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ウルトラセブン(18)  ~『この人は奥さんじゃない、宇宙人が変身してるんだ!』 [ウルトラセブン・ドラマ2]

今回は、第47話『あなたはだぁれ?』を取り上げます。
 監修;円谷英二  
 脚本;上原正三  
 監督;安藤達己
 特殊技術;的場 徹

◆サラリーマンの佐藤さんは、午前様で帰宅した。タクシーを降りた時、時刻は午前2時を回っていた。交番の前を通り“5の1佐藤”、確かに自分の家に帰った。ところが、自分の妻と子供に知らないと言われ、冷たくされて家に入れてもらえなかった。お向かいの山田さん宅を訪問するも、無視されてしまう。

しかたなく交番まで戻り、顔なじみの警官に様子がおかしいと話しても、取り合ってくれない。山田さんや自治委員の林さんも交番に集まってくるが、みんなが佐藤さんの事を知らないと言う。佐藤さんはタクシーを降りた後の自分の行動について、もう一度よく考えてみた。

多少の酒は飲んでいたが・・・間違いなく自宅に帰った。そう確信した時、アパートの陰から自分を見つめる何者かがいることに気付く。不安に思った佐藤さんは、真上を飛行するウルトラホークをみて、防衛軍に電話をかけた。

ところが、電話を受けたフルハシ隊員は家庭のいざこざと勘違いして、まったく取り合ってくれない。後ろから迫る3人のフック星人を見て、恐怖のあまり気絶してしまう佐藤さん。

ダンは、フルハシが応対した電話の録音テープを再生してみる。会話の後ろで聞こえていた高周波音が気になるダン。
『入った情報は、目で確かめる。そうでしたね!』

キリヤマ隊長は、ダンとフルハシにK地区にあるふくろう団地の調査を命じた。翌日、警官、失踪した佐藤さんの妻、山田さんたちに、昨夜の録音テープを聞かせて事情を聞くフルハシとダン。
『佐藤さんは夕べ家へ帰ってないんだ。だが電話では家へ帰ったと言っている。しかも奥さんと息子さんには知らないと言われているんだ』

昨夜は佐藤さんに声をかけられなかったと警官が証言したことからも、佐藤さんは自宅へ帰ってないと推測するフルハシ。だが、録音テープから聞こえたあの高周波音と、K地区でとらえた音とがよく似ていることから、佐藤さんは昨夜遅くこの場所にいたに違いないと思うダン。

本部へ帰ったダンは、キリヤマ隊長にそのように報告する。夜を待って「K地区のふくろう団地」へ潜入する指令が、ダンとフルハシに出された。

建設中の団地の工事作業員に変装したフルハシとダン。腕時計を見ると、午前1時半を回っている。と、ダンの目が異変をキャッチした。団地が動いて地下へもぐっていくのが見える。そして、替わりの団地が地下から上ってきて、元通りの風景になっていく。

ダンに促されフルハシは双眼鏡で覗いてみるが、フルハシの目には何も変わっていないように見える。人間の目には見えない仕掛けがしてあることを知るダン。

突然、正体不明の作業服の男たちに襲われるフルハシとダン。鉄棒を持って襲う男たち。ミキサー車で引き殺そうとする男もいる。格闘の末、男たちを撃退させると、マンホールを降りて地下へと向かうフルハシとダン。地下深くもぐった所に広がる巨大な団地。

『あれが、いわゆる地球人団地ですよ。周囲の風景はホログラフィー、つまりレンズのいらない立体写真です。これを張り巡らして、建物を動かすわけです』

ダン達が地下通路を歩いていると、壁の向こうから高周波音がする。ダンが壁を押してみると、隠しトビラになっていて、その向こう側には行方不明の佐藤さんがカプセルに閉じ込められて立っていた。

カプセルが開いて、佐藤さんは目を覚ます。
『ここはどこなんだ・・・?』
『宇宙人にさらわれてきたんですよ!佐藤さん』

3人が脱出しようとした時、左側の隠しトビラが回転して佐藤さんの妻が現れた。右側の隠しトビラからは警官と自治委員の林さんが現れた。
『この人は奥さんじゃない、宇宙人が変身してるんだ!』

フック星人は夜行性のため、夜しか活動しない。まもなくフック星からの武器の搬入が終了すれば地球侵略を開始する、と告げる佐藤さんの妻の姿のフック星人。
『全隊員に告ぐ。攻撃態勢に入れ!』

高笑いをしながら隠しトビラの向こうへ消えていき、不気味なフック星人の姿になって戻ってくる佐藤さんの妻、警官、林。

フック星人は3人に向けて白煙を噴射すると、フルハシと佐藤さんは固まって動かなくなってしまった。身をかがめて白煙を浴びなかったダンは、ウルトラアイを着眼してウルトラセブンに変身した。

フルハシ、佐藤さんの二人を手のひらに乗せて巨大化したセブンは、ふたりを安全な場所に置くと、3人のフック星人達に向かっていった。意識を取り戻したフルハシと佐藤さんは、とりあえず安全な場所まで逃げることにした。

だが妻と子供を助けようとして、佐藤さんは再び地下の団地へ行こうとしていたので、フルハシは自分がウルトラ警備隊であることを告げ、通信機になっている靴のかかとを使って、本部へ応援要請をした。

フック星人の企みを阻止するためにウルトラホーク1号と3号が出撃すると、ふくろう団地の地下からは、それを迎え撃つかのようにピンポン玉のようなフック星人の宇宙船群が多数出現して、ウルトラホークとの間で空中戦が始まる。ウルトラホークは強く、次々とフックの宇宙船群を撃墜していく。

一方、忍者のように変幻自在に動き回るフック星人達に、翻弄されてしまうセブン。幻惑され意識が遠退いていくのをこらえたセブンは、全身から青白い閃光を発して明るさに弱いフック星人の動きを封じると、スリーワイドショット光線を放って3人のフック星人を消滅させてしまう。

こうして、ウルトラセブンと2機のウルトラホークの活躍によって、フック星人の地球侵略は阻止されたのであった。

翌朝、佐藤さんをポインター号で送るU警備隊員達。今度は大丈夫だと言いながら、となりの佐藤さん宅に帰ってしまい、焦る佐藤さんをみんなで笑うウルトラ警備隊員達だった。 (終わり)


★★★★★★★★★★★★
チーフ助監督を務めていた安藤達己氏の監督昇格作品である。その後、怪奇大作戦、チビラくん、トリプルファイターやファイヤーマンといった円谷作品で、監督を多数務める。たいへん残念なことに、2013年2月に他界されている。ブログ「アンヌのひとりごと」で、この辺のことがひし美ゆり子氏によって書かれてます。

今回は『ウルトラマン』でムラマツキャップ役の小林昭二氏が、事件に巻き込まれる。小林昭二氏がこの作品にゲスト出演した事で、黒部 進氏以外のウルトラマンのレギュラーは、すべてセブンに出演したことになるという。

筆者は、このエピソードが『明日を捜せ』の次に、好きである。

改めて、安藤達己氏のご冥福をお祈りいたします。合掌


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