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ウルトラマンエース(17) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、第46話 『タイムマシンを乗り越えろ!』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗  
特殊技術;田渕吉男
監督;古川卓己
ナレーター;岸田 森

〖タイム超獣ダイダラホーシ〗 登場


◆川にかかる橋の上で、トラックが連なって渋滞している。マンションの建設ラッシュ、工場の煙突から出るばい煙、太陽が出ていい天気の昼日中、超獣ダイダラホーシはA9地点に突如出現した。

目撃者の話では、突然空から出現して、地面に下りてきたという。町を破壊して、まるで笑っているかのようなダイダラホーシの鳴き声が響く。

通報を受けたTACは、タックファルコンとタックスペースで出撃した。ミサイル攻撃を仕掛ける両機。弾は確実に超獣に当たっていた。超獣はそれを嫌がるように、突如、街中を走り出した。

小型機タックスペースがミサイル攻撃して背中に火が付いた超獣は、ものすごい勢いである地点に向かうように爆走した。超獣ダイダラホーシが着いた場所は、街はずれというよりも村であった。

そこでくるりと反転すると、後から追いかけてくるタック2機に向かって、おいでおいでをするような仕草をする超獣。ヒザを曲げジャンプした超獣ダイダラホーシは、赤い光を発して空間に消えてしまった!

『あっ、消えた!』
『あれ、やっつけたのかなぁ?』

超獣を見失った両機のパイロットたちは、そうつぶやいた。大型機ファルコンに乗っている竜隊長は、基地へ戻るようスペースに指示を出した途端、本部から通信が入った。

『こちら本部。DX地点に超獣が出現しました。現地へ急行してください』
『了解、すぐ行く』

『今ここで消えた超獣でしょうか?』
ファルコンを操縦している北斗が、隣の席の竜隊長に訊ねた。
『わからん。DX地点はここから北へ100キロもある・・・』

今ここで消えた超獣が、100キロも時空を飛び越えて出現したとは考えられない。だが相手は、超獣なのだ。何があってもおかしくはない。進路を北へ取るファルコンとスペース。予想通りというべきか、DX地点に出現したのは、さっきの消えた超獣だった。

吉村と美川を乗せたタックスペースが、ロケット弾攻撃を先に仕掛けた。すると、ダイダラホーシはまたもや猛スピードで走りだし、タックの追跡を振り切るように逃げて行く。小型機スペースが先に追い着き、ロケット弾攻撃をする。

後からファルコンも同様に攻撃して、フラフラになったダイダラホーシ。すると、またしてもジャンプして赤い光を発しながら、空間に逃げ込んでしまうのだった。

だが今度は、超獣が空間に逃げ込むタイミングとスペースが突っ込んでいくタイミングが一致して、超獣が逃げ込んだ空間に巻き込まれてしまうタックスペース。

『隊長、スペースが消えました!』
『なに!』

スペースが超獣の前に回り込んでから、見えなくなったスペース。北斗は、不時着したのではないかという。ファルコンは着陸して、スペースの捜索をすることにした。

ファルコンが着陸した場所は、足窪村という地名であった。隊長以下、北斗、山中、今野がいくら探しても、スペースが不時着した形跡を見つけることは出来なかった。すると、隊長の通信機に吉村から連絡が入るのであった。

『よしむら、吉村か?どこに居るんだ?無事なのか?』
『はい、無事です』

『どこに居るんだ?』
『判りませんが・・・恐らくここは過去です。隊長達のいる時代から何百年か昔なんです!』

超獣ダイダラホーシは、過去の世界から現代にやって来て、危なくなると過去に逃げ込んでいたようであった。吉村と美川がいる場所は、ススキが生い茂る広い場所で、周りを見渡してみても、雑木林とススキしかない。

向こうの方から、豪族のような武者が数十人やって来て、囲まれてしまった。
『アカオニだ!ダイダラホーシの手下だ。やっつけるべぇ!』
『よせ。俺たちはダイダラホーシとは関係ない!』

刀やヤリを振りかざして、ふたりに襲いかかる豪族たち。通信は切れてしまった。
『ダイダラホーシって、なんだろう?』
『富士山を一晩で造ったとか、榛名山に腰かけて利根川でスネを洗ったとかいう、伝説上の巨人だよ』

足窪村のある盆地は、「ダイダラホーシの足あと」だという言い伝えや、ダイダラホーシを祭る神社があった。あの超獣はダイダラホーシで、足窪村のあるこの場所の過去と現代の時間を、行き来しているのだろうか。吉村と美川を助ける手段は、あるのか?

春木宇宙科学研究所で、極秘にタイムマシンを製作していることを竜隊長は知っていた。その試作品が出来上がっている頃だという。

だが、研究所へ行ってみると、ウサギを乗せて5年前に送る実験をしているだけで、吉村と美川のいる数百年過去に戻るには、大変危険でしかも未解決の問題もあると、春木博士は言う。

仮にタイムマシンで過去へ行き、そこにあった小枝1本を折ったことが原因で、現在のこの世界が存在しなくなる可能性もあると説明する博士。意識的に過去の世界へ行くことは、歴史を壊すことにつながると危惧する博士であった。

なんとかして、実験中のタイムマシンを借りられるように食い下がる北斗だったが、春木博士の説明で、この方法は無理だと悟った竜隊長は、研究所を後にする。だが、竜隊長には考えがあった。

竜隊長は、タックスペースに新装備を大至急付けておくように、北斗に命令した。再び、超獣ダイダラホーシが出現した。新装備を付けたタックスペースが出撃する。新装備は、先端が矢じりのようで突き刺さると抜けない、ロープが付いた特殊ミサイルである。

超獣は足窪村のある場所から、過去の時代へ逃げようとしていることは明白だった。超獣はジャンプして、空間へ逃げようとしていた。
『今だ、撃て!』

ミサイルの先端が超獣に突き刺さり、ロープに引っ張られてタックスペースも、超獣の消えていく空間に一緒に消えていった。竜隊長と北斗を乗せたタックスペースは異空間を通過して、吉村と美川のいる奈良時代に着いた。

豪族が現れ、タックスペースの北斗たちを見て、「アカオニ」と呼んだ。過去の時代を変えること無く、吉村達を救出することが目的だ。豪族たちから馬を奪い、吉村と美川を探す竜隊長と北斗。大仏開眼供養の場所で、磔にされている吉村と美川を発見する。

村人たちは、二人をダイダラホーシの生贄(いけにえ)にしようとしている様子だ。ダイダラホーシが出現して、村人たちは退散していく。二人を助けだすなら、今がチャンスだ。だが超獣が吐いた火炎によって落馬した竜隊長は、気を失ってしまう。

北斗はこのピンチに、ウルトラマンAに変身して超獣と戦うのであった。Aとの格闘の末に、開いた両手に発生したエネルギーを凝縮して相手に投げつけるエネルギー光線を受け、大爆発するダイダラホーシ。

歴史を混乱させること無く、歴史を救ったエースは、奈良時代に迷い込んだ2機のタックスペースに気絶している3隊員を乗せ、時間の流れを飛行して20世紀の現代へと戻ってきたのである。  (終わり)


★★★★★★★★★★★★
ダイダラホーシの鳴き声は、『帰ってきたウルトラマン』に登場した台風怪獣バリケーンと同じだ。



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