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ウルトラマンエース(15) [ウルトラマンA・ドラマ2]

「ヤプールの地球総攻撃三連発」の第二弾は、第22話 『復讐鬼ヤプール』を取り上げます。

脚本;上原正三  
特殊技術;川北紘一
監督;山際永三
ナレーター;岸田 森

〖宇宙仮面〗
〖凶悪超獣ブラックサタン〗 登場


◆タックスペースで夜間パトロールをしている北斗と南の目の前を、赤い火球が落ちて行った。落下跡を旋回し、目視だけでただの隕石だと判断した二人。だが翌日、隕石落下地点付近で、重体の怪我人が出たことを知る。

TACは事故現場へ向かい、担架で運ばれていく怪我人から聞き出した「人間が・・・宇宙人になった。隕石から・・・出てきた」という言葉から、昨晩の隕石がインベーダーの宇宙船の可能性が高いと、竜隊長は判断した。

ヤプールは、地球侵略の最終手段として、宇宙仮面という名のエージェント宇宙人を送り込んだ。銀色のスーツに身を包み、顔には目鼻口らしきものは見当たらず、ちょうどアルミホイルをグジャグジャにしたようなシワだらけの顔を持つ宇宙人であった。

その日から、竜隊長はインベーダーのTAC基地侵入に備え、非常警戒網を敷いた。だが宇宙仮面は警戒厳重なTAC基地に侵入し、地下動力室に時限爆弾を仕掛けるために、次々と警備兵を殺害していった。

地下発電室への侵入警報が鳴り、A通路とB通路の二方面から、宇宙仮面を包囲する作戦に出る隊員達。B通路から迫る北斗と南は、途中で宇宙仮面と遭遇しタックガンで応戦するが、奴は身のこなしが素早い。宇宙仮面が左手首にしている珍しい形のブレスレットが、戦闘中の北斗の目を引いた。

基地を脱出しバイクで逃げていく宇宙仮面の情報が、警らパトロール中のタックパンサーに無線で入った。山中と美川の両隊員は、直ちに後を追って行く。カーブが多い夜道を、タックパンサーは猛スピードで追跡していく。

突如バイクは急停車し、バイクを降りた宇宙仮面は、闘牛士のようにタックパンサーを崖下へ念動力を使って誘導するのであった。パンサーはガードレールを突き破り転落、山中は傷を負っただけだったが、美川は呼吸をしていなかった。焦る山中は本部へ緊急連絡し、竜隊長達の乗るパンサーを呼ぶ。

竜隊長達を連れて山中が崖下の事故現場に戻ってみると、美川隊員の姿は消えていた。死んでいたはずの美川隊員を必死で探す山中。ちょうどその時、美川隊員が救急病院に搬送されたという連絡が、基地から竜隊長に入った。山中は驚きを隠せなかった。

竜隊長や山中隊員らが病室に駆けつけてみると、美川隊員が元気な笑顔を見せていた。彫刻家の坂井次郎と名乗る青年が事故現場を通りかかり、応急処置をしてくれたため助かったと美川隊員は話した。

だが、どうしても山中には不思議に思えてならなかった。その時以来、美川隊員はこの坂井青年に、好意を持つようになっていた。

それから1週間ほどした頃のこと。坂井青年が園児たちの為に、幼稚園の庭に高さ3メートルほどの超獣人形を作っていた。パトロール中の北斗と南は、偶然その園の前を通りかかったのだ。まだ完全に傷が癒えない美川隊員は、浴衣姿で坂井青年のそばで手伝いをしていた。

坂井青年からもらった犬のぬいぐるみを抱いて、浴衣姿の美川は上機嫌であった。ブラックサタンという名の超獣人形を作る坂井青年に、北斗は特に違和感もなく話かけたが、ふと坂井青年が左手首にしているブレスレットに目が行った。それはTAC基地に侵入した宇宙仮面の左手首にしていたものと、よく似ていたのだ。

北斗は脚立に登って超獣作りの手伝いを始めたが、美川隊員は本部に顔を出すようにという北斗のついたウソに、坂井青年は気付いた。北斗は、坂井青年の腕輪の件をここでは言えなかったからである。

