仮面ライダーV3(7) [ライダーV3/ ドクトルG編]
今回は、第15話《ライダーV3 死の弱点》を取りあげます。
原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;塚田正煕
【前回までの話は・・・ ダブルライダーが残した形見にV3の弱点が記してあることを知った風見志郎は、立花藤兵衛と共に形見を探しに出かけた。だが、強敵ガマボイラーとの戦いで怪人の体液を浴びたV3はエネルギーを奪われ、さらに大幹部ドクトル・ゲーの襲撃によって、V3は滝つぼへ転落していった・・・】
◆◆ドクトル・ゲーの攻撃によって滝つぼへ落ちたV3の死体を探すデストロン戦闘員達。だが、V3は見つかっていない。立花藤兵衛も必死に志郎を探していたが、手がかりすらない。
滝つぼへ落ちたことでとどめを刺されずに逃げることができたV3だったが、最後のエネルギーまで使い果たした志郎は、水から上がって岩の上で休むのがやっとであった。
『どうしました?大丈夫ですか?』
父のいる山小屋へ向かう途中の若い女性が、瀕死の志郎を発見して声をかけた。その志郎のすぐ上の山路を登っていく藤兵衛。志郎はそれを見ていながら声が出せず、気絶してしまうのだった。
女性は志郎を見つける直前に、人相の怖い男から「負傷した若い男を見かけませんでしたか」と訊かれたので、志郎のことだと思い、狙われていると思ってじっとしていたのだ。
志郎が目を覚ますとそこは山小屋の中で、山で出会った若い女性と老齢の男性が見守っていた。
『ここは・・・』
『どんな事情があるかは知らぬが、そのままにしていた方がいい。今動くのは無理だ』
『あなたのことでしょ?さっき、気味の悪い人が探していました・・・』
『オレのことだ・・・デストロンめ!』
デストロンという言葉を聞いた娘と父親は、顔がこわばっていた。そんなことには気付かない志郎は、自分がここに居れば迷惑がかかるからと、山小屋を去ろうとする。だが、何か音がしたので、娘と父親は床にある隠しトビラを開けると、床下の倉庫へ入るよう志郎を促すのだった。
案の定、娘が峠で出会った気味の悪い男が、山小屋にやって来た。
『さっきの娘か・・・』
『何ですかな。これは私の一人娘です』
男はいろいろ訊いていたが、白を切る二人。男は「邪魔をしたな」と言って、山小屋を出ていくのだった。ジッと隠れていた志郎は、床下の倉庫の中でデストロン・マークのついた木箱を見つける。男の姿が小屋から見えなくなったのを確かめ、二人は志郎を床下から引っ張り上げた。
『教えてください。貴方は何者なんです?地下の箱にデストロンのマークが・・・』
『あれをごらんになったのですか・・・私はデストロンに捕らえられ、彼らに利用されていた者なのです』
カツラを取った姿をみた志郎は、それが原子物理学の岡島博士であることに気が付く。ある人物に救い出されて以来、人目を避けてこの山小屋に住むようになっていたのだった。
『聞いたぞ、デストロンの脱走者め。風見志郎!貴様たち!バーナーコウモリの目を誤魔化すことはできん!』
先程訪れた気味の悪い男は、バーナーコウモリの人間体であった。山小屋から去るふりをして、密かに屋根の上に隠れていたのだ。
岡島博士は、バーナーコウモリが「風見志郎」の名を呼んだ時に反応した。
『(この男が)かざみ・・・しろう・・・』
志郎は助けられた恩義を感じ、今度は自分が助ける番だと言って、傷ついた身体で立ち上がるのだった。山小屋を出て、バーナーコウモリの前に出ていく志郎。弱っている志郎は戦闘員達に対してもいつもの力が出せずに、崖から転落してしまう。
『ヤツはガマボイラーにエネルギーを奪われた身体だ。とどめを刺してやる!』
バーナーコウモリは高温の炎を口から吐いて、志郎へ迫る。志郎には変身するしか窮地を脱する方法が無い。
『へんしん・・・ブイスリー! トォーッ』
