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ウルトラマン(6) [初代マン・ドラマ1]

《第29話 地底への挑戦》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;南川 龍・金城哲夫
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;野長瀬三摩地

【黄金怪獣ゴルドン(扇 幸二)】登場


▼埋蔵量日本一の金山から、急に金が取れなくなった。学者たちの調査でも原因はつかめていない。その後廃鉱となってしまったその金山から巨大な怪獣が出現したという一報が、科特隊に入ってきた。

その金山を持つ室生町(むろおまち)は、その怪獣のために全滅に近い被害を受けてしまった。
『黄金の肌を持った凶暴な怪獣で、地上よりも地底の方が速く行動できるらしい』

ムラマツキャップが、怪獣に関する情報を隊員達に教えた。地底での活動を得意とする怪獣に対し、科特隊はどう戦うのか。イデ隊員が設計した新兵器・地底戦車ベルシダーが完成していたのである。

ムラマツキャップは、直ちにベルシダーをビートル1号機に積むようイデに言うと、自分と共に行動するようイデに命令した。そしてハヤタ、アラシ、フジの3名はビートル2号機へ搭乗し、室生町で救助活動に当たるよう指示をした。

金山の斜面を崩して現れた怪獣は、自衛隊の火気など平気で暴れ回り、町は破壊つくされてしまった。全身が金色に輝くイモムシのような体つきで頭にツノを一本持った四つ足怪獣。

地底に潜ってしまう前に始末するよう、ビートル機からロケット弾を撃ち込んだが、怪獣は再び地底に潜ってしまった。

地上で抗夫が手を振っているのを見つけたイデとキャップは、ビートル機を着地させると、抗夫のもとへ向った。この抗夫の話では、2日前から友人がこの廃鉱に入ったまま出てこないと言う。金に取り付かれた男で、金を探しに入ったまま出てこないという。

だが、怪獣の出現で地下の坑内は滅茶苦茶なので、生きている見込みは無いという判断をしたキャップ。だが、救助要請を受けたムラマツキャップは、ベルシダーで潜ることを決めて、このことをビートル2号機のハヤタへ連絡した。

『我々はベルシダーで地底へ潜る。怪獣を地上へ追い上げるから、現れたらやっつけてくれ。それまで上空で待機。いいな』

2号機は室生町の救助活動を終えて、金山近くを飛行していた。いよいよ、イデ発明の地底戦車・ベルシダーが先端のドリルを回転させて、地底へ潜っていく。モグラのような形をしたコンパクトな地底戦車である。

『頼むぞ、ベルシダー!』
イデは計器類を撫でながら、そうつぶやいた。レーダーに映る影は、ベルシダーの3倍の速度で地底を移動していた。

しばらく進んでいくと、ベルシダーは突然大きなショックを感じて停止した。ドーンと落下した様子だった。
『これだな、問題の洞窟は・・・』

ヘッドライトを点けると、正面に人影が見えた。どうやら、救助要請をうけた男のようであった。
『我々は科学特捜隊の者だ。要請を受けて君の救出に来た。坑内は怪獣に破壊されて、出口なしだ。さぁ、早くこちらへ来なさい』

だが、男はその場を動こうとはしない。金の事が心配なのだ。しびれを切らしたイデが、男を連れに天然洞窟に降りていく。抵抗する男をようやくベルシダーへ収容すると、男は大怪我をしていた。

『いくら科学特捜隊でも、ゴルドンに手出ししたら承知しないぞ!この山の金鉱を発見したのは、この俺だ。その宝の山を、ゴルドンは一かけらも残さず食べてしまった。ゴルドンの身体は純金でできている。あの金は全部オレのものだ!』

怪我をしながらも、ムラマツキャップとイデに必死に訴える男。操縦席のイデがレーダーを見て、ゴルドンが近づいて来ると告げた。すぐに地上へ逃げなくてはならない。ヘッドライトを消して、様子をみる。

ゴルドンが掘った穴の後について行くよう命令するキャップ。相手の後方ならば攻撃を受けないからだ。男が時々狂ったように金の事を叫んで、操縦を妨害しようとした。男をなだめて後ろの席へ連れて行くイデ。

その間にゴルドンは方向転換して、ベルシダーの方へ向かってきた。仕方なく光線砲を発射して、応戦するベルシダー。だがゴルドンにはあまり効き目が無く、怒ったゴルドンにベルシダーは振り飛ばされて大きな衝撃を受けてしまう。

