のヒョウのような姿の宇宙人に見えるのだ。

『オヤジは、アイツらに殺されたんだ!仇を取るんだ、放してくれ!』
『バカ、お前が今行っても、殺されるだけだ!』

二人の会話の間にも、チグリス星人は両腕からロケット弾を発射して、研究所を破壊し続けた。光一は光三を連れて、兄妹たちがいる部屋へ戻っていった。

『光一兄さん、何者?』(二女はるか)
『きっとお父さんが予言していらした宇宙人だわ!』(長女ひとみ)
『そうだ。父さんが言っていた恐ろしい日が、ついに来たんだ!』(長男光一)

必死で光子ロケットの資料や設計図をかき集めて、カバンに入れるひとみや光二やはるか。窓の外に、黒いコートの男が迫っていた。兄妹たちをみて、両腕から発砲して攻撃してくるのだった。光一は、父から託された白光銃を撃った。

『光子ロケットは、絶対渡さんぞ!』
ひとみは、父から託された赤光銃を撃って応戦した。もう兄妹たちのいる部屋にも炎が回ってきて、カーテンや柱が勢いよく燃え始め出した。

『光三。俺たちの使命は、父さんの仕事を完成させることなんだ。アイツらと戦うことじゃ無いんだ!』
『オレは逃げるのは嫌だ!死んでもココを守るんだ!』

『ばか、死んでどうするんだ!光子ロケットを完成させるためには、我々5人の力が必要なことが判らないのか!今は逃げるんだ!』

光三を説き伏せた光一は、全員で秘密の地下通路を通って逃げる。ひとみが先頭に立ち、はるかと光三を連れて先に行った。光一は、チグリス星人にこの地下通路を発見されないよう、次男の光二にリモコンで爆破するように指示をした。

ところが、リモコンが上手く働かない。火災の為に絶縁状態になってしまったようだ。
『解かった、俺が戻る・・・』
『・・・おまえ、シルバーの力を試すつもりか!』

光一は光二に、少し間を開けてそう訊ねた。5人の中で、一番体力のある次男の光二に、父はシルバー仮面の能力を与えたのだった。

宇宙の平和的利用の為に開発した光子ロケットを、悪い宇宙人が狙いに来ることは予測がついた。世間からは理解されなかったため、光子ロケットを守るために、父は次男にこの力を授けたのであった。

『こうなってはやむをえない。やってみる!』
『そうか・・・よし、頼むぞ!』

二人は見つめ合って、そう話した。まだ経験していない「シルバーの力」は、光二の身にどんな作用が働くか分からない命がけの手段だ。走っていく光二に、長女のひとみが声をかけた。
『気をつけて、光二兄さん!』

地下通路から階段を上り、マンホールの蓋をあけるようにして部屋へ戻ってみると、パチパチと音を立てて燃えつつある部屋の中で、コートの男が何かを探している様子が見えた。何かがパチンと弾けた音に振り向いた男と光二は、目が合ってしまった。

光二はすぐに「シルバーの力」を使うためのアクションをおこした。右手の平を握りしめたまま左胸の前にもっていき、ひじを中心にワイパーのように素早く右方向へ握りこぶしを振った。

すると、光二の脳の中にある「シルバーの力」のスイッチが入り、たちまちのうちに光二は中世の鉄仮面のような銀色のマスクの戦士・シルバー仮面に変身した。

シルバー仮面は、床に取り付けてあった地下通路爆破用の爆薬をチグリス星人に投げつけると、自分の目を発光させて熱線を発射した。チグリス星人は爆薬で、研究所もろとも吹き飛んでしまった。

春日兄妹の父・勝一郎博士は、エンジン部だけを残して、光子ロケットを完成させていた。だが、肝心のエンジンが無ければ、ただの鉄のかたまりに過ぎない。父はエンジンの設計図を、5人の身体のどこかに隠したのだ。

『レントゲンで見たって、何かが隠されている気配はないぜ』
『そんなにすぐわかるようなやり方で、お父さまは隠さなかったと思うわ』

光三の意見に、長女ひとみが答えた。光一は、みんなの前でこう言った。
『俺たちはこれから、父さんの友達や弟子だった科学者の協力を求めて、俺たちの身体に隠された秘密を探るんだ。そして一日も早くロケットを完成し、この地球を宇宙人の魔の手から守るんだ』

兄妹の一人が欠けても、ロケットは完成しない。皆で力を合わせて完成させようと、光一は皆に協力を訴えた。まずは、大親友の下村博士の元を尋ねる5人。だが、どんな方法でロケットエンジンの設計図を隠したのかについて、下村博士も知らされてはいなかった。

下村博士は、設計図の手がかりを求めて、サテライト光線で全員の身体を調べてみることにした。光三とひとみから、調べてもらうことになった。そこに現れたのは、叔父の大原であった。父の弟の大原は、武器商人であった。この男も光子ロケットのことが密かに気になっていた。

チグリス星人は春日兄妹をおびき出すため、ロケット燃料を積んだトラックを鉄道にぶつけようと画策する。線路上で立ち往生しているトラックの話を叔父から聞いた光二と光三は、現場へ様子を見に行くことにした。

光二は「シルバーの力」を使い、トラックを動かして危機を回避するのであった。だが、現場で黒いコートの男が暗躍しているのを見た光三は、後から来た姉のひとみにスペクトルグラスを渡すと、男の後を追いかけて行く。だが、逆に捕まってしまうのだった。

チグリス星人は自白装置を使い、光三から春日兄妹の居場所を聞き出した。そして光三に乗り移って下村博士の研究所へ行き、光子ロケットの設計図を奪おうとするのだった。

光三から受け取ったスペクトルグラスをかけた姉のひとみは、それが光三の姿をしたチグリス星人であることに気付き、叫んだ。
『チグリス星人よ、そいつは・・・』

光二と組み合った光三は倒れ、体の中からチグリス星人が抜け出た。設計図の入ったカバンを持ち逃げするチグリス星人。それを追いかける光一、光二とひとみ。

発砲してくるチグリス星人に、光二はシルバー仮面に変身して反撃した。両者が力比べになった時、シルバー仮面の目が光り、熱線が発射されて、チグリス星人は火だるまになって焼死してしまうのだった。盗まれたカバンと設計図はすべて回収し、事なきを得た兄妹たち。

下村博士と別れた5人は、父の愛弟子であったという津島博士の元を尋ねるため、新たな旅に出るのであった。 (つづく)


★★★★★★★★★★★
裏番組に円谷プロのミラーマンがあったため、視聴率的には苦戦を強いられた特撮番組である。シルバー仮面のターゲットは小学校高学年から中高生に置いていたらしい。そのためドラマ設定や内容がやや難解であり、小学校低学年生からみれば、わかりやすいミラーマンの方に流れてしまったということだろう。

劇中音楽は、ウルトラマンタロウの日暮雅信氏(主題歌は猪俣公章氏)が担当している。シルバー仮面は1971年、ウルトラマンタロウは1973年の放送。



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コメント 2

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

ミラーマンは記憶があるけど、シルバー仮面は記憶が・・・
多分、あまりTV見てなかったのかな?
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-10-08 07:04) 

レインボーゴブリンズ

なんだかなぁ~さん。いつもありがとうございます。そして一番乗り、おめでとうございます(^O^)/ 裏番組のミラーマンとシルバー仮面との間で、ガチャガチャとチャンネルを回して(リモコンなんて無い時代でした)観てました。父に怒られ、ミラーマンに落ち着いた記憶があります(^^♪
by レインボーゴブリンズ (2016-10-08 15:34) 

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