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ウルトラセブン(17)  ~『クラタ、ホークが危ないぞ!』  『生きてたら、また会おうぜ!』 [ウルトラセブン・ドラマ2]

今回は、第35話『月世界の戦慄』を取り上げます。
監修;円谷英二  
脚本;市川森一  
監督;鈴木俊継
特殊技術;高野宏一

◆地球防衛軍の月基地が突然爆発事故を起こし、地球とステーションV3から、それぞれ事故調査隊を派遣することになった。地球からはキリヤマ隊長とモロボシ隊員が、ステーションV3からはクラタ隊長とシラハマ隊員が、それぞれ調査に向かうことになった。

出発に先立ち、ダン隊員はウルトラホーク1号の計器類チェックを念入りに行い、事故につながるような異常は無かったため、ホーク1号は月へ向けて出発した。ステーションホークに連絡をとるキリヤマ隊長。

『こちらホーク1号。クラタ、一緒に宇宙へ出るのは、3年前、ヘルメス惑星のザンパ星人を全滅させた、あれ以来だな』
『あの時の戦いに比べれば楽な仕事だ。ハハハハ』

集合地点の確認をする、キリヤマ隊長とクラタ隊長。
『チコ山ドームの通信室。調査時間は2時間。それ以上遅れると、零下180度の月の夜が待ってるからな、ハハハハ』

だが、地球の引力圏を脱出してしばらくすると、キリヤマ隊長が体調不良を訴えだした。ダンは薬品を取りに後部座席に向かい、キリヤマ隊長は気を紛らわせるためにタバコを吸おうとして、ライターの火をつけた。すると、ライターの炎が大きく燃えだした。
『酸素だ!ダン、早く酸素の流出を止めるんダ!』

隊長の言う通り、機内の酸素量を調節する空気調節器のコックが大きく開いていた。急いでコックを閉めるダン。変だ、確かにこのコックは点検した。キリヤマ隊長が怒る。
『出発前に、なぜもっとよく点検しなかったんだ、ダン!』
『隊長!(ボクは確かに点検しました)』

次々におこる不具合。加速管が故障して推進することができなくなった。無線機も故障して作戦室と連絡不能になり、救援も呼べなくなってしまった。ダンを疑うキリヤマ隊長。
『この中には、二人しかいないぞ・・・』

仕方なく補助ロケットで月へと進むホーク1号。一方、作戦室ではホーク1号との連絡が途絶えたため、ステーションホークのクラタ隊長に連絡した。うしろの席にいるシラハマに向かって、ホーク1号が連絡を絶ったことを言うと、心配だと言いながらもニヤリとするシラハマ隊員。

シラハマ隊員の左手には、最近開発したという遠隔指示器があった。ステーション内で先日も、これを使って、誰も手を触れずにコーヒーポットがカップにコーヒーを注ぐ、というパフォーマンスをしてみせたばかりだった。クラタ隊長お気に入りのシラハマ隊員の発明品である。

やがてクラタ機は、月の引力圏に突入した。一方、気まずい雰囲気のホーク1号の操縦席。そんな中でダンは、通信妨害の原因となっている超音波を逆探知して、それがクラタ機から発信されていることを突き止め、キリヤマ隊長に報告する。

だが、その超音波のためにクラタ機とも連絡が取れない。どうやらキリヤマ隊長は、ホーク1号の不具合とクラタ機から出ている超音波が関係あるものと考え始めていた。

クラタ機は先に事故現場に到着し、シラハマと共に原因調査を始めていた。廃墟となった現場で、シラハマがクラタ隊長の背中の酸素ボンベ管をはずそうとするのを、壁に映る影をみて気づくクラタ。シラハマと格闘になり、シラハマの酸素ボンベ管が外れてしまう。だが生きているシラハマ。
『お前の部下のシラハマなら、2日前に死んでいるよ』

自分の正体を話しだすシラハマ。3年前の戦闘の生き残りのザンパ星人で、クラタとキリヤマに復讐する機会を狙っていたという。シラハマの手には遠隔指示器があり、下手なことはできない。そこに遅れてキリヤマとダンが現れた。

再会を喜ぶキリヤマとクラタ。だがダンもキリヤマも、クラタの様子がおかしいことに気付いていた。腰にレーザーガンが無く、シラハマの手にある妙な機械。
『隊長、ホークの故障の原因が、今判りましたよ・・・』
『ハハハ、私にも判ったよ』

そういうとキリヤマもダンも、レーザーガンを素早く抜いてシラハマに向ける。ヘルメットを脱いで、醜い正体を現すザンパ星人。レーザーガンで頭部を攻撃されザンパ星人は死ぬが、同時に大きな揺れが起きる。

3人は瓦礫が落ちてくる事故現場から抜け出ると、そのすぐ先には巨大なダンゴを重ねたような姿の怪獣ペテロがいた。ペテロは破壊光線で月の断崖を破壊しながら、進んでくる。どうやら月基地を破壊したのは、この怪獣のようだ。

あの破壊光線でホークを破壊されてはマズい。キリヤマとクラタは、破壊される前に、ホークを発進させねばならない。
『クラタ、ホークが危ないぞ!』
『生きてたら、また会おうぜ!』

そう言うと、クラタとキリヤマは、互いの右ひじを軽く曲げてパン!とハイタッチすると、互いの無事を願って別れた。キリヤマとダンは別行動して、ホーク1号で合流する。その途中、ダンはセブンに変身して、ペテロに立ち向かった。

固い身体のペテロにはパンチが効かない。闘いのさなか、月の夜がやって来た。零下180度の月の夜は、寒さに弱いセブンのエネルギーを著しく消耗させた。額のビームランプが点滅して、エネルギーの減少を教える。

とその時、轟音とともに大きな隕石が降って来て月面に激突、大爆発をおこした。セブンはその熱エネルギーを胸のプロテクターで吸収して体力を回復すると、宇宙最大の必殺武器ワイドショットをペテロに炸裂させた。ペテロは大爆発をおこして死んだ。

先にホーク1号に着いたキリヤマ隊長は、ダンがなかなか戻らないことにいら立っていた。探しに行こうとしたその時、ダンが帰ってきた。ダンの無事を、両肩をたたいて喜ぶキリヤマ隊長。ホーク1号はすぐに離陸した。

先に離陸して月の引力圏を脱出していたクラタ隊長機が、なかなか飛んでこないホーク1号を心配して引き返してきた。すれ違うホーク1号とステーションホーク。
『クラタさん、月に忘れモンですか? ハハハハ』
『野郎!』

クラタ隊長の顔がほころんでいた。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
月の南半球側にあるチコ山という山の噴火口の中に、防衛軍がドーム型の基地を建設中であった。この基地が怪獣ペテロのために、破壊されてしまうという設定。台本では、月へはホーク2号で出動することになっている。


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