SSブログ

ウルトラマンエース(14) [ウルトラマンA・ドラマ2]

今回は、特別企画「ヤプールの地球総攻撃三連発」と題して、地球侵略をかけて最終攻撃を仕掛けるヤプール人の話3本をお送りします。
第一弾は、第21話 『天女の幻を見た!』を取り上げます。

脚本;石堂淑朗  
特殊技術;川北紘一
監督;山際永三
ナレーター;岸田 森

〖乙女座の精アプラサ〗
〖天女超獣アプラサール〗 登場


◆TACの竜五郎隊長の自宅に、まだ早朝6時前だというのに訪問客があった。しかも年齢は20代前半位で、とても美しい女性である。水色のガウンを着て玄関の扉を開けた竜隊長は、とても驚いた。つい今し方目覚める直前まで夢で見ていた美しい天女の顔立ちに、その女性の顔がそっくりであったからだ。

『こんなに朝早くから、どうしました?』
『私をお手伝いに、雇っていただけないでしょうか』

『私は独り者だから、お手伝いさんはいらないんだよ』
『ぜひお願いします。隊長さんの所で働きたいんです!』

『私の事をどこで聞いたの?TACという仕事の特殊性から私の住まいは秘密になっているんだけど、誰に聞いたの?』
『私は、ずっと前から知っていました・・・』

竜隊長がTACの隊長であることや秘密にしている自宅の住所を誰に聞いたのか尋ねても、前から知っていたとしか言わない女性。

女性は竜隊長に食い下がって必死に頼んでみるが、仮にお手伝いが必要だとしても、身元の判らない者を雇う訳にはいかないと竜隊長が言うと、女性は下を向いて肩を落とした。
『私、来てはいけない所に、来てしまったんですね・・・』

女性は涙を浮かべ、あきらめて立ち去って行くのだった。とても悲しそうなそのうしろ姿がなんとなく気になる竜隊長だった。その朝TAC基地に出勤してきた竜隊長に、乙女座の周辺にある星雲が大爆発を起こしてエネルギーの大変動があったという情報が入る。

竜隊長は、乙女という言葉にひっかけて、早朝にあった美しい訪問者の話をするのだった。部下たちに半分からかわれる隊長だったが、このことがこれから起こる事件を解決に導くカギになろうとは・・・。

犬に咆えられているところをシンイチ青年に助けてもらったのが縁で、竜隊長宅を去った女性はシンイチ青年の家でお手伝いとして雇ってもらえることになった。家族全員が別荘に行ってしまい、一人で留守番していたシンイチ青年は、こんなに美しい女性がお手伝いさんになってくれたことに、天にも昇る心地であった。

だが、TACの隊長に断られた話を聞いて、シンイチ青年は激怒した。
『身元なんか訊かなくたって、一目見ればわかるはずなのに・・・けしからんなTACの隊長は!』
笑顔のカワイイその女性にベタ惚れのシンイチ青年は、隊長への怒りを隠せないでいた。

その頃TACでは、東京のある地区にだけ異変をキャッチしていた。周りの地区よりもそこだけ異常に気温が低い。それに、テレビやラジオの電波の入りが良くないという通報もあった。タックパンサーでパトロール中だった北斗と南は、低温地帯の中心部である家へ向かっていた。

すると中から出てきたのはシンイチ青年で、北斗が何も言わないうちから、TACには協力しないという。
『おごり昂るようなTACの隊長は、嫌いなんだ!』
TACの隊員服を着ているというだけで、追い返されてしまう北斗と南。

帰り際にふたりは、窓ぎわに立って北斗と南をみている美しい女性を見かける。女性はTACに対しおびえている様子だったので、シンイチは追い返したから心配しないようにと言って、女性を安心させようとした。女性は、そっとシンイチに聞いた。

『TACの人、何か言ってましたか?』
『失礼な奴らだ。この辺りに異常があるなんて言うんだ!』

本部に帰った北斗と南は、異常低温地域の中心部に住む青年が、なぜだか隊長を憎悪していることを、竜隊長に報告した。
『私の事を嫌っている青年・・・どんな恨みを買ったのか、さっぱりわからんな・・・』

その家の窓から二人を見つめていたきれいな女性がいたこと、近所の人の話から、そのようなきれいな女性はその家に住んでいないことも、調査し報告した。竜隊長はこの情報から、今朝方、自宅を訪問して来た女性のことを思い出していた。

気になるのは、その女性がどうして秘密の自宅を知り得たのかということだった。それに、その女性の顔が、夢で見た天女と瓜二つであったことも・・・。竜隊長は、自分を憎悪しているという青年に会ってみることにした。