ガマボイラーの力は、長い時間は持たなかったようだ。V3は、バーナーコウモリと互角に戦えた。バーナーコウモリは当てが外れ、逃げて行くのだった。
志郎は、地図に示された問題の地点へとやって来た。
『ダブルライダーが俺に残した“秘密”の隠し場所は、確かにこの位置だが・・・』
そこに、猟銃を持った岡島博士と娘のタマミがやって来た。岡島博士は、志郎がV3の秘密を探しにやって来たことを知っていたのだ。
『探しても無駄でしょう。私を助けてくれたのは、仮面ライダー1号と2号だった。その時私は、“V3の秘密”の在りかを風見さんへ知らせてほしいと、ダブルライダーからその場所を聞かされたのです』
『それで、ダブルライダーの形見はどうしましたか?』
『私は万が一の時に、デストロンとの取引に使うつもりでいました・・・』
『博士。デストロンのやり方は解っているはずだ!勇気を出して、デストロンと戦うんです!』
志郎の話をそばで聞いていた娘のタマミも、父を説得した。
『隠した場所へ、ご案内しましょう』
志郎は、立花藤兵衛が自分を探しているかもしれないことを二人に話した。志郎を発見した時に、すぐ近くを通った藤兵衛の顔をタマミが見ていたことを話すと、タマミに藤兵衛への連絡役を頼み、志郎は岡村博士と共に形見を隠した場所へ向かった。
二人と別れてすぐに、タマミがバーナーコウモリに襲われた事に気付いた志郎と博士は、猟銃でバーナーコウモリを狙った。右肩を撃ちぬかれたバーナーコウモリは、負傷して姿を消してしまうのだった。
「ダブルライダーの形見」を隠した洞窟の中へ入り、目印の石を動かして、岡村博士は鉄製の入れ物に入った箱を見せる。志郎は、箱の中から出てきたテープレコーダに付いた片耳イヤホンを自分の左耳に入れると、スイッチを押した。
イヤホンから流れてくるV3の弱点を告げる音声は4つ。志郎は、4つ目の弱点に覚えがあった。ジシャクイノシシとの戦いで逆ダブルタイフーンを使った時、変身できるようになるまで3時間のタイムリミットが必要だったのだ。
『これがデストロンに知れたら、大変なことになる・・・』
志郎と岡島博士が洞窟から出ようとした時、洞窟が突然崩れて、後から歩いていた博士が生き埋めになってしまった。
洞窟を崩したのは、バーナーコウモリの仕業だった。早く助け出さないと空気が無くなり、博士は窒息死してしまう。志郎はこの岩を砕くには、逆ダブルタイフーンでエネルギーを放出して吹き飛ばす以外には無いと思った。
V3に変身しようとした時、バーナーコウモリが現れて襲ってきた。変身して早くバーナーコウモリを倒し、博士を救出するしかない。
だが、巨大な岩石を破壊するために逆ダブルタイフーンを使えば、3時間は変身出来ないのだ。木の枝からぶら下がり、V3を翻弄するバーナーコウモリは、口から炎を吐いてV3を苦しめる。
『そうだ、バーナーコウモリと一緒にあの岩を砕くんだ』
バーナーコウモリを洞窟付近に追い込むと、逆ダブルタイフーンでエネルギーを放出した。
『V3逆ダブルタイフーン!』
ベルトにある二つの風車が光りながら逆回転して、放出されたエネルギーがバーナーコウモリもろとも洞窟の岩石を吹き飛ばしてしまうのだった。
空気が無くなる前に、洞窟から岡島博士を助けだした志郎。こうして、V3の弱点が録音されたダブルライダーの形見は、洞窟の中で完全に埋まってしまった。志郎が岡島博士に感謝していると、タマミが立花藤兵衛を連れてきた。みんな無事であった。
『おやっさん。ダブルライダーの形見は、デストロンに知られずに済みました』
志郎の肩をポンポンと二回叩いて、喜ぶ立花藤兵衛だった。 (終わり)
★★★★★★★★★★★★
珍しい人物が登場していたこの回。岡島博士の娘・タマミ役で出演していた泉陽子氏は、かつてスポ根ドラマ・『サインはV』に泉陽子役で出演していた女性である。ジュン・サンダースの死んだあと立木大和に入ってきた選手で、身長が低いために付いたあだ名が「ミリ」であった。(我ながら、よく覚えているね!)
