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ウルトラマン(7) [初代マン・ドラマ1]

《第22話 地上破壊工作》を取りあげます。

監修;円谷英二
脚本;佐々木守
音楽;宮内国郎
怪獣デザイン;成田 亨
特殊技術;高野宏一
監督;実相寺昭雄

【地底人】
【地底怪獣テレスドン(鈴木邦夫)】登場


▼科特隊パリ本部の依頼で、極東支部のハヤタ隊員がパリへ派遣されることになった。任務内容は、国際宇宙開発軍のロケット操縦技術指導者であった。パリ本部から旅客機とモノレールを乗り継いでハヤタを迎えに来たのは、アンヌ隊員である。

サングラスをかけたこの女性が本当にパリのアンヌ隊員かどうか、ムラマツキャップは特殊な方法でそれを確かめるのであった。ムラマツキャップは手にしたガンを突然アンヌに向けてピカッと光らせると、アンヌは懐から自分の名を書いた金属板を差し出すのだった。

それを見たムラマツキャップは笑顔になって、うなずいた。
『本部隊員、アンヌ・モーハイムです』
『ようこそ、お待ちしておりました』

常時サングラスをかけたままのこのアンヌ隊員は、即日ハヤタと共にビートル機に乗り、パリ本部へ向かって出発した。

屋上でハヤタのビートル機を見送った四人は、その帰りがけにアラシが空にかかる真っ黒な色の虹を見つけるが、それは異変の予兆であった。部屋に戻った四人には、大変な事態が待ち構えていた。

ハヤタ機出発の知らせをしようとしても、パリ本部とつながらないのである。そればかりではない。衛星からの電波が乱れてテレビ中継が出来ない、国際電話の海底ケーブルが何等かの異常で混線したまま直らないとの情報も入ってきた。

ハヤタがアンヌ隊員と出発してから、奇妙なことが立て続けに起こったのである。キャップはイデとアラシをテレビセンターへ行かせて、もっと詳しい状況を収集するよう命じた。

テレビセンターでは、調査の結果、電離層には異常は無く、受信装置の故障でも無いのに、国内外からの電波を受けることが全くできなくなってしまっていた。これは、何者かによって電波妨害されているとしか思えないと言う結論であった。

イデとアラシは福山博士に話を聞いてみると、意外にも原因は科特隊にあるというのだった。福山博士の調査では、特捜隊ビルのある場所で最も鋭敏な反応を示していたからであった。

福山博士の言を確認するために、科特隊専用車で本部へ向かう途中、イデはハヤタとパリへ向かったはずのアンヌが歩いているのを見かけるのだった。

『おい、あれをみろ!アンヌじゃないか!ハヤタと一緒にパリへ立ったはずだが・・・』
『バカ、何を言ってるんだ。人違いだよ』
『しかしよく似ていたなぁ・・・』

イデとアラシが電波探知機を持って科特隊本部内を探し回ってみると、バリバリバリと凄い反応を示すポケットライター程の大きさの物体をふたりは発見する。福山博士に分解して調べてもらった結果、大変なことが判明した。

『恐ろしい発明です。電波を狂わせるケリチウム磁力光波を出す機械です。この大きさで東京一円の電波が妨害されるのですから・・・でも、もう回復したはずです』

早速ハヤタの乗ったビートル機と連絡を取るようフジ隊員に指示したが、連絡は依然取れなかった。こちらからの電波は出ているのだが、応答が無いという。福山博士は分解した部品の1個をピンセットでつまんで、妙な事を言うのである。

『このゲルマタント鉱石は、地下4万メートルにあると推定されている物で、まだ我々の世界では一度も使われたことが無いものです。一体だれが、これを特捜隊に・・・』

『ひょっとしたら、あの本部からきたアンヌという女が・・・、最近科特隊に足を踏み入れたのは、あの女だけでしょう?』

鋭い推理をするイデ隊員。だが、キャップもアラシも、キャップ自ら行った身分証明テストも合格しているし、他の天体にもゲルマタント鉱石がある可能性だってあると言って、宇宙人説を疑ってもアンヌ隊員を疑うことはしなかったのである。

ビートル機で宇宙パトロールから帰ってきたイデとアラシが東京近郊を飛行中に、空き地に車を停めて何かを調査しているサングラスをしたアンヌに似た女をイデは目撃する。

アラシは例によって人違いだと意に介しないが、念のためビートルを着陸させた二人は、近くまで接近してみようとする。すると、突然地鳴りがして崖崩れが起き、ふたりの存在はアンヌらしき女に知られてしまう。

急ぎ車で逃げる女を見て、アラシもイデもそれがアンヌであることを確認するのだった。そしてアンヌがいた場所には、なぜかハヤタの通信バッジが落ちていた。

本部へ帰って今日の出来事を報告したイデは、あの女は何かの目的を持って、地上の電波を妨害しにやって来たのに相違ないと推理するのだった。あのアンヌの正体を突き止めることが先決だと進言するイデに、ムラマツキャップは4人を3つの場所に分けて張り込むことを決めた。

テレビセンターに張り込んでいたイデは、そこで何かをしているアンヌを発見した。
『アンヌ隊員、そこで何をしている!ハヤタはどうした!』

ふたりはもみ合いになり、アンヌのサングラスがその勢いで外れると、アンヌの顔には両目が無かった。イデは驚いて、一瞬身体が氷付いてしまう。だが逃げる女をすぐに追いかけていく。すると、女は白色に輝く光を焚いて、怪獣テレスドンを呼んだ。

地響きを立てて地底から出現したテレスドンは、太い腕と尻尾で夜の街を破壊し始めた。イデからの連絡でアンヌはニセモノと分かり、また怪獣出現を受けて直ちにビートルが出撃した。テレスドンにナパーム弾を落とすが、テレスドンの分厚い皮膚はナパーム攻撃を持ちこたえてしまう。

ビートルのナパーム弾が底をついてしまった。口から火炎を吐いてビートルを襲うテレスドン。テレスドンの火炎攻撃にビートルはエンジンをやられ、垂直降下して地上攻撃に移るのだった。イデも、地上攻撃のキャップ、アラシ、フジと合流した。

その頃、ハヤタは・・・夢とも現(うつつ)ともつかない不思議な空間で、ベッドの上に寝かされていた。気が付いたハヤタの周りには、数人の男と一人の女が囲んでいた。

『ここはどこだ!』
『気が付いた?ハヤタ。今頃地上の世界は、メチャメチャになっているでしょう』
『地上の?・・・君はアンヌ隊員!』

ここは地下4万メートルの場所、地底人が住んでいる世界だった。アンヌに似た女がリーダーなのか、ハヤタに話しかけていた。

『我々地底人が、地球全体を征服する日が来たのよ』
『じゃあ、君は・・・』

アンヌに似た女はサングラスを取ると、両目が無かった。ハヤタを囲んで立っている男達も、サングラスを取ると両目が無かった。
『ああああ・・・(驚くハヤタ)』

『我々は、氷河期以前に地殻変動で地下に潜ってから、太陽の光を浴びる日をずっと待っていた。そして地上を破壊して、人間を奴隷にしてやるんだ!』

ウルトラマンがハヤタの変身であることを知っている地底人たちは、ハヤタに催眠マスクを着けてウルトラマンを自在に操ろうと考えた。

『君の意志を消して完全に催眠状態になった時、我々は君を思うがままに動かすことが出来るんだ。ハハハハ・・・』

地上では地底人の手先・テレスドンが地上を破壊している。そして今度は、ウルトラマンが地底人の先兵となって、地上を破壊してしまうのか!

『さぁウルトラマンになれ!そして世界を破壊するんだ!・・・フラッシュビームを焚くんだ!』
ハヤタは催眠によって、地底人たちの言う通りにフラッシュビームを焚いた。だがあまりの閃光の激しさに、地底人たちは全滅してしまうのだった。

N:【ウルトラマンは光の子であった。M78星雲からの正義の使者ウルトラマンは、たとえハヤタが意識を失っていようと、光の国のスーパーマンだったのである!】

テレスドンに立ち向かっていくウルトラマン。キック、岩石落とし、飛行機投げ、首投げ。テレスドンは地面に何度も叩きつけられ、二度と立つことは無かった。

ハヤタが科特隊本部に戻ってきた、本物のアンヌ隊員と一緒に。パリから日本へ来る途中で地底人に誘拐され、ニセのアンヌと入れ替わっていたのだ。改めて本物のアンヌ隊員と共にパリ本部へ向かうハヤタを、本部の屋上で見送るキャップたち。 (終わり)

※N:ナレーション
★★★★★★★★★★★★
今回の怪獣テレスドンは、ゴモラに匹敵するほどに強い怪獣だ。ナパーム弾が効かないのだ。鋭い口ばしのような口、厚い皮膚、そしてあの鳴き声。正統派怪獣の一つとして、エレキングに次いで好きな怪獣である。



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