シンイチ青年の家の前に立った竜隊長に、青年の自宅屋根に登った女性の両目から、いきなりレーザー光線が発射された。素早く身をかわす隊長、レーザーは鉄の門扉を黒く焼いた。次の瞬間、女性は姿を消していた。やはりあの女性だった!だがこれで、あの女性が人間でないことが分かった。

シンイチ青年は、竜隊長が自分を探しに来たことを女性から聞くと、門扉の前に立っている竜隊長に暴言を吐いて追い返そうとするのだった。竜隊長が、女性の正体が人間でないと話しても、聞く耳を持たないシンイチ青年。

隊長が本部へ帰ってみると、あの青年の家付近に大量の宇宙線が集中して降り注いでいることが、測定により判明していた。

夜になり、寝室にいく女性アプラサ。鏡の前で天女の姿になったアプラサに語り掛けるのは、ヤプール人だった。

『乙女座が爆発した時に、乙女座の精であるお前は我々に助けられ、地球に逃げてこられたのだ。さぁ天女アプラサよ、今度は私に恩返しするときだ!地球を滅ぼせ!ハハハハ』
『それは、約束が違います。そんな約束なら、私、乙女座と共に死んだ方がよかったのです。地球を、人間を愛してます!』

だがアプラサは、すでにヤプール人に身体をあやつられていた。鏡を見ながら泣くアプラサ。その声を聞いてシンイチは扉をあけると、目の前には美しい天女の姿の女性がいた。心が躍り、明日あの女性に結婚を申し込もうと決意するシンイチ。

だがアプラサは自分が自分で無くなりつつあることを感じ、シンイチに逃げる様に言って扉を閉めてしまう。鏡の中の顔が、徐々に怪物に変化していく天女アプラサ。悲鳴を1つ上げるたびに変化していくアプラサの顔は、いつしか巨大な超獣アプラサールとなって、シンイチの家を破壊した。

密かにシンイチの家の周囲をパトロールしていた山中、美川ら4人は、アプラサールの出現で逃げてきたシンイチを安全な場所まで誘導すると、地上から攻撃を開始した。基地からは、隊長がタックアロー、北斗・南がタックスペースで出撃した。

超獣アプラサールは宇宙線の合成物質で実体が無いため、ミサイル弾もレーザーも効果が無いのだ。頭部の6枚の羽根から怪光を発して、町を破壊するアプラサ―ル。竜隊長は、腹部の羽衣を突っ切ってアプラサールの体内への突入を試みた。

そしてアプラサールの体内で、竜隊長はあの女性、天女アプラサの声を聞いた。
『違います。これはみんな、ヤプールの仕業なのです。私は乙女座の精なのです・・・』

竜隊長機を援護射撃していた北斗と南のタックスペースは、アプラサールの長く伸びた羽衣に捕まってしまう。エンジンが焼き切れるほど出力を一杯にしたが、もう逃げられない。二人は脱出して、ウルトラマンエースに!

アプラサールの腹部に引っかかっている隊長機を救出したエースだが、アプラサールは自身を実体の無い状態に変化させた。ガイコツのような顔のアプラサールを捕まえようとするが、エースの手の平は空を切るだけだ。

そこでエースは両手を合わせて、その先から敵の実体を見極めるガスを噴射した。天女アプラサが叫ぶ。
『ウルトラマンA、ヤプールが私に送っているエネルギーを断って下さい!』

エースが両腕を広げて出した虹色光線がアプラサールの上に覆いかぶさり、ヤプールからのエネルギーを断ったアプラサールは、巨大な美しい天女アプラサの姿へと戻った。

エースは、天女アプラサを白鳥座へ連れていくことにした。シンイチに笑顔をみせると、エースの後を追って羽衣を揺らしながら、静かに上昇していく天女アプラサ。遠く去って行く天女を見て号泣するシンイチに、竜隊長はそっとささやく。
『君、これは夏の夜の夢なんだよ・・・』  (おわり)


★★★★★★★★★★★★
天女アプラサ役の美景順子氏は、本当にお美しい。美景氏の天女姿は、本当に天女がいたらきっとこんな感じかもと思わせるチャーミングさがあると思う。号泣するシンイチ青年の気持ちがよく分かるなぁ。このアプラサ役がテレビデビューとのことである。その後、時代劇を中心に瞳順子の名で、ご活躍されている。特撮では「白獅子仮面」で大岡越前の妹役でご出演しているが、これもジャンルは「時代劇」になるね。


スポンサーリンク



nice!(34)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 34

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました