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ウルトラQ(9) ~「真っ白なさざめ竹の花が咲くと災いがおこる」。古くからの言い伝えどおり、怪獣パゴスが出現する [ウルトラQ・ドラマ]

今回は第18話『虹の卵』を取り上げます。

監修;円谷英二
脚本;山田正弘
特殊技術;有川貞昌
監督;飯島敏宏

◆季節は夏。爽やかな青空の下、小学生たち8人で組織した「たんぽぽ団」の団長で最年長のピー子は、大好きなおばあちゃんを喜ばせようと、団員達と竹林に来てタケノコ探しを始めた。団員達に指示を出すピー子は、タケノコを探していて竹に咲く白い花を見つける。

タケノコを届けに行った時、帽子に刺していた白い竹の花を見たおばあちゃんの顔は曇る。悪い事が起こるの?と尋ねるピー子に、おばあちゃんは思わずウソをついてしまう。
『古くからの言い伝えで、この白い竹の花と虹の卵をみつけると、何でも願い事が叶うんですよ・・・』

ピー子は、おばあちゃんの両脚が不自由であることをいつも気にしていた。団員の一人が言う。
『虹の卵を見つけて、おばあちゃんの脚を直してもらいましょうよ!』

子供達は、早速虹の卵を探しに出かけ、あっという間にいなくなってしまった。おばあちゃんが話した虹の卵とは、虹を見た子供の心の中に生まれる美しい卵のことだから、人の目には見えないのだ。

おばあちゃんは、竹の花は不吉の前兆であることを言わず、ウソを言ったことを後悔し、子供達のことを心配した。

昨夜、濃縮ウランを積んだトラックが原子力発電所に向けて出発し、あともう少しというところで、崖崩れのためにトラックは道路をふさがれてしまう。崩落した崖の中から咆哮と共に怪獣パゴスが出現して、トラックと運転手たちは襲われて道路の下へ転落してしまう。

パゴスは姿を消し、空には金色の虹が出ていた。星川航空の万城目と一平、記者の江戸川由利子は、行方不明のウラン輸送車を見つけるために、ヘリコプターで捜索をしていた。空からの捜索で運転手二人を発見し、病院に搬送する。

病院で事故の様子を取材していた由利子達は、運転手から“金色の虹”を見たという証言を聞く。突然地震が発生してすぐに収まったが、由利子は窓の外に“金色の虹”を目撃する。万城目は、数年前北京郊外の地底から出現し原子力発電所を襲ったパゴスの事を、由利子に話し始める。

そして、パゴスが吐く分子構造破壊光線が、人の目には金色の虹に見えるということを、ニュートロン研究の権威・糸魚川博士の報告にあるという話をする。

原子力発電所に集まった万城目達と糸魚川博士は、屋上から見える金色の虹を双眼鏡で確認する。北京の時と同じように、パゴスは原子力発電所を襲うつもりだと糸魚川博士は確信する。予想どおり、パゴスは原子力発電所へ向かって進んでいく。

すでに対パゴス対策用のネオ・ニュートロンミサイルは手配してあるが、到着まで30分はかかる。その頃、パゴスの出現地点からそう遠くない所で、「虹の卵」を見つけるピー子。これは昨夜から行方不明になっていた濃縮ウランカプセルなのだが、小学生のピー子にはそれが分らない。

おばあちゃんから聞いた話で、すっかり虹の卵だと思い込んでいるピー子は、大好きなおばあちゃんの両脚を治すために、必死に引っ張って持ち帰ろうとする。

パゴスは分子破壊光線を吐きながら、じりじりと原子力発電所に迫ってくる。ネオ・ニュートロンミサイルは到着した。だが、博士には心配事が一つある。トラックと共に行方不明になった濃縮ウランカプセルだ。ミサイルはパゴスには有効であるが、ウランカプセルがこの高原のどこかにある。

もし誘爆したら大変な被害を出してしまう。誘爆が怖い為、むやみに攻撃はできない。だが怪獣パゴスは、すぐそこまで迫ってきている。そんな時、たんぽぽ団の子供たちがやって来て攻撃をやめろという。話を聞くと、高原のどこかでピー子が大きな虹の卵を引っ張っているという。

万城目達は、それがウランカプセルに違いないと直感でそう思い、上空から少女とウランカプセルの位置を確認するため、ヘリコプターで飛んだ。
『あ、いたぞ。谷間に入っているから安全だ』

怪獣パゴスと少女の距離は、およそ1500メートルはある。糸魚川博士はその報告を聞き、ネオ・ニュートロンミサイル攻撃を決行する。

2本のミサイルがパゴスの上空で爆発し、粉塵のような薬剤が降り注ぐと、パゴスは凍りついたように硬直し、身体にひび割れが入って粉々に粉砕された。空にあった金色の虹が消えていく。

ウランカプセルを幸福の虹の卵だと思い込んでいるピー子は、おばあちゃんの所へ持ち帰ろうと小さい身体で懸命に引っ張っている。
『危ないピー子ちゃん、これは虹の卵じゃないんだよ!!』
『虹の卵よ!これでおばあちゃんの脚を、治してもらうの』

すると、向こうから子供たちに車椅子を押されて、駆けつけてくるおばあちゃんの姿が・・・。事件を知って、ピー子のことが心配だったおばあちゃんは、ピー子の無事な姿を見て、思わず車椅子から降りて立っていた。一歩、一歩、歩みを進めて、ピー子と抱き合うおばあちゃん。

由利子は、笑顔でこう言った。
『淳ちゃん、やっぱりこれ、虹の卵だったのよ!』 (おわり)


★★★★★★★★★★★★
ウラン輸送トラックの運転手の役は、ウルトラセブンでマナベ参謀を演じた宮川洋一氏。パゴスを演じるのは、中島春雄氏である。パゴスの頭部と尻尾は、ピアノ線で釣られているのが、大きな画面で見ると解ってしまうね。この作品は、飯島敏宏監督のウルトラQ監督デビュー作だそうである。



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