マグマ大使(6-3) [マグマ大使・ドラマ2]
今回は、第39話『怪獣グラニアただ今出現』を取りあげます。
原作:手塚治虫
音楽;山本直純
脚本;高久 進
特殊造型;照井 栄
監督;船床定男
特技監督;小嶋伸介
〖毒ガス怪獣サソギラス〗
〖破壊怪獣グラニア〗 登場
【前回までの話は…
謎の組織MM団によって、盗まれた3個の水爆は、国際スクランブルのミサイル島にあることが、ガムとマモルの活躍で判明した。直ちにミサイル島へ上陸したスクランブル隊を待っていたのは、MM団の包囲網だった。敵に上陸した場所と時間が、どうして判ってしまったのか・・・】
◆マグマ大使によって、毒ガス怪獣サソギラスは倒された。だが、新手の怪獣グラニアが出現し、マグマ大使を襲い始めた。水爆の起爆装置を外しにいってから、戻ってくるのが遅いと感じる海老名隊長達。
倉庫で水爆1個の起爆装置を外した矢沢副隊長とマモルとガムはハルヒマン達に包囲され、倉庫から動けないでいた。マモルは必死にマグマ大使を笛で呼ぶが、グラニアと戦うマグマ大使はマモルのもとへ行くことが出来なかった。
矢沢副隊長は、起爆装置をマモルに持たせて海老名隊長達のもとへ行かせることにした。矢沢とガムの援護射撃によってハルヒマン達の攻撃をかいくぐりながら、村上達の元へ走るマモル。
だが、死んだはずのサソギラスの尻尾が動いて、マモルに向かって赤い毒ガスを吹きかけた。マグマ大使はサソギラスの頭部をキックして、完全に息の根を止めるのだった。
死ぬほどの毒ガスを浴びたわけでは無いが、マモルは白痴(はくち;著しく知能が劣ること、または人)のようになってしまう。自宅へ戻っても、幼い子供のようにプラモデルで遊んではしゃぐマモルを見て、母のトモ子は将来を悲観するばかりだった。
国際スクランブルの研究所でサソギラスの毒ガスを分析した結果、毒ガスの有効時間は48時間程しかないことが解っていた。それなのに、もう4日以上もマモルの症状は良くなっていない。
『誰かが、マモル君の所へ毒ガスを運んでいるに違いない』
矢沢副隊長はそう言うと、決してあきらめてはいけないと、母トモ子を慰める。マモルの部屋へ行くと、マモルが小瓶のニオイを嗅いでいるのを村上は見つける。村上がそれを取りあげると、マモルは急に怒り出すのだった。
『返せ!ボクの毒ガスだ!』
やはり、毒ガスを運んでいる者がいたのだ。『今夜一晩、マモル君に水も食事も与えないことです。禁断症状を通りこせば、マモル君は必ず治ります』
矢沢にすべてを託す村上とトモ子。一晩、禁断症状のマモルと二人で過ごし、症状が峠を越えたマモルは疲れ切って寝てしまった。朝が来れば、マモルは元の身体に戻っていることだろう。
怪獣サソギラスの毒ガスを浴びた人間たちに、ハルヒマンの送りこんだスパイ・X26号が、小瓶に入れた毒ガスを密かに渡していたのだ。この小瓶で、毒ガスを浴びた人間を麻薬患者のように操ることができるのだ。一方、ゴアの円盤内では、ゴアがハルヒマンに次の作戦を説明していた。
水爆の起爆装置にリモートコントロール装置を取り付け、東京のある場所に隠しておく。その場所に怪獣グラニアを出現させてマグマ大使をおびき寄せ水爆を爆発させれば、マグマ大使とてひとたまりもないだろう。水爆を爆発させるスイッチは、ゴアが握るのだ。
その水爆を爆発させるリモコン装置を取り付ける役は、国際スクランブルの矢沢にやらせるとゴアは言う。そう仕向けるために、ハルヒマンは矢沢の一人娘を誘拐した。娘のマユミを痛めつけて、矢沢にいうことをきかせようと企むハルヒマン。
翌朝、村上家に矢沢宛の電話がかかってくる。その電話を取り次いだ矢沢の顔色が変わり、急いで村上家を出ていく矢沢。先程まで村上家にいた娘のマユミが、MM団に誘拐されてしまったのだ。娘の命を助けるために、矢沢はハルヒマンの回した車に乗って行く。
目を覚ましたマモルは、矢沢のおかげですっかり元通りに戻っていた。大喜びする母トモ子と村上。毒ガスの小瓶を毎朝持ってくる人物の名前をマモルに訊ね、それを聞いて驚く村上と海老名隊長。
『あのね、NPIのジョージ・山口さん』
ジョージ・山口は、MM団のスパイだったのだ。あの時、ミサイル島に上陸した国際スクランブル隊がMM団に囲まれたのは、この男を通じて情報が筒抜けだったからだ。
村上は直ぐに木田へ電話してJ・山口がスパイであることを話すと、それを部屋の入口で偶然聞いていたJ・山口は自分の正体がバレたことを知り、一目散に逃げだした。
車でスパイX26号を尾行していた村上、マモルと海老名隊長は、国会議事堂付近に止めてあるJ・山口の車を発見するのだった。
『この辺りに、奴らの隠れ家があるに違いない』
だが、すぐ近くに破壊怪獣グラニアが現れ、国会議事堂を破壊して暴れ回っていた。ミサイルや熱線でグラニアを攻撃するロケット・マグマとガム。マグマ大使は人間型に変身すると、グラニアに立ち向かっていった。
水爆がすぐ横に置いてある部屋の中で、縛られている矢沢と娘マユミを置き去りにして、ハルヒマン達は飛行機で日本を脱出すると言って逃げ去った。
娘を人質に取られ、水爆に起爆リモコン装置を取り付けた矢沢だったが、細工を施しておいた。先端のツマミを回せば、リモコン装置がすぐに外れる様になっていたのだ。
ゴアはマグマ大使が出てきたので、グラニアを地下に潜らせると、起爆スイッチを押した。カウント爆発60秒前。矢沢は水爆の先端にあるリモコン装置を後ろ手で外し、何とか爆発5秒前に水爆本体から切り離すことに成功。しかし、その時の電源装置の小爆発で致命傷を負ってしまう。
爆発音に気付いた村上達は、その部屋を見つけて瀕死の矢沢とマユミを発見する。だが、瀕死の矢沢は最後の力を振り絞って、マユミに言伝てをした。
『あと一個の水爆の回収を頼む』
マユミからそう言伝てされた村上達は、矢沢の最期を見届けるのであった。
『マモル。命の恩人である矢沢さんの、男の顔をよく覚えておけ!そして、どんなに苦しいことがあっても、矢沢さんの顔を思い出して頑張るんだ!』
父村上にそう言われ、泣いていたマモルは、矢沢の顔をしっかりと目に焼き付けておくのだった。 (つづく)
★★★★★★★★★★★★
国会議事堂を破壊した怪獣は、過去にいただろうか?初代か二代目のゴジラが破壊したかもしれないが、ウルトラシリーズでは、国会議事堂を壊した怪獣はいないのではないか。さすがはピープロである。やることが大胆である。
ストップゴンが東大寺の大仏殿を破壊して、仏教界から苦情が来たという話もある。国会議事堂を破壊したいという国民の怒りは、今の与党政治を見ている限り、当時よりも今の方がずっと強いのではないだろうか!
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原作:手塚治虫
音楽;山本直純
脚本;高久 進
特殊造型;照井 栄
監督;船床定男
特技監督;小嶋伸介
〖毒ガス怪獣サソギラス〗
〖破壊怪獣グラニア〗 登場
【前回までの話は…
謎の組織MM団によって、盗まれた3個の水爆は、国際スクランブルのミサイル島にあることが、ガムとマモルの活躍で判明した。直ちにミサイル島へ上陸したスクランブル隊を待っていたのは、MM団の包囲網だった。敵に上陸した場所と時間が、どうして判ってしまったのか・・・】
◆マグマ大使によって、毒ガス怪獣サソギラスは倒された。だが、新手の怪獣グラニアが出現し、マグマ大使を襲い始めた。水爆の起爆装置を外しにいってから、戻ってくるのが遅いと感じる海老名隊長達。
倉庫で水爆1個の起爆装置を外した矢沢副隊長とマモルとガムはハルヒマン達に包囲され、倉庫から動けないでいた。マモルは必死にマグマ大使を笛で呼ぶが、グラニアと戦うマグマ大使はマモルのもとへ行くことが出来なかった。
矢沢副隊長は、起爆装置をマモルに持たせて海老名隊長達のもとへ行かせることにした。矢沢とガムの援護射撃によってハルヒマン達の攻撃をかいくぐりながら、村上達の元へ走るマモル。
だが、死んだはずのサソギラスの尻尾が動いて、マモルに向かって赤い毒ガスを吹きかけた。マグマ大使はサソギラスの頭部をキックして、完全に息の根を止めるのだった。
死ぬほどの毒ガスを浴びたわけでは無いが、マモルは白痴(はくち;著しく知能が劣ること、または人)のようになってしまう。自宅へ戻っても、幼い子供のようにプラモデルで遊んではしゃぐマモルを見て、母のトモ子は将来を悲観するばかりだった。
国際スクランブルの研究所でサソギラスの毒ガスを分析した結果、毒ガスの有効時間は48時間程しかないことが解っていた。それなのに、もう4日以上もマモルの症状は良くなっていない。
『誰かが、マモル君の所へ毒ガスを運んでいるに違いない』
矢沢副隊長はそう言うと、決してあきらめてはいけないと、母トモ子を慰める。マモルの部屋へ行くと、マモルが小瓶のニオイを嗅いでいるのを村上は見つける。村上がそれを取りあげると、マモルは急に怒り出すのだった。
『返せ!ボクの毒ガスだ!』
やはり、毒ガスを運んでいる者がいたのだ。『今夜一晩、マモル君に水も食事も与えないことです。禁断症状を通りこせば、マモル君は必ず治ります』
