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人造人間キカイダー・キカイダー01の世界を撮影した男!(1) ~撮影・相原義晴氏 [キカイダー対談・2]

1960年に東映テレビプロダクションに入社し、撮影助手のチーフとして第一歩を歩む。大学時代から新東宝の現場に入って撮影の仕事にタッチしていた関係で、入ってすぐチーフとして始められたそうである。5年後に千葉真一主演のテレビ映画作品で、撮影者に昇格している。


★★★★★★★★★★★★
聞き手;
「千葉真一さん主演の格闘物、『くらやみ五段』ですよね」

相原氏;
「そう。で、千葉ちゃんとはね、その前に『アラーの使者』で顔を合わせてて、結構古い付き合いなんです。『アラーの使者』の頃は、監督の近藤さんが武蔵境に住んでいて、撮影日は武蔵境駅から現場まで、車で送ってもらっていたんです。必ず千葉ちゃんもその車に乗ってて。

というのも、当時千葉ちゃんは近藤監督のところによく寝泊まりをするくらい可愛がられていて。それでいつも3人で現場に行ってて、個人的に結構親しく付き合っていたんですよ」

聞き手;
「そうだったんですか。その流れで『人造人間キカイダー』に携わることに?」

相原氏;
「そうですね。どちらかと言えば、僕は子供向け番組は少ないんですよ。ずっと大人向けの番組をやってて、その合間を縫って子供向け番組も撮って。『キカイダー』と『01』も、たまたまボクの所に回ってきたということです」

聞き手;
「特に印象に残るエピソードがありましたら、お聞かせいただけないでしょうか」

相原氏;
「『01』でビジンダーというキャラクターが登場した回です。この時は埼玉県の荒川河川敷でロケーションしたんだけれども、マリ役の志穂美悦子さんが当時JAC(ジャパン・アクション・クラブ)に所属していたでしょう。

それで当日、千葉ちゃんをはじめJACのメンバーが志穂美さんを盛り上げようと河川敷に駆けつけたんですよ。ああした方がいい、こうした方がいいと、千葉ちゃんがまるで親のように世話を焼いていたのをよく覚えていますね」

聞き手;
「キカイダーの頃は地方ロケが多かったと思うんですが、どこか思い出に残っている場所はありますか?」

相原氏;
「何の話だったか、富士山ろくに行ったときのことはよく憶えてます(これは第28、29話)。監督が永野靖忠という、日大の同期でね。もう故人になってしまったんだけど。その永野ちゃんと、朝霧高原のほうだったかな~撮っていて。これが冬でものすごく寒くてね。

朝からの撮影だったんだけど、特に冷え込んだ日で、途中でしるこを作ろうという話になって。話を切り出した永野ちゃんが甘党だったんだよ。それが昼前で、午後には甘酒を作ってね。それを飲みながら撮影をしていた記憶がありますね」

聞き手;
「当時のご苦労が窺い知れるエピソードですね」

相原氏;
「何しろ、毎度同じような流れで撮影しているものだから、記憶が混じったり残らなかったりして、あまり覚えてないんですよ(笑)どこか地方ロケにとなれば、よみうりランド、鴨川シーワールド、南紀とか、決まっていく所もあったからね」 

聞き手;
「『01』以降になりますと、子供番組はどのあたりをやられていたのでしょうか?」

相原氏;
「そのあとは『ロボット110番』(77年)とか『バトルフィーバーJ』(79年)あたりですね。僕は東映で21年間ずっと撮影を務めていたんですが、『バトルフィーバーJ』はその最後の時期に参加した作品で、撮影中にセットから落下して」

聞き手;
「えっ、そうだったんですか!」

相原氏;
「カメラを持たずに、カメラ位置とか様子を見るために上がったんですよ。下には役者からスタッフからみんないる。ロープ1本で上がったんですけどね。バランスを崩して落っこちて。下はコンクリート。それで脊髄と腰椎を、圧迫骨折して(苦笑)」

聞き手;
「それはかなりマズい状態だったんじゃないですか?」

相原氏;
「うん。救急車で運ばれて。入院は半年くらいで済んだけど、リハビリにもう半年かかって、約1年休職したんです。でも、落っこち方が良かったみたいでね。左足の踵(かかと)から着地して、腰、背中と打って、体を丸めていた様なので頭は打たずに済んだ」
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
富士山ろくで撮影した思い出の回とは、第28話『赤子を泣かすアカオニオコゼ!』と第29話『カイメングリーンは三度甦る』である。28話は、荒木博士が完成させた完全なる良心回路の設計図が、博士の娘・タエ子の赤ん坊のお守りに隠されていることをダークは知る。

アカオニオコゼにタエ子は襲われ、偶然見つけた女物の赤い靴に設計図を隠して、投げ捨ててしまう。29話では、マサルがその赤い靴を拾って履いていた為、カイメングリーンに狙われる羽目になってしまう。

行く先々に現れるカイメングリーンに、逃げる拍子にマサルの赤い靴は脱げてしまい、カイメングリーンは火炎でその靴を焼いてしまうのだった。かくして、完全な良心回路の設計図は、誰の手にも渡らずに失われてしまう。



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