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レインボーマン(17) ~シェイクスピアの舞台で演じるような気持ちで演ってたね(俳優/長沢 大氏)その1 [レインボーマンこぼれ話2]

大変申し訳ないが、筆者は長沢大(ながさわ・だい)氏について、ほとんど存じ上げない。レインボーマンのドクターボーグ役の俳優さん位しか知らない。ところがプロフィールを調べると、ものすごい数の特撮番組にご出演されている。しかもご本人は現役だ。年齢は不詳だが、70代であると思われる。2013年に話題になった「半沢直樹」にもご出演されたらしい。長沢演劇グループ代表として若手俳優の育成をするばかりでなく、ご本人も俳優として、舞台、ラジオ、テレビなどジャンルを問わず第一線でご活躍されている。
では、どうぞ。


長沢氏;
「水谷君は同じ劇団(劇団NLT)のずっと後輩で、面倒を見ていた。『金メダルへのターン』(79年)の時も、彼が出るって話を聞いて。僕は途中から出てくる鬼監督みたいな役でね。『愛の戦士レインボーマン』も彼がレインボーマンを演っていることは聞いていて、「水谷、頑張ってるな」なんて思ってた。

他の番組で国際放映に行くと、アイツがターバンみたいの巻いたあの恰好で、恥ずかしそうにして歩いているんですよ(微笑)。「おう、水谷頑張れよ!」って言ったら、「ハイッ!」なんて言ってね。まさかそれに、自分が出るとは思ってなかったんだけどね」

聞き手;
「そうだったんですか」

長沢氏;
「うん。水谷君は文学座の研究生からこっち(NLT)に入ってきたときは、初々しくってねぇ。清々しい印象もあって、『おっ』と思ったね。あの頃、新劇って変に役者にアクがあったけど、水谷はもう“若さの象徴”みたいな感じで、芝居をするのが楽しくてしょうがないといった風だった。

アクがないっていうのか、素直な芝居してたし、アドバイスすると、それも一所懸命に素直に受け止めて。なんだか、すごくかわいがってたんだよ。で、彼も『長沢さん、長沢さん』て、寄って来てくれたからね。しかし、ああいう役者は今いないね」

聞き手;
「そうですね。それで、長沢さんがこの作品にご出演されることになったのは、どういった経緯で?」

長沢氏;
「東宝の野口光一さんていうプロデューサーが、チョコチョコうちの劇団の芝居を見に来てくれていて、水谷君と同じ劇団だし、長沢さんが良いんじゃないかっていうことで、『金メダル~』の鬼監督をやったんですよ。それでまぁ、『レインボーマン』もきっかけは野口さん。

『金メダル~』からの流れだったんだと思いますよ。しかし、なんであのドクターボーグは、俺に演らしたのかね~(笑) 『水谷君が出てる“レインボーマン”で、今度なんとかっていう科学者が出てくるから、長沢さん演ってね』と、マネージャーから言われて。普通の科学者だと思ってましたからね(微笑)

『じゃあ、水谷君と一緒に仕事できるんだナ』くらいの軽い気持ちでした。衣装合わせとカツラ合わせに行ってビックリ仰天!あの金髪のカツラがあるじゃないですか・・・。え、それ俺が被るの?!って(笑)」 

聞き手;
「普通、科学者と言われてドクターボーグのようなイメージは湧いてきませんよね(笑) 演じるにあたって、苦労した点は?」

長沢氏;
「あのカツラでやらなきゃならないっていう時に、最初は抵抗ありましたけどね。ドクターボーグは、シェイクスピアの舞台で演じるような気持ちで演ってましたよ。おちゃらけでやると、できないんです。本当に大真面目にやって。

それと、あの物語中でドクターボーグが軍部に自分の女房と子供を殺されるっていう、何か物凄いテーマ性を感じてね。あれが無かったら、不要な役になっちゃうんだけど。そういうのがあったからこそ、あそこまで入れ込んで演じられたんだと思いますよ。

最期に死んだ女房を抱きかかえながら墓場に向かうシーンがあるんだけど、あれなんかシェイクスピアの『オセロ』じゃないけど、そんな感じで演ってたね。そうやって演らないと出来ないと思うんだよね」 

(つづく)


★★★★★★★★★★★★
役者ってすごいなぁ、と思う。台本を読んで書かれている状況・世界を想像して、その人の気持ちになって演技をするわけで。棒読みな人というのは、想像力が不足しているということなんだろうな、きっと。 だが、言うは易し、成すは難し。



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