矢沢にすべてを託す村上とトモ子。一晩、禁断症状のマモルと二人で過ごし、症状が峠を越えたマモルは疲れ切って寝てしまった。朝が来れば、マモルは元の身体に戻っていることだろう。
怪獣サソギラスの毒ガスを浴びた人間たちに、ハルヒマンの送りこんだスパイ・X26号が、小瓶に入れた毒ガスを密かに渡していたのだ。この小瓶で、毒ガスを浴びた人間を麻薬患者のように操ることができるのだ。一方、ゴアの円盤内では、ゴアがハルヒマンに次の作戦を説明していた。
水爆の起爆装置にリモートコントロール装置を取り付け、東京のある場所に隠しておく。その場所に怪獣グラニアを出現させてマグマ大使をおびき寄せ水爆を爆発させれば、マグマ大使とてひとたまりもないだろう。水爆を爆発させるスイッチは、ゴアが握るのだ。
その水爆を爆発させるリモコン装置を取り付ける役は、国際スクランブルの矢沢にやらせるとゴアは言う。そう仕向けるために、ハルヒマンは矢沢の一人娘を誘拐した。娘のマユミを痛めつけて、矢沢にいうことをきかせようと企むハルヒマン。
翌朝、村上家に矢沢宛の電話がかかってくる。その電話を取り次いだ矢沢の顔色が変わり、急いで村上家を出ていく矢沢。先程まで村上家にいた娘のマユミが、MM団に誘拐されてしまったのだ。娘の命を助けるために、矢沢はハルヒマンの回した車に乗って行く。
目を覚ましたマモルは、矢沢のおかげですっかり元通りに戻っていた。大喜びする母トモ子と村上。毒ガスの小瓶を毎朝持ってくる人物の名前をマモルに訊ね、それを聞いて驚く村上と海老名隊長。
『あのね、NPIのジョージ・山口さん』
ジョージ・山口は、MM団のスパイだったのだ。あの時、ミサイル島に上陸した国際スクランブル隊がMM団に囲まれたのは、この男を通じて情報が筒抜けだったからだ。
村上は直ぐに木田へ電話してJ・山口がスパイであることを話すと、それを部屋の入口で偶然聞いていたJ・山口は自分の正体がバレたことを知り、一目散に逃げだした。
車でスパイX26号を尾行していた村上、マモルと海老名隊長は、国会議事堂付近に止めてあるJ・山口の車を発見するのだった。
『この辺りに、奴らの隠れ家があるに違いない』
だが、すぐ近くに破壊怪獣グラニアが現れ、国会議事堂を破壊して暴れ回っていた。ミサイルや熱線でグラニアを攻撃するロケット・マグマとガム。マグマ大使は人間型に変身すると、グラニアに立ち向かっていった。
水爆がすぐ横に置いてある部屋の中で、縛られている矢沢と娘マユミを置き去りにして、ハルヒマン達は飛行機で日本を脱出すると言って逃げ去った。
娘を人質に取られ、水爆に起爆リモコン装置を取り付けた矢沢だったが、細工を施しておいた。先端のツマミを回せば、リモコン装置がすぐに外れる様になっていたのだ。
ゴアはマグマ大使が出てきたので、グラニアを地下に潜らせると、起爆スイッチを押した。カウント爆発60秒前。矢沢は水爆の先端にあるリモコン装置を後ろ手で外し、何とか爆発5秒前に水爆本体から切り離すことに成功。しかし、その時の電源装置の小爆発で致命傷を負ってしまう。
爆発音に気付いた村上達は、その部屋を見つけて瀕死の矢沢とマユミを発見する。だが、瀕死の矢沢は最後の力を振り絞って、マユミに言伝てをした。
『あと一個の水爆の回収を頼む』
マユミからそう言伝てされた村上達は、矢沢の最期を見届けるのであった。
『マモル。命の恩人である矢沢さんの、男の顔をよく覚えておけ!そして、どんなに苦しいことがあっても、矢沢さんの顔を思い出して頑張るんだ!』
父村上にそう言われ、泣いていたマモルは、矢沢の顔をしっかりと目に焼き付けておくのだった。 (つづく)
★★★★★★★★★★★★
国会議事堂を破壊した怪獣は、過去にいただろうか?初代か二代目のゴジラが破壊したかもしれないが、ウルトラシリーズでは、国会議事堂を壊した怪獣はいないのではないか。さすがはピープロである。やることが大胆である。
ストップゴンが東大寺の大仏殿を破壊して、仏教界から苦情が来たという話もある。国会議事堂を破壊したいという国民の怒りは、今の与党政治を見ている限り、当時よりも今の方がずっと強いのではないだろうか!
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いつも楽しみにしております。
アイアンキングで、怪獣ロボット(独立幻野党が滅びる回です)が番組の冒頭で国会議事堂に向けてミサイルを撃つ場面があります。
アイアンキングがすんでの所でキャッチするんですけどね。
国会議事堂を壊すシーンがある特撮番組があるとは、知りませんでした。
by 弦の字 (2016-04-08 01:25)