スポンサーリンク
原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;塚田正煕
【前回までの話は・・・ ダブルライダーが残した形見にV3の弱点が記してあることを知った風見志郎は、立花藤兵衛と共に形見を探しに出かけた。だが、強敵ガマボイラーとの戦いで怪人の体液を浴びたV3はエネルギーを奪われ、さらに大幹部ドクトル・ゲーの襲撃によって、V3は滝つぼへ転落していった・・・】
◆◆ドクトル・ゲーの攻撃によって滝つぼへ落ちたV3の死体を探すデストロン戦闘員達。だが、V3は見つかっていない。立花藤兵衛も必死に志郎を探していたが、手がかりすらない。
滝つぼへ落ちたことでとどめを刺されずに逃げることができたV3だったが、最後のエネルギーまで使い果たした志郎は、水から上がって岩の上で休むのがやっとであった。
『どうしました?大丈夫ですか?』
父のいる山小屋へ向かう途中の若い女性が、瀕死の志郎を発見して声をかけた。その志郎のすぐ上の山路を登っていく藤兵衛。志郎はそれを見ていながら声が出せず、気絶してしまうのだった。
女性は志郎を見つける直前に、人相の怖い男から「負傷した若い男を見かけませんでしたか」と訊かれたので、志郎のことだと思い、狙われていると思ってじっとしていたのだ。
志郎が目を覚ますとそこは山小屋の中で、山で出会った若い女性と老齢の男性が見守っていた。
『ここは・・・』
『どんな事情があるかは知らぬが、そのままにしていた方がいい。今動くのは無理だ』
『あなたのことでしょ?さっき、気味の悪い人が探していました・・・』
『オレのことだ・・・デストロンめ!』
デストロンという言葉を聞いた娘と父親は、顔がこわばっていた。そんなことには気付かない志郎は、自分がここに居れば迷惑がかかるからと、山小屋を去ろうとする。だが、何か音がしたので、娘と父親は床にある隠しトビラを開けると、床下の倉庫へ入るよう志郎を促すのだった。
案の定、娘が峠で出会った気味の悪い男が、山小屋にやって来た。
『さっきの娘か・・・』
『何ですかな。これは私の一人娘です』
男はいろいろ訊いていたが、白を切る二人。男は「邪魔をしたな」と言って、山小屋を出ていくのだった。ジッと隠れていた志郎は、床下の倉庫の中でデストロン・マークのついた木箱を見つける。男の姿が小屋から見えなくなったのを確かめ、二人は志郎を床下から引っ張り上げた。
『教えてください。貴方は何者なんです?地下の箱にデストロンのマークが・・・』
『あれをごらんになったのですか・・・私はデストロンに捕らえられ、彼らに利用されていた者なのです』
カツラを取った姿をみた志郎は、それが原子物理学の岡島博士であることに気が付く。ある人物に救い出されて以来、人目を避けてこの山小屋に住むようになっていたのだった。
『聞いたぞ、デストロンの脱走者め。風見志郎!貴様たち!バーナーコウモリの目を誤魔化すことはできん!』
先程訪れた気味の悪い男は、バーナーコウモリの人間体であった。山小屋から去るふりをして、密かに屋根の上に隠れていたのだ。
岡島博士は、バーナーコウモリが「風見志郎」の名を呼んだ時に反応した。
『(この男が)かざみ・・・しろう・・・』
志郎は助けられた恩義を感じ、今度は自分が助ける番だと言って、傷ついた身体で立ち上がるのだった。山小屋を出て、バーナーコウモリの前に出ていく志郎。弱っている志郎は戦闘員達に対してもいつもの力が出せずに、崖から転落してしまう。
『ヤツはガマボイラーにエネルギーを奪われた身体だ。とどめを刺してやる!』
バーナーコウモリは高温の炎を口から吐いて、志郎へ迫る。志郎には変身するしか窮地を脱する方法が無い。
『へんしん・・・ブイスリー! トォーッ』
ガマボイラーの力は、長い時間は持たなかったようだ。V3は、バーナーコウモリと互角に戦えた。バーナーコウモリは当てが外れ、逃げて行くのだった。
志郎は、地図に示された問題の地点へとやって来た。
『ダブルライダーが俺に残した“秘密”の隠し場所は、確かにこの位置だが・・・』
そこに、猟銃を持った岡島博士と娘のタマミがやって来た。岡島博士は、志郎がV3の秘密を探しにやって来たことを知っていたのだ。
『探しても無駄でしょう。私を助けてくれたのは、仮面ライダー1号と2号だった。その時私は、“V3の秘密”の在りかを風見さんへ知らせてほしいと、ダブルライダーからその場所を聞かされたのです』
『それで、ダブルライダーの形見はどうしましたか?』
『私は万が一の時に、デストロンとの取引に使うつもりでいました・・・』
『博士。デストロンのやり方は解っているはずだ!勇気を出して、デストロンと戦うんです!』
志郎の話をそばで聞いていた娘のタマミも、父を説得した。
『隠した場所へ、ご案内しましょう』
志郎は、立花藤兵衛が自分を探しているかもしれないことを二人に話した。志郎を発見した時に、すぐ近くを通った藤兵衛の顔をタマミが見ていたことを話すと、タマミに藤兵衛への連絡役を頼み、志郎は岡村博士と共に形見を隠した場所へ向かった。
二人と別れてすぐに、タマミがバーナーコウモリに襲われた事に気付いた志郎と博士は、猟銃でバーナーコウモリを狙った。右肩を撃ちぬかれたバーナーコウモリは、負傷して姿を消してしまうのだった。
「ダブルライダーの形見」を隠した洞窟の中へ入り、目印の石を動かして、岡村博士は鉄製の入れ物に入った箱を見せる。志郎は、箱の中から出てきたテープレコーダに付いた片耳イヤホンを自分の左耳に入れると、スイッチを押した。
イヤホンから流れてくるV3の弱点を告げる音声は4つ。志郎は、4つ目の弱点に覚えがあった。ジシャクイノシシとの戦いで逆ダブルタイフーンを使った時、変身できるようになるまで3時間のタイムリミットが必要だったのだ。
『これがデストロンに知れたら、大変なことになる・・・』
志郎と岡島博士が洞窟から出ようとした時、洞窟が突然崩れて、後から歩いていた博士が生き埋めになってしまった。
洞窟を崩したのは、バーナーコウモリの仕業だった。早く助け出さないと空気が無くなり、博士は窒息死してしまう。志郎はこの岩を砕くには、逆ダブルタイフーンでエネルギーを放出して吹き飛ばす以外には無いと思った。
V3に変身しようとした時、バーナーコウモリが現れて襲ってきた。変身して早くバーナーコウモリを倒し、博士を救出するしかない。
だが、巨大な岩石を破壊するために逆ダブルタイフーンを使えば、3時間は変身出来ないのだ。木の枝からぶら下がり、V3を翻弄するバーナーコウモリは、口から炎を吐いてV3を苦しめる。
『そうだ、バーナーコウモリと一緒にあの岩を砕くんだ』
バーナーコウモリを洞窟付近に追い込むと、逆ダブルタイフーンでエネルギーを放出した。
『V3逆ダブルタイフーン!』
ベルトにある二つの風車が光りながら逆回転して、放出されたエネルギーがバーナーコウモリもろとも洞窟の岩石を吹き飛ばしてしまうのだった。
空気が無くなる前に、洞窟から岡島博士を助けだした志郎。こうして、V3の弱点が録音されたダブルライダーの形見は、洞窟の中で完全に埋まってしまった。志郎が岡島博士に感謝していると、タマミが立花藤兵衛を連れてきた。みんな無事であった。
『おやっさん。ダブルライダーの形見は、デストロンに知られずに済みました』
志郎の肩をポンポンと二回叩いて、喜ぶ立花藤兵衛だった。 (終わり)
★★★★★★★★★★★★
珍しい人物が登場していたこの回。岡島博士の娘・タマミ役で出演していた泉陽子氏は、かつてスポ根ドラマ・『サインはV』に泉陽子役で出演していた女性である。ジュン・サンダースの死んだあと立木大和に入ってきた選手で、身長が低いために付いたあだ名が「ミリ」であった。(我ながら、よく覚えているね!)
スポンサーリンク
コメント 0