突然、子供達が遊んでいたボールが不自然なカーブを描き美川隊員を直撃、その勢いで美川は脚立に激突してしまう。北斗は脚立から落下して、足首を捻挫してしまうのだった。

基地に戻った北斗は、美川隊員に坂井青年の腕輪の事を話した。
『何ですって?坂井さんがインベーダー?』

坂井青年からもらったぬいぐるみ・ブーワンを抱きながら、不満げな顔で聞き返す美川。
『宇宙仮面の腕輪が、彼のとそっくりなんです!』
『腕輪はアクセサリーなのよ。誰だってやってるわ!』

山中も、あの現場に坂井青年が居合わせたことが、出来過ぎに思えてならない。竜隊長は坂井青年の正体を探るために、梶技師に用意させたペンダント型測定器をみんなに見せた。首からかけておけば、体温や血液型、細胞組織などを測定することが出来るものだ。

問題は、どうやって彼にこれを付けさせるかだ。
『私がその役をやります。それで坂井さんの潔白が証明されるのなら・・・』

竜隊長は、美川隊員にすべてを託した。だがその時、坂井青年からもらった犬のぬいぐるみ・ブーワンの目がキラッと光ったことを誰も知らない。

私服に着替えた美川隊員は、お礼の気持ちだと言って、ペンダントを坂井青年の首からかけてあげるのだった。本部では、ペンダントから送られてくるデータの分析が始まった。

やがて、分析結果が出た。梶技師が叫ぶように言った。
『奴の身体は、特殊金属と合成樹脂で出来ています!』

人間でないことが判明し、直ちに竜隊長は出動命令を出したが、捻挫している北斗は待機するよう指示される。幼稚園では超獣人形が完成し、子供達の前で披露しようとする坂井青年と、笑顔でそれを手伝う美川隊員。

だが、竜隊長達が園に入ってくると、空気は一変した。
『ようこそTACの皆さん!ボクの分析結果は出ましたか?』

美川がもらったブーワン人形によって、TACの動きは筒抜けになっていたのだ。遂に正体を現そうとする坂井青年。だが美川が、TAC隊との間に入る。
『坂井さん、冗談をおっしゃっているんでしょ?あなたはインベーダーなんかじゃない!』
『美川君。残念だが、この男は地球人ではない。基地へ侵入したのも、この男だ!』

竜隊長自らそう言い、美川隊員の望みはほとんど絶たれた。だが、あきらめきれない美川。
『あなたを信じています。皆の前で潔白を証明してください!』

すると、みんなの前で、坂井青年は宇宙仮面に変身した。呆然とする美川隊員。逃げ惑う子供たち。美川の心は、傷ついていた。だがそんなことはお構いなしの宇宙仮面の超能力は、超獣人形を本物の超獣へと変身させた。

あっという間に、60メートルほどに巨大化するブラックサタン。ひとつ目で一角、口の端に生えた牙が、凶暴さを表している。

南隊員のタックアローが撃墜され、足を引きずりながら北斗は出撃しようとする。すると北斗を狙って、何者かが発砲して来た。それは犬のぬいぐるみ・ブーワンだった。口の中に仕込まれた弾丸が、北斗を狙った。とっさに北斗は身をかわし、タックガンでブーワンを破壊した。

足を引きずりタックアローで出撃した北斗だが、撃墜されてしまう。脱出して地上に待機していた夕子は、撃墜された北斗機に駆け寄って行く。
『星司さーん!』
『夕子!』

リングが光り、ウルトラマンA登場!指先からミサイル弾を連射するブラックサタンから、側転して逃げるエース。エースのカラータイマーが点滅を始めピンチに陥った時、美川隊員は小型ショットガンを持って、宇宙仮面を探していた。

ビルの屋上でブラックサタンに指令を出す宇宙仮面を発見した美川隊員。
『坂井さん!』
後ろから声をかけられ、振りむいた瞬間にショットガンが火を噴いた。絶叫してビルから落ちて行く宇宙仮面。

指令者を失ったブラックサタンは、戦闘能力が半減した。エースは自分を避雷針にして、落ちてきたカミナリを敵に落とすウルトラサンダーで、ブラックサタンを火だるまにしてしまうのだった。

戦いが終わり、破壊された宇宙仮面の屍骸を眺める美川隊員を、南隊員が優しく背中を押しながら帰っていく。もはや美川隊員の心の中に、坂井青年の面影は無い。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
前回は竜隊長メインの話であったが、今回は美川隊員メインの話と言える。美川隊員役の西恵子氏もお美しい。白いミニスカートがよく似合う素敵な女性だ。前回ゲスト出演した三景順子氏とは、また別の美しさがある。少し幼さが残る乙女の三景氏、大人の女性の西氏って感じ。



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