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ウルトラマン(12) [初代マン・ドラマ2]

《第27話 怪獣殿下・後篇》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;金城哲夫・若槻文三
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;円谷 一

【古代怪獣 ゴモラ(鈴木邦夫)】登場

【前回までの話は・・・
南太平洋のジョンスン島へ行った中谷教授一行は生きたゴモラザウルスを発見、生け捕りにして日本へ持ち帰ることになった。ゴモラ空輸を引き受けた科特隊は、睡眠薬で眠らせて輸送する手段を取るが、あと少しというところでゴモラは目覚めてしまい、空輸をあきらめてロープを切ってしまう。しかし2千メートル上空からの落下に耐えたゴモラは凶暴になり、ウルトラマンも歯が立たなかった・・・】


▼ゴモラはウルトラマンに打ち勝つと、再び地中に潜ってしまった。いつどこに出現するか分からないゴモラのために、大阪の町は再び恐怖におびえることになった。

中谷教授の提案で、UNG麻酔弾を使ってゴモラを眠らせて攻撃するという作戦を取ることにしたムラマツキャップ。科特隊ニューヨーク支部と連絡を取り、ワシントン大学のスミス教授のもとにあるUNG麻酔弾を大至急運んでもらえるように、ムラマツはフジ隊員に指示をだした。

ゴモラ対策として、科特隊本部へ行ってマルス133と小型発信器を取ってくることをハヤタへ、イデにはビーコンを作るように指示をだした。本部から持って来た小型発信器をゴモラに撃ち込み、地底へ逃げてもゴモラの位置が分かるようにするためであった。

大阪市民に緊急避難命令が出されていた。怪獣殿下のオサムの家では、母親が荷物をまとめて逃げる用意をしていた。だが父親とオサムには、なぜか余裕がある。

『どこへ出るか分からないものを、どこへ逃げたって無駄でしょ・・・。それにさ、一度出たところには出ないものさ。もしもゴモラが出たところで、オサムが言っていたナントカマンがサッと現れて、今度こそやっつけてくれるよ』

母親が必死に逃げる準備をしているのに、父親は趣味の釣り竿いじりをしていた。オサムはというと、手作りの怪獣のお面を被って、ベランダから怪獣が出そうな方角を眺めているのだった。

ゴモラが地中へ逃げてから4時間が経過していたが、ゴモラ出現の情報はまだ得られていない。ハヤタは本部から戻ってきていて、兵器の準備は整った。

イデのビーコンがようやく完成した。大阪市街地の地図が描かれたこの機械は、本部から持ってきた小型発信器に連動して、居場所を知らせることが出来るのである。

キャップが小型発信器のスイッチを入れると、地図上の中心、つまり大阪タワーに赤ランプが点滅した。
『よくやった。ご苦労!』

この小型発信器をゴモラに撃ち込めば、たとえゴモラが地底に潜っていても、現在地を特定することが出来るのである。マルス133という強力な兵器もあり、ゴモラ対策は万全となった。

その頃、ゴモラ発見の報が大阪タワーに入った。ハヤタはマルスを持ち、アラシはスパイダーショットを持って、現場へ出撃していく。淀川べりを歩いていくゴモラに、自衛隊火器部隊の一斉射撃が始まった。

ゴモラはビルを軽々と壊しながら進撃していく。マルス133を持っているハヤタへ、アラシが指示をする。
『ヤツの武器は尻尾だ。尻尾を狙え!』

アラシはハヤタの目の前に立つと、ハヤタはアラシの左肩にマルス133を乗せて固定すると、マルスの照準器に目を当てて、ゴモラの尻尾の付け根を狙って発射した。ドカーンと大きな音がして、ゴモラの尻尾は火災になった。

尻尾が切れて尻尾の断面が燃え上がり、ゴモラのお尻は火災になっていた。必死で火を消そうとビルにお尻をこすり付けるゴモラ。
『あっ、やったぁ!』

イデは、持っていた小型発信器をスーパーガンにセットしていると、それを見てアラシが言った。
『イデ、発信機は一つしかないんだ。そういうことは、俺に任せろ!』

ゴモラは地面を掘り始めている。アラシはできるだけ近づいて、ゴモラの尻尾の断面を狙って発信器を撃ち込んだ。ゴモラは地底に潜ってしまったが、ビーコンはゴモラの位置を点滅する光で刻一刻と知らせてくる。

ゴモラはいなくなったが、切れた尻尾が激しく暴れていた。自衛隊の戦車隊がゴモラの尻尾をめがけて集中砲火を浴びせていた。ハヤタはひとり地下道に入ると、胸ポケットに手を入れた。するとフラッシュビームが無い事に気付くのだった。

アラシとイデは、暴れる尻尾をめがけて必死に攻撃を加えていた。一方、ゴモラは地底を大阪城方面へ向かっていることがビーコンの動きから分ったため、ハヤタ、アラシ、イデを大阪城へ急がせた。自衛隊火器部隊も大阪城へ向かって、進撃を開始していた。

科特隊ニューヨーク支部から、国際電話が入った。ムラマツキャップが電話口に出ると、顔が曇ってしまう。スミス博士の元には、もうUNG麻酔弾の在庫が無いという連絡だった。それを聞いて、落胆する中谷教授。もはやゴモラをおとなしくさせることは、できなくなってしまった。

オサムは、先のウルトラマンとゴモラとの戦闘の際に拾ったフラッシュビームを勉強机の引き出しに入れていたが、ふと取り出すと考えた。
『そうだ、これをウルトラマンに届けなくちゃ!』

家を抜け出したオサムは、自転車で非常線が引かれている場所まで行くと、警察官に話をした。
『科学特捜隊の人に、これを届けたいんだ。おじさんには解からないけど、とても大事なモノなんだ!』

『坊主。これを届けるために、わざわざ来たのか?』
『そうだよ。だから、早く通してくれよ!』

真剣な表情のオサムの様子を見て、吉村警官は何か気になるからとオサムをパトカーに乗せて、科特隊のいる大阪城まで連れて行くのだった。

ビーコンで表示したゴモラの動きが、大阪城付近で止まった。すでに自衛隊火器部隊は大阪城付近にいて、戦闘準備は整っている。科特隊の三人が大阪城に着いた頃、地中からゴモラが姿を現した。ゴモラに対し一斉射撃を行う自衛隊火器部隊。

だが、鋼鉄のヨロイのような体をしているゴモラはびくともせず、戦車隊に襲いかかっていくのだった。科特隊の三人に、キャップから通信で指令が届く。

『ムラマツだ。三度目の正直、今度こそゴモラを叩きつぶすんだ。ゴモラを運んだのは我々だ。科特隊の名誉挽回のためにも、大阪城を守ってくれ!』

ハヤタは、アラシ、イデと別れてゴモラの横から攻撃をしていた。ゴモラはとうとう、大阪城を破壊し始めた。バリバリ、バーンと500年の遺産が崩れていく。ゴモラはツノや爪を使って、大阪城を完全に破壊してしまうのだった。

パトカーで大阪城に連れてきてもらったオサムは、吉村警官の制止も聞かずに戦闘が続いている現場へ走って向かうのだった。ハヤタを見つけて後ろから声をかけたオサムは、振り向いたハヤタに制止される。

『危ない、ここは危険だ。ここに来ちゃいかん!』
『ちぇッ。せっかくこれを持ってきてあげたのに・・・』

そう言って、フラッシュビームをハヤタに向かって差し出すオサム。それをみて、驚くハヤタ。
『あっ、それは・・・』

『ボク、怪獣殿下だよ。だから、何でも知ってるんだ。これ、ウルトラマンの大事なものなんだよ。だって、ウルトラマンとゴモラが戦っている時に拾ったんだもん!』

ハヤタはオサムの所へ駆け寄ると、オサムをゴモラからかばうようにして、フラッシュビームをオサムから受け取った。

『ありがとう、怪獣殿下。ウルトラマンも、きっと喜ぶよ。さぁ、ここは危険だから、向こうへ行ってなさい』

ハヤタに促され、オサムは走ってもと来た方へと返っていく。ハヤタは、迷わずウルトラマンに変身した。ゴモラは尻尾を振ってウルトラマンに攻撃しようとするが、その尻尾はもうない。ちぎれた尻尾の跡をウルトラマンに蹴りつけられ、ゴモラは大阪城のガレキに顔をうずめてしまう。

首投げが決まり、パンチを一発決めたウルトラマンは、三日月型のツノの左部分を、ヒザを使って叩き折ってしまう。ツノを折られた途端に、地面を掘る力も無くなったゴモラに、ウルトラマンはとどめのスペシウム光線を発射した。

『君のおかげで、ウルトラマンもゴモラを倒すことができたよ』
『すると、僕はウルトラマンの役に立ったんだね!』

ハヤタは皆には秘密だよと言って、お礼に流星バッジをオサムの胸に付けてあげるのだった。夕陽を受けて本部へ帰投する3機のビートルのハヤタ機から、オサムに通信が入る。

『ハヤタより殿下へ・・』
『ハイハイ。こちら怪獣殿下です・・』

『あまり怪獣にばかり夢中にならずに、しっかり勉強もするんだよ・・・』
『了解、了解。ハヤタさんも元気でね』
ハヤタと通信を交わしながら、オサムは、ゴモラと戦うウルトラマンの絵を仕上げていた。 (終わり)


★★★★★★★★★★★
もしゴモラを活かしたまま万国博覧会に出展するなら、どうやって展示するのだろうか?




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