ゴルドンはベルシダーを無視して、地上へ出現した。上空で待機していたビートル2号が、ロケット弾で攻撃を始めた。だがタフな怪獣で、ロケット弾が尽きてしまう。

ハヤタの提案で、地底に棲むゴルドンは光に弱いだろうから、目を狙って強い光線を発するコロナ弾を撃つという作戦だ。ビートル機を降りて、3人はゴルドンに近づいていった。だが、ゴルドンが尻尾で地面を叩いた大振動で、フジ隊員が崖から転落して大怪我を負ってしまう。

ハヤタが十数メートル転落したフジ隊員を救助に行く間にアラシがゴルドンに近づき、コロナ弾を発射。明るさを嫌い暴れるゴルドンの心臓付近を、スーパーガンで狙い撃ちしたハヤタとアラシは、ゴルドンを倒すことに成功した。

『やったやった。キャップ、ゴルドンを倒しました!』
『3人とも、よくやった!異常はないか?』

フジ隊員の負傷を告げるハヤタ。幸いにも、意識はある。すぐにフジ隊員を病院へ運ぶように指示を受けるハヤタ。
『キャップ、大したことないわ。それよりも、早く上がってきてください・・・』

フジ隊員は、自分が大丈夫だと強調するために、キャップに話かけた。ところが、ベルシダーはゴルドンに振り飛ばされたショックで、大変なことになっていたのだ。エンジン部が故障して、前進も後進も出来ない。イデが必死に修理をしているところだ。

イデの修理が完了してエンジン部が始動し、前進を始めた。だが今度はブレーキ故障が見つかり、後退するためのギアにチェンジできない。しかも酸素供給器と冷房装置も故障してしまったのだ。イデは肩を落としてしまう。

『私の責任です・・・』
『努力を続けろ!最後まであきらめないのが、科学特捜隊の精神だ!』

こんな所で死ぬわけにはいかない。キャップは、必死にイデに喝を入れる。一方、地上のハヤタは、もう時間があまり無い事を感じていた。ベルシダーを救うことが出来るのは、ウルトラマンだけだ。ハヤタはフジ隊員をアラシに預けて、病院へ連れて行くよう促した。

その頃、ベルシダーでは、イデの働きでギアが直り、後退しながら地上へ向かっていた。ところが、何かに激しくぶつかって、止まってしまうのだった。地底には2匹目のゴルドンがいた。しかも今の衝撃で酸素タンクが壊れてしまい、機内の酸素が供給されなくなってしまった。

今は、何一つ使える武器が無いベルシダー。だが・・・地底魚雷が一発あることを、イデが思い出した。2匹目のゴルドンが迫っているため、地底魚雷を撃ってゴルドンを地上へ追い出す決死の作戦をする二人。

魚雷スイッチが近いキャップが体を伸ばしてスイッチを押し、発射に成功する。地底魚雷を受けた2匹目のゴルドンは、驚いて地上へ逃げだした。地上で待っていたのは、ウルトラマンだった。ゴルドンを見たハヤタは、フラッシュビームを焚いた。

ゴルドンにまたがって首を絞めにかかったウルトラマンの首に、ゴルドンの長い尻尾がクルクルと巻き付いた。その尻尾で、ウルトラマンは弾き飛ばされてしまう。だがもう一度ゴルドンにまたがったウルトラマンは、攻撃してくる尻尾を手でつかんで、ゴルドンの首に巻き付けてしまう。

そしてスペシウム光線を受けたゴルドンは、絶叫して絶命するのだった。そのあとウルトラマンは一度空へ飛び上がると、Uターンして山の斜面から地中へ潜っていき、地底空洞内で埋もれかかっていたベルシダーを発見、地上へ運んで来るのだった。

ムラマツキャップとイデ、そして救出した男が目を覚ますと、室内モニターには飛び去っていくウルトラマンの姿が・・・。

2体のゴルドンの屍骸からは150トンの純金が取れたため、それらは全滅した室生町の復興資金に充てられたということである。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
金に目がくらんだ男役で出演しているのは、ご存じ大村千吉氏。ワイアール星人に襲われる酔っ払いやテペト星人に襲われる釣り人などで、有名バイプレイヤーである。一目見ると忘れられないお顔の俳優さんである。



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