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マグマ大使(4-1) [マグマ大使・ドラマ2]

今回は、第29話『マグマ大使と自由の女神』を取りあげます。 

 原作:手塚治虫 
 音楽;山本直純
 脚本;石堂淑朗
 特殊造型;照井 栄   
 監督;船床定男
 特技監督;小嶋伸介

〖テラバーデン〗登場


◆NPI通信社ニューヨーク支社に出張している記者の村上は、ビルの窓からゴアの円盤が飛行しているのを見つける。円盤は、自由の女神像やエンパイヤ・ステートビルを次々と破壊していく。

村上は東京の木田記者へ電話をしてこの状況を知らせ、ニューヨークにマグマ大使を呼ぶように依頼した。村上家へ集まった木田記者はマモルにマグマ大使を呼ぶように言うと、マモルはまずガムを呼びだして事情を説明した。

火山島へ戻ったガムはアースに事情を説明して、マグマ大使と共にニューヨークへ飛んで行った。ニューヨークの街を破壊していくゴアの円盤に近づいて行くロケット・マグマとロケット・ガム。だが、ゴアの円盤はマグマたちを見ると、何もせずに逃げて行くのだった。

このことを疑問に思ったマグマは火山島へ帰りアースに報告したが、アースとしてもゴアの本心がどこにあるのか、見当がつきかねていた。

マモルの所へ行ったガムは、すぐに木田記者からニューヨークの件でお礼を言われたが、ゴアが何もせずに逃げて行ったことが気になるのだと、ガムはマモルと木田へ話すのだった。

箱根のある温泉地区で、泊り客が10人も消えてしまうという事件が発生していた。村上家にいた木田記者にその情報が電話でもたらされると、木田はすぐに箱根へ車で向かった。

ホテルの支配人に取材をしてみると、いなくなった客たちは誰も帰宅していないことが確認されている。そして、客がいなくなっているのはこのホテルだけではなく、同じ地区の数軒の宿屋で数人がいなくなっていることがわかったのである。

ホテルの番頭の話から、客は温泉に浸かった後に消息不明になっていることが、さらに判明するのであった。だが、温泉に入った客のすべてが消えてしまったわけではない。疑いは深まる一方であった。

そんな時、番頭の話で、ここの温泉の湯は飲料できるという話を聞く木田。取材中に番頭は、温泉をコップに1杯飲んでみせた。木田はニオイを嫌って飲まなかったのだが、そのあと、番頭の態度が一変してしまう。

明日の捜索に木田も加わるという話をした途端、
『そんなことをしても、無駄だ!』
と言うと、木田を殴ったあとに番頭はどこかへ姿を消してしまうのだった。

翌日、ホテルの支配人と木田は、地元消防団と共に大涌谷(おおわくだに)付近で消えてしまった泊まり客を捜索して回った。あれから番頭も姿を見せないことから、「温泉を飲んだ客達が姿を消した」という仮定が成立するのである。

その確証を得るため、木田記者は温泉の湯を持ち返って分析することにした。だがその様子を、岩陰からじっと見ている男3人がいた。その中には消えた番頭の顔もあった。

東京へ向かう木田記者の車の前に、あの番頭を含む3人の男達の乗る車が立ちはだかり、拳銃で脅して木田を拉致しようとした。だが、気になることがあって日本の上空を絶えず飛び回っていたマグマ大使に、3人は追い払われてしまう。木田は難を逃れた。

『ワタシには判っている。ゴアの仕業なのだ。だがワタシは、攻撃されなければ攻めることはしない。それがアース様のお云いつけなのです』

宇宙化学研究所へ温泉の湯を持ち込んだ木田記者は、そこで上川博士から大変なことを聞いた。
『あの湯の中には、「ザムザ元素」と言う太陽系には存在しない元素が大量に含まれている。グレゴール星にあることがスペクトル分析で判ってはいるのだが、これが体内に入ると宇宙に飛び交うあらゆる電磁波をキャッチすることができるようになるんだよ・・・』

つまり、湯を飲んだ人間に電磁波を送り、自由に操ることが出来るというわけなのだ。
『ゴアだ!やはりゴアのしわざだ!』
『木田君、どうしてザムザ元素が、この地球に、それも箱根の温泉にあるんだろう?・・・』

こうして、ゴアと箱根の温泉との間に何か関係があるのではないかと、木田は疑い始めた。また、危機一髪だった木田を助けてくれたマグマ大使は、きっと何か知っているのではないかと、木田は思った。

だが、ゴアはアメリカのニューヨークを再び襲ってきたと、村上から木田に国際電話がかかってきた。木田はマモルに話して、マグマ大使とガムを呼んでもらう。そこでマグマは木田へ尋ねた。

『いつかの温泉のこと、何か判りましたか?』
『マグマ大使、あの中には未だかつて地球では発見されたことの無い「ザムザ元素」が含まれているそうです』

マグマ大使は、「温泉の事が気になる」というひと言を残して、ニューヨークのゴアを追って行った。一方、木田記者とマモルとガムの3人は、もうもうと湯煙の上がる箱根の大涌谷へ、消えた温泉客たちを再度探すために訪れていた。だが、地鳴りと共に巨大な四つ足の怪獣テラバーデンが、岩を砕いて出現した・・・。 (つづく)


★★★★★★★★★★★★
『マグマ大使』の制作は、ご存じ「ピープロダクション」である。60年代から70年代にかけて、フジテレビでアニメ・特撮番組を数多く制作した。主な作品として『スペクトルマン(宇宙猿人ゴリ)』『快傑ライオン丸』『電人ザボーガー』など。通称「ピープロ」。

代表の鷺巣富雄(さぎす・とみお)社長の個性を反映した会社で、その業務内容は多岐にわたり、特殊効果映像の制作請負会社としての側面も強い。他の特撮番組とは異なる独特の雰囲気を有しており、今なおカルト的な人気を誇っている。


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