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帰ってきたウルトラマン(47) ~円谷スタッフが語る「新マン」秘話7 [帰ってきたウルトラマンこぼれ話2]

プロデューサー、監督、カメラマンらが語る、『帰ってきたウルトラマン』の秘話が続出。いろいろなこぼれ話も多数あり!

第7回は、円谷プロの脚本家として金城哲夫氏とともに初期のウルトラシリーズを支えてきた、上原正三氏です。金城氏と同郷の沖縄県出身。氏のシナリオは、金城氏がそうであったように、沖縄が背負ってきたものを色濃く反映しているとも言われています。

『ウルトラQ』の第21話「宇宙指令M774」でテレビライターとしてデビューを果たし、『ウルトラセブン』ではメインライターの金城氏が他番組に力を注ぎだしたため、途中から金城氏に代わって、故・市川森一氏と共に多くの脚本を書き上げました。金城氏が円谷プロを退社したのと同時に、上原氏も退社、フリーの脚本家となりました。

1971年4月に放映開始された『帰ってきたウルトラマン』ではメインライターを務め、第二期ウルトラシリーズの礎を築き、次の『ウルトラマンA』にも引き続き参加、『ウルトラマンタロウ』初期でシリーズを離れます。


★★★★★★★★★★★★
『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』は金城しか成し得ない完成した世界ですし、パターン的にもやり尽してますから、橋本さんとの打ち合わせで少し変化を持たせようということで、ウルトラマン自身が成長するスポ根的なものと、視聴者に身近なウルトラマンの群像を捉えることをコンセプトにしました。

タイトルの「帰ってきた」というのもたいへんシンプルな発想で、初代マンもセブンもみんなM78星雲に帰っちゃっているから、もう一度地球に返そうということと、ウルトラマンのシンプルさを取り戻したらということで、あのタイトルになりました。

主人公の郷秀樹の名前は、ボクがつけました。由来というのはありませんが、郷というのは「地球に密着したふるさと(郷)」、秀樹は「秀でた樹が育つ」というイメージで付けましたね。

当初は初代ウルトラマンが再登場するという設定で、非常にシンプルに行こうということだったんですけど、ひとつのキャラクターに対する思い入れがみなさんすごく強かったし、どうせやるなら新しいものにした方がいいということになったんです。マーチャンダイジングの関係もあったんでしょうね。

変身のアイデアは、話し合いの中から出たものです。精神的な気持ちの高まりというか、なにか小道具を使ってどこででも変身できるということじゃ無くて、そこには変身するだけの高まりとか煮詰まりという、精神のエネルギーみたいなものが必要なんじゃないのかと。

それに耐えるだけの強さみたいなものがあって、初めてウルトラマンが誕生するんだというね。作品の中では、変身後のウルトラマンの姿じゃなくて、そこに至る郷秀樹の心理的な格闘というか、たとえウルトラマンが登場せずともドラマとして通用するというところを目指しました。

それが逆に言えば、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』と比べると徹底していない、つまりウルトラマンになりきってないんじゃないか、という悲観はあると思いますよ。それはそのとおりで、あえてそれを避けたわけですから、作品の進化の過程では仕方のないことと思います。(つづく)



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